ひとり山歩き380 : 廃道となってしまった遊歩道を辿って横根山に登って来ました。遊歩道歩きは落ち葉等で薄くなっていますが、特に難しいことはありませんでした。
廃道を辿って横根山(1372)
2009年11月21日(土) 晴れ
1 行程  
ルートマップ(GPS) (横根山全ルートマップ含む)   ウォッちず : 横根山
自宅(5:40) = 日瓢鉱山事務所前(6:55/7:05) − 登山口(7:15) − 林道出合T(7:30) − 尾根取付き(7:45) − 遊歩道分岐(道標)(8:05) − 林道出合U(8:30) − 林道出合V(8:45) − 横根山(9:00/9:05) − 象ノ鼻(9:25/9:30) − (途中で10min休憩) − 五段ノ滝(10:10/10:15) − 日瓢鉱山分岐(道標)(10:20) − 遊歩道分岐(10:40) − 林道出合W(10:45) − 日瓢鉱山事務所前(11:20/11:30) = 自宅12:45)

2 自宅 − 日瓢鉱山
 横根山には登山ルートが多い。地形図の破線あるいは破線はないが実際に道筋のあるルートで残っているのはただ一箇所。今回はそのルートを追って見ることにした。今日の行動時間は自分の山行では極めて短い4時間程度なので家を遅く出る。スタート地点の日瓢鉱山事務所前に着いたときには充分過ぎる遊歩道に残る道標ほど明るくなっていた。

3 日瓢鉱山 − 廃遊歩道 − 横根山  遊歩道は落ち葉で薄くなっているが容易にトレース可
 鉱山事務所の南側から前日光ハイランド線を進む。その入口に登山口と遊歩道の道標があるが、林道建設で道筋は消えている。林道を10分ばかり進み最初の沢を越した左手が登山口(標識あり)である。登山道を歩く人は少ないと思われるが、落ち葉が積もっているが迷うことなく追うことが出来る。登山口から約10分で右上の林道に向かう薄い踏跡が見えた。西南西に進む(五段ノ滝に通じる)登山道から分かれてこの薄い踏跡を追うことにした。踏跡には古い切株や岩に赤ペンキの矢印があるので、遊歩道の末端に違いなかろう。すぐに前日光ハイラインド線に出合う。これを林道出合Tとする。
 林道は九十九折れに敷設されているので、遊歩道はズタズタになってしまった。仕方なしに林道を15分ほど歩くと、西に向かう尾根の切通となり、ここから尾根に取り付くことにした。数メートルをよじ登ると桧植林で薄い踏跡を辿る。尾根筋が細くなると北東が開けて、高原山方面が展望できた。右すぐ下を林道が通っている。林道敷設で削られた痩せ尾根を棘を我慢して突破し樹林に入ると、通行止めのロープが張ってある。その数メートル先に道標「←井戸湿原30分、横根山頂60分→」が残っている。ここを遊歩道分岐とする。往路は反時計回りで横根山に向かうことにし、反対側は6年2月18日に辿っているので、今日は復路に利用することにした。(注 : この時は今回の尾根取付き地点から下は林道は工事中であった)。
 遊歩道は落ち葉で薄くはなっているが、容易にトレースできる。時には右下に林道がチラチラする。古いテープを見たが、最近は歩く人は殆どいないようだ。遊歩道は緩やかに北西に浅い谷筋を登って行く。遊歩道に藪はないが、標高1250付近は低い笹で道筋が薄くなっている。迷うほどではなく、すぐ先で林道に飛び出す(林道出合U)。ガードレールに遊歩道の標識が取りつけてあるので、前日光牧場から林道を歩いて来ても、遊歩道の入口は分かり易い。
 林道を横断して獣道程度の踏跡を追って尾根を目指す。ところが遊歩道は尾根に上がらず、左下(南)をトラバースしている。踏跡は薄く何度も踏み外すが、あたりに注意を払えばすぐに復帰できる。道標「横根山/日瓢鉱山」を見ると、方向は西から南に変わり道幅が広くなって見失うことはなくなる。林道出合Vの対面入口には銘板に「平成11年度ふるさと林道緊急整備事業 前日光ハイランド線第2工区」が目にはいった。こんな林道を作る意義はあるのだろうか??

 注 : 1993年から林野庁と自治省が協力して行っている「ふるさと林道緊急整備事業法」でつくられている林道である。集落間を結ぶ林道で、山村地域の振興、過疎化対策などを目的とするもので、地方単独事業で行い、国庫補助は受けられない。しかし、国庫補助を受けてつくっている道路とアクセスする「ふるさと林道」をつくることは可能だから、これと組み合わせて道路インフラを整備する自治体も多い。(webで検索) 
 林道出合Vの対面からの遊歩道は幅が更に広くなり、障害物もなく目をつぶっても歩けるほど。方向が南から南西に変わるとすぐに横根山の山頂に達する。横根山に来たのはこれが9か10回目であるが、いつも冬場に来るので人に出逢うことは殆どない。この山はツツジの季節に訪れる人が多いのだろうが、冬景色もよいことを知ってほしい。皇海山や男体山の天辺はガスを被っているが、一応遠望は利く。風が強いので急いで写真を撮って、より展望の良い象ノ鼻に向かう。

4 横根山 − 五段ノ滝 − 日瓢鉱山  復路も遊歩道は容易に辿れ
 樹林に入ると風はさえぎられて寒さは感じない。牧場道路に達すると段々風あたりが強くなり、樹木のない象ノ鼻展望台は強烈な風が吹きまくる。防寒着を着るのも面倒なので、ここも写真を撮ってオサラバ。今日は富士山は残念ながら見えなかった。遊歩道通行止め
 横根山、象ノ鼻。井戸湿原周辺は何度も歩いているので、今日は最短コースで五段ノ滝に向かうことにした。象ノ鼻で景色を楽しみながらエネルギーを補給するつもりだったが、風を避けて途中で給食休憩をとる。五段ノ滝は名前は立派だが、どこをもって五段と言うのか分からないような小さな滝。滝の先も明瞭な遊歩道を5分ほど北北東に進むと、日標鉱山分岐(至日瓢鉱山の道標)に達する。。明瞭な遊歩道(地形図に破線なし)はここで東に向きを転ずるが。直進方向は枯れ枝でさえぎられている。
 今日はこの枯れ枝の横を通って北北東への遊歩道(地形図に破線あり)へと進む。こちら側は通る人が少ないのか、低い笹で幾分道筋は薄くなるが道筋を踏み外すことはない。往路で辿った遊歩道よりも、こちら側は露岩等で足場が悪い場所が多い。それでも小さな沢に架かる板橋は一部を除いてしっかりしている。「足元に注意しましょう」の小さな標識が多いが、その白文字が最近設置したしたような錯覚を与える。遊歩道は斜面を北北西にトラバースしているが、尾根筋にかかり方向を東北東に転ずると、往路で出合った道標のある遊歩道分岐に達した。廃道化している遊歩道も藪がないので道筋は残っていて容易に辿ることができた。
 この先はすぐ下で林道出合Wへ下って、前日光ハイランド線を歩いて日瓢鉱山に戻ることにした。林道の途中で六郎地山、鶏鳴山等鹿沼の山を眺めながらの下りを楽しむ。里山歩きでの楽しみのひとつ「浮きツクバ」が見れてハッピー。おまけにカモシカと暫しの睨めっこ。標高960付近に林道の中央にカラーコーンが一個置いてあった。通行止めの意味かな?? 日瓢鉱山南側の入口に「前日光ハイランドロッジに通りぬけ出来ません」の標識はあったが、 どこにも通行止めとは書いてなかった。鉱山のダンプ以外に今日も出合はなし。山は静かなほどよい!! 日瓢鉱山事務所前を出発して戻るまでの時間は4時間15分。380回の山行ではもっとも短い部類に入るだろう。

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