ひとり山歩き311 : 中禅寺湖スカイラインを歩い半月山にでスノーハイクを楽しんできました。スカイラインはスノーモービルのトレイルを利用して楽に歩けました。好天でスカイラインと半月山の展望台からの展望は抜群でした。
半月山(1753)スノーハイ
2008年2月21日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ(GPS) 
自宅(4:15) = 湯元温泉(6:25/7:30) = 中禅寺湖スカイラインゲート(7:45/7:50) − スカイライン第一駐車場(9:40/9:50) − スカイライン第二駐車場(10:25/10:45) − 半月山(11:45/11:50) − 半月山展望台(12:05/12:20) − スカイライン第二駐車場(13:00/13:20) − スカイライン第一駐車場(13:50) − スカイラインゲート(15:20/15:30) = 自宅(17:30)

2 自宅 − 湯元温泉 − 中禅寺湖スカイラインゲート
 最近の山行では過去に通ったことのあるルートでは、緊張感が続かずに途中退却が多い。退却癖が付いてしまうと困るので、未踏のルートを歩くことで退却癖を払拭することにした。金精道路の小峠口から南東尾根に取り付き温泉ケ岳までスノーシューで登ることにした。今年の奥日光の天気は読みづらい。天気予報や奥日光のライブカメラでデータを集めて、今日は好天間違いなしと読んで決行することにした。念のために家を出る前に奥日光(三本松)のデータを調べると、積雪した様子はなく、気圧も安定している。風は9m/secで昨日に比べたら強いが、三本松では若干強めという程度。意を強くして家を出る。 
 家を出てから日光までは星空で気持ちよく車を駆る。いろは坂入口でスパッツや登山靴を装着していると雪がチラつきだした。中宮祠あたりでは大したことはなかったが、赤沼茶屋から三本松あたりでは吹雪きだして、戦場ケ原は強烈な地吹雪で瞬間的に前方が見えなくなる。天気を読み違えたかと思いながら湯元温泉のビジターセンター駐車場に車を駐めて様子を見る。駐車場で約1時間待ったが、吹雪はいつ止むやら検討がつかない。温泉ケ岳への山行も気勢をそがれてしまった。どこか他の山をと考えたが、今日は好天間違いなしと読んでいたので用意は全くなし。地図も地形図もなしで山歩きは自分には出来ない。こんなときにはハンディGPSは何の役にもたたない。・・・場所を探し出すのがひと苦労だし、ルート設定も困難。
 多少吹雪こうが積雪があろうが地図や地形図を持たなくても、迷わずにスノーハイクを楽しめるルートが思いついた。中禅寺湖スカイラインを歩けばよいのだ。好天になれば半月山に登って展望を楽しめるかもしれない。よいことに気付いたとばかりに吹雪の中を逆戻りして中禅寺湖スカイラインに向かう。戦場ケ原付近を過ぎると降雪も風もおとなしくなる。スカイラインゲートに付いた頃には降雪は気にならない程度になったが、相変わらず風は強い。準備をしている間に後からやってきた車の主はどこかに消えてしまった。

3 スカイライン歩 途中から好天となり景色を楽しみながらノンビリ歩く
 スカイラインに踏み込むと、ごく僅かな区間にアイスバーンや舗装道が現れるが、その他はスノーモービルのトレイルが連続している。スノーモービルのトレイル上を歩くのだが、雪上車で圧雪したのとは異なりあまり締まっていない。一歩踏み出すごとに靴底が雪に食い込み、意外に足取りは重くスカイライン(標高1450付近)なる。最初は進行方向の右手が山側を歩くことになる。三角点峰(1466.4)を過ぎると、尾根の右手を歩くようになる。ガードレイルが雪の上に出ているので、吹雪いて先が見えにくくなっても、ガードレイルを踏み越えることはないと安心して歩いているうち雪は止み、すぐに青空が見え始めた。
 歩き出して1時間20分で日光/足尾境界の切通を通過して再び尾根の左側に出ると、下りのスノーモービルと出逢う。駐車場で準備をしている間に後から来た人のようだ。少しばかり立ち話、スピードは最高60km/hくらいは出るとのこと。半月山に通じる尾根の状態にも精通しているようであった。後姿を写真にとカメラを取り出した時には姿が消えてしまった。この切通からは左手に山並みが見え始めて足取りも軽くなる。地図も地形図もないので山名は不明だが、家に帰って調べて見ると薬師岳周辺のようだ。狸山(1622)を回り込むとスカイライン第一駐車場に辿りついた。吹き溜まりを乗越えて駐車場の先端(展望台)から女峰山・男体山・中禅寺湖の展望を楽しむ。白根山から温泉ケ岳までの稜線も展望できる。今朝登ろうとしていた温泉ケ岳の南東尾根を見ると、複雑な気持ち。
 半月山に登るならスカイライン終点の第二駐車場から登るよりも第一駐車場の建屋の裏から登った方が楽そうに思えたが地形図を持っていないので自重する。左手が開けているので足尾方面の山を楽しみながらの歩きで、たまには今日みたいにノンビリと歩くのも趣があってよい。緩やかな下りになって枝尾根の先端を廻りこむと第二駐車場が姿を現す。強風を面と受け始めた。広い駐車場には雪が殆どないのが頷ける。駐車場からは皇海山を始め足尾の山々の展望がよい。社山も間近に見える。コンクリート擁壁の陰で風を避けながらエネルギーを補給する。無用の長物と分かってはいたが、体力増強のためにスノーシュー、アイゼン、ピッケル、緊急ビバーク用ツェルト・シュラフを含めて10kg以上の重荷を担いできた。これから半月山に登るのだが、不要物をデポする気は毛頭ない。近場に行くのでも原則として荷物はデポしないことにしている。これは02年10月の鳥海山の新山での緊急ビバーグを経験したからである。この時、大物忌神社付近に荷物をデポしていたらどうなっていたであろうか。いま思うだけでも身の毛がよだつ。
 
4 半月山へ  枝尾根を直登、踝ないし膝下のラッセル 展望台で秋の紅葉期に劣らぬ冬景色を楽しむ半月山山頂
 地形図も地図もないので、夏道ルートは分からない。半月山山頂への低い枝尾根を直登すれば単純で迷うことはない。念のためにアイゼンを履いて駐車場の北西端から登りだす。笹が頭を出している程度の積雪にスノーシューのトレイルが続いている。スノーシュートレイルが消えてしまった。この先は自分でラッセルしかない。場所によっては笹が現れている部分もあるが、踝ないしは膝下までの沈みである。山頂が近づくにつれて勾配は急になり、吹き溜まりでは腿までのラッセルとなった。ダブルストックで登って来たが、ピッケルにすればよかった。どうにか尾根上に達した。右手は下りとなっているので、半月山の山頂よりも右(東)と判断して左へ尾根上を歩く。3分ほどで半月山山頂に達した。案内板前のベンチが僅かに姿を現している。付近の樹木に取り付けた山部3Dプレートは表面が縞々模様となって風雪に耐えてきた様子が窺える。
 途中で二三箇所の吹き溜まりがあったが、積雪は少ない。背中のピッケルが針葉樹の枝に引っ掛かるので歩きづらい。途中で樹木が開けたところで男体山・中禅寺湖や白根山の写真を撮る。けっこう展望がよかったのでここで引き返そうかと思ったが、ここまで来たら展望台は行かざるを得ない。樹木が切れて半月山展望台に到着。女峰山・男体山・白根山・錫ケ岳・社山の展望がよい。もちろん中禅寺湖も八丁出島も。秋の紅葉もよいが雪景色も様になっている。計画外ではあったが、来てよかった!! 多少の雲があった方が写真写りはよいのだが全くない。強風で体が揺れるので展望台の手摺に肘を置いて写真を撮ろうとしたら展望台自体が揺れている。

5 下山  スカイラインの下りでは展望を楽しむ 半月展望台からのパノラマ
 夏道に踏跡を期待したが全く見当たらない。ストックをピッケルに換えて往路を戻ることにした。第二駐車場まで往路の自分のトレースを殆ど追うことが出来た。風を避けるために駐車場の先でスカイラインに座り込んでアイゼンを外し、エネルギーを補給する。スカイラインに座り込むなんて今の時期ならばこそ。
 第二駐車場からは薬師岳・夕日岳・地蔵岳を楽しみながら歩き、第一駐車場で男体山と白根山〜温泉ケ岳を再度楽しむ。日光/足尾境界切通を過ぎると、奥白根山〜温泉ケ岳や男体山がゲート付近まで楽しむことが出来る。自動車で通過していてはこんな景色はとても無理。今日は負け惜しみなしにスカイラインを歩いてよかった。緊急時以外には二度と歩くことはないだろう。 
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