ひとり山歩き411 : 奥日光の赤岩滝を見物後に、ネギト沢経由で宿堂坊山に登りました。赤岩滝へはマーキングが多いので迷うことはないでしょう。ネギト沢経由の宿堂坊山は一般的ではありません。
赤岩滝(70m)と宿堂坊山(1968)
2010年8月21日(土) 晴れ
1 行程    
ルートマップ(GPS)  ウォッちず : 赤岩滝  宿堂坊山
自宅(1:40) = 赤沼茶屋(3:25/4:00) = 小田代原BS(4:12) − 西ノ湖入口(4:50) − 柳沢渡渉(5:40) − 赤岩滝分岐(6:05) − 赤岩滝(6:20/6:30) − 柳沢渡渉地点(7:00) − ネギト沢入渓(8:15) − ネギト沢源頭(9:15) − ネギト沢コル(9:35/9:40) − 宿堂坊山(10:10/10:30) − 標高点1802(10:50) − 東尾根分かれ(11:00) − 標高点1444(11:45) − 下山(12:10) − 西ノ湖入口BS(12:25/12:49) = 赤沼茶屋(13:15/13:20) = 自宅(16:35)

2 自宅 − 赤沼茶屋 − 西ノ湖入口
 北アルプスに行きたいが、天候が安定しないので今しばらく待つことにした。今日の天気予報は「所によっては雷雨」と芳しくない。短時間で片付くような場所ということで、奥日光の赤岩滝とネギト沢経由で宿堂坊山を計画した。今日は短時間勝負で、土曜日ということで低公害バスを利用することにした。西ノ湖入口への始発は赤沼茶屋5時30分、これでは遅すぎて山に行く気分になれない。小田代原まで4時発を利用すべく、見計らって家をでる。土曜日の早朝ということで、いろは坂にローリング族が出没するかもしれない。馬返しと明智平の駐車場にそれらしい若者がたむろしていたが、幸いに走行はしていなかった。
 赤沼茶屋に早く着きすぎてしまったので、車の中で一休み。バスに乗り込むと予想通り三脚とカメラを持った人ばかりで山行者は自分ひとり。平日には早朝バスがないので、暗闇の中を自転車で行く人が多いのだが。小田代原から西ノ湖入口までは歩く。ペンライトの灯りで弓張峠まで歩き、以降は消灯。

3 赤岩滝  特に危険な場所もなく、標示も多い  豪快な姿に見とれる赤岩滝 70メートル
 柳沢林道を歩いて赤岩滝方面には何度もいっているので道筋はよく覚えている。最後に歩いた4年前に比べて、多少は崩壊が進んでいるかもしれないが、歩くには全然支障がない。宿堂坊山の東尾根取付きや大岳への取付き(「落石注意」標識あり)を思い出しながら歩く。地形図の破線よりは少しばかり手前で踏跡が川原に誘ってくれる。ここが柳沢渡渉地点で飛び石で渡る。以前は細い倒木を何本か渡してあったが、公共事業(?)が進み渡渉地点に飛び石が増えているので渡るのは容易であった。
 柳沢林道は対岸を左(南)に進むのだが、赤岩滝は右(北)へ進む(道標あり)。少し進むと砂防堰提があり、その手前の左岸に木橋の残骸が目にはいる。沢右岸の山際の薄い踏跡や川原のゴーロを歩いて行けばよい。適当に黄色ペンキの○や小さなケルンがあり迷うことはない。黄/赤の四角いマークが赤岩滝分岐の目印で柳沢の渡渉を誘ってくれる。(分岐で渡渉せずに進むと柳沢林道終点経由で2077、錫ケ岳へ行くことができる。四角のマークに錫ケ岳4hと書いてある。このルートは4年前に紹介した。)
 柳沢を渡って少しばかり進むと今度は赤岩沢(というのだろう)を渡り、左岸の踏跡を追って行く。左岸を4,5分進むとナメ滝が見える。その手前で右岸に渡る(左岸の尾根方面にも踏跡あり、多分これを辿って行けるだろう・・・・未確認)。ナメ滝を越すとすぐ先が赤岩滝の滝壷である。四段の滝は高さ70メートルといわれる。奥日光で美弥古滝やカクレ滝を最近見たがそのスケールに置いて比べようもない。滝壷からでは余程のワイドレンズでないと全容を写すことができない。23mmでやっと全容が収まる。
赤岩滝の様子


4 ネギト沢から宿堂坊山  ネギト沢はジメジメしていて快適とは言えない 
 赤岩滝から柳沢渡渉地点に戻ると、対岸に若者が3.4名見えた。服装から判断すると沢歩きをするのであろう。柳沢林道を渡渉地点から先に進むのは7年ぶり。僅か進んだ地点に中年の方が朝食を摂っていた。これらの方々は赤沼茶屋5時30分発のバスに乗って西ノ湖入口から歩いてきたのであろう。林道は草が生えたり、落石で荒れているが、歩くには全然問題ない。ネギト沢に架かる14号橋は7年前と変わらず落石した大岩をガッチリと受け止めている。その先のヘアピンカーブの切通を過ぎた地点が、宿堂坊山の北東尾根の取付きで一升瓶が置いてあった(最近は東尾根で登る人が多い。以前はここから登るのがメインだった)が、今回は確認しなかネギト沢の石祠った。その先は林道が二箇所で崩壊している。崩壊地を慎重に通過する。更に草の生えた林道を進むと、林道が突然消えてしまう。ここでネギト沢の対岸へと通じるのだが、沢には朽ちた木橋の一部が残っている。ここからネギト沢に入ってもよいのだが、右岸に薄い踏跡が認められたのでこれを追う。100メートルほど進むと沢には3,4段の数メートルの滝が見えた。右岸を高巻いた地点でネギト沢に入渓する。
 ネギト沢は沢屋さんが歯牙にも掛けないようなので、尾根歩きの自分にも歩けるだろう。もし危険を感じたら尾根へとエスケープすることにする。沢床は狭く、ジメジメしていて雰囲気は良くない。1、2メートルの段差を何箇所かで乗りこさねばならないが、足がかりの岩の窪みに溜まった土が滑り落ちるので少しばかり苦労する。標高1650を過ぎると沢幅は狭くなり勾配も増す。二つの二俣を左左へと登って行く。二つ目の二俣を過ぎると水流は少なくなり、標高1800あたりが源頭で水流が消えた。ここから斜面を約20分ほど登るとネギト沢コルで、04年6月14日に歩いた時に見逃してしまった石祠を見つける。この石祠の青銅の扉には修験者名と弘治2年(注:1556年=織田信長23歳で岳父の斎藤道三が死んだ年)と刻まれている、とのことである。(この石祠については「埋もれた日光修験の回峰行遺跡を探る 宿堂坊山の宿跡と石祠について」( http://akanekopn.web.fc2.com/yama/sanyaken/sanyaken5.html )に詳しく記載されているので参照願う)。ネギト沢の水場への標識も樹木に打ち付けてあったが、「7分」の文字は消えてしまったようである。
 コルの笹は大腿部ほどであったが、宿堂坊山に向かって登って行くと笹は低く薄くなる。途中で踏跡とマークを見失ってしまった。左手の少し高い尾根筋に踏跡は続くものと思われたが、どこを歩いても藪はないので適当に山頂を目指して登って行く。山頂直下で左手に寄ってみると踏跡が見つかり、1分ほどこれを追うと6年ぶりの宿堂坊山頂に達した。三角点と御料局三角点を中心に小高い山頂部には古い標識類が多数。残念ながら山頂部からは展望はない。

5 下山  東尾根には赤テープが多い・・・なんでなんでなんでどうしてどうして??
 バスの時刻表を確認すると、西ノ湖入口12時49分発に間に合いそう。当初計画どおり東尾根を下り標高点1802の先で東尾根から分かれて、急斜面を下り標高点1444を経由することにする。
 山頂の東側の低い笹地帯を通って樹林に入ると赤テープが迷惑にも案内してくれる。何故こんなにテープをベタベタ付けるのだろう。藪山のルーファンの楽しみを知らないのかなア。ピークハンターが付けるのかなアアアア。道路標識みたいにテープをつけないと歩けない人は、藪山には入るべきではない。何らかの事情でテープ類を見失ってしまったら歩けなくなるのでは?? それとも動物のマーキングと同じで縄張りを示しているの??  東尾根は藪はなく尾根筋は単調で迷うような場所はない。下って行く先に赤テープがメインで黄色テープと包装リボンが目に付いた。
 標高点1802付近は小さなコブとなっている。すぐ先で二重尾根状になり、倒木が多い。二重尾根が終わる地点で東尾根から分かて、南南東の標高点1444を目指す。急斜面を200メートルほど下ると、幾分か勾配が緩んで歩き易くなる(途中で包装用リボンを一箇所で見る)。左手に低い尾根筋が見えたので、そちらへ進むとブナの多い尾根に乗った。尾根筋が平坦になるとカラマツ林で標高点1444の前後で小さなコブを四つ五つ越ながら下って行く。バスには余裕を持って間に合いそうなので、計画通りに尾根通しに下ると、柳沢川のほとりに下山できた。川沿いに130メートルほど進み柳沢吊橋を渡ると、大勢のハイカーに出逢う。西ノ湖入口で服装を整えてバスを待つ。赤沼茶屋まで歩くと1時間半以上はかかるが、バスでは20分で、300円。極楽極楽!! 赤沼茶屋の駐車場は満杯状態。 
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