ひとり山歩き437 : 残雪の前白根山を湯元温泉からピストンしてきました。雪はよく締まっていて歩き易かったのですが、あいにくガス模様で山頂からの景色は見えませんでした。
前白根山(2373)
2011年4月25日(月) 曇り
1 行程  
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 前白根山
自宅(1:05) = 湯元温泉ビジターセンター駐車場(3:10/3:20) − 湯元スキー入口(3:25) − 尾根取付き(3:55/4:05) − リフト最上部(4:20) − 外山分岐(6:10) − 標高点2325(7:05) − 前白根山(7:35/7:50) − 外山分岐(8:30/8:40) − リフト最上部(9:40) − スキー場入口(10:20/10:25) −駐車場(10:30/10:40) = 自宅(12:50)

2 自宅 − 湯元
 過去何年間か積雪期に湯元温泉から奥白根山を日帰りピストンに挑んでいるが、技量不足や滑落の恐怖心でいまだ達成できていない。最近は雪山の技量が多少は上がり、滑落の恐怖心も克服しつつある。それに反して体力的な衰えを感じるようになった。体力面からみてボチボチ年貢の納め時が近づいているようである。ひょっとしたら今年が最後のチャンスになるかもしれないので、雪が締まる時期を心待ちしていた。今日は天気予報では、夕刻に短時間の降雨が予想されるが、概して晴れのようである。今週は今日を逃すと、あまり天気予報はパットしない。GW後では雪が少なくなってしまい、意味がない。多少悩んだ末に今日決行することにした。今シーズンは那須方面が多かったので、奥日光は1月11日以来である。今までも早朝に鹿が道路に出没して危険を感じてはいたが、日光市街の清滝でも出没するようになった。鹿が中央線に立ち止まって、車が通っても逃げないから始末が悪い。車が避けてくれることを学習してしまったらしい。湯元温泉まで道路際にほとんど残雪はなく、湯元ビジターセンター駐車場の後ろ側に除雪した雪が壁となっているだけ。

3 湯元 − 前白根山  予報の読みが外れ、想定外のガスで前白根山で撤退する
 湯元スキー場入口で登山計画を投函して、スキー場に歩を進める。ゲレンデにはほぼ連続して雪が残っているが、早朝(気温はマイナス3度程度)ということもあってよく締まっていて歩き易い。標高1570でアイゼンを装着して尾根に取付く。尾前白根山頂から白根山根上に明瞭なトレースが残っているので道筋を探すようなことはない。ゲレンデ同様によく締まっていて、アイゼンの刃跡がつくだけ。
 リフト最上部
付近でトレースを見失ってしまった。トレースがなくても登るのは苦労はしないが、何となく不安になり少しばかりジグザグに登ってトレースを見つける。以降はトレースを見失うことはなかった。登りはもともと苦手な上にこのコースの急傾斜にはまいる。スタミナ温存のために息を上がらせないようにゆっくりしたペースで登る。急傾斜の登りではあるが、針葉樹林の中の歩きだから脚がすくんでしまうということはない。その反面、展望は期待できないが、標高2000付近で一箇所だけ後方に温泉ケ岳が展望できる。写真は復路でと思って通過する。
 急傾斜の連続で息を抜けないが、標高2100あたりから南西にトラバースするようになり楽になる。このトラバースのトレースは深く、中には膝上まで踏み抜いたものもある。これは気温の上がった午後に下山するときにつけたものであろう。雪の締まっているときには、この深いトレースが邪魔になり避けて歩く。パッと明るくなり道標のある場所が外山分岐である。スキー場を出発した時には星空だったのだが、今は完全に曇ってしまい楽しみにしていた富士山どころか、黒檜岳あたりがどうにか確認できるだけ。
 外山尾根にも明瞭なトレースが残っているが、アイゼンの刃跡がつく程度に雪が締まった現在はトレースがかえって邪魔になり、わざと外して歩く。標高2280あたりで南側に雪庇が張り出していた。雪庇のあたりから方向を西から西北西に幾分変えると標高点2325ピークに達した。途中で振り返ると外山とその先に日光連山が見えるのだが、今日は外山さえもかすかに見える程度になってしまった。今日の天気は晴れで夕刻に場所によっては一時雨ということだったのだが、完全に予想が外れてしまった。それどころかラジオによると、雨は予想よりも早まり11時ころになりそう。さらに悪いのは雷の発生もありそう。今回も奥白根山は怪しくなってしまった。
 2325ピークの先は地肌が現れていたが、夏道の道標(天狗平分岐)からは再びトレースを追う形となる。このころになるとガスはますますひどくなり、名物の風も吹き出した。委細構わず歩を進め、地肌が現れた前白根山の山頂に達した。白根山はガスの中で、時々ガスが切れて姿を現す。五色山方面も白根隠山方面も同様である。ガスの切れたときに避難小屋方面へのトレースは見えるのだが、ラジオによると群馬県では雨が降り出したようである。今までの所要時間は昨年の4月30日(今回ほど明瞭なトレースはなかったが、雪は締まっていた)の挑戦とほぼ同じで、未練は残るが今日のコンディションでは諦めるのが正解。寒い中、15分ほど山頂で粘ってガスの切れ間から白根山を写真に収められたのがせめてもの救い。

4 下山 雪が締まっていて、トレースが邪魔になる
 ガス模様でもトレースが見えないほどではない。踝程度の深さのトレース(気温の高い下山時のもの)をたどるのだが、まだ8時で気温は低く雪は締まっているのでトレースを外してた方が歩き易い。外山は見えるが日光連山は全然見えない。外山分岐でザックを下して、エネルギーを補給。
 外山分岐直下のトラバースには膝までの踏み抜き跡が多い。まだ雪が締まっているので靴型が残る程度で、深いトレースが邪魔で外して歩くことになる。トラバースを北へまっすぐに下るようになると、踏み抜きはほとんどなくなるが、踝程度の深みが相変わらず邪魔になる。急傾斜の下降でもアイゼンはしっかりと雪をとらえてくれるので恐怖心は起きない。樹木で囲まれているのと、ないのとでは全然異なるから不思議。昨年は白根山中腹の標高2400で恐怖心に勝てず撤退したのだが、今年はどうなったか試したかったのだが・・・
 標高2000付近での温泉ケ岳は下山時の楽しみとしていたのだが、全然見えない。写真は撮れるときに撮っておくべきだが、いまさらどうしようもない。過去に何度か撮影しているので我慢我慢。途中で夫婦とすれ違う。前白根山頂の様子を知らせてあげる。リフト最上部から尾根を外れてゲレンデに出る。今日の鬱憤を晴らすべくシリセードを楽しむ。雪がまだよく締まっていて、スピードが出るので制動訓練にもなった。尾根取付き付近あたりからは勾配が緩み、ゲレンデのど真ん中を好き勝手に下ってゆく。スキー場入口付近になると残雪は浅く、靴底が沈む程度。アイゼンを外して駐車場に戻る。車は自分のを含めてたったの2台、いつもに比べたら少ないようだ。
 東日本大震災後、日光方面への人出は例年の1・2割程度らしい。帰路でも対向車がいつもに比べて少ないので、1・2割というのも大げさではないようだ。 
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