ひとり山歩き429 : 足尾の中倉山に登ってきました。積雪は例年並みで、ワカンでもっとも深いところで向う脛程度のラッセルとなりました。好天に恵まれ大パノラマを堪能することができました。
中倉山(1530)スノーハイク
2011年2月2日(水) 快晴
1 行程   
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 中倉山
自宅(1:25) = 足尾銅親水公園(3:30/3:40) − 長手沢林道退却(5:40) − 銅親水公園(6:00/6:05) − 仁田元沢上久保沢の登山口(7:10/7:30) − 稜線到達(9:35) − 1390級ピーク(10:15/10:30) − 尾根合流地点(11:10/11:15) −中倉山(11:40/11:55) − 三角点(12:00/12:20) − 稜線別れ(13:10) − 登山口(14:20/14:30) − 銅親水公園(15:30/15:40) = 自宅(17:55)

2 自宅 − 足尾銅親水公園
 今日は那須も奥日光も好天に恵まれそう。那須岳は先週にケチがついてしまったんで、気が進まない。昨年の1月25日に足尾から阿世潟峠経由で社山に登り、その南稜を下ったが積雪が予想よりも少なかった。今年は積雪が多そうなので、同じルートを歩いて比較してみるkとにした。林道に雪が多いようなら、中倉山に転じてもよいように地形図をもって足尾の銅親水公園に向かう。
 今市市街に入ると、道路沿いに除雪塊が今まで何度も奥日光や足尾に行くときに見たのよりも多い。今日のコースも積雪が多いのではと心配したり、南向きだから融けているだろうと楽観したりの運転。国道122号から折れて銅親水公園に向かうと残雪の気配はない。冬場に何度も親水公園に行っているが、このあたりは降雪はすくないようだ。車を駐めてすぐに阿世潟に向かう。銅親水公園入口の掲示板はマイナス10度(清滝ではマイナス9度だった)を示しているが、無風状態で指先に痛みはあるが寒いという感じはない。

 久蔵川・長手沢林道  長手沢林道の積雪が多く阿世潟・社山はあきらめる
 昨年の1月25日にこれらの林道を歩いた時には、足倉沢を過ぎると断続的に積雪が現れたが、長手沢林道終点までは、踝まで潜ることはなかった。今回は久蔵川林道は完全に除雪してあり、道路上には痕跡もなかった。長平沢林道分岐を越すとすぐ先で右岸から左岸へ橋が新設され、工事中で通行止めの標識を見た。この先は道路が崩壊しているので当然除雪はなく、脹脛程度の足の沈みとなる。ここまでは工事のために除雪してあったのを知る。利根倉沢を合わせた地点で朽ちた橋で左岸にわたると、沢の名称は長手沢となる。道筋は明瞭だが積雪は連続して、向う脛程度のラッセル状態となる。今年は降雪が多いといわれている。この先はさらに状況が悪くなることも予想される。あっさり退却を決断する。何とも意気地がないことよ。
 往路をそのまま銅親水公園まで戻り、家に行き先変更を連絡して、中倉山の登山口である上久保沢に向かう。

4 中倉山 谷底の登りがきついが、稜線に出てしまうと楽な歩き  山頂付近からの展望は◎◎◎!!
 仁田元沢林道では工事はやっていないようで松木川を渡ると10センチ程度の積雪となる。登山口の上久保沢までごく一部は路面が現れているが連続しているといったほうがよい。途中(中久保沢あたりだったか)まで轍が残り、人間の足跡や小動物の足跡が残り雪も締まっていて歩き易かった。下久保沢、中久保沢と右手に砂防堰堤を見て、方向が南西から西向きに変わって200メートル先が上久保沢である。登山口はさらに100メートル先となる。
 トレースを追って上久保沢の右岸へと踏み込む。5分ほど薄い積雪地帯を登ってゆくとトラロープが展張してある。これは数年前に治山工事で敷設した作業道の名残りで、今では無雪期の通常ルートとなっている。敷設後時間が過ぎたので、作業道は落ち葉等で隠れてしまい完全にたどるのは難しくなってしまった。もちろん積雪期には作業道跡を追うことはできないが、赤テープ等を見ては作業道付近を歩いているのがわかる。.トラロープの終点手前からは再び薄い積雪となる。二回目のトラロープ(短い区間)の先で、地肌が現れ踏跡と見まがう獣道が尾根方面に伸びている。通常は谷底を適当にトレースや鹿道をたどってジグザグに登ってゆくのだが、いつも同じルートばかりでは面白味がない。今日はこの獣道を利用して尾根の中腹をトラバースしてみることにした。塔ノ峰(左)、沢入山(中央左)、大平山(中央右)、男体山(右) (中倉山から)
 これが大失敗で、獣道はすぐに消えて岩稜となってしまった。厚手の手袋を着けているので、木の根や岩を掴みづらく速度がガクンと下がってしまった。尾根を登るのは諦めて山腹をトラバースするも、岩と灌木藪で歩きづらいだけでなく転落の危険を感じるようになった。標高1150地点でトラバースをあきらめて通常ルートの谷底に戻る。赤テープを見かけてひと安心、あとは適当に稜線目指して登ってゆく。途中で雪が途切れる場所もあったが、稜線直下は雪が深くトラバース気味に登りつめる。稜線到達地点は細尾根で東側は雪がついているが、西側は雪が消えている。
 尾根筋が広くなると雪は連続するようになり、クラストしていないので壺足で膝下のラッセルとなる。1390級ピークは積雪は薄いが、この先は雪が深いと判断してワカンを装着する。このピークからは樹木が邪魔して充分な展望は得られない。男体山から半月山方面を枝越しに写真におさめる。
 浅い鞍部を過ぎて標高1400あたりから登りにかかる(夏道は山腹をトラバースして地形図の岩記号方面に進む)。雪に締まりがないので直登は難しく、鹿道を利用しながら尾根上を目指す。尾根上に出ると雪は薄く断続的となり登りやすくなる。東尾根との合流地点は一気に展望が開けて大平山から男体山、半月山の雪景色が今までの疲れを癒してくれる。ここから先は勾配は緩やかで展望を楽しみながらの歩きとなる。三角点を過ぎたあたりはツツジの灌木藪が茂るため、ワカンでも膝下のラッセルを強いられるが、区間が短いので大した労力はいらない。このあたりはワカンやスノーシューの古いトレースが残っている。やがて樹木が消えて平坦地となり雪は薄く笹が雪面に現れているので、鹿の餌場となっているようで、人間の姿を見つけて大慌てで逃げ去った。山頂部のケルンには中倉山の山名板(高い方のケルンから低い方のケルンに移っていた)と以前は三角点に設置してあった山部3Dプレートがケルンに括りつけてあった(これは三角点用に設置したものであるから標高が1499.6となっている)。
 山頂部からの展望は素晴らしい!! 無雪期もよいが、今の時期の方が数段素晴らしく感じる(人はそれぞれに好みがあるのでご容赦)。左手の塔ノ峰に始まって庚申山、オロ山、皇海山、沢入山、県雇用尾根、三俣山、錫ケ岳、大平山、男体山、社山、半月山、赤倉山、横根山と見飽きることはない。ビデオに山名を付しておいたので、ご笑覧いただければ幸い。
中倉山からの展望


 100円ショップの温度計は10度を示している。途中で汗が目に入ったのもうなずける。多少は風があるので、三角点に戻って昼食をとることにした。山部3Dプレートが山頂へ移されてしまったので、知らない人は通り過ぎてしまうだろう。ザックを下して三角点を掘り出す。雪が薄いのですぐに三角点の頭が現れた。地面と面一に設置してあるので頭だけしか確認はできない。
 往路を忠実にたどって、尾根合流地点で展望を見納めて、1390級ピークを経由して下りの途中でワカン(気温が上がり雪がワカンに団子状に付着・・・まるで残雪期なみ)を外す。往路の尾根到達地点から下山にかかる。谷底へとまっしぐらに下れば最短だが、勾配がきついのでトラバース気味に下ってゆく。アトラバースをあまり続けると往路の岩稜地帯を通らねばならなくなるので、適当に樹木でブレーキを掛けながら谷底へと下ってゆく。途中で灌木が少しばかりうるさいが、岩がないので危険という感じはない。谷底に下りて赤テープを拾ってひと安心。この先は往路のトレースを拾いながら旧作業道を下る。
 登山口でピッケルを納めてスットクに替えて林道を下る。早朝はよく締まっていた雪もゆるゆるで、油断していてスッテンコロリ。銅親水公園駐車場に戻ると、車が数台駐まっていた。工事関係者の車らしい。 
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