ひとり山歩き297 : 大川林道を深山湖から大川峠まで歩いてきました。大部分は藪化していましたが、道形は残っていて特に危険な箇所はありませんでした。大川沿いの紅葉が見ごろでした。
大川林道を歩いて深山湖から大川峠
2007年10月29日(月) 晴れ
(11月8日一部修正)
1 行程
ルートマップ
自宅(3:40) = 大川林道ゲート(深山湖最北端)(5:40/6:00) − コブキ沢林道分岐(6:20) − 雨量観測所(7:00) − ダム工事中(ワサビ沢)(7:20) − クワ沢橋(7:45) − 下ウミ沢橋(8:10) − 上ウミ沢橋(8:30) − ヘアピンカーブ入り(9:05) − 大川峠(9:50/10:15) − 下ウミ沢橋(下ウミ沢)(11:45/12:10) − 標高点911(12:45) − コブキ沢林道分岐(13:45) − 大川林道ゲート(14:15/14:30) = 自宅(17:00)

2 自宅 − 大川林道ゲート
 栃木・福島県境尾根のうち大川峠から三倉山の間を日帰りで分割して歩くたい。県境尾根への取付き点の偵察のために、大川林道を深山湖北端から大川峠まで歩くことにした。ついでに大川沿いの紅葉を期待した。
 今回は取付き点を偵察するのが目的だから、充分明るくなってから大川林道のゲートをスタートできるよう見計らって家を出る。例によってカーナビ任せで深山湖を目指す。板室温泉の少し手前で左折して県道189号は深山湖に向かう。途中で塩那道路の入口を見て、3年前に男鹿岳に登ったことを思い出す。舗装道を北上して那珂川を渡って深山湖の東岸に沿って北上する。カーナビ画面に西ボッチ山とか鬼ケ面山が現れ、この山域にも足を伸ばさねばと思うまもなくダート道に入り、大川林道ゲートに到着。当然ながらゲートは閉鎖されている。ゲート小広場に車を駐めて出発準備にかかる。

3 ゲート − 標高点911(ダム工事中)  林道はよく整備されている  大川沿いの紅葉を愛でながらの気持ちよい歩き大川沿いの紅葉
 ゲートの先にある深山橋を渡って林道を進むと、大川沿いの紅葉が目に付きだす。林道はよく管理されていて、新しいタイヤ跡も残っている。ゲートから数分進むと、右(北)に大倉山付近の稜線を瞬時見ることが出来る。大川の右岸を気持ちよく20分ばかり歩くと、最初の橋を渡り左岸歩きとなる。その30メートルほど先で右にコブキ沢林道を分ける。
 林道分岐付近からは道路脇には笹が目につくようになるが、道へのはみだしはなく歩行障害にはなっていない。林道分岐から三つ目の橋を渡ると30メートル先に雨量観測所が設置してある。橋の名称も観測所の名称とも、銘板が消えていたりして分からない。観測所から6分ほど右岸を歩くと、左からの枝沢にかかる平橋を渡る。この辺りは高原山探訪のYoshiさんが今年の4月に歩いた時には、崩落で林道が消えてたのだが、現在は復旧してあり、タイヤ跡が先に伸びていた。これで渡渉の心配もなくなり、紅葉を楽しみながら先を急ぐ。崩落修復地から更に15分ばかり歩くと、工事中の小看板が目に付きだす。工事用のプレハブ小屋が目に入り、大川の対岸(左岸)に流れ込む沢(地形図でいうと標高点911の9の位置・・・これは間違いで、標高点911の西側の沢=ワサビ沢:07.11.9修正))に砂防ダムを建設しているようで、大型ブルドーザが置いてあった。

4 ワサビ沢(工事現場) − 上ウミ沢橋  林道は一箇所を除いて道形を残すが、藪化した踏跡歩き  県境尾根への取付き点を探る下ウミ沢
 工事現場のプレハブ小屋から先は、道路上に藪が目に付くようになって工事現場までとは別世界が現れる。草付きの林道を3分歩いて、コンクリートの欄干橋を左岸に渡ると、先に砂防ダムを見る。この辺りは、ゲートから大川峠の間で唯一道筋が消えている。特に危険と言う事はないが注意が必要(3メートル程高巻けば安全)。ここを通過すると、道形は残るが藪化したり小岩のゴツゴツした踏跡歩きとなる。崩壊部から20分で欄干に赤ペンキでクワ沢と書いてある橋を通過。更に10分で左に大川左岸支流bP4コンクリート堰提の銘板のかかる砂防ダムを見ながら橋を渡る。黒滝股山に登るには、クワ沢とこの沢の間にある尾根を辿り、県境の標高点1360ピークに登るのがよさそうだ。尾根の取付きは急勾配だが藪は大したことはなさそう。この橋付近からは、前方の谷間に男鹿岳が窺える。
 林道は藪化しているが相変わらず道形は残しているので危険箇所はなく、安心して藪を漕げる。欄干に赤ペンキで下ウミ沢と書いてある橋を渡る。県境尾根を見上げると大萱峠と思われる鞍部が窺える。福島側の栗生沢と栃木の百村を結ぶ古道(百村街道?)がこの大萱峠を越していたらしい。この大萱峠(別名:姥坂峠)に登るには、この下ウミ沢を詰めるのが最短のような気がする(沢筋は勾配が緩いが途中から急斜面に取付くことにはなるが)。
 下ウミ沢橋の先に17号橋と唯一銘板の読める橋と欄干に赤ペンキで上ウミ沢と書いた橋を渡る。この辺りまでは小藪が多少うるさいが、踏跡は明瞭で藪慣れしたものにはどうということはない。 

5 上ウミ沢橋 − 大川峠  ススキと小枝がうるさい ひたすら我慢
 上ウミ沢橋から50メートル程の所にカモシカがこちらの様子を窺っている。写真を撮ると常時に斜面に登って行ってしまった。上ウミ橋が大川峠までの最後の橋で、この先は藪がひどくなる。ススキと細い樹木の小枝がうるさくなる。ススキの胞子が飛び散り、小枝は顔をたたきで普段の藪漕ぎとはいささか様子が異なる。展望は全くないしで、暫くは我慢・我慢。ヘアピンカーブを過ぎるとススキと小枝はますます増えてくる。藪を漕ぐ労力は大したことはないが、不快極まる。前方には大川峠の鞍部が見えているのだが、なかなかたどり着けない。9月21日に福島側を釜沢橋から大川峠まで歩いたが、比較にならないほどの不快指数。笹薮と針葉樹藪がないのをもってよしとしよう。林道の山沿いはコンクリートブロックや金網を被せた擁壁が断続する。谷側の崩落箇所もなく、時にはガードレールも見かける。このガードレールの白色塗料はしっかりしていて錆は浮き出していない。カーブミラーは鏡はなくなり、支柱がかなり傷んでいる。Webで調べると。97年に車で大川林道を走行したレポートを見かける。廃道になって10年足らず、いつまで道形を留めてくれるやら。右手の尾根筋が低くなり、深い草藪の中に倒れた通行禁止の看板を見て広場に飛び出す。ここが大川峠で約一ヶ月ぶりの訪問。

6 下山  
 往路を辿り下ウミ沢橋まで下る。下ウミ沢は勾配が緩やかなので、少しばかり遡って見ることにした。最初は沢沿い薄い獣道があり、何回か渡渉を繰り返しながら15分ほど遡る。シダの下に倒木が隠れていて歩きづらい箇所に達した。沢を遡る支度もしてなかったので、嫌気がさして退却することにした。その気になれば更に遡るのは難しくはないであろう。
 復路は下り勝手ではあるが、藪から目を保護するために歩行速度は往路とあまり変わらない。工事現場のプレハブ小屋前には大型のSUV車だ三台駐まり、数人を見かけた。この工事が終って何年かするとこの辺りも藪化してしまうのであろうか。工事現場からは道筋は平坦で危険もないので、ノンビリ紅葉を愛でながらの林道ゲートに戻る。 
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