ひとり山歩き367 : 餅ケ瀬川支流の押溜沢右岸尾根で小丸山に登り、二子山から北東尾根で餅ケ瀬川林道に下山しました。登下降に用いた尾根は多少の危険箇所はありますが、かなりの部分で明瞭な踏跡が認められました。
餅ケ瀬から小丸山(1686)〜二子山(1556)周回
2009年8月1日(木) 晴れたり曇ったり
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず  : 小丸山(1576)と北東尾根   二子山と北東尾根
自宅(1:45) = 餅ケ瀬川林道駐車地(3:55/4:05) − 林道ゲート(4:25) − 林道別れ(5:20/5:25) − 押溜沢右岸尾根取付き(5:40) − 大岩T(標高1400)(7:20) − 大岩U(標高1500)(8:15) − 大岩V(標高1650)(9:10) − 小丸山(1686)(9:20/9:35) − 二子山分岐(10:15) − 二子山(10:50/11:00) − 二子山東峰(台石山)(11:10/11:20) − 足の治療休憩(標高1200)(12:25/12:35) − 石祠(13:00) − 下山(13:35) − 林道ゲート(13:45) − 駐車地(14:05/14:15) = 自宅(16:10)

2 自宅 − 餅ケ瀬
 梅雨明け後も続いたハッキリしない天気も、やっと好天続きが期待できるようになった。孫達との盆休みも過ぎて、いざ鎌倉というときに原因不明で左足小指の付け根に激痛を感じるようになった。内反小指(内反小趾)らしく、長年の酷使によるものと思われる。湿布をしたりサポーターをしたりで幾分かは快方に向かうも山行には不安を感じる。最近山行頻度は少ないために脚力がかなり落ちている。内反小指で更に山行間隔があくと、北アや中アへの計画を中止せねばならない。凶とでるか吉とでるか、無理を承知で従前計画の山行に出かけることにした。
 餅ケ瀬川支流の押溜沢左岸尾根(中尾根と呼ばれている)で中袈裟丸山に登り、後袈裟丸・前袈裟丸と戻って二子山から北東尾根で餅ケ瀬林道に下山する計画を作っていた。今回は脚力が衰えているううえに、足の故障を抱えているのでこの計画は無理と判断した。押溜沢右岸尾根で小丸山(1676)に登り、二子山から餅ケ瀬林道へとコースを短縮することにした。
 国道122号から餅ケ沢林道に入って、2.4km地点に広場があったのでここに車を駐めた。舗装道は更に500m続き、その先1kmで林道ゲートがあることは知っていた。林道を歩けないようなら当然尾根歩きは無理(実を言うと車の腹をこするのを嫌って)。ゲートまでは20分の歩き、平坦な道なら足の痛みはないが、窪みに接地すると小指の付け根に無理がかかって少しばかり痛みを感じる。
 中尾根を初めって知ったのは、03年10月に中袈裟丸を下って奥袈裟丸を目指した際に、中袈裟丸を下った鞍部で踏跡のある北東尾根に引き込まれてしまった。その時は間違いで出来た踏跡であろうと判断した(マーキングが多いので、登山道と考えるべきであった)。つぎは05年5月に餅ケ瀬川林道をつめて小法師尾根を歩いた時で、林道の途中で「袈裟丸山 押溜沢」の小標識を見かけた。その時は押溜沢右岸尾根で小丸山に登り前袈裟丸へのコースでもあるのかと思っていた。掲示板でお馴染みの@宇都宮さんがこの小標識の記事を見て、押溜沢左岸尾根(中尾根)で県境尾根の中袈裟丸山の北鞍部(03年10月に間違えた箇所)に登りつめて、奥袈裟丸経由で小法師尾根を下った(05年10月)。今年の6月に「山野・探訪/ウェブリブログ」のYoshiさんがこの中尾根を往復した。自分も歩いてみようと、Webで検索すると、この間に@宇都宮さんと同じルートを辿った記録が3件見つかった。

3 ゲート − 小丸山  尾根筋は明瞭で藪はなく歩き易い 岩場のトラバースは要注意
 ゲート横を通って5分ほど進むと右手に唐風呂林道を分ける。更に約5分で榮松橋(いえまつ)を渡って餅ケ瀬川の左岸から右岸に変わる。この付近に下山することになるので左手の山側を注意しながら歩く。下山の支障になるような地点はないのでひと安心。袈裟丸橋を渡って、再度左岸歩きとなる。ヘッデンを消して沢音を聞きながら黙々と歩く。林道は荒れていないので、特に足の痛みは感じない。ゲートから約1時間で欄干の低いコンクリートの無名橋に達した。標高1500の大岩U 右側にトラロープこの3m先の左手に餅ケ瀬川に下る明瞭な踏跡が見える。前回見かけた「袈裟丸山 押溜沢」の小さな標識は見かけなかった。
 林道と分かれて踏跡に入ると、背丈程度の笹が刈り払われた道が続き、楽々と川べりに下ることができた。飛び石は多いが、靴を載せるとよく滑る。足の故障で踏ん張りがきかないので、右往左往して無理なく跳び越せる地点を探した。餅ケ瀬川そして押溜沢と渡渉し、岩がゴロゴロする川べり歩きは足に負担がかかるので、すぐに急斜面の尾根に取付いた。砂礫の滑り易い急斜面を100m.ばかり登ると傾斜は幾分緩み手がかりとなる低い笹が現れてひと息つく。標高1200になると尾根筋は明瞭となり、カラマツからミズナラに変わる。鹿の楽園のようで、糞が多く笹は食い尽くされている。
 時には腰程度の笹が現れるが概して膝程度の笹の中に踏跡が続いているので歩き易い。標高1300付近で右手の枝越しに袈裟丸連峰の一部が見える。尾根筋は明瞭で時々急登があり、その後に平坦部が現れる。抵抗になるような藪はなく快適な歩きが出来る(懸念していた足の痛みはあまりない)。標高1400で大岩(大岩Tと呼ぶ)で尾根が塞がれてしまった。岩に手がかりがなく直登は困難と判断して、岩の左手は先が見えず、右手には獣道が見えたのでこちらへ進んだ。岩壁に沿って獣道が続きそれ程危険を感じることもなく約20分岩に沿ってトラバースして、急斜面を登って尾根上に復帰した。尾根筋を振り返ってみると岩が全然見えない。尾根の右手(西側)だけが岩壁になっている可能性はある。下ってくるときには注意が必要。
 大岩Tから尾根上に復帰するとミズナラからコメツガに変わり、膝下丈の笹の中の踏跡を気持ちよく歩く。標高1500で大岩Uが現れる。この岩の右手にこぶ付きの新しいトラロープが張ってあるので、これに沿ってトラバースすることにした。大岩Tのトラバースよりも距離は短いにが急斜面でロープの有り難味を感じる。こんな藪尾根を歩く人はけっこういるものである。ここもトラバースを終わって尾根上に戻って振り返ると岩は見えなかった。
 尾根筋は明瞭でコメツガに五葉躑躅が混ざる。林床は低い笹で、藪は相変わらずない。標高1660で大岩Vが現れる。ここも右手を巻くがトラバースはあっという間に終わってしまった。このあたりからは低いシャクナゲが現れるも抵抗族とはならず。山頂を感じながら登ること10分で小丸山の山頂に達した。残念ながら曇ってしまって展望は得られなかった。然したる足の痛みは感じなかったが、身体の鈍りで歩行速度はかなり遅かったようだ。

4 小丸山 − 二子山 − 餅ケ瀬川林道  北東尾根は一部を除いて尾根筋は明瞭で藪なし
 体力的に余裕があれば前袈裟丸まで足を伸ばすつもりだったが、足に爆弾を抱えているので二子山へ向かうことにした。登山道を下り始めると、登りとは異なって足の小指付け根への負荷が大きくなり痛みを感じるようになった。特に小石の上に着地すると小指付け根への負担が大きくなり顔をしかめる。登山道周りには五葉躑躅の樹が目立つ。アカヤシオの季節には賑わう袈裟丸山も今の時期に登る人は少ないようで、誰に遭うこともなく静かな歩きが出来て満足。途中で多数の岩に小石を積んだ場所に達した。賽の河原に達したのかと一瞬錯覚する。標高二子山東峰から小丸山と袈裟丸連峰点1607の小ピークの下りで「小丸山1.2km、賽の河原0.5km」の道標を見て二子山への分岐と判断して左手の踏跡に入る。西南西に進むべきなのに踏跡は南に進んでいる。すぐに間違いに気付きルートを修正する。五葉躑躅のトンネルの中に踏跡を見つける。その先は低い笹の中に続く踏跡を追って行く。小ピークを越した鞍部から登り返すと東西に広がっている二子山山頂に達した。二枚の山名板と三等三角点と主三角点が目に入る。ダケカンバやミズナラの茂る山頂からは展望はない。二子山から東に伸びる尾根筋は04年5月に楡沢(ねりさわ)林道から歩いているので、計画通り二子山北東尾根を下ることにした。
 低い笹の中を急降下してカラマツ林の鞍部から僅かに登り返すとダケカンバ等の樹木の中に大きな岩が四つ五つ目に付くピークに達した。ここが二子山東峰で台石山と呼ばれている。樹木の隙間から小丸山と袈裟丸山連峰が窺える。落葉期にはかなりの展望が得られそう。下りになると足の痛みが増すが、ここまでくれば我慢我慢。
 東峰からの下りは尾根筋はハッキリしない。コンパスを合わせて下って行く。途中から低い笹もなくなったが、急斜面下りで足への負担は大きく思わず悲鳴があがる。カラマツの鞍部からは尾根形が明瞭になり、歩き安くなる。ミズナラ主体の尾根の林床は低い笹で明瞭な踏跡を追うことが出来る。尾根筋が単純で間違いようがない。足元に注意を配りながら歩くも悲鳴が増えてきた。外反母趾・内反小指用のサポータがずれてしまったので、標高1200付近で足の手当てを行う。
 途中で急勾配箇所もあったが藪もなく尾根筋が明瞭で概して歩き易い尾根である。標高1060を注意しておけば、慣れた人なら問題なく下れる。勾配が緩んだ標高1020に石祠が祀ってあった。側面に明治15年6月、反対側に吉田(?)村中と彫ってあった。沢音を聞きながら緩やかに尾根を下って行く。地形図には現れないコブもあり、やっと餅ケ瀬川林道に下山できた。下山地点から5分で榮松橋、そして唐風呂林道口を通過して林道ゲートに達した。ゲートから駐車地まで20分。大部分がダートではあるが、慎重な運転をすれば乗用車でも問題なさそう。
 数日前から突然痛み出した左足の内反小指も下りでは痛みで悲鳴が上がっが、今回の山行で悪化したということはない。痛みが完全に引くまではまだ時間がかかるだろうが、山行を重ねながら治すしかないだろう。
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