ひとり山歩き399 : 丸沼高原スキー場から白根山に登り、避難小屋に下りて五色沼、弥陀ケ池と歩き、谷コースで菅沼に下りました。天気にも恵まれ今シーズン最後の残雪歩きを楽しみました。
丸沼スキー場から白根山(2578)〜五色沼〜菅沼
2010年5月9日(日) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)    ウォッちず : 白根山  丸沼スキー場
自宅(1:00) = 丸沼スキー場第六駐車場(3:05/3:25) − 丸沼スキー場(3:30) − ロープウェイ山頂駅・登山口(4:35/4:45) − 血ノ池地獄分岐(5:10/5:25、アイゼン装着) − 森林限界(7:25) − 白根山頂(8:10/8:25) − 避難小屋(9:40) − 五色沼(9:55) − 弥陀ケ池(10:45/11:05) − 菅沼登山口(12:10) − 駐車場(13:25/13:35) = 自宅(16:10)

2 自宅 − 丸沼スキー場
 4月30日湯元温泉から白根山を目指したが、雪面はカリカリ状態で靴底が残る程度で滑落を恐れて標高2400で退却となった。このまま今シーズンの雪山歩きを追えるのは、なんとも癪である。5月5日には雪面が緩み、膝まで沈む程度という記録をヤマレコで見かけた。4月30日(ポカリスウェットがシャーベットになるほど気温が低かった)に比べたら気温が上がり雪面が緩んで、ひょっとしたら登下山ができるかもしれないと、性懲りもなく考えた。自分の性格からして近々で同じコースを歩くのは苦痛で、途中で挫折してしまうのは必至。そこで考えたのが、丸沼スキー場から白根山に登り、南東斜面を下ることである。前回の経験から登るのはカリカリ状態でも恐ろしさはあまり感じなかった。下れればいつの日にか往復をする機会もあるだろう。今日のハイライトは山頂から避難小屋への下りと決めて、準備を進めた。
 調べて行くと、スキー場は5月6日から休業に入り、ロープウェイは月末までは休止。これならこちら側から登る人はいないだろう。少なくとも丸沼コースは独り占めができそう。今日は日曜日で山は行きたくないのだが、月曜日は車が使えないので仕方なし。早朝の気温の低い時に距離を稼ぐために、例によっては早出出勤(定常出勤と言ったほうが当たっているかも)。金精トンネルを越すと道端に残雪を見るようになるも、道路は通常状態で全然問題なし。丸沼スキー場の第六駐車場のゲートが開いていたので無断で使わせてもらう(下山して戻ってきたら、入口にロープが張ってあった)。

3 丸沼スキー場 − 白根山  残雪は連続しトレースあり、雪がしまっていて歩き易かった
 日中は暑くなりそうなので、帽子や手袋は夏用で衣服はほぼ残雪歩き用で、ヘッデンを点けて丸沼スキー場に入る。月明かりでゲレンデには雪は残っているように見える。ゲレンデ登りは止めて、スキ−場の業務用道路を歩いてロープウェイの山頂駅に向かう。道路は完全に除雪してあるので、無雪期の林道歩きと一緒。途中でヘッデンを消灯し、ロープウェイの山頂駅についた頃には充分明るくなっていた。写真を撮って登山口に進むと、残雪は連続となる。山頂から錫ケ岳 
 二荒山神社で手を合わせて、残雪の遊歩道に進む(鹿進入防止のネットの扉は撤去してある)。樹林帯でしかも早朝のため、残雪は締まっていて歩き易い。トレースがたくさんついているが、気温の高いときにつけたものか中には向う脛程度まで沈んだものもある。血ノ池地獄分岐からは勾配がきつくなるので、アイゼンを装着した。結構冷えるようで、防寒着なしで薄い手袋では寒さを感じる。そのうち暑くなるだろうと我慢したが、耐え切れずに防寒着の上と厚手の手袋を着用する。残雪はよく締まり歩き易いが、トレースは針葉樹の落ち葉で汚れいて薄い。時々見失うたびにサングラスを外して探すとすぐに見つかる。大日如来は像が見えているだけで台座は完全に雪の中。昨年の7月には無かったのだが、いつの間にか小屋住まいとなっていた。七色平分岐を越すと、本格的にトラバースしながら南東へと登って行くようになる。進入禁止の看板を二箇所でみたが、その方面へのトレースは見当たらなかった。地獄谷の手前で右手が開けて武尊山から至仏山あたりが展望できる。樹林帯のコースであるからそこ以外では展望は得られない。トラバースしているので、右手が切れている箇所が多いが、特別に危険と言うほどではない。
 高度が上がるにつれて風は強まっているようだ。標高2350で南東から東に方向を変えて急登すると、ますます風は強くなり、枝越しに錫ケ岳あたりが見えるようになる。50メートルほど急登すると森林限界に達する。
 武尊山から至仏山あたりが展望できるのだが、風が強くて写真を撮るのも容易で無い。山頂方面を見ると、当然樹木は無く、雪は行程の半分は残っているようである。この調子では山頂まで行けるか心配になる。今日ほどではなかったが、昨年の7月に夫婦で登ったときも風が強かった。その時の経験では、ロープで囲まれたガレた登山道を進むと風が多少弱まることを思い出した。行けるところまで行こうと、残雪が断続する登山道を登って行く。森林限界地点よりも風は弱いが場所によっては吹き抜けている。雪渓を登りつめるて岩場を少し登ると、奥白根神社に到達した。ここまで来て山頂を踏まない手はない。この先は残雪はないが、面倒でアイゼンを着けたまま岩場を登って、強風の吹き荒れる白根山の山頂に達した。360度の大パノラマが拡がっている。足場が悪いのと、強風で落ち着いて写真も撮れない。ビデオの画面が大きく揺れるのは風でぐらっとしたときである。風は強いが日当たりがあるので寒いという感じはない。山頂の温度計を読むのを忘れてしまった。エネルギー補給もままならず、15分の山頂滞在で神社に下る。

山頂からのパノラマ(燧ケ岳方面から反時計回り)


4 白根山 − 五色沼 − 菅沼  トレースと軟雪に助けられて急斜面を下る  その先はルンルン気分
 いよいよ今日のメーンエベントの白根山の南東斜面下りである。神社からは南東斜面は見えないから残雪状況は分からない。最近の気温上昇で残雪は少なくなっているだろうが、果たして下りられるだろうか。神社前で地形図を見ながら少しばかり逡巡する。下りられなければ、途中から登り返せばよいと決心する。凹地の一部は雪解け水が溜まっている。水溜りの傍の不動明王像に手を合わせて成功を祈る。その先は夏道が続いている。雪の無い夏道を辿り、県境に立てられた道標を過ぎた地点で、小屋泊まりの青年が登ってきた。残雪状況を親切に教えてくれるとともに励ましてくれた。怖くなって登り返してくるかもしれないので、再会するかも、と言って別れる。
 道標のすぐ先の標高2500付近からは勾配がきつくなるとともに、残雪が連続している。トレースがついているし、雪面はほどよく軟らかい。な山頂直下の凹地んとかなるだろうと残雪に踏み込む。滑るのが恐ろしくて蟹歩き状態になる。そうすると余計に足が滑る。分かっているのだが、そうなってしまう。その都度、正面を向いて歩くように心がけるのだが・・・言うは簡単だが、やはり恐ろしい。それでも徐々に学習してくる。前回退却した地点まで下った頃にはそれ程恐ろしいと言う感じはしなくなった。でも、前回ほど雪面がしまっていたらどうだろうか?? ペースは遅いがなんとか森林限界のダケカンバ林に達した。満点には程遠いが、下れたのだから合格点を自分に与える。あとはルンルン気分。避難小屋は写真を撮っただけで通過。この10日で40cmは雪面が下がっているようだ。
 気温が上がり風もなく、暑く感じるので防寒着を脱ぎ、手袋と帽子を夏物に変えて、五色沼へと進む。このあたりは落葉樹林帯で落ち葉が無いので雪の汚れが無く真っ白で気持ちがよい。おまけにトレースもついている。トレースを外しても足の沈みは小さいが、トレースがあるとなしでは気分的に大違い。五色沼は上方から見下ろす限りは真っ白だが、傍に寄ってみると沼の水が凍結した部分は青っぽいのですぐに判る。
 五色沼の先で登りになると、針葉樹林で雪が汚れていてトレースを見失う。踝程度の沈みだが、時々ずぼっと膝まで踏みぬく。登りつめて平坦になると再びトレースが見つかった。弥陀ケ池の南岸で、後方から単独行者が追いついて来た。谷筋を登ってきたという。推測するに菅沼から谷コースを進み、弥陀ケ池東の谷を登ってきたのであろう。その人はすぐに白根山に登っていた。その人の話しでは菅沼への谷コースはトレースが明瞭についているようだ。座禅山経由で丸沼スキー場へ戻るつもりだったが、それを聞いて、まだ通ったことのない谷コースを下ることにして、弥陀ケ池の北岸に向かう。そこから白根山の北面を見上げると、明瞭なトレースと3人が下っているのが判別できた。
 トレースを追って北岸からすぐ先の谷に下りるとトレースがいっぱい。急斜面では雪の階段を下っていると錯覚するほど。標高2200付近で前方に菅沼を見ると勾配はきつくなるが、樹林の中で深く掘れたトレースと揃っていれば恐ろしいと言う感じは全くない。トレースがない時の注意点は標高2100で少しばかりトラバースして谷渡りすることであろう。この谷渡りは地形図からは読み取れない。標高2000からはグッと勾配が緩み谷筋が深くなってくる。地形図の岩崖地点に入ると落石地帯となる。標高にして50メートルくらいは、こぶし大から頭よりも大きな落石が雪面に散らばっている。通過中に落ちている様子は無かったが、用心が必要。
 落石地帯を過ぎるとすぐ先で見覚えのある夏道分岐である。残雪は更に続く。看板地点でアイゼンとスパッツを外し、国道歩きに備える。菅沼登山口には7・8台の車を見かける。菅沼から丸沼スキー場の駐車まで約5kmの舗装道だが、疲労感は殆どなかった。 
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