ひとり山歩き319 : 萩野から家老岳に登り、東尾根そして南尾根をたどり県境尾根を目指しました。時間切れで途中から大倉岐川林道にエスケープしました。家老岳を過ぎると笹、アスナロ等の藪密度は予想以上でした。
家老岳(1413)〜1296ピーク〜1162ピーク〜大倉岐川周回
2008年5月16日 晴れのち曇り(一時雨)
1行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(1:45) = 道の駅たじま(3:55/4:10) − 萩野登山口(4:30) − 1131ピーク(5:55/6:00) − 家老岳(7:40/7:55) − 1225ピーク(9:20/9:25) − 1296ピーク(11:15/11:25) − 1162ピーク(14:00/14:10) − 沢出合(15:05) − 大倉岐川林道出合(16:00/16:05) − 萩野林道口(16:50) − 道の駅たじま(17:15/17:30) = 自宅(19:45)

2 自宅 − 萩野
 栃木の尾根歩きが手一杯で、会津の山には足が向かなかった。福島との県境尾根を歩いた際、家老岳や貝鳴山を目にすることがあり、いつかは歩いてみたいと考えていた。どうせなら萩野から家老岳〜貝鳴山と周回できればと検討してみた。家老岳の東尾根とそれに続く県境への南尾根は藪は深いものと思われる。Webで検索してみたが、当然見つからなかった。エスケープルートを考えて行かねばとんでもないことになる。県境の大倉山(1188.1)から中沢林道へエスケープ、場合によっては途中で大倉岐川林道にエスケープもありうる。
 前日は天気がよく絶好な日和だったが、その前日が雨模様で気持ちが高ぶることがなかった。今日は天気予報ではところによっては雨とのことで、あまり乗り気がしない。来週末は桐生24時間100キロウォークが控えているので、疲労回復を考量して本日決行することにした。例によって明るくなったら登り始められるよう見計らって家を出る。駐車地の道の駅たじまを素通りして、1.6km先の萩野へ行き車から様子を探って道の駅たじまに戻る。身支度を整えて萩野に向かう。中沢林道口で尾根筋を見極めて登山口にまっしぐらに進む。犬にほえられることは覚悟していたが、一匹だけで拍子抜け。

3 家老岳  胸程度の笹薮こぎがあるせいか無雪期の山行は少ないようだ  貝鳴山 (家老岳山頂直下から)
 民家の裏手に進み尾根に取り付く。松にわずかに灌木の混ざる樹林で藪もなければ踏跡もない。落ち葉と下草が生えている急斜面に早くも汗が噴出す。松に変わってミズナラが中心になると尾根筋が明瞭になり、踏跡を追うことができるようになる。すぐに尾根筋は細くなり松はなくなって岩っぽくなる。標高930付近で大岩が現れた。左手を巻いて通過する。ミツバツツジが少しばかり咲いていた。ツツジの花を見るのは今家老岳山頂シーズン初めてだが、これで満足。4年前から4月になると栃木北部の藪山に入り込むので、ツツジの花とはトンとご無沙汰である。今の自分には花を見るよりは藪こぎで汗をかく方が喜びを感じる。次の大岩の前で空間ができて右に貝鳴山が姿を現す。山頂部はガスが立ち込めている。今日はここまで行けたら御の字だ。右下に下山後通るかも知れない中沢を垣間見ることができる。やがて左から尾根を合わせると平坦な1131ピークに達する。
 1131ピークからは方向を北東から東に変えて緩やかに一旦下る。くるぶし程度の笹がここにきてやっと現れる。カヤトも一部にあるが寝ているので特に問題はない。進むにつれて笹はだんだん深くなり膝ないし腿丈となる。今日は先が長いので疲労を抑えるために、左手の藪の薄い斜面をトラバース気味に歩く。標高1250で左から尾根を合わせると、笹は胸程度となる。根の曲がっている樹木を見かけるので積雪は深いのであろう。時には藪の緩むところもあるが、概して胸丈の笹が続く。家老岳を往復するだけなら、左程気にすることはないのだが、ロングウォークを考えて無駄なエネルギーを使わないよう藪の割れ目を求めて登ってゆく。山頂直下で右手が開けて展望スポットが現れたが、残念ながらガス模様。三度左から尾根を合わせて、樹木がまばらな胸程度の笹が茂る家老岳山頂に達した。黒羽山の会と古い木板の山名板が樹木にかかっている。その傍の樹木に青のMWVプレートを見る。山頂からは展望はない。笹薮が深く展望がないので無雪期の山行録は少ないが、積雪期の山行録は多い。ちなみに貝鳴山について調べてみるとまったく逆であった。

4 家老岳 − 1296P − 1162P  笹、灌木とアスナロ藪は予想以上 でもピンクリボンを何回も見かけた
 東尾根に進むと樹木が疎らになり灌木藪が現れる。すぐにブナ林となって胸丈の笹薮こぎとなる。尾根筋は広く急勾配で方向が取りづらい。前方の1225ピークを目安に下るが藪を避けているうちにずれて何度も方向修正をする。家老岳山頂で見かけたピンクリボンを途中で見つける。やがて尾根筋が明瞭になり、鞍部に下ると今度はアスナロ藪が待ち構えていた。広い尾根のアスナロ藪はたいしたことはないが、細尾根のアスナロ藪はけっこう始末が悪い。1225ピーク途中で見かけたピンクリボンへの登りは急勾配でアスナロと笹薮が交互に出現する。藪こぎよりも急勾配には参った。やっと登りつめた1225ピークは胸笹でやはりピンクリボンを見かける。こんな藪山を歩く人は結構いるのだ。リボンは手の届く位置だから無雪期に歩いたのであう。家老岳からここまで設定タイムに比べ30分は余分にかかってしまった。この調子では貝鳴山は時間切れの可能性大と推測する。
 混合藪を掻き分けて鞍部に下る途中で伐採に使用した古ワイヤーを見かけた(この後も三・四回見かけた)。鞍部には古い切り株も見られ、喬木がないので灌木藪が密で難儀した。鞍部から次のチェックポイントの1296ピークへは130メートルほどの登りとなる。アスナロと笹薮が交互に現れ、急勾配とあいまってかなり消耗してしまった。計画時間よりもドンドン遅れだす。やはり県境の大倉山から中沢にエスケープせざるを得ないと頭にち家老岳  (1162P付近から)らつきだす。方向を北東から南東に変えると勾配が緩やかになったが、細尾根の上は藪がきついので左手の斜面をトラバースする。例のピンクリボンを見つけて考えることは誰も同じとうなずく。1296ピークは背丈の笹藪が密で、方向転換する南尾根が全然見えない。エネルギーを補給しながら小休止。大倉山から中沢へのエスケープも余裕がなくなってきた。次のチェックポイントの1162ピークから大倉岐川にエスケープもあり得ると覚悟を決めて歩き出す。
 南尾根に方向転換すると、混合藪と笹薮は相変わらず厳しいが、藪の下に薄い獣道が通っている場所が多く多少は楽になった。細尾根は喬木がないために藪がはびこっている。右(北西)に家老岳、左(南東)に日留賀岳、鹿又岳、男鹿岳が展望できた。雲行きが怪しくなってきた。遅遅として進まず、疲労も蓄積して多少焦りが生じだした。途中で雨が降り出し、慌てて雨具の上だけ着用した。天気のよい日を選んで山に出かけるので、今まで300回以上の山行で雨に降られたのは三・四回しかない。あまり降ると笹が濡れて滑りやすくなり、歩行速度がさらに遅くなるのを心配したが、幸いにもすぐに止んでくれた。藪の他に地形図に現れない小ピークも出現し、ますます遅れが生じる。この調子だと中沢へエスケープしても萩野に戻るころには暗くなりそう。無酸素運動をしないよう歩いているので、密藪歩きを続けているが疲労感はあまりない。鞍部から60メートルほどの登り返しで1162ピークに達した。今日のルートに現れるピークはいずれも急勾配でくたびれる。
 この先をどうするか決断せねばならない。大倉山から中沢に下っても林道歩きの途中で暗くなりそう。1162ピークから大倉岐川に下れば、明るいうちに萩野に戻れるのは間違いない。問題は沢に下りてから林道まで1kmばかり沢筋を歩かねばならない。沢の勾配は緩やかで幅も広そうなので特に問題はないと判断。沢歩きはしないことを山行の基本方針としている。このルートなら沢筋に多少の危険箇所があっても山腹を高巻く余裕はあるので、決行することにした。

5 大倉岐川へエスケープ  尾根筋を間違えたが特に問題となるような箇所はなかった  ラッキーと考えるべし
 コンパスを設定して西尾根に進む。今まで密藪が別世界のように藪がない。尾根が変わるとこうも違うものかと感心するやら安堵するやら。藪が幾分増えだした時点でコンパスをチェックすると南西に下っているのに気づいた。1162ピークでコンパスを設定したときに、方向をよく確認せずに藪なしに引きずられてしまったのだ。何のことはない、当初計画の県境尾根に向かっているのだ。1162ピーケへ60メートルほど登り返さねばならない。下るのはあっという間だったが、登り返しは辛い。とにかく西に下れば大倉岐川に下りつく。急傾斜だが樹木を伝わって強引に下ることにした。地形図で見ると低い尾根になってはいるが、尾根筋は見えない。急勾配だが藪はそれほど密でなく適度にしがみつく樹木もある。30分ばかり強引に下ると右下に緩やかな沢筋が見えた。沢に下りると、すぐに滑床になる。山腹を高巻いて逃げると、その後は沢筋を歩けるようになった。20分ほど下ると二回目の二俣となり沢の方向は西向きとなった。この地点へ本来はエスケープするはずだった。途中で危険箇所もなくて幸いであった。この二俣からは川幅も広くなり、途中で作業道跡と思われる踏跡歩きもできた。
 途中で雨が降り出したので、1162ピークで脱いだ雨具の上を着用した。そこから50メートルほど先が大倉岐川林道終点で、以降は雨に打たれながらも安心してユックリと林道を下る。途中で雨は止んだが、下半身はびしょぬれだ。中沢林道に出合うと立派な舗装道が通じていた。15分の舗装道歩きで萩野(中沢林道口)すなわち国道121号に出合う。大倉山経由で中沢を辿れば今頃はまだ中沢に下りていないだろう。エスケープは成功と喜びながら道の駅たじまに戻る。 
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