ひとり山歩き447 : 柳沢川右岸尾根で柳沢林道終点に登り、柳沢林道を下りました。柳沢林道は崩落が進み危険個所もあります。県境の20077から錫ケ岳や宿堂坊山に行く場合は、柳沢川右岸尾根を推奨します。
柳沢川右岸尾根と柳沢林道
2011年8月18日(木) 晴れ
1 行程    写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 柳沢川右岸尾根  柳沢林道
自宅(0:30) = 赤沼茶屋(2:25/2:35) − 西ノ湖入口(3:55) − 柳沢川徒渉(4:45/4:50) − 赤岩滝分岐(5:10) − 柳沢川右岸尾根取付き(5:45) − 柳沢林道終点(6:25/6:30) − 県境2077への尾根退却(6:50) − 柳沢林道終点(7:10/7:30) − 柳沢林道を下る − ネギト沢徒渉(9:25) − 崩落地・エスケープ地点(9:30/9:45) − 柳沢林道再出合(10:15) − 柳沢川徒渉(10:45/10:55) −西ノ湖入口(11:35/11:42) = 赤沼茶屋(12:02/12:15) = 自宅(14:30)

2 自宅 − 赤沼茶屋
 先週は大気不安定で、午後になると雷雨があり、柳沢川右岸尾根から県境20077、錫ケ岳、白根隠山、その南東尾根を下山する計画は延期さざるを得なかった。今週は孫たちが家に来たり、大気不安定で半ばあきらめていたが、昨日に孫たちは帰ったので本日急遽実行することにした。問題は午後に山間部で天気の崩れと、この数日続く猛暑である。午後の天気の崩れと猛暑を少しでも避けるために、柳沢川徒渉は明るくなる4時半から5時前とし、白根隠山南東尾根を16時までに下山して、低公害バスの最終便(小田代原BS16:07)に乗るのを目標とする。ルートを歩き通したとしても、現在の脚力では最終バスは無理か(過去のデータは可能と言っているのだが)???
 今回も家を出るときの車載温度計は30度で先が思いやられる。いろは坂で鹿が突然飛び出し、かろうじて難を逃れた。赤沼茶屋駐車場には10台程度が駐まっていた。静かに準備をして、即出発する(車載温度計20度)。

3  柳沢川右岸尾根  初めてWebに紹介して数年経ち、マークが増え踏跡も幾分かは明瞭となったような感じ  ルーファンは容易で特別な危険個所はなし
 柳沢川徒渉地点へは何度も暗いうちに歩いているので、全然不安はない。薄く雲がかかっているが月明りで、西ノ湖入口までの半分以上はヘッデンなしで歩く。西ノ湖入口から柳沢川徒渉地点までは二か所崩落地、部分的に道型が消えている個所もあるが、暗くっても歩くには支障はない。柳沢川徒渉地点に達する前に消灯し、徒渉前にザックに格納する。最近の降雨で川幅は今までの経験にないほど広がっていたが、くるぶし程度の濡れで飛び石を拾うことができた。今回も靴を脱ぐことなく徒渉できてヤレヤレ。
  徒渉地点から左へ進む柳沢林道は、03年6月と10年8月に宿堂坊山(各回ともルートは異なる)、03年7月に錫ケ岳へと計三回歩いている。そのうち林道終点まで歩き通したのは、03年7月の錫ケ岳の一回である。当時でも崩落地は多く、林道に草や樹木が生えてわかりづらくなっていた。03年9月に「栃木の山283+」の山部さんが、柳沢川徒渉地点から右(上流)へと進み、赤岩滝分岐先から柳沢川右岸尾根を経由して柳沢林道終点へと直登している。その後、04年6月と7月にこのルートをマップ付きで報告したのが、契機となり柳沢林道終点経由で県境2077(その後、宿堂坊山あるいは錫ケ岳)へと利用する人が増えたようである。今回は右岸尾根ルートがその後どうなっているか楽しみである。
 柳沢川右岸に踏跡は続く。最初はゴーロ歩きで、やがて草付きとなる。小ケルンや岩に○印があり安心して歩ける。徒渉地点から約20分ほどで右岸に小さな尾根形が現れ(地形図1542付近)、ここから尾根に取付きいてもよいが、少しばかり我慢すると赤岩滝分岐に達する。分岐点の立ち木に赤/黄マークがあり、錫ケ岳4時間との書き込みがある。赤岩滝はここで徒渉して右に行くのだが、今日のルートはここから右岸の小尾根形に登る。この先は柳沢川を右下に感じながら薄い踏跡を西南西へと進んでゆく。初めて歩いた時には当然ながらテープ類は見かけなかったが、今回はテープ類が目に着いた。標高1650で右岸尾根の先端部に達する。以前はこの先端部から尾根に取付いたが、今回は先端部から少しばかり進んで尾根に取付くよう踏跡とテープが案内してくれた。尾根上に達するとシャクナゲとイヌツゲの藪が現れるが、藪区間は短いのでそのまま突破する(尾根の左手(南側)に踏跡があるかもしれない)。その後はコメツガ林の尾根筋にはほとんど藪はない。標高1800からは低いシャクナゲが現れ、方向は南西から南に変えて平坦な細尾根に突入する。細尾根は灌木地帯だが、踏跡が通っているので抵抗は少ない。突き当たった斜面を十数メートル登ると、砂地の柳沢林道終点付近に達する。柳沢川徒渉地点から約2時間半だが、03年7月に柳沢林道を歩いた時には約3時間半(少しばかり道迷いあり)だった。その後、両ルートを比較したH@上三川さんによると、今回のルートの方が安全で所要時間も短いと掲示板に書き込みがあった。林道終点からは近くは錫ケ岳、大岳と県境からの尾根、白根隠山とその南東尾根(下山する計画)、やや遠くには太郎山、小真名子山(帝釈山のようにも見える)、女峰山、大真名子山と男体山の一部が展望できる。赤沼茶屋から林道終点までの歩行時間は今回3時間50分、04年6月は3時間55分、06年8月は3時間40分であった。顕著な衰えは認められず、ひと安心。
 林道到達地点から100メートルほど西に進んだ地点が林道終点で、ここから標高点1874の西鞍部目指して膝丈程度の笹をかき分けて登ってゆく。昨夜の雨のせいか笹はたっぷり露を含んでいるので、あっという間に膝下が濡れてしまった。すぐに尾根上に達するとコメツガ林に獣道が通じているが枝がうるさい。獣道が尾根の左手(南側)についているが、腰丈の笹は露含みで下半身はびしょ濡れとなってしまった。鞍部から登り始めると藪は背丈を越すようになった。このまま進むと上半身も濡れてしまいそうで、厭戦(?)気分が漂い始める。悪いことは重なるもので、蒸し暑く水分の取り方が多い。今日は3リットル担いできたが、県境の2077までに1リットルは消費してしまいそう。下山までに3リットルでは足りないかも。最近の降雨で錫の水場に期待できるから大丈夫と言い聞かせるも、上半身が濡れだしてからは進む気が薄れてしまった。初めてのコースならこのまま進んだかもしれないが、この先錫ケ岳までは03年7月に柳沢林道経由と06年8月に右岸ルートで歩いているので、意欲はわかない。ここであっさり退却することにした(同じルートを通るとすぐにあきらめてしまう悪い癖)。
 尾根の南側は笹が多いので戻りは北側の針葉樹林の中を下って、柳沢林道終点に戻った。ここで景色を楽しみながらエネルギーを補給する。
柳沢林道終点からの展望


4 柳沢林道を下る  林道の崩壊は進んでいると思われるが、一か所を除いては特にきけけん個所はない  通行を推奨はできない  県境2077へ行くなら柳沢川右岸尾根を推奨崩落地・エスケープ地点
 往路を戻るのは、自分の好みに合わない。柳沢林道を下って、03年ころに比べてどの程度は廃れているか調べてみることにした(定量的なデータはないので、ザックリ定性的に)。林道終点から下りだすと、すぐ先で崩落地帯が続き、かすかに踏跡が残る程度。W型にカーブするあたりは草や樹木が育って林道の名残はないが、明瞭な踏跡は通っている。南西に下ってゆく途中で崩落地があるが、特に問題ない。
 小沢を渡って方向を南西から南東に変えると、道形が比較的残っている。途中に金網で囲まれた倉庫らしい建屋も残っていた。その先のネギト沢右俣付近は岩がゴロゴロしていて歩きづらくなる。崩落地が三つ続き、ネギト沢の左俣で折り返して、右俣に進むと、左手に砂防ダムがあり、道筋は斜面化して消えてしまった。沢左岸土手に石積が残っているので、その先に道形があるものと判断して、沢の左岸を進み沢を渡ると草付きの道形が現れた。カーブの道路標識が二基残っている地点の先で南下すると見覚えのあるネギト沢に達した(昨年の8月21日にここからネギト沢を遡行して宿堂坊山へ登った)。
 ネギト沢を徒渉して北東に進むようになると、右手の岩壁の崩落地が続く。ネギト沢から数分で問題の崩落地に達した。この崩落地を下流から上流方向に三度通過しているが、いつも危険を犯して何とか通過した。今回は反対側からの通過で、悪いことに最近の雨で地盤が緩んでいるようで何度かトライしたが、足元がズルとするたびに引き返した。上方の幾分大きな岩が多い地点から渡ろうと試みたが、上部はルンゼ状で岩盤に手がかり足がかりがなく、これも断念した。身軽で度胸のある人なら、一番下の踏跡(浮石が目につく)をスイスイと渡るのかもしれない。滑ったら沢床まで落下(十数メートル?)は間違いない。ネギト沢を遡行して宿堂坊山経由で戻る。これは西ノ湖入口まで戻るのに4・5時間は要する。地形図も持っていないので、これは論外。林道の右斜面を高まくのも急斜面で難儀しそう。残るはネギト沢を下るか、左岸をたどって林道に復帰する方法がある。落ち着いて周辺を見渡すと、ネギト沢にかかる14号橋の黄色欄干が見えている。エスケープしてもわけないと自分に言い聞かせてネギト沢徒渉地点方面に戻る。
 林道からネギト沢の様子を探ると、北側から枝沢が流れ込む地点は幅が狭そう。慣れない沢歩きをするよりも斜面をトラバースした方が無難と、砂防ダムの上で徒渉して左岸をトラバースする。沢床が広くなった地点で沢に降りて、ほんの僅か進むと道形が現れてヤレヤレ。この先は昨年の8月歩いたばかりで危険個所はないので安心して歩く。その反面小さな岩が林道に転がっていてきわめて歩きづらい。小さな崩落地を二か所過ぎると柳沢川に無事下山できた。早朝同様にくるぶしまで靴を濡らしながら容易に徒渉してエネルギーを補給する。
 バスの時刻表を持っていないが、なんだか知らないがバスに乗り遅れるような気がして急ぎ足になる。西ノ湖分岐に達すると、大勢のハイカーとすれ違う。バスがついたばかりと知って、千手ケ浜折り返しのバスに乗り遅れないようさらに急ぐ。西ノ湖入口で時刻表を確認すると11:59となっている。汗を拭いたり、服装を整えていると、すぐにバスがやっきた。どうやら臨時便に乗れたようで途中急いだ甲斐がったというものだ。赤沼茶屋駐車場は賑わっていて満杯であった。東日本大震災以後は日光方面への人出が少なかったようだが、夏休みの今は回復しているものと思われる。
 今日の反省、同じルートを歩くのはいつものことだがテンションが上がらない。以後計画作成時に留意すべし。
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