ひとり山歩き415 : 仁下又沢をつめて錫ケ岳に登り、白根山まで尾根歩きを楽しんできました。仁下又沢は特別に危険箇所はありませんが、沢床が不安定で落石の危険性があります。
仁下又沢をつめて錫ケ岳〜白根山
2010年10月2日(土) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 仁下又沢 錫ケ岳  白根山
自宅(1:10) = 丸沼高原スキー場口(3:25/3:35) − 大広河原(仁下又沢出合)(4:25) − 丸沼発電所仁下又沢取水口(4:40/4:55) − 二俣(錫の水場分岐)(5:55/6:00) − 沢源頭(樹林へ)(6:45) − 錫ケ岳(7:25/7:50) − 錫の水場(8:30) − 標高点2296(9:10) − 白檜岳(10:10/10:20) − 白根隠山(10:55/11:00) − 五色沼避難小屋(11:45/11:50) − 白根山(13:05/13:15) − 七色平分岐(14:20) − 登山口・山頂駅(14:45/14:50) − 丸沼高原スキー場口(15:45/15:55) = 自宅(18:40)

2 自宅 − 丸沼高原スキー場
 気温が下がってきたので、長時間の尾根歩きをしたくなった。白錫尾根は何度も歩いているが、錫ケ岳から白根山まで通しで歩いたことはない。08年7月17日に錫の水場から白根山まで歩いてはいるが不完全でこれを補完することにした。往路・復路での重なりをなくすためには、丸沼高原スキー場から仁下又沢へと下り、これをつめて錫ケ岳に直登することにした。
 休日は白根山の人出が多いので、平日の昨日に実行するつもりであった。一昨日に生憎の大雨で沢の水量が増えている可能性があったので、仕方なしに土曜日に出かけるざるを得なくなった。仁下又沢の取水口までは、林道歩きができるので、暗くても問題ない。その先は明るくなってから歩くべく時間調節して家を出た。いろは坂の入口の馬返しの駐車場には車が10数台、若者が車外でたむろしている。いろは坂を走行していないようでホッとする。丸沼高原スキー場入口に車を駐めようとしたら先行者があり、出発準備中であった。こんな早朝にここから山に行く人は、自分に似た山行をする人なのだろうと声を掛けると「烏ケ森さんか?」と問われる。誰あろうか、掲示板によく登場するH@上三川さんであった。掲示板の上では開設(01年)以来の知古であるが、実際に逢うのは初めて。仁下又沢から錫ケ岳に登り、北西峰(2351)から北尾根を周回するとのことで、錫ケ岳まで同行することにした。H@上三川さんは健脚なので自分はついて行くことはできないので、あとを追ってもらうことにした。

3 仁下又沢 − 錫ケ岳 最短で山頂に立つ 水が涸れると歩行による落石あり、大勢での行動は避けること 錫まではH@上三川さんと同行
 丸沼高原スキー場から仁下又沢へ行くのは今回が5回目。最初だけはゲレンデを急登したが、その後はスキ仁下又沢 標高2070付近ー場の業務用道路を利用している。道筋はよく覚えいることと気温が低く、H@上三川さんと話しながらでも通常よりも歩みは速い。リフトおおひろの基部を通り、大広河原で仁下又沢林道に出合う。水の涸れた仁下又沢沿いの林道は崩落した部分もあるが通行には全然支障なし。林道の終点が丸沼発電所取水口となり、この先は沢床歩きとなる。取水口をかすかに明るくなる5時発と決めていたが、過去4回よりも短時間で着いてしまった。時間調整を兼ねて軽く朝食を摂る。
 取水口のすぐ先が三つ目砂防堰堤(二つは暗くて見えなかった)で、右岸側を越す。堰堤は全部で七つあり、最後の堰堤を越して消灯した。この先は適当に沢を渡渉をしながら進むが、容易に飛び石で越えられるので靴底を濡らす程度。標高1850と1900あたりで枝沢を右岸からと左岸から合わせるが、迷うような箇所はない。時々は右岸の獣道を拾うこともあり難儀するような箇所はない。取水口から丁度1時間で沢床に目印の三角錐状の岩を見る。ここが二俣で錫の水場分岐である(左俣はすぐ先で二俣に分かれ、その左俣を進めば錫の水場)。錫ケ岳へ行くには一般的には錫の水場経由で行った方が容易であるが男体山と中禅寺湖 (錫山頂から)、今日は同じ場所を歩かないという趣旨なので仁下又沢本流を進むことにする。振り返ると四郎岳と燕巣山その間に燧ケ岳が展望できる。二俣付近ではボチボチ色づき始めていた。
 二俣から1分ほど進むと右岸から小さな沢を合わせる。ここも迷うような場所ではない。更に1分で沢の水は涸れる。この先は浅いV字形の溝となり、底部には小岩が堆積している。小岩は不安定で歩くと崩れ易い。すぐ後ろで小岩の崩れ落ちる音が聞こえたので、振り返ると頭二つ分の小岩が音を立てながら落ちて行く。「危ない!!」という叫びと落石音に気付いたH@上三川が避けるとその傍を通過、危なかった。その他にも小さな落石があった。二俣から先は小岩が不安定であるから、大勢での歩行は避けるべき。
 沢床の小岩の間に砂礫がだんだん増えて来る。標高2150で沢が二俣となる。幅は殆ど同じ、ここは慎重にコンパスを合わせて左俣に進む。沢床は小岩よりも砂礫が多くなり、倒木が目立つようになる。標高2230あたりが沢源頭で、その先は樹林帯に突入となる。樹林の入口にリボンがついていた。その先で更に二箇所で見る。針葉樹の小藪と膝程度の笹は大した障害とはならないが、勾配がきついのには参る。少しずつ右(西)よりに進み、源頭部から20分(標高2290付近)で低い尾根上に到達。この尾根筋は藪が殆どない(この尾根筋にもっと下から取りつけば楽かもしれない)。標高2340あたりで古いテープを見ると勾配はゆるくなった。傾斜がなくなり小さなピークを越した先が錫ケ岳山頂である。5回目の登頂であるが、7時25分到着は今までで一番早い時刻である。歩き始めて山頂まで3時間50分は今までの最短(過去最短は4時間20分)、気温が低かったのとルートを熟知したことが起因。錫ケ岳の山頂に立つことが目的なら仁下又沢(今回のように直登もよし、錫の水場経由もよし)沿いに登れば他のどのルートよりも大幅に時間短縮は可能。一回限りしか錫ケ岳に登らない人には白錫尾根(白根隠山、白檜岳経由)をお勧めする。
 山頂には山名板が多い。赤二重丸の標識が見あたらない。付近を探すと笹の中に落ちていた。他の板の針金を利用して掛けておいたが、いつまでもつか。御料局三角点から西に少し進むと、男体山から中禅寺湖あたりが展望できる。皇海山の右上には薄く富士山も展望できた。

4 錫ケ岳 − 白根山 − 下山  一部笹で踏跡が薄くなっているが迷うほどではない  白根山登山者は多くて数え切れず
 エネルギーを補給して、北西峰から北尾根を下るH@上三川さんとどこかの山での再会を願って、左右に分かれる。笹尾根を下り標高2250あたりで単独行者とすれ違う。こんな早い時刻に出合うのは、五色沼避難小屋発かな? 笹が深くて道筋が薄い場所もある笹の表面を見れば道筋はすぐに分かる。男体山と中禅寺湖を見ながら下るのは気持ちが良い。笹が乾いているのが何よりものプレゼント。鞍部で小さな池塘がふたつ。左(北)に四郎岳と燧ケ岳、北西に荒沢岳から平ケ岳方面が展望。ここから小さなピークをふたつ越した鞍部が標高点2170、その先の小さなコブを越すと天場(二張り程度)錫の水場まで1分の標識あり。錫ケ岳 (白根山の標高2500から)
 ここからは笹尾根の登りが標高点2296ピークまで続く。2296ピークから方向を変えて数分進むと、後方に錫ケ岳とガスを被った皇海山が展望できる。場所によっては笹が深く道筋を外したら笹の表面を見て軌道修正。鞍部(標高2260)で北側を見下ろすと、昨年の8月25日に訪れた凹地が見えた。凹地周辺の山腹は色づき始めていた。その先で立ち枯れ部、大岳尾根分岐へと進む。この付近はシャクナゲが現れるが、踏跡を追えばどうということはない。白檜岳への登りは疲労した脚には堪える。菅沼から錫ケ岳へ向かう単独行者とすれ違う。明るいうちに菅沼に下れたかな? 笹の中の薄い踏跡を辿り白檜岳山頂で荷を下ろし、エネルギー補給(ここまでにアンパン1個、オニギリ2個、更に白根山でアンパン1個・・・家を出る前に朝食、帰ってから夕食を摂るから山歩きで消費するエネルギーよりも摂取過多、これじゃ山歩きをしても体重が減るわけがない!?)。場合によっては白根山の南斜面を直登と考えていたが、急斜面を見てあっさり諦める(@急斜面に下草しかすがりつくものがない。下るのさえも苦労した=07年8月10日。A疲労がたまっている。)白根隠山と日光連山〜中禅寺湖を眺めて荷を担ぐ。
 白檜岳から北鞍部へ下り、凹地を経由するのは過去に通っているので、オーソドックスに白根隠山へと向かう。菅沼から錫ケ岳へ登る人は避難小屋から凹地経由で白檜岳に登る人が多いようである。一度しか白錫尾根を通らないなら、10分位は余分にかかるが白根隠山経由で展望を楽しんで欲しいものだ。錫ケ岳を望む位の人ならこの位の余裕は持って欲しい!! (二度目以降はどのルートを選ぼうが好き好きだが)
 最初は笹尾根の歩き、途中から岩場やザレ地歩きとなる。疲労がたまるとザレ地では足が滑って登りづらい。白根隠山山頂には湯元温泉からの単独行者が景色を楽しんでいた。今回が山歩きを始めて9年で10回目である。この山が目的で登るのではなく、縦走の通り道となっているからである。樹木のない草付きの山頂からは展望がよく心が休まるのでお気に入りスポットのひとつ。
 下り始めると、高齢の夫婦とすれ違う。標高点2385、その先で小さなピークをふたつ越し、得体の知れないボロ小屋を見て避難小屋分岐に達する。ここから小屋への下りになると大勢とすれ違うようになる。避難小屋付近では外国人も数人見かける。ここから白根山までは下山者とひっきりなしに出合う。土曜日で天気もよしで思っていたよりは登山者が多い。抜かれたのは単独行者2人、7・8名くらいの軽装のグループ登山者、それと夫婦連れ。10数時間歩こうとしたら、人のペースには絶対に惑わされないことが大切。自分のペースをきっちりと守る。下山者が途切れることもなく山頂直下に達した。山頂からは人があふれそう。あまりに人が多いので、山頂に登るのを止めて下山しようかと思ったが、ここまで来たのだから白根山頂を踏むことにした。団体さんが写真撮影で人の顔を避けての写真撮影が困難。この頃にはガスが登って遠望が利かなくなっているから、すぐに下山した。今の時刻に山頂に達するとガスで展望はなく、登頂した喜びも小さくなってしまうのではなかろうか。
 ロープウェイ山頂駅方面から登ってくる人も多い。この時刻に子供連れで登ってくる人はいないが、下りの方は子供連れがけっこういる。特に危険箇所もないので、小学校低学年でも大丈夫のようである。山頂駅最終運行は16時30分だから山頂までは無理の人もいるだろう。色平分岐あたりですれちがう人は付近の散策であろう。昨年の7月以降に大日如来像は筐体で囲われた。日本人が箱もの作りを好むのはこんな所までおよんでいるとは。箱に納められて大日如来様はお喜びか、無信心な自分には無駄な公共事業と同じに思えるのだが(信心深い人はコンチキショウと思われるかも・・・信心深い人は心が広いからそんなこと思わないか)。二荒山神社の横を通って登山口の鳥居を潜るとロープウェイ山頂駅である。ガスっていて白根山は全然見えない。人も少なく数人見かけるだけ。
 業務用道路を下って行く。今日は往復でダブリをなくすために途中からゲレンデを下ろうとしたが、ガスで下が見えないので諦めて道路を歩く。スキー場入口に着いたら、予想通りH@上三川の車はなく、「13時半に到着」とメモがワイパーに挟んであった。 

白根隠山手前からの展望(
(白檜岳→至仏山(小さく)→白根山と凹地→白根隠山)
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