ひとり山歩き414 : 新潟県糸魚川市の蓮華温泉から白馬岳を日帰りピストンしてきました。好天に恵まれ展望を充分堪能しました。前日には、美ケ原のハイキングも楽しんできました。
美ケ原ハイキングと蓮華温泉から白馬岳
2010年9月17日(金)・18日(土) 両日とも晴れ
1 行程    
美ケ原のルートマップ(GPS)   白馬岳のルートマップ(GPS)    ウォッちず :  美ケ原高原武術館 美ケ原(王ケ頭)  蓮華温泉 白馬岳
第1日(9/17) : 自宅(2:15) = 美ケ原高原美術館駐車場(6:40/6:55) − 牛伏山(7:15/7:25) − 美しの塔(7:50) − 王ケ頭(美ケ原山頂)(8:20/8:50) − 駐車場(9:55/10:15) = 蓮華温泉駐車場(15:10)
第2日(9/18) : 駐車場(0:50) − 登山口(蓮華温泉ロッジ裏)(0:55) − 天狗ノ庭(3:00) − 白馬大池(5:00/5:10) − 船越ノ頭(標高点2612)(6:05) − 小蓮華山(7:05/7:10) − 三国境(7:50) − 馬ノ背(8:15) − 白馬岳(8:50/9:40) − 三国境(10:05) − 小蓮華山(10:50/10:55) − 白馬大池(12:15/12:25) − 駐車場(15:00/15:50) = 自宅(21:50)

2 自宅 − 蓮華温泉
 年一度の北アルプス山行は三股から常念岳・蝶ケ岳の日帰り周回と決めて、涼しくなるのを待っていた。今年は猛暑が続き、決行のタイミングが掴みづらい。あまり遅い時期だと日没が早まり、亀足にとっては夕暮れ後の下山となり好ましくない。まだ暑いがぼちぼち決行と決めて、最終調査に入ると、三股への林道が9月13日から11月末日まで工事のために通行規制(日曜日は除く)がかかってしまった。
 仕方なく、第二候補として準備していた糸魚川市の蓮華温泉から白馬岳を日帰りピストンすることにした。蓮華温泉から白馬岳往復のコースタイムは13時間程度だが、ネットで調べると10時間以内で歩く人ばかりである。目標を14時間と決めて、例によって超早朝出発することにする。前夜は駐車場で車内泊と決めているので、前日の夕刻までには蓮華温泉に到着する必要がある。高速道の夜間割引(50%)を利用し、午前中に美ケ原で時間つぶしをすることにした。
 4時までに高速道に乗るべく2時過ぎに家を出る。北関東道、関越道、上信越道をつなぎ、東部湯の丸SAで高速を下りて美ケ原高原美術館に向かう。美ケ原をハイキング後に、一般道経由で蓮華温泉に向かう。途中のルートはカーナビ任せで、松本市、大町市、白馬村、小谷村を経由する。食べ物は、小谷道の駅手前のローソンで調達(この先にはコンビニなし)。ずっと晴れていたが、小谷村が近づくと小雨となった。小雨は天気予報どおりだが、明日晴れるかチョッと心配しながらの運転。大糸線・平岩駅の先でR148から右折して平岩駅前で更に右折して蓮華温泉への道に乗るのだが、少しばかり分かり辛い。舗装した山道を約22km進むと蓮華温泉の駐車場に達した。70台の駐車場には6、7台駐まっているだけ。
 時間つぶしに蓮華温泉ロッジで800円で内湯につかる。駐車場に戻って、17時頃に夕食を摂って、リクライニングシートを倒して大相撲の放送を聴く。千代の富士が引退(古い話しだが)からは大相撲にはあまり興味を持っていなかった。放送を聴いていると日本人力士の方が少ないようだ。大相撲放送が終わり、ニュースが始まったらすぐに寝てしまったようである。22時頃にヘッドライトで目が覚めた。夕刻に小雨であったが、窓から空を眺めると満天の星空にニンマリ。劔岳前夜の馬場島、薬師岳前夜の折立駐車場でも就寝前は雨だったが、夜中に目を覚ますと星空だったことを思い出す。天気予報の読みがピッタリあたる。
 24時に目覚ましで起きて、軽くエネルギーを補給。登山靴に履き替えてザックを担ぎ蓮華温泉ロッジ裏の登山口に向かう。夜中に車が増えて拾数台になっているようだ。

3 美ケ原ハイキング  美ケ原山頂 富士山もかすかに在は百名山と言うよりは観光地
 美ケ原は深田久弥氏の百名山のひとつだが、現在は山というよりは高原の観光地という感じ。百名山を踏破する人の大部分は山登りとは程遠い高原のハイキングに終始するのだろう。山屋としては不満足だが、リストに載っているから仕方なし?? それとも楽ができて良かった?? 深田久弥氏が生きていたら、どんな感想を持つか興味あり。
 高原美術館から牛伏山までは山道と言えなくもない道を辿る。牛伏山から僅か下ったふるさと館からは数メートル幅の道路歩きとなる。牧場地帯の歩きで高低差は殆どない。復路で見かけたが、ヨチヨチ歩きの幼児さえ歩けるような所である。山登りしていると思えば全く物足りないが、暇つぶしにハイキングしていると思いながらのブラリ歩きとなる。展望は素晴らしい!! 富士山を始め北・南・中央アルプスがあちこちで展望できる。
 美ケ原山頂である王ケ頭は、放送局の電波塔が数本、更にホテルまでありで、山頂なんていう感じはしない。人それぞれの感じ方があるので、これ以上は敢えてコメントしない。

4 蓮華温泉 − 白馬岳  ほぼコースタイムで山頂到着  晴天で雄大な展望が充分楽しめ
 今日のスケジュールの基本、@白馬岳への稜線でご来光を拝む Aガスの湧き上がる前に白馬山頂に立つ(できれば8時までに) B 明るいうちに高速道に乗る  白馬岳の山頂に8時までに着くためには0時頃の出発が望日の出 後方は火打山、妙高山ましいが、主稜線をできるだけ明るくなってから歩けるよう1時出発とした。
 駐車場から150m先の蓮華温泉ロッジ右裏の登山口に進む。右の白馬岳方面に進み、山道を登り始める。数分で左に黄金湯への道を分ける。登山道は幅4,50cmで多少は小岩や砂利があるも歩き易い。ヘッデンの灯りでも特に問題ない。ロッジの明かりや駐車場に入る車のライトを時には見ながらの登りが続く。出発して30分ほどで「蓮華の森」の小さな標識を見るも、他には標識は見かけないが道筋を外すことはない。標高1800の上を「栂の森」というらしいが標識は見かけなかった。 標高2050あたりで、突然樹木が低くなり登山道の両サイドにトラロープ地帯を通過すると天狗ノ庭の標識を見る。ここからは西側の雪倉岳方面の展望がよいらしい。シルエットでかすかに見えるだけ。
 標高2140あたりで小沢を渡ると、露岩が多くなり勾配は緩むが歩き辛くなる。足元をヘッデンとペンライトで確認しながらの歩きで速度は上がらない。露岩帯は断続し、全般に天狗ノ庭までよりも岩が多くなる。予想よりも30分遅れで主稜線の白馬大池に到達した。大池山荘は100mほど東にあり、まだ人の動きは見えない。明るくなりかけた東の空を眺めながら軽くエネルギーを補給する。
 「2時以降に入山禁止」の看板を見て、白馬岳目指し幅広の登山道白馬岳直下の稜線歩きとなる。5:30に東の稜線に日の出を向かえる。今日の目標の一つはこれで達成。この頃になると小蓮華山は充分明るくなって写真におさまる。白馬大池からは気温6度で弱い風と相まって肌寒い。日が登るにつれて暖かくなり、防寒着を着用しなくてよかった。小蓮華山までに小さなピークを四つ五つ越さねばならない。登山道は尾根の右(北)側についているので、南側の展望は時々しか見えない。その都度、展望に目を奪われ、撮影のために歩みが停まる。8時に白馬山頂到着と自分に言い聞かせるが、復路ではガスが湧いて写真が撮れないと予測して、山頂着が遅れても仕方なしと妥協してしまう。
 登山道はガレてはいるが、危険箇所はなく歩き易いので助かる。標高点2612(船越ノ頭)が近づくと、その左手に白馬岳から鹿島槍ヶ岳への稜線が目に入るようになる。小蓮華山が近づくと、白馬岳の左奥に劔岳、鹿島槍ヶ岳の右奥に槍・穂高も判別できるようになってきた。今のところ晴天でガスも湧いていない。06年9月に劔岳以来、北アの山に今回で7回目であるが、すべて晴天である。
 小蓮華山に登り詰めると、単独行の女性が休んでいた。これから蓮華温泉に下り、13:35発のバスに乗って、大阪までも戻るとのこと。自分にはとても真似ができない。山頂付近は崩落のためにロープで立入り禁止となっている。標石と鉄剣を見るだけ。小蓮華山から下りとなる。標高点2719は小さな岩峰で、更に下った鞍部からは右(北)側を巻きながら僅かに登ると三国境(長野、新潟、富山)に達する。北に雪倉岳への稜線が続いている。このあたりになると、白馬大池に向かう人が多くなる。逆に白馬岳に向かうのは自分がトップのようである。後方に二人組をずっと確認しているが山頂までに追いつかれることはなかった。
 標高2800あたりで細尾根となり、振り返ると火打山、妙高山、高妻山あたりがしっかりと確認できた。標高2850位になると白馬岳の非対称(長野側は切れ落ち、富山側はなだらかな斜面)稜線歩きとなり、山頂が目前に迫り高揚し足が速まる。白馬岳の山頂にはコースタイムよりも30分遅れで到着。期待の8時前到着は無理だった。蓮華温泉から白馬大池までが思ったよりも足場が悪く安全確認で30分遅れ、大池から白馬岳の間は景色に見とれ同じような写真撮影に時間をかけ過ぎた。山頂到達時にはぼちぼちガスが湧き始めていて、辛うじてセーフというところ。「余は満足じゃ!!」と心の中で喝采。
 到着時に10人くらいが展望を楽しんでいた。大池方面に向かう人もいるが、大池方面から到着する人が多く、徐々に人数が増える。360度の大パノラマが拡がり目移りがする。どうしても過去に登った山を追いかけてしまう。劔岳、槍ヶ岳、鹿島槍ヶ岳は確認できたが、薬師岳は確認できなかった。大雪渓を見下ろすと蟻の行列が見える。

山頂からの展望(大雪渓→槍ヶ岳方面→劔岳方面)


5 下山(往路を戻る  復路はガス模様で展望が利かなくなってしまった  劔岳
 時間的にはまだ余裕あるが、復路の尾根筋にガスが湧き上がってきたので下山を開始する。大池方面に向かう人は少ない。先行者が一名、すぐに一名に追い越された。いずれも若い人で自分とはフットワークが違う。すぐに見えなくなってしまった。馬ノ背から見下ろすと、舟形の二重尾根となっている。左(西)側の低い尾根筋をトラバース気味に下ると三国境に到着。このあたりから大池方面から登ってくる人が多くなる。栂池発にしては早過ぎるし、大池発にしてはユックリな出発だ。小蓮華山へは復路最大の登り返し。往路では火打山、妙高山方面は逆光であったので、復路で楽しもうと思っていたが、ガスが湧いて全然見えなくなってしまった。
 その後追い越されたのは一名だけだが、すれ違いは数え切れないくらい。道を譲るのにけっこう待ち時間が多かったように思うが、行程時間に影響するほどではない。ライチョウ坂を下ると大池山荘が見えて、山荘横にテントが数張り見える。小屋前ではテント準備中の人が10人くらい。大池山荘分岐から蓮華温泉方面に少しばかり進んだ地点でエネルギー補給の休憩をとる。
 この先は殆ど人に出逢うことはないだろうと予想して歩き始めたら、登ってくる人は多い。下山終了までに20人以上とすれ違う。大きなザックを担いだ夫婦連れが多い。4人組などもいたが、単独行者は3名。三組に聞いて見たところ、大池泊まりとのこと。荷物の大きさからテントを張るのだろう。天狗ノ庭では数名のグループが休憩中であり、ガスっていて展望もないので邪魔しないように通過する。
 蓮華の森を過ぎて軽装の一名に抜かれる。黄金湯分岐を過ぎると、すぐ先が蓮華温泉ロッジで無事下山。そのまま通過して駐車場に向かうとビックリ。70台の駐車場は満杯になり道路にもあふれている。大池からの下山途中で最初にすれ違ったグループ(9時頃出発?)に聞いたときにはそれ程混んででいないとのことだったが。その後増えたようで、露天風呂を楽しむ人が多い??
 トータル14時間はほぼ目標どおり。ロッジで風呂に入って帰路につく。

6 帰路
 長野市内で渋滞したが、高速道は休日料金にもかかわらず渋滞するほどではなかった(SAがちょっと混んではいたが)。今日は土曜日につき、休日料金適用で途中のSAで時間調整する必要なし。太田桐生で高速道を下りると、睡魔に襲われる。ガムをかんだり、水を飲んだり、大声で歌ったりでなんとか切り抜ける。反省としては途中のSAで仮眠するべきであった。
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