ひとり山歩き312 : 百川林道から北尾根に取付き尾出山に登り、高原山経由で落合集落の尾出山神社まで尾根通しで歩いてきました。展望は期待できませんが、久しぶりにスリルのある尾根歩きができました。
北尾根から尾出山(933)〜尾出山神社尾根通
2008年3月6日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(4:55) = 寺沢橋(5:55/6:10) − 百川林道ゲート(6:50) − 北尾根取付き(7:15) − 標高800(8:40) − 尾出山(9:20/945) − 獄ノ越(尾出峠)(10:10) − 標高点825ピーク(山田山)(10:30) − 高原山(11:10/11:15) − 鉄塔185号(11:25) − 標高点585ピーク(12:10) − 標高点498(12:25) − 尾出山神社(13:10) − 寺沢橋(13:35/13:45) = 自宅(15:10)

2 自宅 − 寺沢橋 − 百川林道
 先週から今週にかけて車検や野暮用で山へ行けなかった。今週は今日(6日)を逃すと山を諦めねばならない。2週間以上ブランクがあくと身体が鈍ってしまうので、近場の山を考えた。つい最近、ブログ「FM大野の踏跡日記」(http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mhorie/ ) で尾出山の東に位置する谷倉山の南東キレットが話題になった。このキレットは地形図からは読み取れないような難物で、03年3月に高谷山から谷倉山に向かう途中で危険を感じて諦めて百川林道に下らざるを得なかった。このキレットのことを思い出し、再度偵察に出かけようと思ったが、その後05年1月に「高原山探訪」のYoshiさんがこのキレットを偵察したが登るのを諦めている。その他に自分よりはるかに力量の優れた方々が諦めているのを知って、岩嫌いの自分の手には負えない、と考え直す。
 地形図を見ていたら北尾根・尾出山・高原山・送電鉄塔・585・498を経由して落合集落の尾出山神社まで尾根通しになっているのが分かった。頭と尻尾が未踏なので興味が湧き、早速計画に移す。自動車の回収という点からは、落合スタートで尾出山の北尾根を下り、百川林道を下ってくるのが楽ではある。今の時期は北尾根は残雪あるいは凍結の危険があり、下りで通るのは避けて、北尾根を登ることにした。尾出山又は高原山から下山する可能性もあるので、車は県道199号の川久保集落の寺沢橋(尾出山登山口への寺沢林道口)付近に駐めることにした。
 ザックを担いで県道199号を北上すると、送電線の少し手前に県道はここまでの小さな看板を見る。この先は百川林道となるが舗装道は続く。例のキレットに続く谷筋(破線)は5年前には鬱蒼としていたが、伐採されて見違えるようになっていた。何回も橋を渡って進むと、右手に駐車場を見て11号橋(?)を渡ると百川林道のゲートに達する。(谷倉山へは橋手前の沢筋を登る)
 ゲートからは砂利道となるがよく管理されていて凸凹はなく歩き易いが、所々に残雪が融けて凍結しているので注意が必要。右岸から左岸に渡って200mほど進んだ地点から638経由で登る案もあったが、どうせ登るなら北端からと決めていたので、地形図をチラッと見て先に進む。この林道は03年12月にゲート手前から谷倉山に登りその北尾根を歩いた時に通っているので安心して進む。林道が北西から南に廻りこむ地点が北尾根への取付きとなる。

3 北尾根 − 尾出山  急勾配の岩っぽい痩せ尾根 特別な危険箇所はないが、這って登る所多い北尾根の様子
 林道から約10m下の百川に下りて水流を跨いで北尾根の先端に取付く。先端部は岩や木の根で複雑な地形をしていて登りづらい。悪いことに凍結しているので足場が確保しにくく恐る恐る登る。20mほど登るのに10分も要してしまった。尾根は急勾配の岩っぽい痩せ尾根で、岩の角や木の根を利尾出山頂にて用しながら四つんばいの格好で登らされる。岩や根の手がかりがあるので恐怖を感じることはない。標高600位からは幾分勾配が緩やかになり、地面に手をつく回数が減って気分的に余裕ができる。左手に特徴ある姿の二股山が枝の隙間から目に入る。その先で標高700〜750は尾根形が消えて急斜面登りとなる。再び尾根形が現れると谷倉山や筑波山が目に入る。勾配は緩み進行方向が南西から南に変わる地点が標高800で、ここで呼吸を整える。
 平坦部はほんの束の間で再び急登となるが、今までの尾根筋とは異なり岩が無くなって歩き易くなった。石裂山は高原山が枝越しに目に入る。標高850を過ぎると尾根上は桧に替わってミズナラが主の落葉樹となる。標高点638経由で登ってくる尾根の合流地点は見分けがつかなかった。このあたりから残雪が現れるが、歩くには全く支障がない。勾配は緩く危険箇所もないのでノンビリ歩いていると、赤リボンが突然現れる。ここは昨年の3月29日に鉄塔188号標高点669経由で登り詰めた地点である。残雪を踏みしめながら登り詰めると尾出山山頂に到達。
 山頂は今回が五回目。何れも異なるルート取りで登って来たが、今回のルートがもっとも難しいが面白みもあった。石祠の前には時計と賽銭。石碑の前にはメガネが供えられている? 時計は以前にも見た記憶があるが、メガネは初めて。山頂部は樹木が多く展望はよくない。北西部からか勝雲山〜横根山稜線から男体山の天辺が申し訳けなさそうに姿を見せるだけ。錫〜白根方面が枝越しに見えるがハッキリしない。

4 尾出山 − 高原山 − 鉄塔185号  尾出山から峠への下りは急で一部に凍結あり石裂稜線(奥) 谷倉山〜キレット(中央)  (鉄塔185から)
 ここは過去に3回歩いているし、多くの報告があるので詳細は省略。尾出山から獄ノ越(尾出峠)に下る途中で岩稜の左をトラバースする部分が凍結しているので細心の注意が必要。鞍部から標高点825(山田山・・・例によってMWVの山名板に人名山が記入)までは残雪あるも、2月23日にテントミータカさんが歩かれた時に比べると雪は少なくなっているようだ。
 大久保の頭(以前は地形図に記載なかった)付近で右手に東斜面が白くなった根本山から氷室山辺りがチラつく。左側には例のキレットが目に入る。大久保の頭からロープの助けを借りながら急下降して登り返すと高原山。朽ちた石祠が目につく。山頂からは枝の隙間から尾出山が見えるが、急峻なピークでなく普通の山にしか見えない。遠方から見るとトンガリ帽子の美しい姿を呈してくれるのだが。地形図を確認して鉄塔185号へ下る。ここからは石裂山その手前に谷倉山からキレットが展望できる。キレットをここから観察すると、急勾配は分かるが詳細は不明。

5 鉄塔185号 落合の尾出山神社− 標高点585 − 落合神社  585ピーク西の岩峰付近以外は危険箇所はない
 鉄塔のすぐ先で寺沢林道に下る道と分かれて、標高点565に向かう東尾根に突入する。古い間伐材や枯れ枝が落ちているが植林の尾根筋は明瞭で迷うことはない。標高500付近で崖状の急斜面が現れ、樹木を伝いながら20mほど急下降する。すぐ先で岩峰を越して次ぎの小ピークで石祠(南の落合方面を向く)を見つけた。願主仁兵衛 ○○○○申年 正月吉日と彫刻してあるが、肝心の○部分が読み取れない。
 石祠ピークから下って緩やかに登って行くと、右手に鹿防止ネットが張ってある。これに沿って少しばかり進むと標高点585ピークに達する。ここから方向を東から南東に変えての下りとなる。尾根筋は落葉樹林となったり、植林となったりするが単調で安心して歩ける。標高点498の平坦部を通過して標高450以下になると右手が開けて集落の一部が見えたりする。尾根筋に踏跡が明瞭になり、これを追っていると地形図の落合の落の下の鳥居記号のある小ピークを通過しないことに気付き方向修正をする。細尾根を下って登り返すと小ピークで木造の社が祀られている。看板等の文字板がないので、これが尾出山神社と推測して階段状の参道を下って鳥居を潜ると天照皇太神宮の石碑を見る。地形図を見ると県道出合にもう一つ神社があるので行って見ると、これが尾出山神社で車で県道を通過する際見えた神社である。
 計画通り歩けた喜びで駐車地への舗装道歩きも軽やか。
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