ひとり山歩き296 : 前黒山林道から前黒山に登り、尾根伝いに明神岳、鶏頂山を歩いてきました。前黒山ではルーファンを楽しみ、明神岳と鶏頂山付近では紅葉を楽しみました。
前黒山(1678)〜明神岳(1640)〜鶏頂山(1765)
2007年10月22日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ
自宅(3:00) = 前黒山林道口(日塩もみじライン)(5:00/5:15) − 薙ぎ登り(7:35/7:55) − 前黒山(8:10/8:30) − 前黒山林道出合(朽木橋)(9:00) − 前黒山林道終点(9:10) − 1627P(9:40) − 明神岳東峰(10:20/10:30) − 明神岳西峰(10:40/10:50) − 避難小屋(11:00) − 御嶽山(11:55) − 鶏頂山(12:40/13:10) − 弁天沼分岐(13:20) − 弁天沼(13:40) − メープルスキー場最高部(13:55) − 鶏頂山荘(14:25) − 前黒山林道口(15:30/15:50) = 自宅(18:15)

2 自宅 − 前黒山林道口
 この2年程、気になっていた尾根歩きに出かけることにした。日塩もみじラインの前黒山林道(正式名は前黒山治山材料運搬道路)を歩いて、前黒山に登り尾根伝いに明神岳・鶏頂山と歩くコースである。高原山探訪のYoshiさんが03年12月に歩いた報告を読んで刺激を受けたのだが、なかなかタイミングがつかなかった。日塩もみじラインの紅葉には早いが、山腹の紅葉は楽しめると期待して実行することにした。
 日塩もみじラインは夜明け前の通過だが、やっと色づき始めたばかりで紅葉には気をとられず運転に集中。片側通行中との標示を途中で見たので、道路が荒れているのかと思ったが、日光市側に工事中で片側通行規制が一箇所あるのみ。カーナビは有り難いもので、暗闇の運転でも目的地にドンピッシャリ連れて行ってくれる。早朝出勤者にとっては必需品。前黒山林道口の広場に車を駐めて即出発。

3 前黒林道口 − 前黒山  前黒山林道は藪化しているが、特に危険箇所はない  途中にテープ多い
 前黒山に登るには、前黒山林道を歩いて途中から尾根に取付くのが簡単で自分のスタイルに合ってはいる。昨年の3月の残雪期に尾根伝いに山導水管橋頂に登っているので、今回は林道の様子を知ることを第一義にYoshiさんのルートに倣うことにした。
 林道には支線が多いので注意が必要。地形図に記載がなく、本線よりも幅広の支線もあるので、空沢方面に下り始めたら間違えたと思ってもよい。林道は最初は車の通行もあるようで歩行には問題ないが、空沢への分岐を過ぎると道幅が狭くなり、道上に低い笹が目に付くようになる。林道沿いの樹木はやっと色づき始めたばかりで、まだまだ緑色が濃い。大きく2回蛇行すると、山際に岩が目につくようになり、薙ぎを2回横切り、その先で前黒山頂  後方は日光連山朽ちた木橋を横目に小さな沢を渡り尾根の先端を南西から南東に巻いて進む。林道上に生長した樹木が増えて笹薮も深くなって踏跡程度の歩きとなるが、テープ類も多いので道筋を見失うことはない。
 第3の薙ぎを見て、小さなS字カーブを気にしながら道なりに進む。下り勾配になり、左手に導水管橋が見えた。おかしいと思ったが道筋は明瞭でテープもついているので、そのまま進むと空沢に下りてしまった。テープは沢の上流へと誘うので、少しばかり進むと左手に再び導水管橋が見えた。ルートを間違えたと判断して、第二の導水管橋目指してダイレクトに薮をこいで登る。思ったとおり林道に復帰できた。空沢への分岐地点の左に薄い踏跡らしいのは気付いていたのだが、明瞭な方に引き込まれてしまった。10分くらいのロスで助かった。林道に復帰できて安心したのがいけなかった。再び道筋を見失う。笹薮をこいで北に登ると、薮の中にテープを見つけた。同じようなミスをした人がいたようだ。再び道筋を見つけてこれを辿ると、北西から北東に折り返す地点にテープが目に付き、左へと細い踏跡が見えた。この細い踏跡を少しばかり辿ると、薙ぎに砂防堰提を見つけた。この薙ぎをYoshiさんが直登したに違いない、と判断して薙ぎを登り始める。
 薙ぎには小岩が多いが安定していて特に危険を感じることなく登ることが出来た。100メートルほど登ると薙ぎの頭に達したので、左手の笹斜面に取付いた。笹は低く大した抵抗にはならないが急勾配には参った。コメツガの枝の下を這うように登り詰めると前黒山の山頂に達した。山頂には三角点と、山部3D板と栃木の山紀行の山名板を見る。北側は細いダケカンバに遮られるが、南側の展望はよい。白根山から女峰山〜赤薙山(六方沢橋も見える)、鶏頂山〜釈迦ケ岳、明神岳がよく見えた。エネルギーを補給しながら明神岳への稜線を地形図と見比べる。

4 前黒山 − 明神岳  林道終点からは薄い踏跡を辿る  明神岳は好展望で観光客で賑わっていた前黒山(左) 1700P(中央)  (明神東峰から)
 Yoshiさんは、先刻の薙ぎに戻って林道の終点目指したが。自分には薙ぎのような掴まるものがない所は不安に感じる。藪が多くても尾根歩きの方が安全で、こちらを好む。南東に1700ピークを経由するのがオーソドックスだが、笹薮は大したことはないようなので、1700ピークの南側を適当にトラバースしながら前黒山林道終点を目指すことにした。
 膝ないし腰丈の笹を漕いで南東へ緩やかに数分下ると、南に下る低い尾根筋に進むように赤テープが目に付く。1700ピークの南を巻くよりは、ここを下って林道を探した方が早い、と結論付ける。腰程度の笹薮を漕いで下り、標高1630位で小さな涸れ沢に降りた。10分ばかり涸れ沢を下ると、Yoshiさんのレポートに載っている朽木橋に辿りついた。ここから先は多少の笹はあるがしっかりした林道歩きとなる。前方が開けて、1700ピークと明神岳を結ぶ稜線上にある前黒山林道終点に達した。釈迦ケ岳(左) 鶏頂山(右)  (明神西峰から)
 林道終点から鶏頂山と釈迦ケ岳を眺めながら、呼吸を整えて明神岳目指して出発する。1627ピークへの登りは膝ないし腰程度の笹が生えているが、尾根上には古い登山道跡と思しき踏跡が目に付く。踏跡には低い笹が被さっている所多いが、かなりの部分は踏跡の拾い歩きができる。勾配が緩やかになると台地状の1627ピークで、左手に釈迦ケ岳から剣ヶ峰を枝越しに見ながら進む。
 1627ピークからの下りは尾根幅が広くて方向取りが難しい。コンパスを設定して下りだすと、ピンクリボンが賑やかに案内してくれる。鞍部からも薄い踏跡を拾いながら登って行くと、人声が聞こえだす。登り詰めると明神岳東峰の展望台で数人の観光客が景色を楽しんでいた。異様な姿で展望台に現れたので、観光客の一人が「山菜を取って来たのですか?」には参った!! 付近の山々の紅葉はあまりパッとしない。まだ時期的に早いのか、こんな程度なのかは分からない。鶏頂山・釈迦ケ岳・剣ヶ峰、前黒山稜線を写真に撮って、先に進む。西峰に向かう途中で大勢の観光客に出合うも、登山姿の者は他にいない。東峰から10分ほどで明神岳神社の祀ってある西峰山頂に達した。右下に木道の遊歩道があり、人声がますます賑やかになってきた。少しばかり下ると、右手に西峰の展望台があり、観光客で賑わっていた。東展望台よりも好展望が得られるのだが、観光客の間に異様な姿を長く呈するの嫌って先へ進む。展望台からは西の鶏頂開拓の先に帝釈山〜黒岩山辺りが見えるはずだが、確認できなかった)。

5 明神岳 − 鶏頂山 − 下山  明神岳〜御嶽山の登山道は一部笹が被っている  御嶽山の紅葉が他を圧している御嶽山、釈迦ケ岳、中岳(左から)  (鶏頂山直下から)
 西展望台の外れに、比較的新しい登山道の標識が設けてある。笹を刈払った登山道が目に付いた。藪化していると思っていたので、予想が外れた。障害物のない登山道を10分ほど気持ちよく下ると、その先は刈払いが最近行われた様子はない。周辺の笹は低く踏跡は明瞭で歩くには全然支障がない。刈払い終点から3分の小コブ(1540)に避難小屋が突然現れた。外見は程ほどだったので、中を覗くと床が傾いていて雨宿りする程度で横になることは出来ない。何故こんな場所に避難小屋を設置したのであろうか。明神岳よりも更に先に登山道が伸びていたのであろう。
 南に進むにつれて笹は深くなってきた。場所によっては登山道に被さっているが、多少とも藪山の経験があれば、笹の下の道筋を見失うことはないだろう。標高点1566付近で人の気配がしたので、振り返ると夫婦が迫ってきた。急ぐつもりはないので、適当なところで追い越させようとしたが、いつの間に見えなくなってしまった。急傾斜部を登り詰めると、釈迦ケ岳と鶏頂山を結ぶ尾根上に達した。ここは小ピークで御嶽山と呼ぶようだ。
 釈迦ケ岳へ行くか、鶏頂山に行くか少しばかり迷ったが、最後までYoshiさんに倣って鶏頂山に向かった。ここから鶏頂山まではガイドブックにもあるし、02年10月31日に歩いているのでそちらを参照してほしい。
 鶏頂山への登りで周辺の紅葉を眺めると、御嶽山が一番さえている。鶏頂山の南斜面も結構きれいだった。鶏頂山の山頂に辿りつき、昼食を取りながら釈迦ケ岳・中岳・西平岳を眺めていると、男性1名、女性2名がの二組が登って来た。
 下山ルートは、弁天池・メープルヒルスキー場・鶏頂山スキー場と02年10月31日のひとり山歩き65に同じなので、参照願う。弁天沼で数人のハイカーと出逢っただけ。道筋は明瞭で迷うような場所はないが、鶏頂山スキー場に下る道よりも、鳥居のある西登山口に向かう道筋の方が広く、こちらがメインになっているようだ。
 鶏頂山荘から前黒山林道口までは約6km、下りとはいえ長い。日塩もみじライン沿いの紅葉はまだまだで、車の通行は少ない。紅葉は期待したほどではなかったが、2年越しの念願がかなって満足しながら駐車地に戻る。
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