ひとり山歩き287 : 畳平から乗鞍岳(剣ケ峰)に登ってきました。3000m超の山ですが、畳平からなら誰でも登れます。山頂からは360度のパノラマが広がり、特に翌日に登る予定の槍ケ岳が印象的でした。乗鞍岳は深田久弥氏の百名山のひとつですが、いまや観光地のひとつに成り果てた感じです。
畳平から乗鞍岳(3026.3)
2007年7月31日(火) 快晴
1 行程
 自宅(1:10) = ほおのき平駐車場(5:50/6:00) = 畳平(6:40/6:50) − 肩ノ小屋(7:20) − 乗鞍岳(剣ケ峰)(8:10/8:45) − 肩ノ小屋(9:00) − 畳平(9:35/10:00) = ほおのき平駐車場(10:40/11:50) = 高山経由 = 新穂高温泉無料駐車場(14:00)

2 自宅 − 畳平
 山歩きを始める(01年6月)よりはるか昔に読んだ新田次郎の「剱岳 点の記」と「槍ケ岳開山」が強く印象に残っている。昨年の9月に馬場島から早月尾根経由で剱岳を日帰りピストンした。これで北アルプスの山にも行くことはないだろうと思った。自分はピークハンターでなく尾根縦走を好み、普段は栃木の山を中心に薮山の縦走を楽しんでいる。それなのにアルプスまで出かけて縦走もせずピークハントに終わってしまうのではなんとも情けない。縦走ができない理由がこれまた恥ずかしい話しだが、山小屋になじめないことである。アルプスを山小屋泊なしで縦走するのは場所が限られている。そんなわけでアルプスへは行くことはないだろうと考えて畳平いた。新田次郎の小説のうち剱岳は登ったが、もうひとつの槍ケ岳に日帰りできないか検討したところ新穂高温泉から槍平経由なら可能との結論を得た。高速道の高い料金を払って新穂高温泉まで行くなら、足慣らしを兼ねて畳平から乗鞍岳(剣ケ峰)に登ることにした。
 1998年5月に上高地やアルペンルート・黒部峡谷にドライブ旅行をした。その際、時間調整で乗鞍スカイラインで畳平まで行った記憶がある。そのときは山登りなどは夢にも思っていなかったので、単なるドライブに終わってしまった。その後、03年だったかにマイカー規制がなされた。乗鞍岳に登ることはあるまいと思っていたが、槍ケ岳の計画を詰めるにつれて、乗鞍岳にも行くべしとの結論が出た。
 最近やっとETCを設置したので、少しでも元を取らねばと時間割引の利く早朝出発とした。24時頃起床すると、自宅(栃木県下野市)付近は強雨で、思惑が外れた。パソコンを立ち上げて天気予報を調べまくり、岐阜県はこの二・三日は好天との結論を得た。天気読みにかけては、自信があり今まで外れたことは少ない。確たる理論や理屈があるのではなく、山勘がよくあたるのである。仕事を持っている人は日にちを選んで山へ行くが、毎日が日曜日だから天気を選んで山へ行ける我身のアドバンテージである。結論から言うと、今回の山行は雲ひとつないといっても過言でない好天気に恵まれた。
 前書きが長くなったが、伊勢崎ICから北関東道に乗り、関越道・上信越道・長野道と乗り継ぎ、松本ICで下りて国道158号をまっしぐら。沢渡では上高地へ行く客待ちのタクシーを横目に安房トンネルを目指す。有料道路は750円で高速道4450円(割引で3100円)に比べたら高い気もするが、普段の山行とは異なり財布の口が緩んでいるので有料道路を通過。乗鞍スカイラインのバス停であるほおのき平駐車場に到着し、バスの時刻表を見ると10分の余裕しかない。急いで靴を履き換えて荷物をもってバス停へ急ぐ。ほおのき平駐車場から畳平まではバスで約40分、往復2000円。客は数人しか乗っていない、次の便なら1時間待つとところだった。バスに乗ってホッとする間もなく、途中で槍ケ岳がちらりと見えて意識が高まる。バスターミナルのある畳平はまだ早い時間帯で登山者や観光客が少なく静かである。

3 畳平 − 乗鞍岳(剣ケ峰)  誰でも簡単に登れる  360どのパノラマが広がる  槍ケ岳と穂高連峰を望む (剣ケ峰から)
 畳平駐車場から花畑に下りて散策する人たちを横目に登山道を進むと、すぐに立派な作業道歩きとなる。作業道の途中でコロナ観測所への道を右に分けて摩利支天岳の左下をまくと乗鞍エコーラインや大雪渓が見下ろせる(復路では数人のスキーヤーが滑っていた)。ほどなく肩ノ小屋に達する。ここからは作業道と分かれて登山道に入ると、砂礫や浮石が多くなり登りづらくなる。途中で槍ケ岳や穂高連峰が展望できて、山頂での楽しみが増える。乗鞍岳はWikipediaによると、富士山、御嶽山に次ぐ三番目の高さの火山で、剣ケ峰を主峰として23の山からなるとある。周りには幾つものピークが聳えているが名称には興味がない。剣ケ峰手前の蚕玉(こだま)岳から槍ケ岳や白山を眺めて目の前の剣ケ峰に進む。10分足らずで剣ケ峰山頂に達した。山頂には神社が背中合わせに二社並んでいる。まだ登山者は少なく山頂には二人が憩っていた。山頂からの展望は期待していた通りで360度の展望が広がっている。楽して登った割にはご褒美が多すぎる。
 北北東に向かって北アルプスの峰々が窺えるのだが、どうしても目は槍ケ岳に向いてしまう。南に目を転じると間近に御嶽山が展望できる。今日は時間もタップリあるし、山頂は暑くも寒くもな快適で昼寝をしたい。隣では昼寝を楽しんでいる人もいるが、貧乏暇なし普段のせかせかした山歩きの習性であまり休んでしまうと疲れが出て歩けなくなってしまうようで仕方なしに下山にかかる。

4 下山 − 新穂高温泉
 往路を下山して行くと次のバスで来た人たちか登る人が増えだした。軽装の人も多く、ここなら一般観光客でも登る人が多いのであろう。畳平にはついた時から比べたら人出が増えていた。こんな観光地で時間つぶす気にもならず、直近のバスでほおのき平駐車所に戻る。今日の山行は短時間で汗をかいてはいないが、時間つぶしに駐車場の目の前にあるにゅうかわ温泉宿儺(すくな)の湯につかる。
 明日の食料品補充のために30kmほど離れた高山市に向かう。ガソリンと食料品を補給して今晩のお宿である新穂高温泉無料駐車場に向かう。観光地見学の準備をしてこなかったので、時間をもてあましたが14時に新穂高温泉無料駐車所に車を駐める。9割方車が詰まっていた。明早朝たちなので、まごつかないように登山道口周辺を下調べした。車へ戻ったのは17時過ぎで暗くなるまでに時間はタップリあるが、駐車場に日蔭ができて車内温度も下がったので、早めの夕食といってもコンビニ弁当を食べる。退屈しのぎにラジオをかけるも駐車場は谷間にあるので雑音ばかりで聞き取れない。仕方なしに座席を倒して目とつぶっているとすぐに寝込んでしまった。
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