ひとり山歩き45 : 松山市でのゴルフの帰り道、名山に登るため奈良県に足を伸ばしました。行者還トンネル西口から大峰山をピストンし、その足で大台ケ原山に登ってきました。
大峰山(1914.9m)と大台ケ原(1694.9m)
2002年5月19日(日) 曇り
1 行程
ひとり山歩き44(石鎚山登山)から続く − 松山(5/18,4:30) − 徳島(8:10/10:10) − 和歌山(12:15) − 高野山(14:00/16:00) − 行者還トンネル西口(18:40) − 車中泊
◎行者還トンネル西口(4:40) − 奥駈道出合(5:25) − 聖宝の宿跡(6:15/6:20) − 弥山(7:05/7:15) − 八経ケ岳(7:40/8:00) − 弥山(8:15) − 聖宝の宿跡(8:45) − 奥駈道出合(9:25) − 行者還トンネル西口(10:00)
○行者還トンネル西口(10:10) − 大台ケ原ビジターセンター(11:20)
◎大台ケ原ビジターセンター(11:30) − 日出ケ岳(12:00/12:15) − 正木ケ原(12:40) − 牛石ケ原(13:00) − 大蛇ー(13:10/13:20) − シオカラ谷(13:55) − 大台ケ原ビジターセンター(14:30)
○大台ケ原ビジターセンター(5/19、15:00) − 熊野・伊勢・名古屋・東京経由 − 自宅(5/20,5:40)
2 松山 − 行者還トンネル西口  40年ぶりに高野山に寄る  途中で道が間違っていないかと不安
 松山から高速道で徳島に出て、そこからフェリーで和歌山に渡る。時間調整を兼ねて、高野山に寄る。高野山は学生時代以来40年ぶりの見物。高野山からは国道371号、24号、309号を通る。国道309号線も天川村からは道が細くなり、人家のない渓流沿いの山の中の通行となる。、渓流釣りの車が所々に駐車している。釣り帰りらしい対向車が時々すれ違う。ドンドン山奥に入ってゆくので、道が間違っていないか不安になる。対向車と離合の際、運転手に聞いてみたら、あと20分位と聞いて安心する。やがて、トンネルが見えて、手前の2箇所の駐車場に4台ほど停まっていた。暗くならないうちに夕食を済ませて、車内で雑音の酷いラジオを聞いているうちに、寝入ってしまった。
3 トンネル西口 − 大峰山(ピストン) ガスで眺望は全くなし  迷子の犬が山頂までついて来る
 前夜は、曇っていたので雨の心配をしていたが、夜中に目を覚ますと夜空に星が見えたので、安心してもう一眠りする。4時過ぎになると自動車がドンドン駐車場に入ってくる。慌てて、食事をして出発に備える。空を見上げると、いつの間にか星空は消えて完全に曇っている。
 4時半になると、5人組次いで2人組がスタートした。引きずられるように後を追う。駐車場を見渡すと、車は10台位に増えていた。登山口は駐車場の前にあり、ここで準備してきた登山カードをいれて、もたもたしている2人組に先行する。登山道に入ってすぐに沢を渡ると、ここからは急登が待ち受けている。時には木の根っ子や岩に掴まりながらの登りとなる。ピンクの花をつけたシャクナゲの群生が気を紛らせてくれるのが救いとなる。スタートして30分後に先発の5人組を追い越す。この頃になると、辺りはすっかり明るくなっていた。気が着くと、首輪をした白い犬がずっとついて来る。二時間くらいは、ついたり離れたりしていた。
 奥駈道出合から聖宝の宿跡までは、ブナを中心とした原生林の中の緩やかな道である。途中で、弥山と八経ケ岳が薄っすらと見えた。途中で、石休の宿跡、弁天の森の標示があったが、昔の信仰の名残であろうか。ケイドブックによれば、この辺りではショウキランが見られるかもと書いてあったが、残念ながら時期外れ。八経ケ岳(左の三角錐)と弥山(右のガスに霞んだ山)(弁天の森付近から撮影)
 ブロンズ像のある聖宝の宿跡からは、泥濘と根っ子の道をジグザグに急登となる。聖宝の宿跡と弥山の中間地点で、40代の健脚男性に抜かれる。例の犬はこのあたりから見かけなくなった。やっとのことで弥山小屋に着くと、件の男性が弥山山頂から下りて来た。これとすれ違いに神社のあ山頂まで行ってみる。小さな神社があるだけで回りは樹木で囲まれていて展望は開けない。樹木が無くても今日はガスで何も見えないのだが。八経ケ岳へ行こうと弥山小屋へ戻ると、件の男性が休憩していた。話をしてみると、横浜の人で、レンターカーを借りて、昨日は大台ケ原山、今日は大峰山登りこれから下山して家に帰るとのことであった。
 弥山小屋から八経ケ岳へは一旦下って登り返すことになるが、登り返しになると「オオヤマレンゲ」を鹿から守るためにフェンスが設置されている。開花時期は6月から7月頃で、残念ながらお目にかかれない。八経ケ岳山頂はかなり開けているが、ガスで全く展望はない。下山しようとしていたら、最初に追い抜いた5人組がバラバラに登ってきた。驚いたことに、例の犬がこのグループと一緒に山頂まで登ってきた。飼い主と山に来て、はぐれてしまったようで、主人を探してうろついているのではなかろうか。そのうちに野犬になってしまうか、誰かが連れ帰るか。犬を連れて登山している人を時々見かけるが、ぜひともやめて欲しい。飼い主は犬が好きで好きでたまらないのであろうが、犬の嫌いな人は足元に寄られるだけで噛みつかれるのではと恐れているのである。
 続々と登山者が山頂に現われ始めたので、下山することにする。思ったより短時間で登ってしまったのと、翌日も天気が良くなるとも思えないので、明日登るつもりの大台ケ原山に今日中に登ってしまう気になり帰りを急ぐ。下山途中で単独行者から10人以上のグルーまで数え切れないくらい登山者の数は多い。やはり登りに比べて下りは体力的には、はるかに楽である。奥駈道出合からの下りでは、シャクナゲの花を楽しむ余裕があった。駐車場まで残り10分の所で雨支度している十数名のグループと出会ったのが最後で、駐車場に着いてみると2箇所の駐車場は溢れていた。
4 行者還トンネル − 大台ケ原ビジターセンター  途中、霧に悩まされる
 ザックを車のトランクに投げ込み、靴だけ履き替えて、急いで大台ケ原に向かう。雨は降ったり止んだり。大台ケ原ドライブウェイでは霧に悩まされる。こんな天気であるから、車も少なく予想より早く大台ケ原ビジターセンター駐車場に着く。道路沿いにずらっと車が駐車しているので、不安であったが、幸いビジターセンターの駐車場に停めることができた。
5 ビジターセンター − 日出ケ岳 − 大蛇ー − ビジターセンター  大蛇ー(上:順番待ちの列、下:先端で恐々と崖下を覗き込む)
 ビジターセンターに着いた時には、雨はあがっていた。支度もそこそこに、賑う駐車場から日出ケ岳に向かう。膨らんだザックを背負っていると場違いな所に来た感じがする。殆どの人が軽装で、荷物を持たない人も多い。自動車で簡単に来れるので、家族連れでちょっと行ってこようが多い。昔の自分を見ているように思えてくる。深田久弥氏が百名山を決めた時にはこのようなことは想像していただろうか。。このように手軽に登れる山には休日には来ないことにしよう。
 日出ケ原は山に登ったという感じはしない。観光地を歩いているうちに目的地に着いてしまったという感じ。正木ケ原、牛石ケ原、大蛇ーとどこへ行っても人は多い。困るのは大勢の団体が細い道を独占してノロリノロリ歩いていることである。引率者またはリーダーは他人の迷惑にならないよう注意する義務があるのに、知らぬ顔を決め込んでいる。
 途中で印象に残ったのは、正木嶺付近のトウヒの立ち枯れと大蛇からシオカラ谷に向かう途中のシャクナゲの群生である。シャクナゲがこんなにきれいに咲いているのを見たのは初めて!大蛇では怖いもの見たさにヘッピリ腰で先端まで行く人の様子が面白かった(失礼!)。
 この山歩きで最もこたえたのは、シオカラ谷からの石段のぼりである。今日は大部歩いてきたので本当にこたえた。これでやっと山歩きができたという満足感が残る。終わり良ければすべて良しとしよう。駐車場につくと、ケラケラになっていた。 
6 大台ケ原 − 自宅(栃木県)
 帰り道に伊吹山にも登るつもりであった。天候が回復しそうになく、ただ単に登ったでは詰まらないので、別の機会に登ることにして、帰宅することにした。
 国道169号線はがけ崩れで、吉野方面には行けないと放送している。仕方なしに、熊野経由で伊勢に向かい、そこから高速道に乗ることにする。このルートは充分に調べてないので多少の不安がある。案の定、名古屋で間違って高速から降りてしまい、夜中に東名のICを探すの一苦労した。東名に乗れば後は事故さえ起こさねば帰れる。途中、2時間ほど仮眠を取っただけでノンストップで家まで帰る。 
 とても楽しい旅行であった。次に松山に遊びに行く時には、九州の山歩きを実現してみたい。
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