ひとり山歩き359 : 深山湖から三斗小屋宿跡、三斗小屋温泉、沼ッ原と登山道歩きを楽しんできました。途中で白湯山信仰の御寶前にも藪を漕いで寄ってきました。
深山湖から三斗小屋〜沼ッ原周回
2009年5月19日(火) 晴れ
1 行程   
ルートマップ(GPS)   ウォッちず : 深山湖  三斗小屋宿跡  三斗小屋温泉 沼ッ原西ボッ  鬼ガ面山
自宅(1:55) = 深山湖・大川林道ゲート(4:00/4:10) − 無名橋(クサリ)(4:35) − 林道分岐(クサリ)(4:45/4:55、10minロス) − 沼ッ原分岐・麦飯坂(5:15) − 三斗小屋宿跡(5:35/5:45) − 那珂川源流碑(5:50) − 大峠分岐(大峠方面偵察)(6:55/7:25) − 三斗小屋温泉(7:25/7:40) − 峰の茶屋分岐(8:00) − 登山道離れ(8:30) − 御寶前(9:30/9:40) − 登山道復帰(10:35) − 牛ケ首分岐(10:50/10:55) − 日の出平分岐(11:35) − 沼ッ原入口・麦飯坂分岐(11:55) − 沼ッ原展望デッキ(12:05/12:25) − 深山湖遊歩道・西ボッチ取付き(12:30) − 西ボッチ(13:05/13:10) − 深山湖遊歩道復帰(13:30) − 林道出合(14:20) − 鬼ガ面山(14:30/14:35) − 林道出合(14:40) − 遊歩道石階段・林道出合(15:10) − 遊歩道出口・鬼ガ面橋(15:45) − 大川林道ゲート(16:10/16:20) = 自宅(18:45)

2 自宅 − 深山湖
 栃福県境尾根の大川峠から大峠の間を日帰りの細切れ歩きを続けている。過去4回の山行で大川峠から標高点1624まで辿った。最後に残る標高点1624から大峠の間は、ロングコースで県境尾根への出入りを含めると15時間以上の歩きが要求される。日帰りをしようとすれば、深山湖・大川林道ゲートを早立ちせねばならない。そうすると途中にある三斗小屋宿跡は暗いうちに通過となってしまう。同じ場所を歩くのを好まない性格からして、三斗小屋宿跡を後日改めてと言うことにはならないだろう。それなら事前に偵察を兼ねて明るい時に歩くことにした。
 それだけでは面白くないので、以前から気になっていた沼ッ原〜深山湖遊歩道を歩いてみることにした。この遊歩道については「高原山探訪」あるいは「山野・史跡探訪」でYoshiさんが報告しているが、詳細ルートを知っておきたい。@宇都宮さんが掲示板に報告してくれた白湯山信仰の御寶前にも寄ってみたい。更に体力に余裕があれば、西ボッチ、鬼ガ面山と塩沢山の山頂を踏んでみたい。殆どが林道あるいは登山道・遊歩道歩きだが多少欲張った計画とした。
 例によってスタート地点は深山湖北西端の大川林道ゲートである。ここには過去数回来ているが、いつも暗いうちにここから大川林道へと早立ちしている。今日は偵察が目的のひとつだから明るくなったら歩きだすように時間調整。

3 深山湖 − 三斗小屋温泉  林道と登山道は明瞭で、特に危険箇所もない  三斗小屋宿跡は観る価値有り
 ヘッデンなしで、いつもとは異なり湯川沿いの林道に歩を進める。林道は多少の水溜りはあるも乗用車でも充分走れる。湯川左岸の林道をロングウォークペースで歩いて行く、左の大沢方面への林道分岐あたりから北から北東に向きを変えながら進むと、クサリで封鎖した無名橋に到達。ここまではだれでも車で入れるようだ。橋の袂に大川(白湯山)林道1710m終点なる小標識があった。この橋からは右岸歩きとなる。気持ちよく歩いていると、林道分岐で左後方へと細い林道が分岐している。正面の林道にはクサリと移動柵でブロックしてある。このブロックをすり抜けて延長線上の正面林道に進む。5分も進まないうちに湯川に下りてしまった。この林三斗小屋宿跡道は発電施設用であることがわかった。首からぶら下げているケースから地形図を取り出し広げてみると先刻の分岐で左後方へ進むようになっている(林道歩きと油断して沼ッ原・麦飯坂分岐手前までは折りこんでいたので気付くのが遅れた・・・ボンミスで10分のロス)。
 カラマツ林で林床は背丈程度の笹の中の林道を歩き、沼ッ原・麦飯坂分岐に達して古い石道標の文字(右ハやまみち、左ハ板室)を読んでいると、車が一台通過(県外ナンバー、どこで許可を得るやら)。方向を東から北東に直して15分ほど進むと、林道の左手に約30メートルくらいに亘る墓地群を通過する。戊辰戦死若干墓なる墓石も見かけた。墓地群から僅かに歩くと視野が開けて平坦地に至る。ここが会津中街道の宿場である三斗小屋宿跡で林道沿いに灯篭や石仏を多数見かける。先ほど追い抜いて行った車が駐めてあった。主はどこへ行ったのやら。特別の思いいれはないので写真を一通り撮って先に進む。三斗小屋宿について次のHPが分かり易いので紹介しておく。 三斗小屋跡〜沼原(07年5月26日) http://hobbyland.sakura.ne.jp/Kacho/tabi_yukeba/2007/2007_0526A_Sandogoya/2007_0526_01.html 
 三斗小屋宿跡の外れで白湯山神社の鳥居と石祠を見て、先に進むと林道は終点(先に続くようだが土盛りの進入止めあり)。そこから右への登山道に入って行くと、那須ナンバーの車が数台駐めてあった。車はここからは進入が出来なくなり、湯川に下りると那珂川源流の石碑を見る。木橋で湯川を渡ると、熊に関する注意書きがある。背丈ほどの笹を林床とする樹林の中に登山道は続くが、笹のはみだしなく安心して歩ける。いかにも熊が出そうな雰囲気(熊に出逢ったり、見かけた経験がないのでたんなる憶測)はある?? 小さな枝沢を渡り名称不明の沢の左岸沿いに10分ほど進むと、朽ちかけた木橋を渡る。そこからはジグザグに急登となる。30分ばかり汗をかくと大峠・三斗小屋温泉分岐となる。三斗小屋温泉の建物はすぐ上に見えているが、次回の山行に備えて大峠方面に進んで残雪状況を探る。06年5月21日に@宇都宮さんがここから大峠に向かったときに残雪で登山道が見えない場所もあったようだが、今年は積雪が少ないのか、小さな雪島がポツポツと残る程度。これなら問題なしと偵察行を打ち切って戻る途中で小屋泊まりの同年輩の単独行者と出逢う。大峠・三本槍・北温泉に向かうとのこと。分岐に戻って、そこから一分程度で三斗小屋温泉に到着。宿泊客はすでに出発したのか、いないのか極めて静か。大黒屋と煙草屋旅館の写真を撮ったり、一部しか見えない大倉尾根の写真を撮ったりする。

4 三斗小屋温泉 − 御寶前 − 沼ッ原  登山道は明瞭で歩き易いが、単調で退屈  御寶前までの藪漕ぎに満足
 三斗小屋温泉から峰の茶屋分岐・牛ケ首分岐・日の出平分岐経由で沼ッ原に行くのだが、道標がしっかりしているし、登山道は明瞭で特に危険箇所はなく、笹のはみだしもなく歩き易い。山腹のトラバース道歩きで、樹木に新芽が付き展望は殆ど得られない。このような単調な登山道歩きは、地形図を見る必要もなく藪を漕ぐこともなく面白みに掛ける。特に紹介するこ白湯山信仰の御寶前 (上部から)ともないので割愛する。
 白湯山信仰の御寶前は登山道の牛ケ首分岐の北西に位置して、登山道から最短を取れば往復400メートル程度、採湯施設を巡ると往復600メートルである。御寶前は@宇津宮さんの掲示板書き込みで知った。詳しいことは白湯山信仰に関する知識はないが、藪を漕いで行ってみるのも一興とトライしてみることにした。白湯山信仰についてはHPがりつうの報告を参照願う。 http://gari2.tuzikaze.com/hakuyusan/hakuyusan.htm 
 沢歩きは経験がないし、好みでないので密藪の尾根筋を辿ることにした。@宇都宮さんの詳細ルートマップの拡大コピーを参考に、三斗小屋2km、牛ケ首1.8kmの道標付近に青リボンを見つけてそこから登山道を離れて小尾根を下り始める。小指級の背丈を超す笹藪を突破すると灌木藪更に笹藪と繰り返しながら尾根を下り最終的にはGPSに頼って小さな沢に下りると、@宇都宮さんのマップどおりに採湯施設がすぐに見つかった。そこからは拡大マップに従って、先刻下ってきた小尾根を乗越す。悪戦苦闘して尾根上に乗り上げると、反対側は土の崖となっている。灌木にすがって強引にガレ沢に下りる。御寶前は更にひとつ小さな尾根の向こう側で、藪で尾根を進むのは時間がかかりすぎる。沢筋を歩くのは嫌いだが、@宇都宮さんのマップに従ってガレ沢を少し下って御沢の右俣を遡ることにした。水流のある右俣まで下ると御沢に湯導管橋が見えたので、意を強くして御沢右俣の右岸沿いに進む。遡るにつれて採湯施設、石積み堰提、そして右俣を歩くこと10分で御寶前(湯噴出地)に達した。御寶前の下部に人見義男石碑、その上部に石祠を見る。
 登山道への復帰は御寶前の上部から先刻とは別の小尾根に取り付く。この尾根筋は先の尾根に比べて藪の密度が高い。モンスター級の笹藪を突破すると灌木と笹の混合藪に行く手をさえぎられる。約200メートルの距離で50メートルの登りに55分要して登山道に復帰した。顔は笹で擦り傷だらけ、枯れた笹の先端で太ももに刺し傷を負うも、ひと仕事後の充実感があふれる。服装を直していると女性の単独行者が通り過ぎる。
 登山道に復帰してから、牛ケ首分岐日の出平分岐と退屈な登山道を下って、沼ッ原入口・麦飯坂分岐に到着。湿原の中を大倉尾根の写真を撮ったりしながら木道を進み、駐車場からの入口に達すると深山湖6kmの道標を見る。その先の展望デッキでエネルギーを補給しながら景色を楽しむ。

5 深山湖遊歩道(沼ッ原−西ボッチ−鬼ガ面山−深山湖) 遊歩道はしっかりしているが、廃林道は落石多い
 沼ッ原から鬼ガ面山頂付近を経由して深山湖まで遊歩道と廃林道歩きである。遊歩道はしっかり管理されていて、笹藪のはみだしもない。新緑の中の遊歩道歩きで残念ながら展望は皆無に近い。時間的に余裕があるので、西ボッチに登ることにした。展望デッキから5分ほど遊歩道を進むと、胸像の台座のような物体を見かける。この右手に笹の中に薄い踏跡が認められる。これが山頂付近にある反射板への巡視路で山頂まで続いていることは、出掛けに拾い読みしてきた栃木の山紀行の報告ですぐに理解できた。コンクリートの台座状の物体の地点を西ボッチ取り付きとして踏跡を追う。反射板の巡視路と名は付いているが沼ッ原から大倉尾根を望む、東電の巡視路を想像してはいけない。笹藪の中に踏跡が続いているというだけ。笹から頭を出すのはごく僅かな区間のみで、山頂直下ではその踏跡さえ不明瞭となる。それでも踏跡があれば藪を漕ぐにしても楽なもので35分で西ボッチ山頂に達した。三角点と山部3Dと栃木の山紀行の山名板を見る。山頂からは沼ッ原貯水槽の一部と白笹山が枝越しに見える程度。100メートルほど先の反射板まで行く元気も興味も起きない。すぐに下山にかかり遊歩道に復帰した。
 沼ッ原貯水池を回りこんで、その南西から遊歩道は登りにかかる。樹林の中の笹道で展望はないが、笹のはみだしがないのが救い。後方を振り向いても貯水池の一部が見えるだけ。1380級ピークに登ってしまうと、あとは平坦な尾根歩き、標高点1304、1300級ピークを越して下り勝手となる。標高点1271を通過すると尾根の北側から南側に遊歩道は変わる。その地点が鬼ガ面山の山頂に近いが、この先巡視路に付き立入り禁止の標識をみる。今日は登山道を歩くのが基本であり、遊歩道を進むと林道に出合う。栃木の山紀行の報告に従って林道を進み、大きな貯水タンクの裏側(東)に薄い踏跡を追って回り込むと、鬼ガ面山の山頂で三角点と山部3Dプレートを見る。展望は全くなし。往路を林道出合まで戻る。途中で大佐飛山が見えるが、逆光で積雪状態などは不明瞭であった。
 再び深山湖遊歩道に戻って、塩沢山を検討する。1時間強を要するが、時間的には問題ない。往路が下りで復路が登りなのが嫌らしくて今回はパス。栃木の山紀行記載の尾根取付き地点と思しき場所に踏跡を確認。栃木の山に登る際のガイドとしてはこの栃木の山紀行が最も優れていると考えている。取付き地点が明確なこと、必要な情報が簡潔明瞭に記されている。山行の際は、同じルートを取る取らないにかかわらず事前に目を通すようにしている。
 最初は北西にそして西にジグザグに急降下して行く。遊歩道はしっかりしているので、安心して歩ける。標高930で53段の石階段を下りると廃林道に出合う。以降は落石が多く何箇所かで崩落した廃林道歩きとなる。遊歩道とは異なり、下り勾配は緩やかで高度は下がらないのが嫌らしい。落石がなくなり道らしくなると、鬼ガ面橋の手前に無事下山。そこから更に2kmの舗装道歩きで大川林道ゲート、付近に車が三台駐まっていた。釣り人か登山者か。 次にここに来る時は朝の2時頃になるだろう。
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