ひとり山歩き470 : 学校平から剣ヶ峰経由で釈迦ケ岳に登って来ました。今年は雪が多いようで山頂の釈迦如来像は頭を露出しているだけでした。山頂直下の雪斜面の急登はかなりハードでした。
学校平から釈迦ケ岳(1794)
2012年3月22日(木) 晴れ
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 釈迦ケ岳  剣ヶ峰  八海山神社  学校平駐車場
自宅(2:00) = 学校平駐車場(山の駅たかはら)(3:45/4:15) − 大間々台(5:25/5:30) − 八海山神社(6:50/6:55) − 矢板市最高点(7:05) − 剣ヶ峰(7:30/7:40) − 標高点1543(9:05) − 釈迦ケ岳(11:35/12:00) − 標高点1543(13:00) − 剣ヶ峰(14:15/14:30) − 矢板市最高点(15:00) − 八海山神社(15:15) − 大間々台(16:10) − 学校平(17:20/17:35) = 自宅(19:35)

2 自宅 − 学校平
 積雪期に高原山の釈迦ケ岳に登ってみようという希望を持っている。その一環として守子林道から塩谷コースで10年2月24日に登った。しかし、鶏頂山スキー場、御岳山経由で09年3月11日学校平から剣ヶ峰経由で釈迦ケ岳に09年3月17日に挑戦したが、途中退却となってしまった。2月28日に御岳山経由で釈迦ケ岳を狙って出かけたが、深雪で挑戦を諦めてしまった。今回は学校平から剣ヶ峰経由で挑戦することにした。今年は積雪が深く、まだ、時期的に早いような気もするが、他の計画があるので先伸ばしはできない。昨日出かけるつもりだっが、強風予想もあり一日延期した。ただし、予報では昨日ほどではないが午後になると風が強くなるらしい。復路で吹かれるなら仕方なし、決行することに決めた。
 今日は気温が上がるらしいので、気温の低い夜明け前に少しでも高度を上げておこうと未明にスタートするつもりで家を出る。県道56号塩原矢板線は学校平まで路面には残雪は皆無で、県民の森分岐を過ぎると路肩に除雪塊が現れ、学校平が近づくに連れて道路サイドの樹林に積雪があるのが確認できた。学校平「山の駅たかはら」の駐車場には除雪した雪がうず高くつんであり、積雪が多いことを認識。いつもは大間々台までは登山靴だけで歩くのだが、途中での装着が面倒でアイゼンの上にワカンを履いてゆくことにした。今シーズン初めてのワカン装着で予想外の苦戦。

3 往路  積雪が多く苦労したが、山頂からの展望に大満足・・・登って良かった!!
 いつもなら大間々台までは林道を歩くのだが、今日は遊歩道を歩くつもり。予想通り県道を横切った遊歩道口からはさらさら雪で踏跡の消えた浅溝状トレイルが続いていたので、ヘッデンだけで特に問題なく歩けた。小間々台に着くと、スノーモービルの跡に引きずられて県道に出てしまった。仕方なしにいつものごとく県道を歩くことにした。外周遊歩道口から中央遊歩道口の間は日当たりがよいので、いつもなら路面が現れているのだが、今年は積雪が多いようで路面が現れていなかった。大間々台の駐車場は一面真っ白で、那須岳や男鹿山塊が遠望できる明るさになっていた。
 ミツモチ山方面へ続く林道にもスノーモビル跡が続いていた。林道から別れて登山道に入ると雪で踏跡が消えた浅溝トレイルは残っていた。トレイル内の雪は浅くワカンが沈むようなことはなかった。標高点1456の少し手前の道標が立つ地点に来ると左(南)が開けて遠望が利くようになる。筑波山もかすかに見えた。ここからはごく一部に潅木帯があるがほとんどは開けていて、男体山の頭、釈迦ケ岳、更には右手に那須岳や男鹿山塊も展望できて歩くには退屈しない。いつもなら一部に地肌が露出している場所があるのだが、今日は完全に雪で埋まっている。前途が多難にならねばと心配になる。八海山神社までは踏跡の消えたトレイル歩きで、ワカンは履かなかったほうが良かったかもしれない。釈迦ケ岳山頂の様子
 神社から先は比較的新しいスノーシュー跡と靴跡が剣ヶ峰方面に続いていた。ヒョッとして楽ができるかと思ったのはつかの間で、雪に締まりがなくワカンでも踝まで沈む始末。15分ほどの我慢で矢板市最高点1590のピークに達した。この先も雪に締まりがなく、足取りが重かった。幸いすぐに下りとなり、足取りも軽くなり、鞍部からほんのわずか登り返すと剣が峰に達した。釈迦ケ岳方面にはスノーシュー跡と足跡が付いているし、雪も締まっているようなので、思い切ってワカンを脱ぐことにした。脱ぐならデポと決めてストックからピッケルに持ち替えて西尾根へ踏み出した。
 緩やかに下った鞍部は細尾根で右のスッカン沢側が切れ落ちているので用心しながら進むと、左(南)の権現沢側に張り出した雪庇歩きとなる。雪庇の先端から左側に落ちてもどうということはないが、右のスッカン沢側には気を配りながら歩く。すぐ先で道標のある小ピークに達した。09年3月17日にはここまで来たが、吹雪かれて逃げ帰ったことを思い出す。これから先は04年10月16日に歩いていはいるが道筋は全然記憶にない。平坦ではあるが細尾根の雪庇歩きが続くので気を引き締める。雪庇は今までとは逆のスッカン沢側に張り出しとなる。小ピークから30分ほどは緩やかにアップダウンを重ね、下った浅い鞍部からは尾根幅が広がって、緩やかな登りとなった。いつの間にかスノーシュートレースは消えたが、足跡は残っていた。足跡を追っても踝ないしは向う脛程度の沈みで、吹き溜まりでも膝まで沈むことはなかった。足跡は歩く助けにはならないが、気分的にはあるなしでは雲泥の差。方向が西北西から西南西に変わってダケカンバ林になると標高点1543だが、特に展望もなく目印になるようなものもない。
 いつの間にか足跡は消えてしまった。クラスト部と吹き溜まり部の繰り返しで思ったようには歩けない。「もなか」が多いので、これが脚の披露を蓄積しているようである。標高1570の急斜面で登るのに骨が折れた。その後も「もなか」をたらふくごちそうになりながら登ってゆく。前方に見えてくる急斜面の雪庇は登れるのだろうかと心配になる。標高1660あたりで壁のような急斜面で登りきれない。直登は諦めて左(南)側を巻いて通過した。登りつめるとまたまた雪庇が現れる。標高1700辺りに好展望スポットが現れる。前黒山とその後ろに男鹿山塊や那須岳、更には今歩いてきた矢板市最高点峰までの尾根筋を見ながら一息つく。
 標高1700あたりからは勾配は更に増して、帰りのことを考えてつま先を蹴り込みステップを作りながら登ってゆく。雪はあまり締まりがなく崩れやすいので下りで降りられるか心配だが、ここまで登ってしまったら諦めようという気にはならなかった。10分強のもがきで御岳山方面への分岐(テープで確認できた)に達して、平坦となり楽にはなったが帰路のことを考えると気は休まらなかった。地肌の一部が現れた山頂を思い描きながら進むとやっと釈迦ケ岳の山頂に達した。地肌どころか雪の台地となっていて、釈迦如来像は頭だけが雪面に露出、祠は屋根の一部が露出しているだけ。こんな山頂風景はWeb記録の写真でも見たことがない。山頂からは360度の大パノラマ、少し無理筋だったが登ってよかった!!

釈迦ケ岳からの展望

4 復路
 往路は計画よりも1時間以上余分に時間がかかってっしまったが、時間的には余裕があるので焦らずに安全第一で下ることにする。御岳山方面への尾根筋にはテープ類が目についたが、踏跡は皆無で最近はまだ登った人がいないようだった。次の機会にこのルートで登ってみようと考えながら進むと、往路で苦労した急斜面にたどり着いた。ステップは残っているが、足をかけると崩れてしまい役にたたない。スッカン沢側(トラロープは見えるが)に落ちたら止まりそうもない。仕方なしに後ろ向きで一歩ずつ足場を確保しながら10メートルほど下って最大の難所は無事通過できた。でもまだ急勾配の下りが続くので油断は禁物。標高1660の急斜面を右を巻いて通過すると、難所はこれでお仕舞い。標高点1543への下りは1時間、登りでは2時間30分要した。この先は平坦地が続くので、このような時間短縮はありえない。道標のある小ピークから東向きの歩きになると、風が強くなる。往路にこれだけ吹いていたら、とてもじゃないが進む気にはならなかっただろう。標高点1543から剣ヶ峰まではほぼ往路と同じ時間を要した。ここでデポしておいたワカンを収納、エネルギーを補給しピッケルからストックに替えてザックを担ぐ。(気温マイナス2度)
 矢板市最高点への登りは思ったほど苦労はしなかった。強風は吹きまくっていたが、樹林の中でさしたる影響はなかった。ワカンを装着していないので往路以上に軟雪には苦労したが、膝までの沈みは殆ど無かった。矢板市最高点からは下りで多少の足の沈みは苦としなかった。八海山神社に達すると遮るものが無いので、強風がモロに体に当たり吹き飛ばされそう。この先のトレイルには足跡が残り表面がかなり荒れていた。今日はここまで登ってきた人は何人かいたようだ。トレイルはよく踏み締まっていて足の沈みもなく下るのも楽だったが、時々強風で体が揺らぐこともあった。尾根筋が広いので、権現沢側に墜落なんていう心配が無く安心して歩く。気温も上がってきたのか、強風にもかかわらず寒いという感じは全然なかった。標高点1456のさきで道標を見て、樹林に突入すると風の影響は皆無となった。樹林の中も足の沈みはなく快調(気持ちだけは、足取りは遅い)に下って登山口で林道に達した。ここからのほうが足跡は散らばっていてかえって歩きづらかった。大間々台に到着した頃にはガスがかりで男鹿山塊や那須岳は目に入らなかった。
 ここからは遊歩道を歩くことにする。踏み固められたトレイルが続くので、これを追うだけ。気持ちとは裏腹に疲労は溜まっているようで、アイゼンのつま先を引っ掛けては何度も躓く始末。学校平の駐車場まで大間々台から70分(通常は60分以内)かなり疲れていたようだ。駐車場には他に1台、ちょうど出てゆくとところだった。復路も計画よりは1時間強遅くなった。予想外の深雪だったので仕方なし。積雪期に念願のルート歩き、山頂で展望を楽しみ無事げ下山できたのだから大満足。 
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