ひとり山歩き313 : 湯元温泉からスノーシューで温泉ケ岳の南東尾根を歩いてきました。あいにく気温が高くスノーシューに雪が付着して難儀をしました。温泉ケ岳からの展望は苦労のしがいがありました。
湯元温泉からスノーシューで温泉ケ岳(2332)
2008年3月12日(水) 晴れ
1 行程
ルートマップ(GPS)  
自宅(3:00) = 湯元温泉(5:00/5:15) − 南東尾根取付き(金精道路)(5:40) − スノーシュー装着(標高1620)(5:55/6:05) −標高点2061(小ピーク)(8:45) − 展望スポット(標高2170)(10:05/10:10) − 温泉ケ岳登山口付近(11:20) − 温泉ケ岳(11:50/12:25) − 標高点2061(13:45) − スノーシュー脱着及び小休憩(標高1900)(14:05/14:25) − 南東尾根取付き(金精道路)(15:55) − 湯元温泉(16:25/16:40) = 自宅(18:45)

2 自宅 − 湯元温泉
 2月21日に温泉ケ岳をスノーシュで往復するつもり出かけたが、予想外の降雪で温泉ケ岳を諦めて中禅寺湖スカイラインを歩いて半月山に振り替えた。湯元温泉から温泉ケ岳への南東尾根は急勾配で、重量級の身にとっては苦手なコースであまり気が進まない。日光連山山歩きのタイトルでHPを開いている限りは一度は登らねばならない尾根であり、これから始まる残雪歩きのトレーニングのつもりで登ることにした。スノーシュー、アイゼン、ピッケル、緊急ビバーグ用シュラフ等を含めて総重量95kg。
 昨日は気温が高かったが、今日は低くなるというので準備万端整えて、早朝2時に起床して奥日光の気温をチェックするとプラス1.6度、自宅の室内温度は14度。今日は軟雪(?)で苦しみそう。今更止めるわけには行かない。いろは坂は道端に痕跡程度の雪が残るだけ。奥日光の戦場ケ原付近も道端の除雪片は少ない。湯元温泉ビジターセンター駐車場は最近除雪をしていないのか、薄く雪が残り凍結している。

3 湯元温泉 − 温泉ケ岳  雪がスノーシューに付着して悪戦苦闘  主稜線から温泉ケ岳は見通しが全く利かないの要注外山尾根  (標高1800付近から)
 スノーシューをザックに括り付けて、金精道路を目指す。温泉源付近まで雪は殆どない。金精道路への登りは踏み固められているので楽に歩ける。金精道路の小峠口に登り上げた時には汗が噴出していた。駐車場で車載温度計では1度であった。今日は暑さに苦しみそう!! 温泉ケ岳とその南東尾根を見上げて・・・今日は辛い登りになるぞ!! 100mほど金精道路を進んだ地点が南東尾根の取付で、スノーシューの薄いトレースが残っている。
 様子を探るため温泉ケ岳(右) (2061Pの西鞍部から)に壷足で痩せ尾根に取付く。早朝のせいか、雪は結構しまっていて踝程度の沈みで歩ける。15分ばかり登ると尾根筋は落葉樹から針葉樹に変わり、日が当たらないせいか脛まで沈むようになったのでスノーシューを装着する。併せて途中の急登に備えてストックをピッケルに持ち替える。スノーシューでも踝程度の沈みはあるが、歩き始めたばかりで活力があり特に気にはならない。標高1700で西から北西に方向転換時に後方に7割方湖面が白くなった湯ノ湖を目にする。男体山もぼんやりと見える。標高1800付近までは比較的勾配は緩いが、日蔭では脛まで沈むので、尾根の左手の日なたを歩くようにする。左手に外山稜線と直下にスキーゲレンデが樹間に見え隠れするので、多少は気が紛れる。
 標高1850付近の急登部は左に巻くように登ったが、素直に尾根筋に沿った方が楽だったと思う(復路では尾根上を辿る)。標高2000過ぎまでは明瞭な尾根上の急登が続く。場所によっては膝まで沈み悪戦苦闘となる。針葉樹の幼木が雪の上には少しだけ頭を出している所は避けねばならないのは分かっているのだが、つい踏みこんでしまい蟻地獄を味わうことになる。勾配が緩くなると日あたり部はクラスト気味で沈みが少ないが、少し外れるとズブズブと潜る。まだ雪が締まっていない上に気温が高いのでどうしようもない。標高樹木に付着した雪  (温泉ケ岳登山口付近)点2061の小ピークに登ると小さな赤テープが目に付いた(ここまでに数箇所に腰高の枝に赤テープ)。白根山、五色山あたりが枝越しに窺える。正面には温泉ケ岳の頭も窺える。湯元からここまで3時間を見込んでいたが3.5時間要した。予想よりはコンディションが悪いのだから仕方ない。これからは勾配が緩やかになるので楽な歩きができるだろうと楽観視する。
 針葉樹のジャングルを潜り抜けた浅い鞍部からは勾配が急に緩やかになりどこでも歩けるようになった。2061ピークまでは薄いスノーシュートレイルが確認できたが、完全に消えてしまった。日あたりのよい所を選んで歩くも踝までの沈みは避けられない。更に悪いことに、標高2000m手前からは雪がスノーシューに付着しだした。数歩歩くたびにスノーシューをピッケルでたたいて雪を落とさねば重くて歩けない。これは全くの想定外!! 標高2170で左手が開けた好展望スポットに達した。こんな場所は相変わらず苦手。樹木がないと谷底へ引きずり込まれそうな感じがする。少し動けばよい写真温泉ケ岳山頂・・・山名板は下に見えるが撮れるのだが、灌木にしがみ付いて恐々と写真撮影。白根山から外山尾根、男体山まで邪魔なしの好展望だが・・・
 雪をピッケルで払いながらの登りはまだ続く。標高2220あたりからは北西から北北西に向きを変えて金精峠から温泉ケ岳に続く主稜線に向かう。主稜線にたどりつくと、今度は針葉樹の枝に雪がびっしり付着していて先の見通しがない。温泉ケ岳の登山口を求めて、“綿菓子”を避けながらジグザグ行進となる。登山口の付近に来てはいるのだが、探すのに時間をかけるよりは急斜面をピッケルで腕力に任せて登り始める。樹木の合間を摺り抜けるのだが、吹き溜まりでは滑って登れない。苦労してどうにか温泉ケ岳山頂に辿りついた。夏道を辿るのが楽ではあろうが、今日のように枝に雪が付着していると、夏道の標示類を探すのは骨が折れるだろう。2061ピークからは2時間を見込んでいたが、プラス1時間。湯元からではプラス1.5時間も余分にかかった。もっと雪が締まってくれないと福島県境へは出かけられないな!?
 山頂部は雪が積もって小高くなっている。コブに登ると大きな山名標示板が下に見える。白根山、武尊山、至仏山は樹木に邪魔されてるが、その他は好展望を楽しめる。燧ケ岳、平ケ岳、黒岩山から帝釈山の県境稜線(孫兵衛山も見えている)、男体山を始めとする日光の山々。今日は風もなく暑いくらいで、ウェストポーチに入れてあった温度計を見ると10度近くなっていた(日あたりの影響を受けているので不正確)・・・道理で汗が目に入るはずだ。

4 復路  親指の痛みに耐えかねて、途中でスノーシューを脱いで悪戦苦闘男体山方面  (好展望スポットから 復路)
 登山口目指して標識を追ったが、すぐに見失う。方向を合わせて適当に下って行くと、往路のトレースを捉える。後はこれを追うだけ。主稜線から南東尾に入ると綿菓子から開放されて見通しがよくなったが、今度はスノーシューへの雪の付着に悩まされる。下りとはいえ、重くて辛い。歩いているよりは立ち止ってピッケルで雪払いをしている方が多いくらい。悪いことに左の親指の付け根(外反母趾のために付け根の骨が飛び出している)が圧迫されて痛み出した。留めバンドを緩めれるも効果なし。例の好展望地で男体山と戦場ケ原の写真を撮って無事通過。2061ピークを過ぎると尾根筋は明瞭となり、雪の付着は少なくなり楽になる。
 標高1900付近で親指の痛みがますます激しなったことと、急勾配だからスノーシュー脱着してもよかろうと判断する。考えが甘かった!!  何度も腿まで踏みぬいて脚を引き抜くのにひと苦労。踏み抜きがなくても膝までの沈みを我慢する。スノーシューを脱いだことを悔やんだが、脚力の鍛錬とやせ我慢。下るにつれて沈みは幾分小さくなるも、往路で壷足で登った落葉樹地帯も脛までのラッセル。計画に1時間のプラスでやっと金精道路に下山できた。温泉ケ岳を振り返って見上げると山頂部はガスで霞んでいた。湯元温泉駐車場に戻る頃には疲労感はなくなっていた。更に1・2回今日のような登りをしておくと4月の残雪歩きは楽になる。さてと。次ぎはどこに行くか。
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