ひとり山歩き446 : 菅沼登山口から奥白根山と周辺を歩いてきました。山頂到達数分後にガスが切れて劇的に展望が広がりました。夏休み期間は登山者が多いようです。
奥白根山(2578)と周辺歩き
2011年8月10日(水) 晴れ
1 行程  写真
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 奥白根山  
自宅(1:20) = 菅沼登山口(3:25/3:35) − 弥陀ケ池(5:25/5:35) − 五色沼(6:00/6:05) − 避難小屋・登山口(6:25/6:35) − 奥白根山(7:55/8:35) − 七色平(9:45) − 座禅山・白根山分岐(10:30) − 弥陀ケ池(10:40/10:55) − 菅沼登山口(12:10/12:20) = 自宅(14:40)

2 自宅 −菅沼
 今月末か来月上旬に年一の北アルプス詣でに出かけるつもりでいる。山小屋に泊まらないので、14・5時間のロングウォークは必至で、そのためには事前に同程度の山歩きをしておきたい。柳沢右岸尾根で県境の2077に登り、錫ケ岳・白檜岳・白根隠山縦走を計画した。6年前の8月31日に同ルートを歩いている。その後の柳沢右岸から錫ケ岳までの変わりよう、さらには当時に比べて脚力がどの程度保持されているか知ることである。このところ大気が不安定で午後になると降雨と発雷が激しく決行日が決められない。本日を逃すとこの先1週間は野暮用で山に行きそこなってしまう。肝心の天気は午後に降雨と発雷の可能性があるようで、錫ケ岳を中心とした県境歩きは中止とする。足慣らしということで、奥白根山とその周辺を午前中に歩くことに急遽計画を変更する。
 明るくなると同時に登り始めるのが、自分のスタイルだが、暑さを少しでも和らげるために明るくなる前に登山口をスタートすべく家を出る。家を出るときに車載温度計を見ると、すでに30度となっている。今までに早朝(深夜)でこんなに温度が高かった記憶はない。日光の清滝を通過時に電光掲示板では19度を示していた。いろは坂の途中(だったと記憶)で自転車で登る人を追い越す。こんな早朝に、しかもいろは坂を自転車で登るとはすごい人もいるものである。菅沼の白根山登山口に到着時に、すでに5台駐車していた。ヘッデンを灯して即出発する(気温17度)。
白根山から錫ケ岳
3 登山口 − 五色沼 − 白根山  山頂到達数分で劇的にガスが切れて展望が広がる  皮肉にも行きたかった錫ケ岳周辺の展望が一番だった
 慌ててスタートしたので、念のために装備をチェックすると、GPSのスイッチが未投入であった。ヘッデンたよりに登山道を進んでいくと、岩混じりとなり道筋が不明瞭となる。立ち止まっては先を確認して進むので、歩みは遅い。冬ルートとの分岐あたりが一番わかりづらかったが、抉れ気味の登山道を北西に登り始めると、夏ルートでこの先は迷う個所はない。岩ゴツの道が続くので明るい時ほどは速度が上がらないのは仕方ない。立入規制ロープ地帯(標高1950くらい)になると岩道から土道となり歩き易くなる。標高2000あたりで再び岩ゴツの道となった地点で4時半で消灯する。明るくなると周辺はガスが立ち込めている。この数日の降雨で地肌が水分をタップリ吸い込み、気温が高いので、早朝にも関わらずガスっているのであろう。今日は身体の鈍り防止で歩くのが、主目的であるから展望は期待しないが、蒸し暑いのにはまいる。登山口から弥陀ケ池までは通常は1時間30分程度であるが、今日は1時間50分も要した。暗さと身体の鈍りのせいにしておこう。弥陀ケ池はガスが立ち込めていて、池の南端が見えない。でも樹林から抜け出して風が心地よい。
 この先は白根山に登り、避難小屋に下って白根隠山・前白根山・五色山あたりを歩く計画であった。このまま白根山に登ってもガスが立ち込めて展望が期待できない(過去14回登っているが、展望を楽しめなかったのは記憶では1回だけと相性のよい山ではあるが)。計画を急遽変更して五色沼、避難小屋経由で白根山に登ることにした。五色沼では幾分かはガスが薄くなったが、白根山はいうに及ばす五色山も前白根山も見えない。時々青空がちらっと見えたりするので、今日は晴れるのは間違いない。問題は白根山頂でどうなっているかである。避難小屋を素通りして奥白根平登山口でエネルギーを補給する。花はハンゴンソウとカニコウモリだけで、マルバダケブキは時期が過ぎたのか萎れているのが多い。
 ダケカンバ樹林を抜けた森林限界付近で単独行者に抜かれる。抜かれるたびに思うのだが、足の速い人はスリムである。自分のようにメタボの人はいないようである。相変わらずガス模様で周辺の山々は見えない。いつものように平坦地で不動明王像に立ち寄る。この像は登山道から少しばかり離れているので、知らない人が多いのかもしれない(白根山登山のWeb記録で見た記憶がない)。白根山神社からはガスで山頂は全然見えない。今日は2回目の展望なしの山頂となりそう。山頂に登ってもあまり意味はない。これからどうしようかと地形図を見ていると、突然に若い単独行者が現れた。桐生の方で湯元温泉を4時半に出発したというから、健脚な方である。それでも一人に抜かれたとのこと、森林限界で抜いて行った人かもしれない。
 桐生からの単独行者は山頂からの展望を楽しみにしていたようで残念がる。自分は十数回登っても、展望なしは今回で2回目であると話した。期待してきた方に対しては酷であったかもしれない。単独行者と一緒に山頂に登ったが、周辺の山々は全く見えない。お互いに記念写真のシャッターを押しあう。山頂到達から数分もすると、劇的にガスが切れて周辺の山々が見えるようになった。やはり白根山は相性の良い山なのだ。直下の神社で単独行者が現れなかったら、そのまま丸沼方面へ下っていたかもしれない。周辺の山々もガス模様ではあるが、日光連山と中禅寺湖方面を除いては展望が楽しめた。錫ケ岳周辺が一番ガスが少なかったのは、なんとも皮肉だった。そのうちに菅沼から登山者が現れ、一緒に展望を楽しむ。このまま弥陀ケ池に下ったのでは物足りない。丸沼高原方面へ下り、七色平から座禅山鞍部。弥陀ケ池経由で下山することにする。
 翌日に、ヤマレコを見ていたら「自転車で行く!日本百名山との戦い 第14戦 奥白根山」の記録が目に入った。内容からして同時に白根山頂に登った単独行者であることが判明した。時間的に見ても3時頃いろは坂で自転車をこいでいたのも同氏であろう。桐生から湯元温泉まで約80kmを自転車をこいだ後に、白根山に登るのだから超人である。ちなみに自転車で百名山訪問は、大菩薩嶺、両神山、筑波山、天城山、丹沢山、雲取山、谷川岳、武尊山、赤城山等。

4 白根山 − 七色平 − 弥陀ケ池 − 菅沼  樹林コースは標高差が少なく、比較安全で人気あるようだ  
 森林限界で錫ケ岳を見納めて、丸太階段を下ってゆく。9時10分、標高2300付近で登山者にすれ違う。その後、七色平分岐までに数えきれないほどの登山者とすれ違った。8時に運行開始の丸沼高原のロープウェイを利用して登ってきたのであろう。このコースは特別危険個所はなく、標高差が小さいので利用者は多いようである。中には小学校低学年の子供連れも何組か見かけた。七色平分岐からは樹林コースから外れて七色平経由の座禅山と白根山の鞍部経由で弥陀ケ池に向かう。今までは賑やかだったが、このコースを通る人はまれのようで、出逢いはなかった。このコースは丸太階段等でよく整備されている。谷コースであるから滑落・転落の心配は全くない。六地蔵分岐から座禅山・白根山分岐までは約200メートルの登りはけっこうきつい。弥陀ケ池の北端でエネルギー補給の小休止。
 弥陀ケ池からの下りは岩ゴツ道が多いので決して足腰には優しくはないが、鍛錬とばかりに休みなしで下ってゆく。立ち止まったのは標高2000付近で金精山と温泉ケ岳を写真におさめた時だけ。駐車場に到着は12時10分、いまのところ天気が崩れそうな兆候はない。車は全部で27台、相変わらず人気の山である。
 山行ブランクで脚力が衰えているかと思ったが、登山口〜弥陀ケ池の間は過去の歩きに比べて約20分長かった(夜明け前に登り始めた影響大)だが、その他はほとんど過去のコースタイムとほぼ同じだった。何とか脚力も保っているようで一安心。北アルプスに行く前に、錫ケ岳前後の県境尾根歩きをやっておきたいが果たして??
家に帰って降雨と発雷をチェックしたが、県境尾根には認められなかった。今日は天気予報の読み違いで、残念。でも、自転車で百名山訪問の超人に出逢い、若さをもらえてよかった。
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