ひとり山歩き4 : 西之川から石鎚山をピストンしてきました。雨は止んでいたのですが、ガスで全く展望は開けませんでした。弥山山頂は工事中、更に天狗岳へは崩壊のため通行止めと散々でしたが、鎖場はしっかり楽しんできました。
石鎚山(1982m)登山
2002年5月16日(木) 曇り
1 行程
ひとり山歩き43(剣山登山)から続く − 見ノ越(5/15,11:00) − 道の駅(小松オアシス)(16:00/21:00) − 途中車中泊 − 西之川(京屋旅館駐車場)(4:00/4:45) 
◎西之川登山口(5:00) − 成就社(7:30/7:40) − 八丁坂コル(8:00) − 前社森(9:05) − 夜明峠(9:35/9:40) − 二の鎖小屋(10:15) − 山頂(弥山)(10:40/11:00) − 二の鎖小屋(11:15) − 夜明峠(11:25) − 前社森(11:40) − 八丁坂コル(12:15) − 成就社(12:35/12:40) − ロープウェイ成就駅(13:00/13:20) − ロープウェイ下谷駅(13:30) −京屋旅館(13:40/14:30) − 簡保の宿道後(16:00)  
○5/17はゴルフと懇親会、5/18は早朝に簡保の宿道後を出発 − 大峰山と大台ケ原山に続く
2 見ノ越 − 西之川(石鎚ロープウィエイ下)  途中大雨で翌日の登山は駄目と観念する
 翌日の石鎚山登山に備えて見ノ越から西之川に移動する。国道438号線で貞光へ向かい、途中で木綿麻(ゆうま)温泉に寄って疲れを癒す。貞光からは国道192号線と11号線で、愛媛県小松町の道の駅「小松オアシス」に行き、ここで仮眠をとる。依然として雨天は続き、翌日の石鎚山登山が危ぶまれる。ケセラセラなるようになるさで車で休んでいるうちに眠ってしまう。窓を叩く音で目を覚ますと、管理人が何か言っている。窓を開けて聞くと、ゲートを閉鎖し、翌日の8時半まで開かないといっている。ゲートを閉鎖されたら一大事、慌てて西之川に向かう。
 西之川に向かう途中、先が見えないほど雨が降る。この雨では西之川に行っても、明日は山に登れるかどうか分らない。22時頃に路肩に車を停めて、翌朝まで仮眠することにする。翌朝3時頃に目を覚ますと、雨が止んでいる。これならと急いで西之川に向かい、京屋旅館の駐車場に車を停めて、登山準備にかかる。西之川登山口へ出発しようとしたら、京屋旅館から男性3人組が出てくる。前日は石鎚山に登り、これから剣山に向かうという。簡単な情報交換をして別れる。
3 西之川登山口 − 石鎚山  ガスで展望なし  鎖はやらないつもりだったが・・・
 京屋旅館から東に約500m進むと、西之川バス停があり、その先50mに石階段がある。そこが登山口である。
 登山口からは、民家の横を通り抜けると、南西に向かう尾根の南側の杉林をジグザグの急登が始まる。この尾根の北側の谷をロープウェイが走行している。時には杉林が桧林に変わるが、状況は全く同じである。餌を求めて沢から這い出てきたのか、道の上で沢蟹を何匹か見かけた。成就社が近づくにつれて潅木が増えてくる。雨はあがっているのだが、潅木に含まれた露で腰から下が湿り勝ちとなる。展望は全く開けず、辟易してくる。ロープウェイなら標高430mから1280mまでたったの8分で上るところを、約2時間要してしまったが、それだけに満足感は大きい。一の鎖
 成就に着くと、深閑としていて誰ひとり見かけない。水分補給して登拝門から石鎚山に向かう。登拝門を潜ると、崩壊のため天狗岳と面河渓への登山道は通行止めの標示が設置されていた。出鼻を挫かれた感じをもちながら、八丁坂へと下る。この辺りからはブナを中心とした原生林の中の歩きとなる。成就社までの杉林(時には桧林)に比べて、精気を感じる。20分で八丁坂コルに達する。ここの標高が1300mであるから、山頂まで約700mの標高を登りつめねばならない。休憩所を横目にここは素通りする。
 八丁坂コルからは直ぐに登りになる。ここからは木階段の登りが続き、閉口する。一般的には木階段は幅が広すぎて、歩幅が合わないで苦労するのだが、ここの木階段は幅が狭すぎて歩き難い。技術的問題あるいは金額的問題なのか知らないが、木階段は人間工学的な発想からは遠く離れていて、いつも苦労する。
 前者森に差し掛かって、試し鎖の分岐を見る。今日は濡れていて滑りやすいので、鎖は使うまいと決めていたが、試しの鎖だけは、トライしてみる。若干滑りやすいので、一の鎖以降はまき道を通ろうと決める。試し鎖を終えると、休憩小屋を見たが、先を急ぐ。依然として木階段が続く。ガイドブックによると、前者森の先のまき道から振り返ると、前者森の岩峰を見下ろせるとあったので、振り返ってみるとガスに霞んで薄っすらと見えた。今日は雨こそ降らないが、ガスで眺望は諦めざるを得ない。ガスに霞む石鎚山(弥山)山頂(工事中の山頂神社)
 夜明峠は、両サイドが開けている笹原であるが、ガスで全く見通せない。遮るものがないので風を受けるが、寒いという感じはなく、返って爽やかさを感じる。夜明峠から15分で、一の鎖に達する。前者森での決心も、鎖を前にしてあっけなく後退。10分で鎖場を登りきる。特に危険という感じもしないが、今日は避けたほうが無難などと思いながら、なだらかな笹原の尾根道を進むと、すぐに二の鎖小屋に着く。男性2名が二の鎖を諦めて、まき道へ戻るところであった。これを見てまたまた闘志がメラメラと燃えてくる。二の鎖は13分で通過する、ここまできたら三の鎖もと意気込む。土小屋から登った4名の女性グループと出会う。その後すぐに小屋があり、そこを右に行くと、工事現場で使用する仮設道が斜面に取り付けられていた。右手の谷に落ちないよう手摺代わりのロープに掴まりながら登ってゆくと、弥山山頂に着いてしまった。山頂に着くと、数人のグループが下山してゆくところであった。見逃してしまったのかあるいは山頂一帯の工事のため使用止めにしているのか、三の鎖を通り越してしまった。残念!
 弥山山頂はガスで先が全然見えない。更に、山頂神社の工事のため、土嚢と重機で立ち入れるスペースは大幅に制限されている。神奈川県から来たという女性2人組とお互いにシャッターを押し合う。これから天狗岳へ行くというので、通行止めになっている旨教えてあげる。工事現場の人にも聞いて、納得したようである。昭和46年にフィリッピンの合弁会社に出向する直前に、同僚と石鎚山に登ったが、その時に天狗岳まで行ったか記憶に残っていない。今回は、絶対に天狗岳まではと思って出かけてきたので、残念だが仕方なしと諦める。 
4 下山  「お下りさんで」と「お登さんで」には馴染めず  
 眺望も天狗岳も諦めて、来た道を戻ることにする。下りでは、鎖場は絶対に避けると固い決意で仮設道に差し掛かると、Tシャツ姿の同年配者とすれ違う。更に、一の鎖まき道で50名位の小学生の遠足登山に出会う。引率の先生に先の様子を教えてあげる。先生は、子供たちが頂上まで登れるか心配していたが、全員元気そうなので多分登頂したであろう。
 前者森小屋で休憩している夫婦を横目に素通りする。これから成就社までに、白装束の二三人組と何度もすれ違う。登山にしては、軽装なのと、高年齢者が多いので不思議に思う。登山道で見かけた三十六王子社の巡拝者か、成就社まで来たついでに山歩きか。年齢からみて、前者のように思える。ひとつ馴染めないことが起きた。この人たちは、私に対して「お下りさんで」と挨拶してくる。石鎚山では、登山者には「お登さんで」、下山者には「お下りさんで」と挨拶しようと、登山道のどこかに立札が立っていたことを思い出す。これを思い出しても、「お登さんで」とはなかなか口から出てこなかった。この挨拶は石鎚山特有のものなのだろうか。
 成就社に着くと、ご婦人が傍に来て山頂からですかと問われた。途中で出会った遠足の留守番の先生で、子供たちのことを心配していた。出合った時の様子から見て、きっと山頂まで登ってますよというと、嬉しそうにしていた。先生の周りには何人かの生徒が残っていた。体調が悪くて同行できなかったのであろうか。肥満児を見つけチョット気になった。
 成就社から西之川まで歩いて下山するだけの体力は充分残っている。しかし、なんの展望もない杉林の下山は面白味がないので、ロープウェイで下山することにした。
 浮いた時間は駐車場の京屋旅館で温泉につかり、汗と疲れを落とすことにした。眺望は楽しめなかったが、雨が降らなかっただけラッキーと考えよう。 
5 京屋旅館 − 簡保の宿道後
 西之川から松山までは勝手知った道、地図も無用。濡れた着物を宿で乾かそうの一心で先を急ぐ。明日は、2年1ヶ月振りのゴルフ、山登りより難儀しそう!
 ひとり山歩き45(大峰山と大台ケ原山)に続く 
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