ひとり山歩き41 : 猪苗代スキー場から磐梯山に登ってきました。久しぶりの百名山は、快晴のもと山頂からの360度大パノラマを楽しむことができました。
磐梯山(1818.6m)登山
2002年5月2日(木) 快晴
1 行程
自宅(2:55) − 猪苗代スキー場P(6:00/6:10) − 天の庭(7:15/7:20) − 沖ノ平(8:05) − 天狗岩(8:35/8:40) − 弘法清水小屋(9:00/9:05) − 磐梯山頂(9:35/10:15) − 弘法清水小屋(10:30) − 天狗岩(10:45) − 沖ノ平(11:10) − 天の庭(11:45/11:50) − 猪苗代スキー場P(12:30/12:40) − 自宅(16:15)  
2 自宅 −猪苗代スキー場  猪苗代湖東岸からの磐梯山が美しい猪苗代湖東岸から見る磐梯山
 昨年の11月20日に赤城山に登って以来、冬の間は栃木県と茨城県の低山ハイクに専念していた。雪融けと共にウズウズしてきたので、雪の少ないと思われる磐梯山を選んだ。
 高速道を使用してもせいぜい1時間くらいしか短縮できないので、節約を兼ねて一般道を走ることにした。R4号で白河まで、白河からはR294号経由猪苗代湖南線につなぎ、最後はR49号線で猪苗代町のルートを選んだ。R4号は朝方は殆どが長距離トラック便で、信号にひっかることも少なく極めて順調。R294号から猪苗代湖南線は無人の野を行くがごとく殆ど車を見かけない。湖南線とR49号からの磐梯山の景色はとてもよく、途中で2回ほど車を停めて撮影をする。
 猪苗代町に入ってから猪苗代スキー場までは、よく整備された案内標識に従い迷うことなくスキー場に到着する。町営第2駐車場は平日は無料となっているが、小型バス、小型トラックが数台停まっているだけ。
3 登山口 − 沖の平  東壁の荒々しさにビックリ沖の平から見る荒々しい磐梯山東火口壁
 駐車場入口のゲレンデ案内板を見るも登山道の表示がない。登山口が何処かわからない。聞こうにも人がいない。ゲレンデの何処かに登山道があるだろうと、ゲレンデを斜めに登りだす。幸いに隣のゲレンデの中央にスキー場の作業道が見つかったので、これに沿って登る。急登すること30分でレストラン赤ベコに達する。ここからはゲレンデの中を急登することになる。前方数百メートルのところを先行する者有り、先行者を目印に後を追う。10分も登ると今まで正面に見えていた磐梯山頂が見えなくなり、振り返ってみると猪苗代湖の全容が見えた。スキーはやったことがないので、判らなかったのだがゲレンデの勾配は歩いて登ると結構きつくてとても滑りやすい。辺りに松の木が見え出すと、直ぐに一合目の天の庭に到着する。ここからの眺めも良い。見上げると磐梯山頂、振り返ると猪苗代湖と那須岳が見える。ゲレンデの途中で悪戦苦闘している登山者を発見して先へ進む。
 天の庭からは一転して、岩がゴロゴロした登山道となる。左手に磐梯山を見ながら登ってゆくのだが、樹木が少ないので山頂を常時見ながら進むことができる。天の庭から数分のところによく開けた場所があり、ここで先行者が写真を撮り終えて出発するところであった。とても礼儀の正しい好青年であった。彼には山頂でシャッターまで押してもらうことになった。ここからは猪苗代湖、那須岳、男体山、燧ケ岳等が眺望できた。もちろん、間近に磐梯山頂も見える。この辺りから見る磐梯山は樹木が生えている。更に高度を稼いでゆくと右手に赤埴山に差し掛かる。山頂を経由する道があるが、ここはトラバースする。トラバースは相変わらず岩が露出しているが比較的なだらかな道であった。赤埴山を過ぎると荒肌の櫛が峰が前方に見えるようになると、なだらかな下りとなる。このコースで下りのあるのは結局この周辺だけであった。ほんの僅か下り、左に鏡が池が見えると所々に雪が残っていた。沼がいくつかあるとのことだが、行きに隠れていて判らなかった。
 この辺りを沖の平(三合目)という。磐梯山の東壁は旧火口壁で荒々しい絶壁となる。天の庭辺りで見たものからは想像もできない姿であった。前方には矢張り荒々しい肌を見せる櫛が峰が聳えている。どうやら沖ノ平全体が旧火口のように思われる。この辺りにはダケカンバが目立ち、ツツジが雪の重みで寝そべっているのが印象的であった。 
4 沖ノ平 − 山頂  山頂からの大パノラマに驚嘆磐梯山頂から見る飯豊山  (上部の黒点は餌を求め飛び舞う燕)
 沖ノ平を過ぎると、登りのガレ場で、しかも急である。久しぶりのガレ場に悪戦苦闘する。この辺りでは山頂は隠れて見えない。20分程ガレ場を登ると、右に国際スキー場からの道を合わせると、前方に尖った岩頭が見える。このあたりを天狗岩というらしい。ここからの眺めも素晴らしい。裏磐梯はいうに及ばず朝日連峰まで見渡せる。
 更にガレ場が続き、とつぜん黄金清水で水が湧き出していた。ここの水と弘法清水小屋まで200mの小看板に元気付けられ先へ進む。ひと登りで弘法清水小屋(四合目)に着く。2軒の売店は誰もおらずひっそりとしていた。賑うのは5月第2日曜日の山開き後か?ここでも冷たい水で喉を潤し山頂を目指す。
  弘法清水小屋からは潅木に覆われた登山道を急登する。日当りが悪いためか道にはずっと雪が残っている。足跡を丹念に追いかけると、それほど苦労すことはなかった。時々潅木が切れて、山頂が覗ける。30分の急登で山頂にたどり着く。
 山頂には10人ほどが休憩したり写真を撮ったりしていた。40分の間にも入れ替わり立ち代りで、常時10人以上は山頂に滞在していた。山頂からは久しぶりに低山ハイクでは味わえない360度の大パノラマを楽しむことができた。猪苗代湖や裏磐梯の湖は眼下に収めることができ、那須岳男体山奥白根山燧ケ岳等尾瀬の山、飯豊山、朝日連峰、吾妻山、安達太良山と目移りする。未だ雪景色の飯豊山と朝日連峰が最も印象に残った。吾妻山はすぐ近くに見え、今日見えた山の中で次に登るのは吾妻山と決める。 
5 下山  登り返しがないのでノンビリ歩き
 車で来たので、何時ものごとく帰りは来た道を戻ることになる。縦走もやってみたいと思うのだが、せかっちな性格で電車やバスで時間を気にしながら行くことができず、つい車で出かけてしまう。往路で見えなかったものが復路で思わぬ発見につながるので、ピストン山行にも良い点はある。
 弘法清水小屋までは雪道の下りで滑りやすいので慎重に下る。この間に数人とすれ違う。小屋からはそれほど危ないところもなく周りの景色を楽しみながら下る。なんと言っても磐梯山の東壁と櫛が峰の荒々しさである。大火口の中を歩いていることが実感できた。帰ってからインターネットで調べてみると、案の定小磐梯山が大爆発で吹き飛んでしまったらしい。自然のエネルギーの大きさにただ驚くばかり。
 このコースはほんの少し赤埴山トラバースで登り返しがあるだけで、下る一方なので帰りは露出した岩に気をつけるだけのノンビリ歩きができる。つい最近まで栃木県の低山で楽しんだツツジもこの辺りではまだまだ先のこと。赤埴山を過ぎてもうすぐ天の庭というところで、単独行嬢に遭ったのが最後で11時40分であった。下山途中で十数人に遭った。やはり百名山は登山者が多い。低山ハイクでは誰にも遭わないことが何回もあったのと好対照である。
 天の庭からのゲレンデ下りは勾配が大きいので、制動するのにエネルギーを使う。蛇行しながら小走りに下っているうちに、登山開始時からの先行者にドンドン迫り、駐車場付近で追いついてしまう。今日は快晴で風も爽やかでほんとに良い山登りができた。 
6 猪苗代スキー場 − 自宅  復路で那須・塩原周辺の山に興味をもつ
 スキー場から猪苗代の市街に向けて走っていたら、桜の花を見かける。猪苗代湖南線沿道でも見かけた。栃木県より北に来たのだと実感する。
 帰りはR4号が混雑するかもしれないので、田島町・今市市経由も考えた。復路は連休前の上りだからそれほど渋滞はないと判断し来た道をそのまま戻る。黒磯と矢板で混雑していたが、思ったより早く帰れた。R4号は日本の基幹線なのだから大きな町にはバイパスが欲しい。
 帰り道で那須岳の他に那須・塩原の山々が見えた。登山意欲をそそるような山があるが、残念ながら名称を知らない。今年の秋には集中的に登ってみることにしよう。
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