ひとり山歩き467 : 大丸温泉から那須茶臼岳に登ってきました。チェーンスパイクを利用しましたが、締まったトレイル歩きでは快適な歩行ができました。残念ながら雪模様で遠望は利きませんでした。
茶臼岳(1915)
2012年2月20日(月) 曇り
1 行程   写真
ルートマップ(GPS)   ウォッちず :  茶臼岳  大丸温泉駐車場  北温泉駐車場
自宅(2:30) = 北温泉駐車場(4:35/4:45) − 尾根上到達(甲子高原分岐)(5:45/5:50) − 退却(標高1260)(6:10) − 北温泉駐車場(6:50/7:00) = 大丸温泉駐車場(7:10/7:35) − ロープウェイ山麓駅(7:50) − 峠の茶屋(8:05/8:10) − 中の茶屋跡(8:50) − 峰の茶屋(9:15/9:20) − 茶臼岳(10:00/10:05) − 峰の茶屋(10:40/10:50) − 峠の茶屋(11:30) − ロープウェイ山麓駅(11:40) − 大丸温泉駐車場(12:00/12:20) = 自宅(14:40)

2 自宅 − 那須
 今シーズンは未だスノーシューハイクに出かけていないので、年に一度くらいはスノーシューを使わねばと計画を立てる。07年2月20日に北温泉から中の大倉尾根経由で三本槍岳をピストンした。0年3月20日には赤面山経由で朝日岳を登っている。北温泉から中の大倉尾根、三本槍岳、朝日岳、峰の茶屋と、条件がよければ周回できるかもしれない。積雪が多く、トレイルがなくてこの計画が困難な場合は、大丸温泉から茶臼岳のピストンでチェーンスパイクを使ってみることにする。未明に那須岳ロープウェイ付近の天候を調べると、晴れで風も弱いことが分かったので、スノーシュー、ピッケル、チェーンスパイクをザックに収めて家を出る。
 ヴォルケーノライン東線(?)に入ると圧雪が現れ始める。北温泉への引き込み線に入ると圧雪状態がほぼ連続となるが、スタッドレスなら全然問題なし。北温泉駐車場は完全に圧雪状態で、今まで三四回ここに来たが雪は一番多いようだ。気温マイナス5度、風は弱いが星は見えない。

3 中の大倉尾根目指して  積雪が予想以上に深く 、あっさりと退却
 ザックを担いで北温泉へ向かう。道路はキャタピラで完全に圧雪してある。地肌が出ているとアイスバーンになっていて危ないが、今日は地肌が露出している個所はないので安心して下って行ける。北温泉の露天風呂(プール位大きい)を回り込んで余笹川の橋を渡ると、スノーシュートレースが先に延びている。いつもと同じように軽い気持ちで壺脚で登ってゆく。すぐに膝下のラッセル状態になり、歩みが遅くなる。最初は20分も我慢すれば尾根上に到達すると思っていたが、思ったより苦戦する。途中でスノーシューを装着する場所もなく、尾根到達(甲子高原分岐)まで我慢してしまった。北温泉から50分もかかってしまった。
 尾根上でスノーシューを履いてトレースを追うとすぐに消えてしまい、脹脛程度の沈みとなる。こんな状態では、三本槍岳までは行けたとしても、とても朝日岳まで足を伸ばすのは無理と頭の中で計算してしまう。あっさりと退却を決め込む。大丸温泉から茶臼岳をチェーンスパイクの履き心地テストに変更することにして往路を戻る。ひとりの宿泊客が入浴を楽しむ北温泉露天風呂の横を通って、駐車場にスノーシューを履いたまま戻る。
 ザックとスノーシューを車のトランクに放り込み大丸温泉駐車場に向かう。気温マイナス5度、風は弱い。

4 茶臼岳登山  チェーンスパイクの履き心地はよい  雪模様で遠望利かず
 チェーンスパイクを装着して登山道に向かうと、スキーのトレースが残るだけで靴跡は見えない。スキートレースを辿ってロープウェイ山麓駅そして峠の茶屋へと進む。1月18日に朝日岳へ登った時よりも積雪は多いが、真新しいスキートレースのお蔭でコースタイムは今回の方が幾分速かった。チェーンスパイクは前回のアイゼンに比べて履き心地はよく異物を靴に付けている感じは全くない。
 峠の茶屋を越すと積雪は深くなり、今回は登山指導所先の狛犬(?)が完全に雪の下。樹林帯もスキートレースのお蔭で足の沈みは踝ないし脹脛程度。急斜面では多少の上滑りはあったが、アイゼンとあまり変わらなそう。樹林帯を抜けると中の茶屋跡でスキーがデポしてあった。この先は、風で雪が飛ばされて積雪はほとんどない。露岩や小石を敷き詰めたような道筋が続き、このような場所ではアイゼンは歩き心地が悪いが、チェーンスパイクは爪が短いので引っ掛けて躓くこともない(茶臼岳にはフットワークの良い人はアイゼンなしで登るのだから無理してアイゼンを履く必要はないが、自分はフットワークが悪いのでアイゼンを履いていた方が安心)。単独行の下山者とすれ違う。前方のスキーをデポした人を見ながら登ってゆくと、相次いで2名の単独行者に抜かれた(アイゼンなし)。標高1600で雪の少ない岩道から積雪のトラバースとなる。峰の茶屋がドンドン近づいてくるが、今日は雪模様で空は全然見えない。多少は風が出てきたが、名物の強風には程遠い。峰の茶屋前はいつものように雪は吹き飛んで小岩が現れている。
 先刻の単独行者達の話し声が避難小屋の中から聞こえてくる。チェーンスパイクを脱ぐのが面倒でそのまま茶臼岳に向かう。峰の茶屋を過ぎると風が強くなったが、目出し帽のお蔭で頬の冷たさは感じない。相変わらず手袋脱着後の指先のしびれは残る。前回の山行からポケットにホカホカカイロを忍ばせて、時々ポケ手で歩いて指先を温めるようにしている。1分ほどポケ手をするとけっこう温まる。茶臼岳に取付くと、すぐに先刻の2名の単独行者に追い越された。積雪は最初は浅いが、東側を巻くようになると少しばかり深くなるもせいぜい踝程度の沈みで労力は少ない。山頂駅分岐から先になると、積雪は浅くなり部分的に地肌があらわれる。先行者が相次いで下りてきた。小雪がちらつき展望もないので、山頂での休み時間はなかったようだ。岩っぽくなると鳥居と祠が見えて茶臼岳山頂に到達。ここまでのところではチェーンアイゼンの履き心地は良好、特に良い点は爪が短いので小岩等に引っ掛けて躓くことがなかった(アイゼンなら何度か躓いたであろう)。
 遠望は全く利かない、お釜周りも見ないので、写真を撮ってそのまま往路を戻る。

茶臼岳からの展望(11年2月8日撮影・・・天気がよければこのような展望が得られる。今回11年2月20日は悪天候で遠望利かず)
チェーンスパイクに付着した雪団子

5 下山    チェーンスパイクは雪がよく締まっている場所では履き心地はよいのだが、気温が高まり雪が軟くなると‘ぽっくり下駄’に化す
 途中で2名組とすれ違う。茶臼岳取付きから峰の茶屋、剣ヶ峰、朝日岳を撮影するも、空は灰色で完全にモノクロの世界。峰の茶屋に到達ると、中から単独行者が現れ少しばかり話をする。小屋内の温度はマイナス8度とか。自分の温度計を出してみると、やはりマイナス8度、それでもボトルホルダー内のポカリスウェットはシャーベット状になっていた。風があまり強くないので寒いという感じは全然なし。
 中の茶屋跡までの下りでもチェーンスパイクは快適。樹林帯に入り気温が上がっているのと登り下りで溝状のトレイルに近づいている。当然ながら足の沈みは往路よりも大きくなり。急斜面で一度尻もちをついてしまった。アイゼンよりは緩んだ急斜面では滑りが多い感じはする。登山指導所の寒暖計は0度(手持ちでも0度)を示しいた。雪が緩むのもうなずける。峰の茶屋以降で4名とすれ違う。若くてフットワークの良い人はノーアイゼン、年配の人はアイゼンを履いているようだった。
 峠の茶屋からロープウェイ山麓駅に向かっていると、気温はドンドン上がっているようで、あたかも残雪期の歩きのような感じになる。ロープウェイ山麓駅を過ぎると足元が異様な感じがしだした。チェーンスパイクに雪が付着して、放っておくと団子が成長して‘ぽっくり下駄’を履いているようになる。ストックで靴をはたいたくらいでは団子は落ちない。チェーンスパイクの欠点は軟雪にありそう。これでは、午後になって雪の表面が緩む残雪期には使えないだろう。駐車場に戻ってチェーンスパイクの後始末は簡単でよい。
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