ひとり山歩き433 : 日塩もみじラインから空沢左岸尾根で明神岳に登ってきました。予想以上に新雪が深く難儀しましたが、山頂からの展望を充分楽しことができました。
明神岳スノーハイク
2011年3月28日(月) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)    ウォッちず : 明神岳
自宅(3:40) = 日塩もみじライン料金徴収所前駐車場(5:40/5:50) − 前黒山林道口(6:10) − 空沢分岐(7:25) − 空沢渡渉(7:30) − 空沢左岸尾根上到達(7:40) − 明神岳東峰(11:25/11:50) − 空沢左岸尾根(往路)到達地点(13:25) − 日塩もみじラインへ下山(13:55/14:00) − 駐車場(14:25/14:40) = 自宅(16:35)

2 自宅 − 日塩もみじライン
3月11日の東北関東大震災以降、世の中は節約と自粛ムードとが漂い山へ行くようなムードではなかった。その上、ガソリン不足でGSには長い車の列、これでは山どころではない。一昨日あたりから近所のGSでは車の行列が短くなり、かなり正常に近づいたようである。昨日は待ち時間なしでガソリン補給ができた(ただし、3000円まで)ので、本日は急きょ山に出かけることにした(今の時期に山行だなんて、という批判はあるかもしれないが)。
3週間以上も山へ行っていないので、身体の鈍りを考慮して前黒山林道を利用して前黒山に登り、尾根伝いに明神岳まで歩き空沢左岸尾根を下ることにした。06年3月22日に前黒山林道から前黒山に登った時に、今回のルートはかなり可能性があると思ったのが拠り所である。日塩もみじラインの前黒山林道口は駐車スペースがないので、塩原側の料金徴収所前の駐車場に車を駐める。

3 往路  思ったよりも新雪が深く、急きょ計画を変更して明神岳へ
 もみじラインは完全に除雪してあるので、歩くには全然問題ない。20分の歩きで前黒山林道口に達した。林道に踏み込むと予想以上に積雪は多く、トレースは皆無で脹脛までの足の沈みとなる。06年3月22日に歩いた時は、スノーシューのトレースがあり壺足でも踝程度の沈みだったのに、あてが外れた。樹木に雪がついているので、この二・三日の間に降雪があったのだろう。途中でワカンを装着して歩くも踝程度の沈みが続く。この調子では前黒山経由で明神岳は、ブラ前黒山(左)と高原山(右)  (明神岳東峰から)ンクで鈍った脚力がもちそうもない。前黒山は積雪期に登っているので、今回は明神岳だけでもと急きょ計画を変更する。この林道は途中で分岐が多いが、南東に進んでいれば間違うことはない。標高1210の空沢分岐は本線よりも空沢に下る林道の方が幅広なので、前黒山に行くときは迷いやすい。5分ばかり緩やかに下ると空沢で木造りの砂防堰堤を見る。雪で覆われた空沢を渡渉する。
 急斜面を30メートルほど登ると空沢左岸尾根上に達する。カラマツ林の尾根にはトレースは無論なく、ワカンで踝程度のトレースを着けながらの歩きとなる(この尾根は栃木の山283+の山部さんが無雪期に登っている)。尾根筋はカラマツ林が続き、場所に依ってはミズナラやブナが混ざる。展望は期待しようがなく、前黒山の稜線が左手に枝越しに見える程度。スキー場が営業中なら放送音が聞こえてくるのだろうが、今は営業終了で静寂な歩きができる。標高1470あたりからアスナロが混ざりだすと、尾根形が不明瞭になるとともに、新雪の表面が崩れて直登すると労力を要する。体力温存のために尾根の右手をトラバース気味に登ってゆく。標高1550位になると、直登は難しくなり、左へとトラバースするも高度が稼げなくなる。ここでストックからピッケルに替える。ピッケルを刺すと手首まで沈み、四つん這いで登っているような感じとなる。右上部に大きく発達した雪庇を見ながらの歩きとなり、雪庇の外れを登りつめると細いロープが張ってあり、ここからは遠くは男鹿山塊と那須岳、近くは前黒山が展望できた。
 ロープに沿って尾根筋はカリカリにクラストしていて、これで楽ができると思ったら、すぐに新雪のラッセルとなってしまった。それでも10分ほどの我慢で明神岳東峰に達した。木造の展望台は手摺りよりも雪が高く積もっている。展望台からは前黒山から高原山の展望が素晴らしい。剣ヶ峰から釈迦ケ岳へと続く稜線がもっとも印象に残る。いつの日にかきっとこのルートで釈迦ケ岳登頂をと密かに誓う。今日は新雪が深いのと、久しぶりの山行で足腰が鈍っているので前黒山は諦めて下山にかかる。
明神岳からの展望


4 下山  下りは楽でいいな
 スタミナ切れを心配して、往路のトレースを利用して下ることにした。ロープ展張箇所でスキー場最上部に出て、日光連山から七ケ岳までの展望が楽しめる(詳しくはビデオを参照願う)。往路で苦労してピッケルで四つん這いになって登った個所も下りは楽だが、谷側の足元が崩れて何度も体制を崩す。標高1400あたりでピッケルを格納して、ストックで忠実に往路のトレースを追う。往路とは異なり、空沢には下りずに左岸尾根をそのまま下ることにした。往路で尾根上に達した地点からは先は檜林そしてミズナラ林となる。勾配は緩やかで、ワカンで踝の沈みが続くが、下りは楽でよい。少しでも道路歩きを少なくするために途中で谷に下ると、すぐ先で日塩もみじラインに無事下山。ワカンを外して駐車場へ戻る。スキー場が休業のためか車の通行が少ないようだ。料金所の係員が「ご苦労様」とお辞儀をしてくれる。
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