ひとり山歩き420 : 奥日光の三岳(1883ピーク)に登り、その東鞍部から刈込湖に下りました。三岳は岩や倒木が多いうえに、数センチの積雪と肩の故障で計画した歩きができませんでいた。
三岳(1883)〜刈込湖
2010年11月11日(木)
1 行程   
ルートマップ(GPS)  ウォッちず :  三岳(1883)  刈込湖
自宅(3:50) = 金精道路・刈込湖口(5:50/6:00) − 小峠(6:30/6:40) − 尾根取付き(6:55) − 三岳の1883ピーク(9:00/9:05) − 東鞍部・退却地点(9:35/9:45) − 刈込湖・切込湖遊歩道出合(11:15) − 刈込湖(11:20/11:45) − 小峠(12:20) − 金精道路・刈込湖口(12:50/13:00) = 自宅(15:15)

2 自宅 − 刈込湖口
 縦走好きの自分にとって、奥日光の三岳は意欲の湧かない山であるが、「日光連山山歩き」を称しているからには避けてばかりはいられない。積雪前に三岳の北側(北三岳とも呼ばれる)の標高点めぐりを計画した。問題は先月痛めた肩の回復が思わしくないことと、湯ノ湖畔のライブカメラから判断すると三岳にも積雪している可能性があることである。このところ好天が続いているから、積雪があっても大したことはないだろうと、本日実行することにした。掲示板でお馴染みの@宇都宮さんが06年11月26日に北三岳を歩かれた時のルートマップを参考にすべくプリントして持参する。
 清滝で電光掲示板に金精道路凍結との表示あった。いろは坂では積雪の痕跡も認められないが、金精道路に入ると路面は薄く圧雪状態であった。湯元入口から刈込湖口までの約1km間ではノーマルタイヤでも特に問題なかった。刈込湖口駐車場に入ると駐車場は真っ白で、一台のRV車が駐まっていて屋根は真っ白になっていた。昨日に多少の降雪があったようである。

3 三岳 − 刈込湖   岩や倒木の障害物が多く、ルーファンが難しい  
 小峠に向かう道筋は全面が3,4cmの雪を被っているが、踏跡も動物の足跡もない。遊歩道脇の斜面は雪の花が咲いた笹薮である。遊歩道わきの笹についた雪でズボンが白くなり、その都度払い落とす。小峠は一面真小峠のツララっ白で、大岩からは氷柱が垂れ下がっている。尾根取付きで真っ白になりそうなので、ゴアの雨具を着用する。
 取付き地点を探しながら遊歩道を刈込湖方面に緩やかに登ってゆく。地形図では、遊歩道は小峠付近で三岳林道に合流しているが、実際には距離にして200m(高度で50m)ほど北に位置している。このあたりで尾根に取付く計画だが、依然として斜面には笹が雪の花を咲かせている。雪をかぶる覚悟を決めると、幸いにも笹が切れて斜面もなだらかになり、こことばかりに尾根に取付く。
 取付きからは南東尾根になってはいるが、実際には幅広で明瞭に尾根筋を感じない。すぐに岩や倒木が現れ、これらを避けるたびに方向がずれてしまう。その都度コンパスと地形図を見て軌道修正するのだが、眼の翼状片の進行を防ぐために常時かけているサングラスで鬱蒼とした針葉樹林では地形図がよく見えず苦労する。岩と倒木が多いうえに、この山は窪地が多い。その都度急斜面を登ったり下りたりと忙しい。積雪は5cm程度で平坦に近い場所では全く問題ないが、急斜面では時には上滑りをおこす。雪で覆われていてよくはわからないが、下草がないらしく、上滑りが少ないのが救い。読みづらい地形をしているうえに、ひっきりなしに現れる岩や倒木を避けているうちに方向が狂ってしまう。標高1780級の小ピークに達した。ピークにこの程度の岩はあちこちにあり立っても針葉樹と障害物に邪魔されて方向が読めず、GPSで確認する頻度が増えてきた。大岩群を通過してシラビソの小薮地帯に踏みこむと、後方に枝越しに北に2193ピークとその右後方に高薙山が確認できた。東側は温泉ケ岳方面だが、うまく確認できない。この先は尾根筋が比較的明瞭となり、緩やかに登ってゆくと、矮小なシャクナゲが雪面から露出している標高点1883ピークに達した。むろんここからは展望はない。
 尾根取付きから1883ピークまでは、ほぼ計画時間通り(右肩関節周囲炎いわゆる四十肩を考慮して余裕の計画)だが、急斜面の登り下りに左腕だけでは済まされず、右腕も使用せざるを得ない。今までのところ肩が痛くてたまらないということはないが、先でどうなるか心配。今日の計画コースは小さなピークをいくつも越すうえに、岩や倒木の障害物さらには積雪でボディーブロのように先々で堪える可能性がある。どこかで退却することになろう。もしそうだとすれば1883ピークを東に下った鞍部から北西に下れば刈込湖の西端に逃げられそう。とりあえずは東鞍部まで下ることにした。
 針葉樹の小薮や倒木を避けながら不明瞭な尾根筋を下るのだが、急斜面では樹木にしがみつく場面が増えてきた。左腕だけではどうしようもなく、痛みをこらえて右上腕も使う。それでも登りに比べたら楽ではある。途中で次の目標である1882ピークを枝越しに確認して、東鞍部にたどり着いた。大事をとってここで刈込湖にエスケープすることに決めて、地形図を詳細にチェックする。ゴルフの芝目ではないが、下る方向が刈込湖に向いている。迷う心配はない。コンパスを設定してその方向に下ってゆけば刈込湖・切込湖遊歩道が受け止めてくれるのだから、心理的には楽である。
 コンパスを北西に設定して、沢状(多少のアップダウウンがあり、水が一定方向に流れないので沢ではない)の最低部を歩きだす。案の定、ここでも岩と倒木が多い。最初はなかなか高度が下がらない。時には針葉樹の小薮を漕いで雨具が白くなったりする。登りがないので障害物を避けるにしても肩への影響は少なくホッとする。退却開始地点から約40分もすると、下り勾配がつき出したが、方向は相変わらずコンパスの設定どおり北西を向いている。GPSで確認すると、このまま進めば刈込湖の西端にどんぴしゃり到達しそう。ところが標高1700あたりから北西に向かう沢状の筋が消えてしまった。その地点からは北へまっすぐに下り始める。今まで通過してきたような岩や倒木の障害物がなく、針葉樹の雪払いをしながら急降下すること15分で刈込湖・切込湖遊歩道に出合った。そこから5分で刈込湖西端に達してザックをおろす。
 湖畔の雪はかなり融けているが、谷間にみえる太郎山の西斜面はかなり白くなっているのが印象的。写真を撮って、エネルギーを補給していたら夫婦一組と単独行者が相次いで現れる。三岳はスノーハイクで訪れる人は少ないくないが、無雪期に歩く人は少ないようである(三角点峰を訪れる人がたまにあるくらい)。三岳には岩や倒木が多く、大小の窪みが多いので、残雪期のスノーハイクでは踏み抜きや体の沈みが予想される。単独行は避けたほうがよいだろう。

4 刈込湖 − 駐車地
 駐車地への戻りは先刻の三人の踏跡をたどることになる。最初は木階段が多い、9だか10箇所ある。最後の木階段を登ると緩やかに下り、往路での尾根取付き地点の自分の踏跡を確認する。小峠に戻るとベンチの雪は消えてしまい、ところどころ地面が現れている。小峠の先になると雪は緩み、地面がかなりあらわれている。駐車地にRV車がまだ駐まっていた。ここに駐車してどこに出かかけたのかしら。今日は体力的な疲れはなく物足りない歩きとなったが、肩の故障を抱えているので途中退却もやむをえまい。 
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