ひとり山歩き339 : 鳴虫山の古跡探訪の二回目として、瑠璃堂から尾根伝いに化荘の宿跡・合峰経由で鳴虫山に登り、銭沢不動ルートで下山しました。今回は積雪はなかったが、急勾配部は落ち葉がすべり苦労しました。
鳴虫山探訪2・瑠璃堂から合峰銭沢不動へ
2008年12月3日(水) 快晴
1 行程   写真
ルートマップ(GPS) 
自宅(5:00) = ストーンパク駐車場(6:10/6:30) − 星の宮(6:50/6:55) − 瑠璃堂(7:10/7:15) − 愛宕(7:20/7:25) − 送電線鉄塔(7:45/7:50) − 869ピーク(8:15/8:20) − 897ピーク(8:45) − 別尾根の石祠探訪(9:00〜9:15) − 化荘の宿跡(9:15/9:20) − 合峰(10:05) −鳴虫山(10:30/10:50) − 合峰(11:10) − 銭沢不動分岐(897ピーク手前)(12:00) − 銭沢分岐(12:15) − 山王二宮(12:25) − 銭沢分岐(12:35) − 銭沢不動812:50/12:55) − 駐車場(13:15/13:30) = 自宅(14:55)

2 自宅 − ストーンパーク − 瑠璃堂
 先週は鳴虫山探訪に出かけたが、積雪と落ち葉で急斜面はすべって危険なために途中で中止した。その続きを兼ねて第二回目の鳴虫山探訪に出かけることにした。今回は日光市役所支所のすぐ傍にある瑠璃堂から化荘の宿跡、合峰経由で鳴虫山に登り、復路は合峰、化荘の宿跡経由で銭沢不動に下ることにした。古跡については、今回もホームページ Welcom to Nikko( http://outdoor.geocities.jp/gmrbg004/index.html )を参照した。
 今回もストーンパーク駐車場に車を駐めて、金谷ホテルを目指す。国道119号を神橋の先で日光橋を渡り、すぐ先で右折して金谷ホテルへの坂道を登り、右手の星の宮(磐裂神社)の階段を登る。その後の小高い地点に登り、石祠と石像を写真に撮る。修験道はこの先で金谷ホテル裏に回り込んで尾根へと続くようで、星の宿跡もあるらしい。今回は瑠璃堂と愛宕を見ておきたいので、金谷ホテルルートは次回まわしとする。
 国道119号に戻って、日光市役所支所の裏側に入り込む。地形図の下鉢石町の「鉢」の左側の卍マークを目指す。階段を僅か登ると瑠璃堂で、今日はここから尾根に取り付く。

3 瑠璃堂 − 合峰 − 鳴虫山  全体に踏跡あり 急勾配部は落ち葉で滑って登りづらい  修験道の古跡に往時をを偲ぶ
 瑠璃堂の横から尾根先端に取り付くと、植林の中に踏跡が続く。登ること数分で小さなコブに達する。ここが愛宕(Welcome to Nikkoに倣う)で、苔むした寝そべった二匹の猪らしい像が迎えてくれる。石祠や石像等も見ることができる。
 左側植林、右側雑木の尾根の踏跡を10分ほど辿ると、標高710付近で左後方から東電の巡視路を合わせる。1メートル幅の巡視路を更に10分ほど進むと送電線鉄塔に達する。北側は展望が開けて日光連山が男体山から赤薙山まで姿を現す。三仏堂を中心に輪王寺を俯瞰することもできる。日光市街地更には高輪王寺  (送電線鉄塔から)原山も目に入る。
 鉄塔から先はミズナラ林の踏跡歩きとなるが、時には左手には植林も現れる。金谷ホテルからの尾根が右手間近になると869ピークへの急登となる。薄い踏跡には落ち葉が積もっていてすべって危険なので、樹木や木の根にすがりつきながら直登する。山頂部からは日光連山が枝越しに見えるだけ。この先は平坦部が続き、緩やかにアップダウンして小さなコブを三つ四つ越して行く。尾根上には踏跡がついているが、細尾根状態で右手は切れ落ちている箇所多いので油断は禁物。50メートルほど緩やかに登ると897ピークで、ピークの先端部に「銭沢不動」の標識を見る。この先は破損したものを含めて、この種の標識は多い。化荘の宿跡
 標識から南西から南に向きを変えて僅かに下り、尾根の右手をトラバースしながら登って行くと尾根上に出る地点に赤/白の標識が目に入る。「Welcome to Nikko」に記載されている別尾根の石祠(石祠内に石仏)があるものと判断して、尾根に沿って東北東に緩やかに尾根を下る。数分進むと狭い平坦部の木の根元に石仏を納めた石祠を見つける。修験道から派なれた別尾根に石祠が何故あるのか、手がかりを得るべくこの尾根を更に進みたいところなれども、今日は修験道跡にもどることにする。
 赤/白標識からごく僅か先の左下に平坦地を見ながら鞍部に下る。石碑、石祠、台座跡等が目に飛び込む。ここが化荘の宿跡とすぐ理解できた。風化していて文字が読みづらいので、宇都宮山の会の地域研究「寒沢塾」の報告( http://www.geocities.jp/urouzan/sankou/2002/0203sinkyo/Sinkyo.html )を参照すると、石祠に享保14年と彫ってあり、これは寒沢宿のものと同年とのことである。(注 : 享保14年は西暦1729年、八代将軍吉宗の時代)
 化荘の宿跡から10分ばかり登った標高940付近に石祠を見て、更に登って行くと、標高970から1010メートルにかけては急斜面で、落ち葉が堆積していて滑って極めて登りづらい。ロープにすがり、更には樹木や木の根にすがっての登りとなる。今日の第二の難所。ここを登りきってしまうと北尾根を合わせて勾配は緩やかになる。標高1050で第二のロープで急斜面を10メートル弱の登る。これを登ってしまうと楽で、5分ほどで銭沢不動の標識をみて合峰の山頂に達する。石祠を写真に撮って鳴虫山に向かう。
 小さなコブを三つ四つ越した鞍部からは丸太階段や木階段を登りきると鳴虫山の山頂。先週は標高800以上で積雪を見たが、今日は雪は完全に融けてしまい痕跡すら見かけなかった。山頂の展望台から日光連山を楽しむ。先週はガスが立ちこめていて展望は全くダメであった。二週連続して来た価値があった。

4 鳴虫山 − 合峰 − 銭沢不動  尾根から銭沢への下りが急傾斜 落ち葉で滑り危険日光連山 (鳴虫山から)
 落ち葉の堆積する急勾配を下るのはためらいがあったが、今日はロープも持参しているので計画通り銭沢不動経由で下ることにした。897ピークの銭沢不動分岐までは往路を辿る。最初の短いロープ部は高低差が小さいので特に問題なし。第二のロープ部は気を使ったが思ったよりは楽に下れた。
 897ピーク手前で標識を見て尾根を乗り換えて北西に下る。この尾根筋はツツジが密で5月アカヤシオの時期に歩いて見たい。特に問題もなく鞍部に下ると、標識が右下の銭沢に下るよう促している。鞍部から直進したピークには石祠が祀ってあるらしいので登ってみることにした。足場の悪い急斜面を30メートルほど登ると山頂で石祠が二基祀ってある。このピークを山王二宮というのが理解できた。
 鞍部に戻って銭沢に下り始めたが、沢までは急降下せねばならない。落ち葉が堆積していて道筋は滑って立って歩きづらい。掴まるものもなく、場所によってはシリセード紛いで進む。幸い沢までの高低差(20メートル程度?)が小さいので助かった。今日の第三の難所で、沢に下りてしまうと特に危険箇所はない。沢の合流点からは左岸歩きとなり、左岸から右岸に渡った地点にモダンな銭沢不動の本堂が建っている。下流側に古い木造の建屋がある。これは嘉永四年(1851年)に建立されたもので。昭和49年に新しいものが建てられた。銭沢にあるから銭沢と呼ばれ、火防の神を祀る。・・・建て看板による。
 銭沢不動の先は参道が続き、銭沢を右岸から左岸に渡って植林を抜けて日光宇都宮道路下を通過すると、道が二又になっている。どちらへ行くか右往左往。よく見ると、両岸を金網フェンスで囲まれた発電所の水路に狭いグレーチングの渡りがついている。これを渡って広場を突っ切ると左手が駐車場である。今日は歩行時間は短いが、急斜面を無理な姿勢で登り下りしたせいか脚に張りを感じる。 
HOME
inserted by FC2 system