ひとり山歩き329 : 西ノ湖の西に位置する南沢を遡行しシゲト山に登り、黒檜岳まで尾根を歩き千手ケ浜に下山しました。南沢の遡行は特に危険箇所や難所はありませんが、慣れない沢歩きに疲労困憊となりました。
南沢からシゲト山(1835)〜黒檜岳(1976)
2008年9月17日(水) 晴れ
1 行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(1:25) = 赤沼茶屋(3:20/3:30) − 西ノ湖入口(4:50/5:00) − 南沢出合((5:35/5:40) − 稜線到達(8:45) − シゲト山(8:55/9:15) − 標高点1919ピーク(9:55) − 黒檜岳(11:00/11:25) − 登山口(13:00) 千手ケ浜BS(13:25/13:40) = 赤沼茶屋(14:10/14:20) = 自宅(16:20)

2 自宅 − 赤沼茶屋
 二日の予定で北アルプスにと考えていたが、歯の治療等でうまく二日続きの好天が得られず。弱った足腰を回復させるべく奥日光の山へ急遽出かけることにした。中禅寺湖南岸尾根から南沢を下ったというWeb記録を最近読んだ。沢歩きが素人の自分にも登れるかもしれない、と考えた。早速実行することにした。遡行の労が少なければ、三俣山から宿堂坊山、スタミナ消耗ならばシゲト山から黒檜岳と二通りの準備をして家をでる。
 南沢の遡行開始は明るくなる5時過ぎと設定して、赤沼茶屋に向かう。釣りのシーズンが終わったのか、中禅寺湖沿いの道路に駐車している車はない。人がいないのを知ってか、鹿が国道筋に多い。小鹿が車の前を急に横切った。スピードを抑えていたので事なきを得た。赤沼茶屋の広い駐車場には車が3台。

3 赤沼茶屋 − シゲト山  南沢には特に危険箇所も難しい箇所はない  慣れない沢歩きに疲労困憊
 早朝に何度も赤沼茶屋から西ノ湖方面に歩いたことがり、なんの逡巡もない。さすがに平日のこの時刻に小田代原の貴婦人を撮影に出かける人はいない。弓張峠からは下りの連続で気温が低いこともあって、いつもと変わらぬ時間で西ノ湖入口に到着。ここで雨具の下を着用し、ヘッデンをザックに収めて西ノ湖へと向かう。西ノ湖から先もカクレ滝への遊歩道を歩く。西ノ湖・西の浜への入口から5分ほど進んだ地点で遊歩道から分かれて、カラマツ林を膝下の草を踏み分けて進む。三・四分で涸れた三右衛門沢に出合い、更に上流に向かう。左岸に南沢出合を探しながら、5分ほど三右衛門沢を遡る。地形図と照合するとどうやら行きすぎてしまったようだ。二分ほど戻ると倒木で塞がれた南沢が見つかった。南沢 (左から最下流、標高1400、1670,1780)
 倒木を乗り越すと南沢は広くなったが、岩石で歩きづらい。時には左岸に上がるも倒木や枯れ枝が多く歩きづらくて沢に戻る。沢筋も段々狭まり、沢内の岩も大きくなってますます歩きづらくなる。両サイドが狭まり標高1400付近から上流は伏流から連続した水流となる。水流が現れる頃には勾配が急になり始める。途中で2.5メートルの滝(滝の定義を知らないが、たぶん滝というのだろう)を左から越したりするが、特に危険な場所や困難な箇所はないので助かる。先週歩いた仁下又沢に比べると、段差が多く労力を要するのが難点。
 標高1530付近で二俣となる。水量はほぼ同じだが、右俣は急に幅が狭まる。左俣は幅が広く歩きやすそう。左俣へ進みかけたが、方向が異なるので右俣に修正した。ついで標高1600付近で左から小沢を合わせた。沢筋を覗くと小さな滝が見える。本流は滑滝(と呼ぶのだろう)で、これを越すと、岩場は終わりで倒木の多い狭い筋となる。標高1700付近で再び二俣が現れる。左俣は南東の標高点1919の方に向かっている。ここは計画通り南西に向かう。この二俣を越すと水流は少なくなり、やがて消えて低い笹が目に付くようになる。水流が消えてから15分(標高にして60m)ほど登ると膝丈の笹で覆われた稜線に到達した。2時間半くらいで登れると予測していたが、3時間5分要した。岩等の障害物を避けるのに労を要したせいか足腰の疲労が激しい。藪尾根を登るほうが楽でよい!! 疲労度を考慮して三俣山から宿堂坊山は止めて、シゲト山から黒檜岳に向かうことにした。
 薄い踏跡を拾いながら南東へ僅か登り、浅い鞍部からは北東に進むとすぐに平坦となって、山部3Dプレート、栃木の山紀行、MWV(’79年10月)が迎えてくれる。ここがシゲト山の山頂である(GPSでチェックすると標高点1835はごく僅か東に進んだ地点)。エネルギーを補給しながら、地形図を眺めたが二俣山に進む気力が湧かなかった。赤沼茶屋〜宿堂坊山〜三俣山〜黒檜岳赤沼茶屋の周回を4年前の8月に歩いているが、遠い昔のような気がする。

4 シゲト山 − 黒檜岳 − 下山  黒檜岳の新山頂は標高点1976??
 シゲト山から黒檜岳の間は過去に4回歩いているので参照願う(ひとり山歩き99ひとり山歩き154ひとり山歩き162ひとり山歩き219)。シゲト山付近は複雑な地形をしているので間違い易い。三俣山から黒檜岳に向かうときは、それほどでないが、逆の場合に間違い易い。標高点1919ピークへは、鹿道を追ってトラバースして時間を稼ぐ(稼いだつもり)。たいした登りではないが足腰が重い!! 今年は山行頻度が少ないので脚力がだいぶ弱くなったようだ。これでは、計画中の鹿島槍ヶ岳日帰りが心もとない。
 シゲト山付近は南側が急斜面で樹木が少なく、時おり中倉山〜沢入山〜オロ山〜庚申山の稜線が伺える。最低鞍部黒檜岳山頂8標高点1976)付近からは尾根の痩せた部分にはシャクナゲ藪があり、左(北)側に踏跡が続き藪を漕ぐ必要はない。胸程度のシャクナゲの合間を登りつめると左手に黒檜岳雨量観測所がある。ここからは白根山、錫ケ岳、三俣山あたりが枝越しに伺える。雨量観測所の少し先の小ピーク(今までは山頂としていた)に山部3Dプレートがかかっている。06年7月31日には、ここに標柱の山名板と達筆の山名板があったのだが、今日は山部3Dプレートしかなかった。「黒檜嶽」の達筆プレートが無くなってしまったのは、時の流れかとも思うが、大きな標柱が無くなってしまうとは!? なんて考えながら進むんだ次の小ピーク(標高点1976・・・新山頂)に見覚えのある標柱が立っていた。付近には山名板もテープ類も見かけなかったので、最近移設されたようだ。黒檜岳は標高点1976を中心に東西に平坦部が続いているので、どこを山頂としてもよいのだが、中央部に位置して標高点のある小ピークを山頂としたのであろう。新山頂から東に進むと、見慣れた社山分岐に達した。栃木の山紀行のプレートが破損して一部しか残っていなかった。シゲト山から黒檜岳まで1時間45分も要した。今までは1時間ないし1時間15分だったのに!! ウーン、ウーン、ウーン・・・加齢劣化もあるが、山行頻度減少による足腰の弱まりと考えよう。幸いこれからは気候もよくなるので、せいぜい励みましょう!!
 下りは登山道を追って急ぐように下る。標高点1802付近からは北東尾根から北北西尾根に乗り移る。急斜面を下って標高1470付近で右矢印の標識を見て、トラバース道に入る。途中で沢を渡って更にトラバースを続ける。トラバースが終わるとすぐに中禅寺湖湖畔の登山口の道標を見る。千手堂跡を通過して千手ケ浜に出る。風が強く汗が引っ込み気持ちがよい。男体山と中禅寺湖の写真を撮りながら、船乗り場に向かう。途中でハイカー二人に出逢う。低公害バス乗り場には10人ほどがバスを待っていた。15分待ちで赤沼茶屋行きに乗る。歩いて帰ると約2時間、バスは300円で30分足らず。楽チン楽チン!!
HOME
inserted by FC2 system