ひとり山歩き475 : 横川から廃・資材運搬道路を利用して瓢箪峠に登り、鹿又岳まで雪庇歩きを楽しんで尾ケ倉沢右岸尾根を下りました。最近の降雨により雪はかなり融けてしまったようです。
瓢箪峠〜鹿又岳(1817
2012年4月25日(水) 曇り
1行程   写真
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 鹿又岳  瓢箪峠  廃・資材運搬路  尾ケ倉沢右岸尾根
自宅(23:10) = Jobsおじか(1:20/1:30) − 廃・資材運搬路ゲート(2:30) − 廃・資材運搬路崩落地(3:00) − 廃・資材運搬路山腹トラバース開始地点(4:20) − トラバース終了地点(ワカン装着)(5:50/6:05) − 瓢箪峠(大佐飛山登山口含む)(7:35/8:15) − 標高点1717(8:40) − 標高点1758(9:25) − 鹿又岳(10:45/11:05) − 下降開始地点(尾ケ倉沢右岸尾根派生地点)(11:30) − 標高点1484(13:10/13:20) − 標高点1176(14:30) − 下山地点(尾ケ倉橋付近)(15:45) − Jobsおじか(16:35/16:50) = 自宅(19:40)

2 自宅 − Jobsおじか
 06年に横川から瓢箪峠に登り、4月7日に男鹿岳、4月18日に大佐飛山あるいは4月26日に鹿又岳と男鹿山塊の残雪歩きを楽しんだ。とりわけ4月26日の瓢箪峠への登りは雪がよく締まっていて、アイゼンをカリカリ利かせながら快適に歩いた記憶が残っている。その時の快適な歩きを再現すべく、横川から廃・資材運搬路、男鹿岳〜鹿又岳稜線の西斜面を歩いて瓢箪峠に登り、その日のコンディション(身体雪質、天候等)次第で、男鹿岳、大佐飛山あるいは鹿又岳へと歩ける準備を整えた。
 最近のの降雨とその後の高気温で雪の締りが良くない可能性がある。少しでも気温の低い早朝に高度を稼げるように、いつもに増して早く家を出発した。昨晩も雨が降ったようで、今市市街に入ると路面が濡れていた。当然ながらJobsおじかのゲート前に着くまでに雪の痕跡も見かけなかった。起床時の室温21度、出発時の屋外温度16度、Jobsおじかで10度、しかも天気予報どおり曇り空で、気が重い。

3 瓢箪峠へ  最近の降雨と高気温により積雪は少なかった  暗いうちに廃・林道を何度かロスト 瓢箪峠西側の斜面歩きはたいしたくろうはなくほぼ予想時間で到達
 塩那道路建設時に資材を運び上げるために瓢箪峠まで林道を敷設した。正式名称は知らないが、資材運搬路と仮称する。現在は廃道になっているので、廃・資材運搬路(以後は廃・林道と仮称)とする。この廃・林道は過去に何度も歩いているからヘッデンの明るさで充分。男鹿橋、紅藤橋、放牧場A、B、C団地入口、尾ケ倉橋を通過してゆく。歩き始めてちょうど一時間で男鹿林道と廃・資材運搬路分岐に達した。右手のゲートをすり抜けて廃・林道へと進む。ゲートから20分ほどで白滝沢の枝沢を踝程度で渡渉する(以前はここに朽木橋を補修した木橋があり、軽トラ程度は渡れたのだが、撤去してしまった)。更に10分ほどで左手の立木に「山葵無断採取禁止」の表示版を見ると、廃・林道は崩落場所に達して廃・林道は消えてしまう。暗い時に崩落斜面を通るのは危険なので、作業道で白滝沢に下り枝沢を渡渉し、廃・林道に復帰した。
 少しばかり進むと、廃・林道にしておかしいと気付き斜面を強引に30メートルばかり登ると見覚えのある石垣を残す廃・林道に復帰出来た。その後も二三度廃・林道から小さく外れたが、すぐに復帰できた。いつもなら少なくとも道端に雪を見るのだが、今日は痕跡すら見ることがない。枝沢の朽木橋を上流側で渡ると、初めて残雪が現れた。いつもなら残雪に残る足跡をたどって行くのだが、藪や沢状の水流で道筋を探しながらの歩きで少しばかり苦戦。標高1150を過ぎると残雪が連続して道筋が明瞭になった。いつもなら残るトレースも雨で消されてしまったのか、今日一日全く見かけることはなかった。廃・林道が山腹を大きくトラバース開始地点に達した。
 以降は連続して積雪しているトラバース道を南に登り、折り返して北に進んでゆく。この北進部分は4、5箇所で斜面化していた。踏み込めば踝まで足元が沈むので、危険という感じはなかった。06年4月26日には凍結していて、滑落を恐れて直登したのだが、一日しか違わないのだが、年が変わると大違い。廃・林道なりに登り詰めたトラバース終了地点で、気温上昇による踏み抜き対策でワカンを装着し、合わせてエネルギーを補給する。
 前回はトラバースの中間折り返し地点付近から傾斜のゆるい南側を歩いて標高点1717の南鞍部に達したが、今日はトラバース終了地点から傾斜のよりきつい北側を歩き瓢箪峠を直接目指すことにした。どこでも歩ける状態なので、適当に山襞の谷の部分を拾いながら登ってゆく。途中からは急斜面に取付き、再び浅い溝を歩くと歩き易いことが判明した。地形図を調べると、瓢箪峠の西側に浅い谷筋があることが判明した。ここを登れば案外楽ができるのではと、低い尾根を乗り越してその谷筋に方向転換した。予想通り浅い谷(沢かも)筋で、障害物はなく登ることに専心出来た。やがて平坦地に達し、更に少しばかり進み笹薮を突破すると、瓢箪峠に達した。スペースハウスと呼ばれる作業小屋は50メートルほど右(南)に見えているが、これからの行き先を決めるために、少しばかり斜面化した塩那道路沿いに大佐飛山登山口に進んだ。
 06年4月26日に大佐飛山をピストンした時は、登山口を6:35に出発した。Jobs男鹿からの所要時間は同じだが、前回の出発時間は一時間進んでいた。大佐飛山往復に約6時間、瓢箪峠からJobsおじかまでの下山時間は約5時間、計算通りなら明るいうちに駐車地に戻れそう。前提としては、前回のように雪が締まっていてワカンなしで踏み抜きもなしだ。ワカンを脱いで少し歩いてい様子を見ることにした。今回は全然トレースがなく、登山口付近は踝近くまで足が沈む。これから気温が一層高くなり、足元が重くなりそう。この6年での脚力の衰えも考慮して大佐飛山は諦めて登山口に戻った。男鹿岳は09年4月11日にも行っているので、鹿又岳からまだ通ったことのない尾ケ倉沢右岸尾根を下ることにして瓢箪峠の作業小屋(作業休憩所兼仮眠所かも)に戻る。

4 瓢箪峠 − 鹿又岳  稜線には積雪は連続  塩那道路はまだ斜面化していて歩きづらい  ガス模様で福島側の山並みを楽しむkとができなかった標高点1758への稜線
 06年4月26日にはごく一部を除いては稜線沿いに雪庇を歩いたが、今回は塩那道路は雪をかぶっているが、斜面化が小さくなっているようなので稜線を歩くか塩那道路を歩くかその時の状況次第と決めて次の1720級ピークに登る。前方に鹿又岳に通じる稜線の様子が窺える。稜線の東側は雪庇が張り出し、西側は藪が出現しているようである。標高点1717ピークから標高点1758ピーク手前鞍部までは雪庇が連続し、塩那道路が東から西側に移っているのが見えた。晴れていれば福島側の展望が良いのだが、今日は曇っていて全然山並みが見えなくって残念(楽しみの一つだったんだが)。反対側には大佐飛山は隠れているが、名無山(1870級)・1872・1870の三つのピークを間近にする。前方には鹿又岳と長者岳が見えている。尾根の西側は藪が露出している。前回は雪庇を歩くのが怖くてこの藪の中を歩いたが、今回は堂々(後ろから見ていたら多分ヘッピリ腰)と歩いた。何度か膝まで踏み抜き(突然くるから嫌らしい)があったが、この時期では仕方ない。
 標高点1758ピーク手前からは塩那道路を歩いてみた。すぐに斜面化してしまったので、稜線に戻るとちょうど標高点1758ピークであった。ここから鹿又岳まで稜線には雪が連続しているのが再確認できた。次の1790級ピークを越すと、右下に塩那道路が確認できた。前回はこのまま稜線沿いに行ってみたが、無雪期の04年9月19日に板室側から塩那道路を歩き、鹿又岳の北側から藪を漕いで登ったことを思い出した。今の時期に同じように塩那道路から鹿又岳に登ったらどうなるか試して見たくなり、急斜面を樹木に捉まりながら塩那道路に下り、鹿又岳の北側まで進んだ。
 混合藪(ハイマツ、シャクナゲ等)の斜面に取り付いた。無雪期には藪を潜ったり乗り越えたりしながら約20分で山頂に達した。今回はシャクナゲ藪を掻き分けての登りはアイゼンが藪に引っ掛たりで予想以上の苦戦。それでも約20分で雪の消えた鹿又岳山頂に達した。朽ちた測量用やぐらは残っていたが、山部3Dプレートはなくなっていた(探し方が悪かったのかも)。その他にも山名板は見かけなかった。残念ながらガス模様で福島の山々も先の1846ピークから日留賀岳あたりも見えない。標高点1846ピークは見えないので、ここには寄らずに尾ケ倉沢右岸尾根で下ることにした。

5 下山(尾ケ倉沢右岸尾根経由) 危険箇所はないが踏み抜きに苦闘  標高1400以下では残雪は消えていた
 雪の連続する尾根の左(東)手沿いに鞍部まで下る。少し登ると尾ケ倉沢右岸尾根派生地点に達した。標高点1846ピークはガスで殆ど見えない。時間的には余裕があるが、諦めて右岸尾根を下ることにした。この尾根は06年4月26日に@宇都宮さんが百村山・黒滝山・大佐飛山・瓢箪峠・右岸尾根で横川に下っている。その後、08年4月5日に山頂逍遥さんがJobsおじかから男鹿岳・瓢箪峠・鹿又岳と歩き右岸尾根を下っているので様子は知っている。(山頂渉猟さんのHPが消えしばらく経つが、どうされたのかな? @宇都宮さんは最近は山歩きはされていないのかな?)
 右岸尾根は細尾根で藪がところどころで雪面に出ている。藪を避けて尾根の右手(左側は切れ落ちていって歩けない)をトラバースすると雪下には藪があるのか腰まで沈み悪戦苦闘。標高1720あたりで西から北西尾根に移ると尾根幅が広くなり、歩きやすくなった。それでも安心していると腿まで踏み抜く。両脚を同時に踏み抜くと被害が小さいのだが、片脚だけ突っ込むと抜けだすのに苦労する。脱出するにはピッケルが便利で、雪面に横倒しにしてそれを支えに脚を引き上げる。これがストックだと撓んだり雪の中に沈んでしまい、あまり役に立たない。歩くにはピッケルは不要なのだが、踏み抜き脱出用に必要。あまり様にはならないが、片手にストック(歩行補助)と片手にピッケル(ほとんどぶら下げているだけ)で歩く。この尾根はアスナロが支配的、スポット的にダケカンバも出現する。通常の足の沈みは踝程度だが、何度も膝なし腰までの踏み抜きの憂き目に合う。今の時期に午後になると踏み抜きは覚悟せねばならないのだが、予告なしにやってくるので運が悪いと怪我をすることもある。ゆっくり歩いたから防げるというものではないが、樹木のそばには落とし穴が多いので場所を選んで歩くから速度は上がらない。標高点1484は少しばかり登り返した地点で何の特徴もない。多分ここだろうと、GPSにウェイポイントを記し、家に帰ってチェックするとズバリだった。地形図では標高点はたんなる尾根の一部にしか見えなくても、小高くなった場所が多い。標高点はほとんどが計算値だが、空からの測量で、小さな高低差がわかるのだろう。エネルギーを補給しながら小休止。
 ザックを担いで歩き始めると、左手に尾根筋が見える。地形図を確認せずに歩き出した罰。幸いすぐに気づいたので容易に軌道修正し、所定の尾根に戻るとアスナロ林に地肌が現れ始めた。標高1400になると残雪部は少なくなり、針葉樹の藪がアイゼンにかかりだしたので、アイゼンとピッケルを収納する。藪歩きは慣れたもので、歩行速度は上がったように感じる。標高点1176も同じように少しばかり登り返した地点である。このへんからはアスナロの小籔が多くなるが、大した抵抗にはならないが、尾根筋が小さくアップダウン(地形図ではわからない)ほうが嫌らしい。尾根の勾配が緩んできたので、尾根先端まで歩かずに、尾ケ倉橋付近目指し適当に斜面を下り、無事に男鹿林道の尾ケ倉橋付近に下山した。
 放牧場C、B、A団地入口を通過し、紅藤橋、男鹿橋を渡るとJobsおじかのゲートが見えてくる。パトカーが2台駐まり、数人がこちらを向いている。誰か遭難でもしたのかな?でも消防関係者がいなそうだし、何があったのだろうとゲート目指す。振り返って鹿又岳付近の写真を撮りたかったのだが、ちらっと振り返っただけだが、稜線ははっきりしなかった。遭難でなく密漁者が入り込んだようで、ちょうどその調査が終わったばかりのようであった。Jobsおじか関係者と警察官と少しばかり山の様子を話して、すぐ先の駐車地に戻る。 
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