ひとり山歩き448 : 火打山と妙高山の日帰りにチャレンジしましたが、スタミナ不足で妙高山は途中で退却となりました。火打山への途中で白馬岳等の北アルプス展望を楽しめました。以降はガス模様で遠望は利きませんでした。
火打山〜妙高山(途中退却)
2011年8月29日(月) 晴れ
1 行程  写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 火打山  妙高山  笹ヶ峰登山口
自宅(8/28 23:30) = 笹ヶ峰登山口(2:50/3:00) − 黒沢出合(3:55) − 十二曲り上部(4:35) − 富士見平(5:40/5:45) − 高谷池ヒュッテ(6:35/6:40) − 天狗の庭(7:00) − 火打山(8:25/8:40) − 高谷池/黒岩池分岐(9:50) − 茶臼山(10:35) − 黒沢池ヒュッテ(10:50/11:00) − 大倉乗越(退却)(11:30/11:40) − 黒沢池ヒュッテ(11:55) − 池尻(黒沢渡橋)(12:25) − 富士見平(12:45/13:00) − 黒沢出合(14:30) − 笹ヶ峰登山口(15:00/15:15) = 自宅(20:35)

2 自宅 − 笹ヶ峰
 年一の北アルプス訪問の時期が近づいたが、天候不順等で山行間隔があいて心身ともにスタミナ不足が心配。事前に今の実力を測るために笹ヶ峰から火打山と妙高山の日帰りにチャレンジしてみることにした。ストレステスト(?)をより過酷にするために、今回は登山口での車中前泊をせず、深夜に家を出て、その日に帰宅する計画とした。朝3時頃から歩き始めて、暗くなる前の18時(遅くても19時)に下山終了を目標に計画を立てた。15時間で完遂できないようであれば、近々実施予定の三股から常念岳〜蝶ケ岳の日帰りは考え直さねばならないだろう。
 笹ヶ峰登山口までは約280km、3時に登山開始を目標に前日の23時半に家を出た。北関東道から東北道、上信越道に入ったころは未だ通行量が多かったが、進むにつれて車の数は少なくなる。妙高高原ICを降りてからはカーナビ任せで車を走らせる。国道18号を6km、県道39号を16kmで、県道39号は中央線がない部分が多いが、完全舗装で道幅はけっこう広い上に深夜で対向車がなく思ったよりは楽な運転ができた。笹ヶ峰登山口の駐車場への入口も標識ですぐにわかった。駐車場には7・8台駐まっているようだ。支度を整えて用意してきた登山カードを投函して時計を見ると、ドンピシャリ3時、ここまでは計画通り。さてこの先は?

3 登山口 − 火打山  木道等で登山道はよく整備されている  ガス模様で山頂からの展望は利かず  途中で北アを楽しめたから我慢
 通常はヘッデンだけで、場所によってはペンライトを補助に使用しているが、今回は安全を期してヘッデンに加えて、ペンライトをヘッデンのバンドに挟んで歩くことにした。登山口からすぐに木道歩き始まり、ヘッデンだけでも十分だが最近は視力が衰えているのを勘案してヘッデンとペンライト併用した。木道は時々途切れるが、黒岩分岐までは9割方は木道歩きで危険個所はない。途中で1/92/9の標識を見る。家に帰ってからGPSログで調べてみると、登山口から火打山までは約9kmでほぼ1kmごとに設置してあるのが確認できた。小さな沢を三回徒渉するも全然問題なし。2/9の標識を見て、木道が切れて幾分下ると黒沢出合で、しっかりとした橋を渡る。復路で黒沢出合からは暗くても下山は十分可能と判断して先を急ぐ。 火打山、影火打、焼山(頭が少し) (右から)
 黒沢橋を渡ると登山道の勾配はきつくなるが、場所によっては木階段や土嚢で整備してあるので歩きづらいということはない。橋から数分登ると、左手に環境庁・新潟県の小さな標柱「登山口からブナ帯に入り、この付近はブナ帯の上部に当たる」を見る。その反対側に「1/12曲り」の小標識を見て十二曲りに突入したことを知る。以降は「12/12曲り」まで小標識がるのだが、途中で3/12曲り」と「8/12曲り」だけは確認できた(復路では全部確認)。北に向かう稜線に達した地点が十二曲り上部で、ここからは勾配が幾分緩み歩きやすくなった。すぐ先で3/9標柱を見る。
 露岩帯や木道を歩き、時には泥濘を通過するが、靴底が沈む程度で愚痴を言うほどではない。5時前に消灯して明るくなるにつれてオオシラビソ樹林の中を歩いていることに気付いた。標高1970あたりに、付近はオオシラビソを主とする針葉樹林帯であるとの標柱をみた。併せて日本海側では針葉樹林を欠く山が多く、新潟県では苗場山、平ケ岳や巻機山で見ることができることを勉強した。4/9標識を見て長い木道から岩ゴツとなって灌木帯に突入すると火打山・高谷池と妙高山・黒沢池分岐である富士見平に達した。カシミール3Dで確認すると160度の方向に富士山が見える筈。分岐付近からは無理だが、場所を探せば見えるのかもしれない。ここまでは、コースタイムには遅れるが自分の計画通り。
 富士見平からは抉れた岩ゴツ道をや木道を歩き、後方に妙高山が確認できたが、あいにく山頂部はガスを被っている。黒沢岳の左下トラバース道でははみ出した笹が刈り払ってあった。途中で5/9標識を過ぎると左手に白馬三山を中心に北アルプスが展望できるようになった。高谷池ヒュッテまで8分の小標識を見て200メートルほど歩くと「アルプス展望台」の標識が目に入る。登山道から10メートルほどそれた岩場から北アルプスと高妻山(部分的にガス)が展望できた。北アルプスは雪倉岳、白馬三山、唐松岳、五竜岳そして鹿島槍と確認できた。火打山頂からの展望を楽しみに先を急ぐと、数分で三角屋根の高谷池ヒュッテに達した。宿泊者はすでに火打山向かっているのであろうか、ヒュッテ付近は静まり返っている。富士見平からヒュッテまでは計画に比べて5分ほど遅れている。ぼちぼち疲れが出始めたようである。付近から火打山・影火打・焼山(新潟県で唯一の活火山)の写真を撮って先を急ぐ。
 ヒュッテの100メートル先で黒沢池分岐を見送って、6/9標識を過ぎると木道から岩道に変わる。すぐに木道が現れ、前方の火打山は晴れているが、後方の妙高山はガスの中、この先晴れてくれるのを願って先に進む。岩道や木道歩きを繰り返しながら高度を上げてゆく。途中でお花畑もあったが、花には興味はなく素通り。天狗の庭の看板前からは湿地越しに火打山・影火打・焼山を展望して、湿地沿いに木道を北東に進む。天狗の庭を過ぎて北西に向きを変えると7/9標識を見て木道から岩道歩きとなる。このあたりになると、続々とヒュッテ泊りの下山者とすれ違い始める。中には父親と一緒の小学生も2・3組見かけた。トリカブトは多いようで標高2200付近は群生地で、これほどのトリカブトを見たのは初めて。ちょっとした広場にライチョウ平の標柱を見た。このあたりになるとガスが湧きはじめて遠望が利きずらくなってきた。ハイマツを見るようになると8/9標識を過ぎる。このあたりになると、歩みが遅いことに気付く。ガスがどんどん湧いてきて遠望が利かなくなったが、今は景色などどうでもよいひたすら我慢の登りを続ける。山頂直下で後方から人の気配、抜かれないように踏ん張ってどうにか火打山頂に達した。
このころには遠方は完全にガス模様で山頂からの展望は全くない。展望を楽しもうとしたら、ヒュッテ宿泊者同様に7時頃には山頂に到達が必要。今回は前泊をやめたのだから、仕方なし。あとから登ってきたのは徳島からの方で、昨日は北アに登ってきたとのこと。この方はこれからどこへ行くのかすぐに行ってすまった。下山しようとザックを担いだら、山ガール三人組が登ってきた。シャッターを押してあげて、少しばかり話をする。東京からで昨晩はテント泊とのことであった。一人の方がやはり徳島の方で、またまた四国の話をする。
 登山口から山頂までは5時間半の計画で、山頂到達はどうにか滑り込みセーフだが、休憩時間で10分遅れとなる。

4 火打山 − 黒沢池 − 妙高山(途中退却)  徐々に疲労堆積 妙高山の急斜面を見てギブアップ 百名山63座目にして初めての途中退却
 高谷池/黒沢池分岐までは往路をたどる。ライチョウ平を過ぎると単独行の二名とすれ違う。登山口を明るくなる5時ころに出発した人かな。天狗の庭の木道で20人くらいの若者団体とすれ違う。のんびりした歩き方から判断すると、笹ヶ峰登山口を今朝出発したとは思えない。高谷池ヒュッテ泊りにして遅すぎる。黒沢池ヒュッテ泊り?? 高谷池/黒沢池分岐で時計をチェックすると、ほぼ計画通りだが、山頂での休憩時間分遅れている。この地点では何の躊躇もなく、黒沢池方面に向かう。
 分岐からは岩道や木道を登って行く。勾配は大したことはないが、下り足になってからの登り返しは堪える。尾根上に達すると方向を北東から南東に変える。緩やかに登ってゆくと何の変哲もない場所に茶臼山の標識を見かけた。この標識がなければ通り過ごしてしまうだろう。そこからは方向を東に変えるとすぐに下りになって黒沢池を見下ろすようになる。池の左手に黒沢池ヒュッテもみえるが妙高山は大部分がガスに隠れている。灌木帯を下りきるドーム型の特徴ある黒沢池ヒュッテに到着した。数人がベンチで休憩していた。ここでエネルギー補給をしながら小休憩をとる。高谷池/黒沢池分岐からここまでも計画時間通りだが、疲れはかなりたまっている。水の消費はここまで約1リットルで残り2リットルあるから十分だが、気温はそれほど高くはないのだろうが、無風状態で体感温度は高い。ここでの休憩時間を合わせると全体で20分遅れとなる。この程度の遅れであれば何とか明るいうちに下山できそうと、重い腰を上げる。
 黒沢池ヒュッテからの登りは最初は岩道だったが、すぐに滑りやすい抉れ道となる。かなり滑った跡が残ってえいる。下山時は要注意だ。妙高山からの下山者とすれ違い始める。急登にあえぎ始める。何とか上り詰めた地点が外輪山の一角である大倉乗越で、ここからは下方に長助池を見下ろす格好となる。問題の妙高山はここから100メートルほど下って400メートルの登りとなる。ここから見る妙高山はなんとも急峻で、ここから計画の1時間半はおろか2時間でもムリな感じ。登山口には暗くなってからの到着は間違いなさそう。特に危険個所はないので暗くても下れるが、問題はスタミナである。進むべきか退くべきか躊躇している間に、ガスがもくもくと立ち込めてあっという間に妙高山が隠れてしまった。これでブチ切れてギブアップ。百名山は63座(北岳・間ノ岳と富士山以外は全部日帰り)にして初めての途中退却で少しばかり残念だが、百名山を全踏破するつもりはないから踏ん切りはつきやすい。

5 大倉乗越 − 黒沢池 − 登山口  下りはほぼ計画通りに歩けた  問題は登りだ!!
 黒沢池ヒュッテへの下りは滑るかと思ったが、特に問題なし。登りで30分も、下りは15分。黒沢池ヒュッテは素通りして、富士見平へ向かう。黒沢岳と外輪山に挟まれ、右手に黒沢池を見ながら木道を歩いてゆく。こちら側は今の時間帯に歩く人はいない。草原の中をただひとりでの旅は何とも静かで快適である。今までの疲れもどこかへ行ってしまったようである。池尻で黒沢を板橋を渡ると、針葉樹林帯の登りとなる。緩やかではあるが登り足はないのでぐっと堪える。喘ぎながら標高にしてたったの40メートルを登りつめると、見覚えのある富士見平に達した。この区間も計画時間通りで、平坦地や下りではまだ大丈夫である。もともと身体が重いから登りは苦手だが、最近の山行不足で脚力が衰えたようである。これでは三股から常念岳〜蝶ケ岳の日帰りに耐えそうもない。特に常念岳への登りが問題。9月中旬までにさらに山行を重ねてスタミナ養成ができないようであれば、馬場島からの剣岳、新穂高温泉からの槍ヶ岳、扇沢からの鹿島槍ヶ岳、折立からの薬師岳、蓮華温泉からの白馬岳と年一で続けてきた北アの日帰り登山は途切れそう。これからの追い込みなるかそれともこのまま沈没か。悩ましいところではある。
 この先は往路をもくもくと辿るだけ。早朝で暗くって見えなかったあたりを注意しながら下ることにする。これから登る人はけっこう多い、もちろん今夜は小屋泊りだろうが。往路で確認できなかった十二曲りの各曲りお標識をチェックする。木階段や土嚢で整備されていることがよくわかる。十二曲りの下部からは往路で見えなかったブナ林をしっかりとみる。大小さまざまなブナが確かに多い。黒沢橋を渡るとほとんどの区間は木道歩きで、木道に設置した滑り止めが靴底にひっかる(疲れているせいで足が上がらないから)ので注意が必要。単独行者に追い抜かれた。あっという間に姿が見えなくなる。その後、トレイルランの1名にも抜かれる。無事に登山口に下山すると駐車場はほぼ満杯であった。大倉尾根で退却せずに妙高山まで登れたとしても、下山時刻は19時過ぎにはなってしまったであろう。現在の脚力では15時間以上の歩きは問題外。

6 帰路
 途中の杉の沢温泉「苗の湯」で汗を流す。途中退却で予定よりも大幅にスケージュルが早まってしまった。いつものように高速道の深夜割引(50%)利用するには、途中で4時間も仮眠をせねばならない。20時から24時の間にICを出れば30%引き。これならゆっくり走り、途中のSAで食事をすればよいと方針決定。時速80km/時で走るのはなかなか忍耐がいるものだ。栃木ICを降りた時刻は20時を2分過ぎていた計算通りに30%引き適用。 
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