ひとり山歩き435 : 芹沢林道から栃木・福島県境尾根の偵察後、日向倉山に登ってきました。残雪は薄くついていますが、アイゼンなしで登れました。
芹沢林道から日向倉山(1341)
2011年4月7日(木) 曇り
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 日向倉山  芹沢林道
自宅(1:25) = 芹沢上坪(3:35/3:45) - 芹沢林道口(4:25) -芹沢林道終点(第三砂防ダム)(5:50) − 尾根取付き(西の沢・岳の沢合流地点)(6:05/6:20) − 退却(標高1170)(7:00) − 取付き地点(7:35) − 林道終点(7:50/8:00) − 日向倉山南西尾根取付き(9:25) − 1170級ピーク(11:00) − 日向倉山(12:10/12:40) − 芹沢林道下山(14:05/14:10) − 芹沢林道口(14:20) − 芹沢上坪(15:00/15:15) = 自宅(17:25)

2 自宅 − 芹沢林道
 横川から日留賀岳や鹿又岳等男鹿山塊を考えている。今の時期はまだ雪が締まっていないので4月中旬以降にしたい。どこに行くか過去の山行記録から探していたら、04年11月から05年6月にかけて、栃木福島県境の安ケ森山から太郎岳(荒海山)の尾根歩きが目に着いた。この間では、1530ピークから1560ピーク(次郎岳)の間は未踏になっている。05年4月27日に芹沢林道終点先の西の沢と岳の沢合流点から中尾根に取付いて、1530ピークを目指したが、軽アイゼンとストックでは急勾配を登れずに標高1450で引返している。その後、ピッケルと12本爪アイゼンを使うようになった。1530ピークに登れれば県境尾根の雪庇を歩いて次郎岳経由で太郎岳(荒海山)に行けるかもしれない。尾根取付きまでの残雪だ気がかりだが、トライするのは今の時期しかない(残雪の減る中旬ないし下旬にしたいのだが、ほかの計画があるので)。
 久しぶりに中三依から芹沢林道口に向かうと、地形図の芹沢上坪集落の外れ(送電線下付近)で残雪が現れ、スタックした跡が残っていたので、手前の路肩に駐車して歩き出す。舗装林道の一部に残雪があり、SUV車が引返している場所もあった。早朝で雪が締まっているので難儀はしなかったが余分に2.5kmほど歩いて上湯坂橋手前の芹沢林道口に達した。

3 芹沢林道 − 県境尾根  残雪が予想よりも多く、尾根先端部は残雪と藪の混在で苦労
 芹沢林道には残雪がなかったが、枝沢にかかる二番目の橋を渡った地点から残雪が現れて、さかえばしで右岸に渡ると残雪はほぼ連続となる。足の沈みはせいぜい踝までだが、こんな歩きが一時間も続くとけっこう疲労が蓄積されて、後々で影響してくる。芹沢上流第一砂防ダムで、これから向かう県境尾根の1530ピークと1560ピーク(次郎岳)が遠望できた。雪はまだたっぷりついているようである。あかかがねばしで左岸へ、そして第二砂防ダム、さらに橋(名盤が雪で隠れて名称不明)で右岸に渡って、歩くこと1時間25分で第三砂防ダム(芹沢林道終点)に達した。前回よりも20分も余分にかかってしまった。舗装道歩きで40分、この林道歩きで20分前回よりも余分にかかり、登山意欲もしぼみがち。ここで1530ピーから1560ピークの写真を撮ってさらに芹沢の右岸(無雪期には踏跡が続く・・・04年の11月に確認)を歩き、沢の合流地点(西の沢と岳の沢・・・三峰山岳会の会報「いわつばめ」第252号に芹沢林道から次郎岳経由で太郎岳に登った記録 http://www.mitsumine.gr.jp/kaiho/ による)を取付きとする。
 前回(05年4月27日)は尾根取付きには雪がなく藪を漕いで登ったが、今回はタップリ雪がついている。尾根先端は急斜面でもあり、アイゼンを装着して沢合流地点の中尾根に取付いた。中途半端な残雪は始末が悪く、上滑りを繰り返しながら10分ほどで尾根上に出る。尾根上には藪と残雪が混在していて、登りづらいこと甚だしい。前回とその前年の11月に登った時の記憶では大した藪ではなく、あまり難儀しなかったのだが。今回は残雪が予想していたよりも多く、時期を間違えたようだ。自分の技量から判断すると、下旬が適期のようだ。そんなことを考え出したら、もうダメ。完全に気持ちがなえてっしまった。標高1300まで登れば勾配も緩み藪もなくなると鼓舞するも、このペースでは次郎岳も怪しい。あまりにも早すぎるが、標高1170で退却と決める(まだ7時だというのに、情けなし)。
 藪と残雪で下りに要した時間は登りとあまり変わらなかった。尾根取付き地点でアイゼンを外して、第三砂防ダムに戻って、県境尾根を見ながらエネルギーを補給する。こんなに早く撤退するとは思ってもいなかったので、他の山の地形図を用意してこなかった。芹沢林道口から日向倉山に登ったことがあることを思い出した。他にルートが見つからねばこの尾根を登ればよいと、コーピーしてきた地形図を調べてみる。林道口から二つ目の沢の手前から日向倉山に向かう尾根筋が目につく。危険個所はなさそうなので、この尾根を登ることにして林道を戻る。今日は気温が高いので、復路では足の沈みが往路に比べて大きくなっているのは仕方がない。さかえばしで左岸にわたり南東に戻って、枝沢の橋を渡った地点が尾根の先端となっている。容易に登れそうなので、ここを尾根取付きとした。

4 日向倉山  標高1000以上で残雪あるもアイゼンなしで登れる持丸山(左手前) 明神ケ岳(中央) 女峰山〜太郎山(後方) (日向倉山から)
 尾根の先端部には少しばかり残雪があったが、すぐに胸丈のスズタケがはえる急斜面となり雪は消えて藪漕ぎとなる。標高1030あたりで尾根の向きが北東から北に変わると残雪が現れる。雪の少ない尾根の左端(西側)を選んで登ってゆく。標高1050あたりからは東北東に緩やかに弧を描くように登ってゆく。この尾根筋で唯一のピーク(1170級)手前は、アイゼンなしでは吹き溜まり部を避けるように登るのに少し苦労する。途中で雪庇の残骸を見たり、カラマツ林(北側)沿いに歩いたりして、残雪の広い尾根を登りつめる。残雪から浮き出たシャクナゲ地帯を突破すると、雪がたっぷりついた日向倉山稜線に達した。シャクナゲ等の藪を漕いで少しばかり東に進むと見覚えのある日向倉山の山頂に達した。山頂からの展望は樹木に邪魔されてあまりよくないが、南西に持丸山、明神ケ岳、女峰山、太郎山あたり、西に帝釈山・田代山から会津駒ヶ岳が展望できる。北側は枝の隙間に見えるのは荒海山か。山名板は栃木の山紀行と日光山紀行の二枚を見る。
 日向倉山より東側の地形図を持参していないので、往路と同じルートをとるのは癪だが、安全をとって往路を忠実にたどって下山する。特に苦労することもなく、芹沢林道に無事下山する。不満の残る山行だったが、日向倉山へ登れたのがせめての救い。駐車地へ戻る途中の舗装道に残る残雪は緩んでいて、脹脛まで沈み足取りは重い。地形図さえあれば駐車地付近に下山できたのに残念。今年は次郎岳から太郎岳への挑戦はもうないだろう。次はいつになるかな?

日向倉山からの展望

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