ひとり山歩き421 : 鹿沼市の東大芦川の枝沢である本沢の左岸沿いの林道から夕日岳そして薬師岳と周回してきました。樹木の葉は落ちて途中からの展望を楽しむことができました。
本沢林道から夕日岳(1526)〜薬師岳(1420)周回
2010年11月19日(金)晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず :  夕日岳  薬師岳  本沢林道
自宅(4:25) = 東大芦川・大滝駐車場(6:10/6:20) − 本沢林道分岐(6:50) − イセツ沢右岸尾根取付き(7:00) - 夕日岳新道合流(9:40/9:45) − 夕日岳(10:20/10:35) − 薬師岳(12:15/12:35) − 丸山南西鞍部・石祠(13:25) − 下山開始(13:40) − 林道出合(14:35) − 林道分岐(15:00) − 駐車場(15:35/15:45) = 自宅(17:20)

2 自宅 − 大滝
 以前から夕日岳新道を歩くと、山頂直下と標高1450の小ピークに「本沢林道」の標識が気になっていた。最近、HP「たそがれオヤジのクタクタ山ある記」に大滝から夕日岳〜薬師岳〜三ノ宿山の山行記を見つけた。この報告が契機となって本沢林道からイセツ沢右岸尾根で夕日岳に登ることにした。昨年の12月に棒滝を見に行ったときに、薬師岳〜三ノ宿山稜線から本沢側に派生する三つの枝尾根が気になった。Webで調べてみると、大木戸山の南尾根は「高原山探訪」のYoshiさんの記録を見つけた。標高点1221から200メートルほど西に位置する尾根については「栃木県の滝」の雪田爺さんが下っているのを見つけた。第三候補の丸山南西の標高点1159付近から南に派生する尾根を下ることにした。
 本沢林道にはゲートがなく車での侵入は禁止されていないが、乗用車では腹をこすりそうなので、東大芦川の大滝駐車場に車を駐めることにした。途中で20分ほどもたもたしてしまったので、駐車場に着いた時には即出発できるほどの明るさとなっていた。

3 イセツ沢右岸尾根経由で夕日岳  尾根の大部分に踏跡が残っている。尾根取付き以外には危険個所はない夕日岳から男体山
 大滝周辺の紅葉は盛りが過ぎたが、まだ赤みを残しているので撮影して、すぐ先の本沢林道(この林道の正式名称は不明だが、夕日岳新道途中の標識に「本沢林道」とありこれを採用する)に入る。この林道は昨年の12月に二度歩いているので、地形はよく覚えている。丁度30分で地形図にも記載されている林道分岐に達した。道路はよく管理されていて、大きな落石はない。RV車ならここまでは楽々通行が可能であろう。
 ここから本沢に下りてイセツ沢(地形図に名称記載なし)の右岸尾根に取付くのだが、勘違いして左岸尾根方面に下りてしまい軌道修正する。南西から本沢に注ぎ込むイセツ沢の砂防堰堤を見て、その右岸尾根の先端に進むと「←夕日岳」の小さな標識を見る。意を強くしてイセツ沢右岸尾根に取付く。尾根の先端はやせ岩稜で踏跡は部分的に残っているが、浮石と落ち葉で滑りやすいので立ち木や浮き根の助けを借りて緊張しながら20分ばかり登ると、岩稜が終わって踏跡の残る通常の尾根歩きとなってひと安心。標高850位になると後方には薬師岳から三ノ宿山稜線が枝越しに展望できるようになる。途中でスポット的に低い檜地帯があったが、それ以外はミズナラを中心とした落葉樹林である。場所によっては腰丈のツツジが少しあるが、ほかには藪となるようなものはない。尾根先端に古いワイヤーがあったが、ほかにゴミなど人間が持ち込むものはないので最近はほとんど人が入っていないようである。
 標高870で「夕日岳」の小さな標識を見かける。振り返ると右後方には男体山と大真名子山の頭が視認できるようになった。細尾根となると岩っぽくなり、尾根幅が広くなると浮き根が多くなる。藪はなくて、かなりの部分に踏跡は残っていて気持ちよく歩ける。標高1100あたりからは地を這うような低い笹が林床となる。高度を上げるにつれて脹脛程度にはなるが踏跡も残り、問題となるようなことはない。このルートには尾根先端部以外に危険個所はないが、唯一の問題点は標高1350あたりの急登である。藪はなく、樹木はまばらで掴むものがなくて登るのにひと苦労する。掴むものあっても右肩の故障で右腕が使えず体を引き上げるのに苦労する。急登区間が終わると、ほどなく小ピークに達した。ここが夕日岳新道との合流地点で、「本沢林道→」と「蕗平→」の二つの小標識を見る。いま登ってきた尾根には古い緑のテープを三か所で見かけただけ。樹木や岩に赤ペンキは処々についている。これらがなくても尾根に取付いてしまえば迷いようがない。
 問題は夕日岳新道歩きとなってからである。新道唯一最大の難所が続き、岩につかまったり、樹木につかまったりの難所が約200メートルの間に三・四か所出てくる。この危険地帯を過ぎてしまうと、十数分で夕日岳山頂に達する(山頂の手前に「蕗平 本沢林道→」の小標識あり)。山頂部は霜で真っ白、山部3Dプレートは健在。今日はよく晴れていて展望がよい。半月山、錫ケ岳、白根山、男体山、大真名子山、女峰山と六回目の訪問で最高の展望。皇海山が枝で邪魔されているのが残念。

夕日岳からの展望


4 夕日岳 − 薬師岳  落葉した今は皇海山から表日光連山を枝越しに見ながら
 この区間を歩く人は多く、自分も三、四度歩いているので詳述する気はない。いまの季節は樹木がすっかり葉を落としているので枝越しではあるが、皇海山から女峰山まで見ながら歩けることが最大のプレゼント。夕日岳から薬師岳まで1時間40分もかかってしまった。本沢林道ルートの標高1350の急登で消耗してしまったようだ。02年〜03年ころは1時間15分だったのだが、情けなし。夕日岳では表日光連山はガスがかかっていなかったが、二時間足らずの間に表日光連山の山頂部はガスがかかってしまった。夕日岳からここまでの間に一人くらいは出逢うかと思ったが、平日の今の時期に歩く人は少ないようだ。

5 薬師岳 − 東尾根 − 本沢林道  本沢林道への下山は特に難しい個所なし
 薬師岳からの東尾根は下山開始地点までは低い笹の中の明瞭な踏跡をたどることになる。途中で1360級の小ピークが唯一ともい薬師岳から丸山、大木戸山、三ノ宿山方面える例外でほんのわずかな登り返しがあるだけ基本的には下るだけでる。標高1240の小さコブには境界見出し票34と石標を見かける。ここから南に派生する尾根を雪田爺さんが下ったのだ。尾根筋を確認して先に進む。標高点1221はコブ状になっているのかと思っていたが、気付かずに通り過ぎてしっまた。その先から右(南)側に鹿侵入防止のネットが張ってあり、鞍部で石祠二基を見る。下山開始地点を目指して鞍部から登り返すと、右に踏跡が見える。これは補修工事用のものらしいので、無視して登ってゆく。標高点1159の少し手前で、南に尾根が派生している。ここを下山開始地点とする。
 この南尾根は藪もなく快適に下れるかと思ったのもつかの間、尾根の左(東)側は檜植林で鹿侵入防止のネットが展張してある。標高1080から東南東の尾根を下る計画だったが、ネットで東南東には進めない。仕方なしに南南西に方向転換せざるを得なくなった。尾根筋は不明瞭で、堆積した落ち葉と急勾配で何度か尻餅をつきながらの下りとなる。標高1050で尾根筋が明瞭となり岩っぽい尾根を下り、標高970で檜林に入り林道が近いと確信する。2メートル高さの林道擁壁上に達した。擁壁は苔が生えていて足がかりがない。適当な下り場を求めて林道に沿って擁壁上を歩くも下り場は見つからない。仕方なしにザックからロープを取り出して、難なく林道に下りた。この林道は昨年の12月に棒滝見物の帰りに歩いているので、ノンビリと下る。樹木の葉はすっかり落ちてしまい、低山も冬が近い。林道分岐でイセツ沢付近を再確認して、大滝駐車場に戻る。
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