ひとり山歩き381 : 菅沼登山口から奥白根山に登り、五色沼・弥陀ケ池と周回して来ました。積雪は予想よりは少なかったが、踏跡の凍結には悩まされました。
菅沼から白根山(2578)
2009年11月27日(金) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(手書き、GPSの軌跡ログオフ)   ウォッちず : 白根山  菅沼登山口
自宅(4:20) = 菅沼登山口(6:35/6:45) − 弥陀ケ池(9:00/9:30) − 白根山(11:20/11:30) − 避難小屋(12:50) − 五色沼(13:05/13:20) − 弥陀ケ池(14:10/14:20) − 菅沼登山口(16:00/16:15) = 自宅(18:40)

2 自宅 − 菅沼登山口
 積雪期に白根山に登りたいと言う願望は強い。昨年12月16日に菅沼から弥陀ケ池経由で山頂を目指したが、滑落が怖くて標高2400で退却となった。積雪の少ないうちに滑落の恐怖心を克服すべく、今の時期にチャレンジすることにした。
 昨年は登山口で自動車がスタックして、脱出に苦労した。今回は登山口の積雪は少ないと思われるが、用心のためにスコップとスタック脱出治具(効果のほどは不明だが、北海道で購入したもの)を自動車に積んで出発。いろは坂では雪は痕跡も見かけなかった。金精道路の栃木側は路肩に痕跡を見る程度、群馬側は路肩に多少残っている。肝心の菅沼登山口付近はまだらに白くなっている程度で拍子抜け。

3 登山口 − 山頂  積雪は薄く凍結に悩まされる弥陀ケ池と白根山
 登山口付近は雪が残っていないので、ダブルストックで歩きだす。歩きだして20分もすると薄いが雪はほぼ連続となる。奥日光では18日以降は降雪はなかったようだ。浅い谷筋からトラバース道に入ると、新雪時に出来た踏跡が融けて凍結している。昨年12月16日は登山道の凹凸は雪で埋まっていて適当に新雪がありで、登山口からアイゼンを着用していたが歩きやすかった。今日は雪が薄く段差は埋まらず、凍結していて歩きづらい。岩の頭や木の根にひっかるのを恐れてアイゼンを着用しなかったが、履いたほうが楽に歩けたかもしれない。「弥陀ケ池0.9km」の道標あたりからは座禅山の東側のトラバースになるも状況はあまり変わらなかった。前方が開けて弥陀ケ池の北端に到着すると、池は完全に凍結しているも木道が埋めるほどは積もっていない。白根山は岩肌が浮き出てまだら模様を呈している。ここで防寒着を着用して更にストックからピッケルに持ち替える。
 木道の上は完全に乾いている。池の南端から西に向かう登山道は雪が付いているが、薄く小岩の頭が浮き出ているのでアイゼンが邪魔となる。座禅山分岐から南への登りも雪が薄く、踏跡が凍結している。雪が薄くてピッケルはあまり約に立たない。標高2350あたりで後方には燧ケ岳がよく見えるが山頂部が僅かに白くなっている程度。会駒の白さも上の方だけ。周辺の山々は雪が付いているようには見えない。シャクナゲのトンネル(今はしなだれて哀れな姿)を越すと登山道にはロープが展張してある。昨年はこのあたりからは滑落の心配で足が進まなかっ山頂からのパノラマた。アイゼン着用で滑り止めとはなっているが、雪上に出た小岩の頭に引っ掛けないよう注意しながらの歩きで歩く速度は上がらない。雪が少ないせいか滑落の不安がないので、引返そうという臆病風は吹かなかった。
 標高2450を過ぎると岩場に突入となる。踏跡は消えかかっているが、なんとか追うことは出来る。踏跡は凍結しているので注意は必要だが、これを追えるのは心強かった。経験が少ないのでよく分からないが、中途半端な積雪よりもある程度の積雪があった方が登り易いような感触を得た。恐怖心がおきないように見上げたり、振り返ることを極力避けてひたすら踏跡を追う。どうにか北西尾根上に達したようで、展張ロープを見たときにはひと安心。アイゼンを岩に引っ掛けないように注意しながらユックリと進み、北峰入口で道標を見たときに、やっと登れたという安堵感が漂う。北峰で写真を撮って、岩っぽい登山道を下って登り返すと念願の積雪時の白根山頂上に達した。
 風が強く体感温度は低いが、山頂標識に取り付け温度計はマイナス2℃を示している。今日は指先に痛みを感じなかったのが解せた。白根山山頂は今日が11回目だが、この山は相性が良くていつも晴れている。見慣れた景色だが、今日は積雪の中登ってきたせいか感動は一入。雪山に慣れた人ならどうということはない山なのだろうが、高所恐怖症気味の自分にとっては、今日は思い出に残る日となろう。

4 下山(五色沼・弥陀ケ池経由)  残雪が少なく拍子抜け
 今日は積雪の状況にかかわらず下山は南東の避難小屋に下るつもりで出かけてきた。山頂部から眺めるとこちら側は積雪が少なそうに見える。岩道不動明王像を下って奥白根神社に達した。案の定、積雪は少なく平坦地は草が浮き出ている。先がどうなるか分からないのでアイゼンを履いたまま歩行する。付近に不動明王像があるのを思い出した。キョロキョロしながら登山道を進むと、登山道よりも僅かに南側の岩の基部に像が目に入った。行ってみると二体の不動明王像が祀ってある。ネットで検索しても山行録には記載がない。登山道から外れているので気付かずに通り過ごしてしまうのだろう。像の台座に賽銭が多いから知る人ぞしるという感じ。(09年8月17日、@宇都宮さんが掲示板に書き込みおよび写真提供)
 登山道は森林限界上でしかも南東に面しているので雪は殆ど残っていない。ジグザグ登山道の吹き溜まりに局所的に残っている程度で深さも10cmくらいか。浅い積雪斜面を下ることで恐怖心を克服しようと目論んでいたが、今回はその目的を満たすことは出来そうもない。標高2450付近で凍結した五色沼を見下ろしていると、湯元発6時の登山者とすれ違い、外山尾根の様子を教えてもらう。
 標高2350あたりからはダケカンバ林に突入すると残雪は連続となるが薄い。途中で湯元発の二人目とすれ違う。踏跡を辿って奥白根平に下山してすぐ先の避難小屋に向かう。五色沼方面にもトレースはついている。十数センチ程度の積雪だが、凍結していないので気持ち良く歩く。完全に凍結した五色沼でエネルギー補給の小休止。弥陀ケ池に向かうトレースがついているが、沼の凍結部に近い方が積雪は少なく歩き易い。五色山分岐の先から樹林の中を約100メートル登ると再び五色山分岐となる。この先は下りで呼吸を整えながら歩き弥陀ケ池に到着。
 防寒着を脱ぎピッケルを格納したが、往路では凍結に悩まされたのでアイゼンは履いたままで下山に備える。気温が上がって雪がゆるんでいることもあって滑るようなことはない。アイゼンは無用かも知れないが、気休めとはなる。往路よりはかなり早く歩いているように思えたが、思ったほどは時間短縮は出来ず往路よりも30分程度短いだけ。駐車場には自分の車以外には見当たらなかった。
 今度は適当な時期に湯元からチャレンジして見ようと考えながら帰路につく。
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