ひとり山歩き412 : 中央アルプスの千畳敷から檜尾岳まで主稜線歩きを楽しみ、檜尾岳から東尾根で下山しました。好天に恵まれ素晴らしい展望を堪能しました。
中央アルプスの檜尾岳(2727)
2010年8月30日(月) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 檜尾岳
自宅(8/29 22:00) = 菅の台バスセンター(4:50/7:00) = しらび平(7:30/7:50) = 千畳敷(8:00/8:10) − 極楽平(8:50/9:00) − 島田娘ノ頭(9:05/9:10) − 濁沢大峰(10:15/10:25) − 檜尾岳(12:05/12:20) − 檜尾避難小屋(12:30/12:50) − 水場分岐(12:55) − 小檜尾岳(13:00) − 赤沢ノ頭(15:05) ー 檜尾登山口(16:35) − 檜尾橋(16:40/16:56) = 菅の台バスセンター/こまくさの湯(16:50/17:30) = 自宅(8/31 1:05 、SAで3時間仮眠)

2 自宅 − 千畳敷
 中央アルプスの空木岳に行く計画は2年前から持っていた。池山尾根で空木岳を日帰りピストンするのでは、労が多い割には展望が楽しめない。主稜線歩きを楽しむには、千畳敷から檜尾岳経由で空木岳まで歩き、池山尾根を下れば良いのだが、無理のない計画では木曽殿越山荘に一泊するのが一般的である。山小屋には泊まりたくないので、途中の檜尾避難小屋に泊まることを考えた。初日は行程が短く楽であるが、二日目はロングウォークとなる。自分の脚力では初日に木曽殿越を通り越して、空木岳山頂直下の駒峰ヒュッテ(避難小屋的営業小屋)までは無理。木曽殿越山荘は場所的には申し分ないのだが。
 初日は檜尾避難小屋で充分休養ができるので、菅の台バスセンターまでは多少無理なスケジュールでも高速道の休日料金を利用することにした。日曜日の24時までに高速道に乗るには22時半頃に自宅を出る必要がある。山行のために24時頃に起き出すのはしばしばあるが、その場合でも5時間は睡眠を取っている。今回は3時間しか睡眠が取れないので、途中で眠くならないか少しばかり心配。
 22時前に目が覚めたので、余裕を持って運転するために22時に自宅を出発する。山行計画はエスケープルートまで考えてたが、出発早々思わぬトラブルに遭遇。小山市の渡良瀬川で花火大会があり帰路につく車の渋滞に巻き込まれてしまった。15km進むのに約1時間もかかり、24時に高速道に乗るのは諦めムードとなる。国道50号は渋滞がなく、太田桐生ICに滑りこみセーフ。普通に運転すれば太田桐生から約3時間。菅の台で仮眠をするつもりだったが、運転中に多少眠気を感じたので、各SAに寄り道をしながら車を進めた。駒ケ根ICを出る直前に近くのコンビニを検索して、ICから3分のコンビニで食料を調達する。菅の台バスセンターの広い駐車場(350台収容)には20台程度で、前泊の人はボチボチ起き始めた。
 その後、車は増え始めた。定時便の始発は7:12分だが、7時に増発するという案内あり。臨時便でしらび平まで行き、始発よりも10分早くロープウェイに乗り込む。千畳敷で家で用意してきた登山計画を投函して、すぐに登山にかかる。

3 千畳敷 − 檜尾岳  好展望を楽しむ  早く着いた避難小屋は密閉で温室みたい・・・昼寝なんてとんでもない 困った!!
 殆どの人は千畳敷カールに向かう。極楽平に向かう人は先行者が一人(撮影のため)。露岩の登山道を進むと左手に南アルプスと富士山の頭が見える。今日は好天で展望を楽しめそう。千畳敷の5時の気温は13度程度だが、重い荷物(二日分の飲料水を持参したので約14kg)で少しばかり汗をかく。今日の歩行時間は4時間程度なので急ぐ必要はなく、景色を楽しみながら登る。極楽平で南アルプスや御嶽山の景色を楽しんでいたら、二人組が登ってきた。木曽殿越山荘泊まりとのこと。単独行の女性も登ってきた。
 緩やかな主稜線を進むが、尾根の右側に登山道があるので、南アルプス側はブラインドとなる。5分で小ピークの島田娘ノ頭に達する。ここからは前方にこれから進む稜線が見えて、檜尾岳も空木岳も確認できる。振り返ると御嶽山、乗鞍岳も展望できる。左手には南アルプスと富士山の頭も展望。通常は藪尾根歩きに精を出しているので、展望を楽しむのは少ない。年に一二度のアルプスの展望はやはり素晴らしい。島田娘ノ頭を越すと登山道はやや厳しくなる。ガレや露岩帯を下った鞍部からの登り返しはきつい。露岩やハイマツの登山道を登り詰めた岩峰は濁沢大峰で、山頂の足場は悪い。このあたりまでは極楽平で出合った二組とは何度か抜いたり抜かれたりして来たが、夫婦連れが追いつき追い越していった。檜尾岳〜空木岳稜線 (島田娘ノ頭から)
 この先は大嫌いなヤセ岩稜が続くので、件の二組よりも遅れだした。大きなザックが岩の間に二三度とこすれる。無理して通るとザックで身体が押し出されるので慎重に歩く。二度目の短い鎖で下ると、ヤセ岩稜は終わりホットする。鞍部からは約200メートルの登り返しとなる。ガレた登山道やハイマツの中を登るにつれてガスが足下まで登ってきた。重い足取りで登りつめた檜尾岳の山頂には件の二組が昼食休憩をとっていた。ガスがかなり上って来て展望がままならぬようになってしまった。空木岳と熊沢岳の一部しか見えない。先刻から檜尾岳の東尾根に見えていた避難小屋は山頂から間近である。今夜はここで過ごすにしても時間を持て余しそう。二組に挨拶して別れる。
 山頂直下にはお花畑が広がっているが、花には興味なく通り一遍の写真で,ハイマツの中の登山道を下って少しばかり登り返すと檜尾避難小屋に達した。外観は素晴らしい。二重ドアを開けると内部は小ざっぱりしていて、シュラフとマットが五六組備え付けて合った。小屋は密閉されているせいか、ドアを開けた途端に気温が高く快適とは言えない。ドアを開放しても室温が下がるまでにはかなり時間がかかりそう。虫でも入ってしまったら困る。ここで昼寝をしようとは甘い考えだった。ウーン 困った。外で昼食を摂りながら考える。これから夕刻までどうやって過ごそう?外で昼寝はないよネ! 明朝に檜尾岳までハイマツの中を歩くと露でずぶ濡れになるだろうな! 
 木曽殿越山荘は予約がないと泊めてもらえないし、空木岳まで行く脚力はない。途中でツェルト泊も嫌だし(鳥海山でのツェルトのビバークで身体がびしょびしょに濡れた不快感がトラウマとして残っている)。 このまま檜尾登山道で東尾根を下ってしまうおうか? 檜尾橋から最終バスに乗るには5時間で下らねばならない。事前の調査では3〜4時間で下っているようである。こんな尾根を歩く人は健脚ぞろいだから自分には適用できない。登山道が迷わない程度に通じているとして、標高差1500メートルを下るのに平均で1時間に300メートル下れば良いことになる。明るいうちに下山できそう。最終バスに間に合わねば、更に5kmばかり舗装道を歩けば良い。決めた、下るぞ!!

島田娘ノ頭からの展望(目安として:南・檜尾空木方面→東・南アルプス→北・八ケ岳、宝剣岳→西・御嶽山)


4 檜尾登山道下山  標識多く登山道は明瞭 展望は期待できない
 水を二日分、5リットル持参したが、まだ1リットルしか消費していない。残り4リットルのうち半分を捨てることも考えたが、万一を考えてそのまま担ぐことにした。こんなこともあろうかと地形図は用ガスに隠れた空木岳 (檜尾岳から)意してきたし、事前のWeb調査では、道は通じているようだし特に危険箇所もない。決めたら即実行。標識に従ってハイマツの登山道に入る。約5分で水場(1分)の標識を見る。チョッと覗いて見たが、水を汲むには少し下る感じ。すぐに登山道に戻り先を急ぐ。更に5分で小檜尾岳の標識のある小ピークを通過する。振り返ると檜尾岳はガスで隠れてしまった。途中で何度も「檜尾登山道 1500m→赤沢のカシラ EL2370」の標識を見る(1500mは何を意味するか理解できななかった・・・この数字は変わる。ELはelevationで海抜と思われる)。標高2600あたりからは灌木帯で勾配が幾分急になる。露岩等の障害物もあり決して歩き易いとはいえないが、道筋が明瞭なのが助かる。途中に短いアルミ梯子が六ヶ所に設置してあった。例の登山道標識は何度も見るが、赤沢のカシラと数字は意味が分からなかい。それでも登山道を歩いていると言う安心感を与えてくれる。脚が重くなってきたので10分ほどエネルギー補給を兼ねて小休憩をとる。
 根は少しばかり張り出しているが、露岩がなくなったのが助かる。程なく赤沢のに達した。地形図の1991.7地点であるが、三角点の有無は確認せず。家に帰って写真を見たら○○・・・○入口の小標識が大木の根本に隠れていた。檜尾岳まで3.5km、登山口まで3.87kmの標示あり、距離的にはまだ半分来ていないが、山頂からに換算すると2.5時間要した。今までのような道筋なら、最終バスは微妙な感じ。
 上半身は汗でびしょ濡れとなり、給水間隔も短くなってきた。疲れた脚腰に鞭打って先を急ぐ。幸いに赤沢の頭からは林床は笹となり、登山道に岩はなくなり、クッションが効きだして歩き安くなる。地形図では破線は尾根上を通っているが、実際には尾根の左に出たり右に出たりでかなりジグザグ歩きとなる。標高1450あたりからはカラマツ林となる。この頃になると最終バスには余裕をもって間に合うと確信する。標高1400あたりからは尾根から外れて山腹をジグザグに急降下となる。ここまで来ると最終前のバスに間に合わせようと頑張る。最終的に石階段を下ると、登山口に飛び出した。約4時間で下山できた。登りの脚力はからきし駄目だが、下りはまだ捨てたもんじゃない。登山口からバス停までは約5分。菅の台バスセンターまでは10分。駐車場は早朝よりも空いていた。


5 帰路
 近くのこまくさの湯で汗を流す。予定変更を考えて、雨飾山の準備をして来た。風呂あがりに着る木綿の衣服は用意してきたが、登山用の衣服は忘れていた。今日着用したびしょ濡れの衣服を乾かして着る気にもなれず。家に連絡して帰路につくことにした。このまま車を飛ばすと21時頃に高速を下りることになる。夜間割引を適用するために途中のSA東部湯の丸で3時間ほど仮眠する。24時に太田桐生ICを通過するには、時速80kmでノロノロ運転する。いくら高速道がすいていても制限速度の80kmで走っていると、トラックは追い越しで迷惑をするようだ。伊勢崎ICでは24時を待つトラックがランプウェイに列をなして停まっている。24時を過ぎるかどうかで高速料金が50%引きで3000円の節約。
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