ひとり山歩き314 : 南会津町の水無小出原集落から尾根沿いに黒滝股山を目指しましたが、アスナロ枝に被った積雪を越すのに苦労し途中退却となりました。駐車地から犬がずっとお供してくれたので気が紛れました。
水無小出原集落から黒滝股山(敗退)
2008年3月23日(日) 快晴
1行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(2:30) = 水無小出原集落(5:00/5:35) − 尾根取付き(6:00) − 1095ピーク(7:10/7:25) − 退却(1175ピーク直下)(9:10) − 1095ピーク(10:20/10:40) − 取付き地点(11:15) − 駐車地(11:35/11:55) = 自宅(14:55)

2 自宅 − 水無小出原
 今シーズン最後のスノーシュー歩きを奥日光でと思っていたが、先日の積雪で他を探すことにした。男鹿山塊を考えたが、少し早すぎるような気がした。栃木県境に近い黒滝股山は今の時期なら展望もよさそうだし、スノーシュー歩きを計画した。昨年の11月と同じルートを考えたが、大川林道の積雪状態が分からないので諦めて福島県南会津町水無小出原集落からトライすることにした。
 3月に会津に行くのは初めてで道路の除雪状況が分からないので、途中(中荒井桑木原)から水無川へのショートカットは止めて、カーナビの指示どおり田島経由で水無川沿いに車を駆る。道路沿いの除雪塊は予想よりは断然少ない。水無橋(?)を渡って水無川沿いから離れて水無小出原集落に向かう。舗装の切れた林道も除雪してあるが駐車スペースが見つからず、戻って人家の傍に車を駐める。車を停めた途端に飼い犬が寄ってきて吠え立てる。犬が苦手で車から降りるに降りられず困っていると、飼い主が来て抑えてくれた。登山準備をしながら飼い主と話しをしていると犬はおとなしくなった。

3 小出原 − 1175ピーク(退却)  積雪は少ないが、アスナロ周辺の膨らみを越すのに往生  駐車地から犬がお供
 南に向かう道路の舗装はすぐに切れるが除雪は続く。人家に続く道筋は西に向かい、南に向かう林道は雪の下となる。気がつくと先刻の犬がついてくる。犬は苦手で早く戻ってくれればよいがと思う。雪下の林道を僅かに歩くと、1095ピークへの尾根取付き地点に達した。このあたりは地形図では実線が消えているがまだ先に続くようである。近辺は小さな枝尾根の先端が多いので注意が必要。お供をする犬  このような尾根筋ばかりなら楽勝なのだが・・・
 枝尾根には雪はなく、その代わりに落ち葉が厚い。雪がなくて幸いと、登り始めるも急勾配と厚い落ち葉で滑って登りづらい。勾配がきついので雪が付いていたらもっと苦労したかもしれない。犬が尾根を登ったり下ったり遊びまわっている。姿を見かけなくなったので家に戻ってくれたようで安堵する。尾根筋は全体に勾配がきついが、処々でアキレス腱が悲鳴を上げるような所もある。自分の技量では雪が付いていたら、スノーシューでは登れなかっただろう。いつの間にか犬が戻ってきて自分の周りを走り回っている。左から三角点ピークからの主稜線を合わせる頃には積雪は連続となり、すぐ先で平坦な1095ピークに達した。このピークからは前方に三角形の黒滝股山とその左右に県境尾根も枝越しに窺える。男鹿岳らしいピークも見えているようだ。
 この先は雪が比較的締まって連続しているので、軽アイゼンを装着して出発する。これから先は快調に歩けると喜んだ突端に雪は少なくなり、尾根の左(東)側は雪、右(西)側はツツジの藪といった箇所が増える。雪の上を歩きたいのだが、崩れそうで恐い。仕方なく右手の小藪を選んで進むのでスピードは落ちる。4月初旬に歩いたというWeb情報では、スノーシューで歩いているのだが。今年は降雪が多いので積雪も多いと思っていたが、最近の暖かさで融けてしまったらしい。それでも次ぎのチェックポイントである1175ピークまでは計画通り1時間強で歩けそうなペースは保てた。この頃になると犬も馴れたのか、ポチポチとかワンワンと大声を出すと自分の傍に戻ってくるようになった。
 1110級ピークを越すと尾根筋は落葉樹からアスナロに変わった。針葉樹が主となったので日あたりが悪く、雪が連続するようになった。脛程度は潜るが歩き易くなって喜んだのも束の間。1175ピークへの登りに転じると、細尾根の上に鎮座するアスナロ周辺は腿まで踏み抜くようになった。壷足では頑張りきれなくなって、スノーシューを装着した。これで沈みは脛程度となったが、別の問題が待ちうけていた。細尾根に鎮座するアスナロ周辺の段差を乗り越すのが難しくなってしまった。アスナロの枝を雪が抱きこんで膨らんだ部分は、壷足では腿まで踏みぬくが、スノーシューではせいぜい膝下の沈みで助けにはなっている。しかし、その膨らみに載るのが大変。スノーシューは段差部を乗りこすのが苦手で雪が崩れてしまい膨らみを乗越えるのに悪戦苦闘する。自分に技量がないの一言だが、時期が悪かったという弁解も多少は許されるだろう。積雪がもっと多ければアスナロ周辺に段差は少なく、スノーシューで充分乗越えられるであろう。積雪がもっと少なければ、得意の藪漕ぎで通過できたであろう。アスナロ周辺で何故踏みぬくか・・・積もった雪でアスナロの枝がお辞儀をする。更に雪が積もって全体を覆うようになるが、枝の下に雪が完全に密に詰まるわけでなく、空洞部が残る。その上に載ると重みに枝が耐えられなくなって踏み抜くことになる。4月になって雨が降ったり、気温が上がって雪が締まると重みに耐えるようになる。深い笹薮の箇所もこれは同じ。
 スノーシューを履いて十数分頑張ったが、このペースで進むと時間切れの可能性が大であり、1175ピーク直下で退却を決めた。最後に負け惜しみ、雪が消えた尾根直下の様子から藪は少なそう。この程度の藪なら残雪歩きよりも藪漕ぎの方が楽そう!!(膝程度の高さにテープを見かけたので藪を漕ぐ人もいるようだ)  栃木にまだ歩かねばならない藪尾根が残っているのでトライするつもりはないが。

4 復路 途中退却で物足りなさが残るも、今日は犬に癒された
 往路に比べたら下りだから楽だが、アスナロ鎮座様の傍を通る時には気を使う。復路になると件の犬は先導するようになった。でも先導になれていないのか、谷の方を向いて休んでいるとそちらへ進むと思ってか谷へ駈け下ってゆく。間違えたと知っては駈ける戻ってくるのがなんとも可愛い。1110級ピーク手前でアスナロがなくなったが、スノーシューを外すのが面倒で藪を突っ切りながら1095ピーへ戻った。スノーシューを外してエネルギーを補給する。犬が傍に寄ってくるので、パンを分けてやる。
 取付き地点への戻りは急勾配と落ち葉で歩きづらいが登りに比べたら楽なことこの上なし。大声を出したら戻ってきた犬もいなくなってしまった。家が近づいたので帰ったのかと思ったら、暫くして姿を現した。雪のない斜面を走り回っていたようだ。小さな枝尾根が分岐しているが、気にせずに下って行くと、足跡の残る尾根取付き地点にピッタリと戻れた。黒滝股山に到達できなかったことには悔いがあまり残らないが、疲労感がないのに物足らなさを感じる。犬の先導で駐車地に戻る。犬は家に戻り、繋がれてしまったようでクンクン啼いている。
 帰り支度をしていると犬の飼い主が現れた。件の犬は山にお供したことはないとのことだった。出発時に主人と話していたので、知り合いと思い込んで安心して後を追ったのだろうとのことだった。いつもはひとり歩きを楽しんでいるが、今日は犬と歩くことで普段とは異なる楽しさがあった。
 次回からは男鹿山塊を考えているので、様子を見るために官行のJobsおじかに寄って見た。鹿又岳付近が真っ白に見える。千葉県の車が一台駐まっていた。今日はよい天気で楽しめただろう。よし、次回は横川から日留賀岳(昨年のリベンジ)か鹿又岳へ直登かそれとも瓢箪峠か。考えている時が一番楽しい。
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