ひとり山歩き43 : 見ノ越から剣山に登ってきました。初めての雨中の山歩きとなり、景色を楽しむことはできませんでしたが、とてもよい経験となりました。
剣山(1954.7m)登山
2002年5月15日(水) 雨
1 行程
○自宅(5/13、13:00) − 東京フェリーターミナル(5/13、19:10) − 徳島(5/14,13:00) − 見ノ越(5/14,15:30) − 車中泊
◎剣神社登山口(5:45) − 西島駅(6:25/6:35) − 大剣神社(6:50/6:55) − 剣山頂(7:10/7:40) − 一の森(8:20) − 刀掛ノ松(9:20) − 西島駅(9:30) − 剣神社登山口(10:05) − 石鎚山へ続く(ひとり山歩き44)
2 自宅 − 見ノ越  東京〜徳島はフェリーでノンビリ旅  国道438号線も対向車少なく快適ドライブ
 30年程前に、フィリッピンの合弁会社に出向した。その同僚と毎年ゴルフと親睦会を松山市で実施している。栃木県に移り住むようになって、この数年は遠のいてしまった。今年は引退して暇が充分あるので、思い切って参加することにした。ただ単に松山へ飛行機で行って帰るのでは面白くない。行きがけに四国の名山を、帰りには奈良の名山を登ってくるべく計画をした。そのスタートとして剣山を考えた。
 効率的に移動するには、どうしても自動車が必要である。高速道を通ってゆくのも、長距離フェリーで四国へ行くのも、金額的にはほとんど変わらない。ここは多少時間がかかっても、体力的に楽なフェリーをみどりの一里塚から見る剣山選択した。東京有明フェリーターミナルから徳島まで、オーシャン東九フェリーに乗る。18時間の乗船となるが、たまには船旅もノンビリしていてよい。退屈することはない。1万1千トンの船であるから、揺れもなく結構快適である。暇のある方には、船旅をお勧めしたい。
 徳島から見ノ越までは、国道438号線を利用する。百名山を目指す人のホームページでは、道路幅が狭いので、酷道438号線と悪評高い。私は四国に永年住んでいたので、この程度の道は悪路とは感じない。かえって通行量が少ないので、快適に感じる。この道路は、国道と名がつくから道が狭いということになるが、単なる山道だと思えば快適に変わる。約2時間半で見ノ越に到着する。見ノ越の駐車場に着いた時に、中高年の団体登山者が、下山して整理運動を終えて、バスに乗り込もうとしていた。その他に車は10台位あったように思う。登山口の下見をして、夫婦池の方まで足を伸ばしてみる。途中で剣山、次郎笈、三嶺が見えたので、慌てて写真を撮る。翌日は雨にたたられ、姿を拝めなかったので、ここで写真を撮っておいたのは正解であった。夫婦池周りを散策して、駐車場に戻ると、広い駐車場に車は4台しかなかった。ひっそりとした駐車場で車中泊とする。 
3 見ノ越 − 剣山山頂  雨ではあるがコンディションは悪くない  17年前の家族旅行を思い出す
 前夜の8時頃に寝入ってしまい、朝2時頃に雨音で目がさめる。天気予報どおり、雨が降り出した。ままよともう一眠り、4時過ぎに目を覚ますと、益々雨が酷くなっている。屋外駐車場から、屋内駐車場に車を移して、入念な準備をして、食事を済ます。考えてみると、山歩きを始めて丁度一年になるが、山で雨に降られたことはない。天気予報で雨の確率が低いのを確認して、家を出ていたのであるから、当然といえば当然である。それほど酷い降りでないので、駐車場から剣神社の登山口へ出発する。
 雨の降る剣神社登山口の石階段からスタートする。剣神社簡易宿泊所の横を通って、山道に入る。13分でリフト下のトンネルを抜けて、ブナ、ミズナラの林をジグザグに急登する。雨は降っているが、空の明る剣山山頂さから見て、それほどの大降りはなさそう。ウグイスの泣き声を聞きながら、黙々と登る。大きな岩の所(西島神社が鎮座というが、確認していない)で南南西から南東の方向に向きを変えると、遮るものがなく、風が強くなる。ほんの僅かな登りで、リフトの西島駅に到着する。リフトの運転前の西島駅はひっそりと静まり返っている。ガスで近隣の山は見えない。天気がよければ見晴しはよいだろうにと思いながら、小休止をとる。
 西島駅からは、左に刀掛の松のコースを見送り、大剣コースへと鳥居を潜って進む。西島駅から尾根を右に巻きながら進むと、幸い風は遮られ、それほどの悪コンディションには思えない。程なく、そそりたつ巨大な石灰岩が見えて、大剣神社に到着する。近くに、名水百選の御神水が湧出しているらしいが、こんな天気でもあり、完全に無視する。神社と大岩の写真を撮って先を急ぐ。
 大剣神社からは向きを東に変えて、急登となる。左に刀掛ノ松からの道を合わせると、直ぐに山頂ヒュッテに着く。山頂までは更に250m程、笹保護の木道を進む。山頂は広い笹原で何も遮るものがないので、風が強く、ガスで30m先しか見えない。17年前の剣山頂の様子(家族旅行の途中に登る)
 
山頂は縄張りした広場の中に、石積みの上に一等三角点が設置されていた。石積みと木道等、17年前に家族旅行で来た時とかなり様子が異なっている。次郎笈まで行ってみようとしたが、全く先が見えないので諦めて、一の森に向かうことにした。来た時と異なる木道を無人測候所へむかうと、隣の木道を山頂目指す人がいたが、声を掛けられず残念!
 ヒュッテの陰で休憩しながら、昔の家族旅行を思い出す。はっきり覚えていないが、山頂一帯は広い笹原であったことだけは覚えている。今日はガスでその一部をも垣間見ることもできない。極めて残念!今回ばかりは、天気予報を見て山登りを計画するわけにはゆかなかったのでしょうがないか。 
4 山頂 − 一の森 − 登山口  雨の中の静かな山歩き 特に危険なことはなし
 山頂ヒュッテを後に、一の森へ向かう。一旦下って登り返すと二の森に着く。更に下ると一の森コルに達する。シラビやアカカンバその他いろいろな種類の原生林の中を歩いて来た。標示板をぶら下げてあるが、あまりにも種類が多いのと、似通った木が多いので覚えきれない。天気のよい時に、ゆっくり歩いたら楽しめるであろう。一の森コルには、作家の新田次郎氏筆の殉難碑(S43年3月、測候所の大谷好徳氏が業務中に雪崩で殉職)が設置されている。コルからひと登りで一の森山頂に達する。ガイドブックによると山頂からの剣山、次郎笈、三嶺の景観は定評があり、深田久弥氏も称えているとのことであるが、ガスで何も見えず。
 行場、刀掛の松経由で下山することにする。一の森コルから行場までは、静かな森林の中の歩きとなる。下山途中、両剣神社付近で鎖の行場経由の道があったので、これをジグザグに急登する。左手の大きな岩に人がやっと通り抜けられるくらいの狭い窪みがあり、中にに鎖が張ってある。ここは行場の一つなのであろう。試すにはコンディションが悪いので、素通りする。
 更に、急登を続けると、刀掛ノ松に着く。あたりを見渡すもそれらしい松は見当たらない。諦めて西島駅を目指して歩き始めたら、道端に標示があり、右を見ると小さな松を発見する。由来等の説明何もなく、なんだつまらないと通り過ぎる。ほどなく三人組(男1、女2)が登ってきたのに出会う。挨拶だけしてすれ違う。
 西島駅手前で、往路の道に出会い、以後はそれを戻る。リフトのトンネル付近で暫く見ていたが、乗っている人は見かけなかった。こんな天気の日に来る人は少ないのだ。登山口に無事到着する。雨ではあったがそれほどコンディションは悪くなく。17年ぶりに、山頂に登れてよかった。残念なのは、次郎笈に行けなかったこと。駐車場に着くと、車は3台ほど増えていた。着替えをしていたら、女性2名が、リフトで下ってきた。平日とはいえ、百名山でたった6人しか見かけない。少し淋しい気がした。
5 見ノ越 − 石鎚山登山口
 ひとり山歩き44(石鎚山登山)に続く。
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