ひとり山歩き342 : 光徳から山王帽子山〜ハガタテ沢左岸尾根を周回してきました。山王帽子山まではトレースが続き容易に登れました。山王帽子山から太郎山への稜線はトレースはなく、ワカンを履いてのラッセルが続き、途中でハガタテ沢左岸尾根を下山しました。
光徳から山王帽子山(2077)〜ハガタテ沢左岸尾根周回
2008年12月24日(水) 快晴
1 行程   写真
ルートマップ(GPS) 
自宅(3:05) = 光徳駐車場(5:10/5:25) − 山王峠・登山口(6:35/6:50) − 山王帽子山(8:20/8:35) − 鞍部(標高点1919)(9:25/9:50) − ハガタテ沢コース分岐(10:40) − ハガタテ沢左岸尾根出合(標高2130)(11:40/12:10) − 標高点1817(ハガタテ沢左岸尾根)(13:45) − 下山(14:25) − 光徳駐車場(15:10/15:25) = 自宅(17:40)

2 自宅 − 光徳
 Webで調べてみると、厳寒期に山王帽子山に登る人は少なくないが、山王帽子山から太郎山方面へ歩いた事例は見出せない。積雪期に過去三度ばかり山王帽子山に登っているが、太郎山方面へ足を踏み出したことはない。今の時期なら積雪は少ないと思われるのでトライすることにした。太郎山までは無理としても小太郎山までは行ってみたい。それも無理ならばハガタテ沢左岸尾根を下って光徳に戻ることを計画した。
 先週は奥白根山の菅沼登山口で車がスタックしてしまい冷や汗をかいた。幸いにも通りがかった四駆の方に牽引して頂き脱出できた。反省の一つとして、スコップと牽引用ロープを今回からはトランクに積み込んだ。そんな心配は無用とばかりいろは坂にも奥日光の国道筋にも除雪塊が殆ど見当たらない。国道から光徳方面に入ると道路がかすかに白い程度。もちろん光徳駐車場にも雪はない。車載温度計計でマイナス11度と確認してザックを背負う。
 (帰路で確認:国道筋には雪はなく、道路は完全乾いた状態)

3 光徳 − 山王帽子山  積雪が少なく登り易かった登山口の積雪
 山王林道の積雪は少なく、登山口付近では路肩は数センチの積雪だが、道路面は2cm程度。昨年は1月5日、12月17日に歩いているがこのときに比べて積雪は少ないようだ。どうやら今シーズンの出だしは雪不足のようで、あちこちのスキー場が悲鳴を上げているらしい。様子を見るために登山口を一旦通過して山王峠まで足を運ぶ。涸沼を見下ろすと笹面が現れていた。登山口に戻って写真を撮って山王帽子山に向かう。
 過去3回に比べて積雪は少ない。ほぼ同じ時期の07年12月17日に比べても少ない。登山道には溝状のトレースが続く。表面は軟らかいが靴底が沈む程度で歩き易い。針葉樹の小枝に付いている雪が少なく、枝に触れても雪が首筋に落ち込むこともなく快調に高度を上げる。標高2000付近のダケカンバ林で所要時間をチェックすると過去三回に比べてかなり早いペースで登ってきたのが分かった。
 昨年末に登ったときに指先の痛みが激しかったので手袋を新調したが、今日は気温が低いのかなかなか指先の痛みが引かない。今までも白根山周辺の山がチラチラしていたが、燧ケ岳の頭や会駒も見えるようになるとすぐに山王帽子山の山頂に達した。男体山の写真を撮ろうと南東斜面を見ると雪が付いていない。写真を撮りながら指先をこすっていたら、強風にもかかわらず指先の痛みがとまった。日差しのせいか? 温度計を取り出すとマイナス10度(ウェストポーチから取り出したばかりで、実際はもっと低いであろう)。

4 山王帽子山 − ハガタテ沢左岸尾根出合  トレースはなし 雪の締まりなく、ワカン着用でも膝下のラッセル
 指先の痛みも引き、太郎山方面にトレースもついているので計画通り先に進むことにした。20メートルも進まないうちにトレースは消えてしまった。その先は僅かに窪んだ夏道を探しながらの歩きとなった。鹿だかカモシカだかの足跡を追えば夏道を探すのはそれほど難しくはない。時には膝下までもぐることはあるが、下りが続くので壷足とする。標高2000付近で平坦地となり、前方に小太郎山から太郎山が見える。直感的に今日のコンディションでは小太郎も難しそう。でもハガタテ沢左岸尾根を下る時間は充分あると判断して先に進むことにした。平坦地は笹が深いようで膝までのラッセルとなる。太郎山〜小太郎山 (標高2000)
 平坦部を越すと針葉樹林のなかで、多少足の沈みが小さくなった。ワカンを装着してもよいのだが、すぐ先の最低鞍部(標高点1919)まで我慢することにした。鞍部は笹が雪面から出ているが、積雪は深く膝まで沈む。我慢の限界でワカンを装着する。いつものように6本爪のアイゼンを着用してワカンを履く(ワカンの横バンドがアイゼンの爪と爪の間に固定されて安定性がよい)。
 ハガタテ沢コース出合に向かって登りとなる。最初は夏道を追っていたが、障害物や吹き溜まりで夏道が分からなくなってしまった。丹念に探せば夏道を追うことは出来るだろうが、夏道は針葉樹林の中で日当たり風当たりもないのでクラストしていない。夏道を追ってもあまり意味がない(小藪を避けることはできるが)ので、いつもの藪山歩きのように好き勝手に高みを目指す。ハガタテ沢コースは右(南)に見るはずだからと右(南)寄りを登って行く。突然、登山道らしい窪みに出合う。南に寄り過ぎてハガタテ沢コースに出てしまったのだ。この窪みを追うと数分で道標(山王帽子山/太郎山)に出合う。ここがハガタテ沢コース分岐で通行止めの古い看板も見えた。
 分岐からは尾根形が明瞭になり歩き安くなったと思ったのもつかの間、登山道は吹き溜まりと化して膝までのラッセルが続くようになった。登山道を避けると針葉樹の藪で衣服が引っかかり進むのが容易でない。結局は登山道をラッセルすることにした。ハガタテ沢左岸尾根出合直下の標高2120付近で振り返ると、燧ケ岳と白根山が展望できた。ここでザックを下ろしてエネルギー補給。計画よりも1時間以上遅れてしまった。06年3月6日にハガタテ沢左岸尾根を登ってきて、更に小太郎山まで進んだ。この時はトレースがあり、約1時間で小太郎山に達した。今日のコンディションでは小太郎山を往復したら時間切れは必至。このリベンジは残雪期にすることにして」、今日は左岸尾根を下ることにした。

5 下山(ハガタテ沢左岸尾根経由)  鉈目あり 積雪少なく楽に下れた大真名子山と男体山 (ハガタテ沢左岸尾根の標高1850)
 休憩地点からハガタテ沢左岸尾根にトラバースして乗ろうとしたが、針葉樹藪がきつく、戻って更に10数メートル登り返す羽目になった。急がば回れとはよく言ったものだ。左岸尾根は尾根形がハッキリしないが、針葉樹の藪は少ない。前回3月に歩いた時は深い積雪でザックが枝に引っかかり這うように歩いたが、今日は雪が浅いせいかそんな苦労はない。標高2000以下になると細い立ち木を腰高で切断した鉈目が連続するようになった(前回は積雪で気付かなかった)。鉈目に沿って赤テープも見れるようになった。以前林業関係者が付けた道筋があるらしい。しばらくは鉈目を追ったが途中で見失った。ずっと下った地点で再度鉈目を見たので、丹念に追えばよかったかもしれない。積雪は浅くどこでも歩けたので、好き勝手に下って行く。尾根筋は明瞭でないが、時々は尾根の左手(東側)に軌道修正しながら下る。積雪が浅くワカンが引っかかるようになったので、途中で外す。
 標高1850で男体山と大真名子山を写真に撮って、位置を確認して動物の足跡を追って行くと、赤や黄のテープが目立つ場所にたどり着いた。この地点が標高点1817で特に何もない。ここから3分ほど下ると針葉樹からカラマツ林に変わる。林床は膝程度のミヤコザサで、方向を合わせてスロープ状の尾根を下る。そのまま尾根先端に下ると勾配がきついので軌道を東寄りに修正して平坦地に無事下山した。
 コンパスを西に設定してカラマツ林を緩やかに下って行く。林床のミヤコザサは膝ないし腰まであるが密でなく歩き易い。途中でクロカンコ−スに出合うも雪が殆どなく、スキーを楽しむには程遠い。ハガタテ沢コース入口付近で山王林道に出合う。早朝には薄く雪が付いていたが融けて舗装面が現れている。道路歩きになり安心してよそ見しながら歩いていたらスッテンコロリ。以降は林道を外して駐車場に戻る。
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