ひとり山歩き284 : 赤沼茶屋スタートで西ノ湖入口から尾根に取り付き大岳経由で栃木・群馬県境尾根に登り、白檜岳・白根隠山・前白根山と歩き、外山からは東尾根で湯滝上に下りました。展望はガスのために見ることはできませんでしたが、薮尾根のルーファンを充分楽しむことができました。
大岳(1893)から県境尾根そして外山(2204)東尾根へ
2007年6月28日(木) 曇り
1 行程
ルートマップ 
自宅(0:55) = 赤沼茶屋(2:40/2:55) − 西ノ湖入口(4:10) − 尾根取付き(4:15/4:20) − 1502ピーク(4:55) − 1577ピーク(5:25) − 1741ピーク(6:05) − 大岳(7:00/7:15) − 1919ピーク(8:20) − 薙の頭(10:00) − 県境尾根出合(10:30) −白檜岳(10:50/10:55) − 白根隠山(11:30/11:45) − 前白根山(12:30) − 外山・湯元分岐(13:00/13:10) − 外山(13:20/13:25) − 東尾根標高2000付近(14:00) − ルートミス(20分ロス) − 標高1700付近(15:15) − 湯滝付近下山(15:35) − 湯滝BS(15::44/15:52) = 赤沼茶屋(16:00/16:15) = 自宅(18:25)

2 自宅 − 赤沼茶屋
 降雨少ないといっても、梅雨時は山行の天気が読みづらい。奥日光の天候はWEB等でウォッチしているので大外れはない。今回は奥日光のまだ歩いたことのない支尾根歩きを計画した。西ノ湖入口から大岳(北峰)・群馬県境尾根へと続く尾根を登り、白檜岳・白根隠山・前白根山と歩いて外山から東尾根で湯滝付近に下ることにした。前者は04年7月に大岳まで歩いたが、県境までは未踏である。この尾根筋を歩いた記録は多く、奥日光の薮尾根の定番となりつつある。ホームページに日光連山を掲げているのに定番を歩いていないのでは話にならない。後者(外山東尾根)はWEBで三件しか見かけず定番とはいえないが、後発組みにならないうちに歩いておくことにした。白檜岳から県境沿いに白根山へ登る稜線歩きも未踏だが、ここも含めるのは今の暑い時期にはスタミナがもちそうもない。
 下山後に舗装道を登り方向に歩くのは苦痛なので、赤沼茶屋に車を駐めて、舗装道を西ノ湖入口まで歩き、大岳尾根に取付くことにした。赤沼茶屋の駐車場には三台しか駐まっていない。休日なら貴婦人愛好者の車で多いのだろうが、平日は少なくっていい!!

3 赤沼茶屋 − 大岳 − 白檜岳  薮は少なく、大した困難はない  点々と赤テープあり
 低公害バス走行道路を西ノ湖入口目指して進むと、ゲート付近で貴婦人撮影に向かう自転車に追い抜かれた。土・日なら数台に追い越されるのだが。空には星も出ていて照明なしでも歩けるが、弓張峠付近で消灯する。ここで星が出ているから今日は晴れと思い、何度も落胆したことがある。今日はこれが当たらねばよいのだが・・・ バス停・西ノ湖入口から橋を渡って柳沢林道に入り、約5笹原と薙 (標高2100付近)分で西ノ湖分岐の道標を見る。ここが県境に向かう尾根の先端でここから取付くことにする。
 カラマツの尾根は急勾配で地面が軟らかく鹿道が明瞭についている。藪はなくて歩き易く、ひと登りで三角点1502.4ピークに達した。平坦な山頂部には三角点以外には特記するものはない。ここから北北西に向きを変え、勾配は緩やかで鹿道が通っていて歩き易い。途中で右手が開けて男体山が見通せる筈だったが、あいにくのガス模様で残念。小さなコブをいくつか越す感じで登ってゆくと針葉樹林の1577ピークに達した。ガスでますます視界が狭まってきたが、雨が降るという感じはない。鞍部からの登り返しはやや勾配が増してくる。矮小なシャクナゲが姿を見せ始めると、すぐ先が1741ピークでアスナロとダケカンバの混ざる針葉樹林で展望はない。
 北西に向きを変えて下り始めると、シャクナゲの密藪に出合う。今までも点々とついていた赤テープを追うと、短ピッチでテープが獣道を案内してくれる。シャクナゲ薮を大した苦労もなく突破すると、鞍部付近からは薮は緩み歩き易くなる。左手に大岳山頂を感じながら登ってゆくと、1820ピーク(大岳北峰)に達する。大岳へは南西に尾根が通じているが、この尾根上は針葉樹の薮が深いので、手前(東)側をトラバース気味に進むと薮は少ない。10分ほどで大岳山頂に達する。行儀悪く(?)寝そべったダケカンバ大木の脇に三角点を見かけ笹尾根の立ち枯れ (標高2230付近)る。三角点付近に栃木の山紀行の山名板しか見当たらなかった。見えるはずの男体山は霧の中で姿をみせない。今日は一日中展望は期待できそうもない。
 県境に向かうには、1820ピーク(大岳北峰)まで戻らねばならない。尾根上の針葉樹林の突破を試みた。特別に強烈ではないが、往路のトラバースに比べ倍の20分要した。県境に向かうためには、往路同様に東側をトラバースして1820ピークの北側を通過するの方がはるかに楽である。北西にシャクナゲ薮を突破しながら下ると、樹木の切れ間からガスにかすんだ白檜岳が窺える。鞍部からは林床は低いミヤコザサで薮は消えてくれる。登るにつれて倒木が増え、尾根の右手には笹原が断続するようになり、針葉樹に低いシャクナゲの混ざる1919ピークに達した。
 1919ピークを僅かに下るとシャクナゲが現れるが大したことはない。鞍部から登り始めると尾根筋は太くなるので、反対方向から下る場合には注意が必要。1950から2000mの間を急登して右手の笹原に出て、エネルギー補給。折角の笹原というのにガスで展望は全く利かず。右手に笹原を見ながら緩やかな登りが続く。途中から右下にツメタ沢上部の薙が平行する。2150から2200mで再び勾配がきつくなる。低い笹の助けを借りながら暫くの間は喘ぐことになる。右手に少しばかり移動すると、薙の頭を丁度すぎたところであった。更に急勾配を喘ぐと、標高2230位から北から北西に尾根筋が変わって、シラビソの立ち枯れが目に付きだし、勾配も緩やかになって一息つくことができた。県境尾根は目前で、支尾根派生地点は小ピークとなっているので、これを嫌って右方向にトラバース気味に県境尾根に登りつめる。すぐ先の白檜岳の山頂部はガスが霞んでいる。笹の県境尾根には明瞭な踏跡がついている。展望もなく気分転換ができないので疲労も溜まり、白檜岳にはたったの70mの登りに20分もかかってしまった。
 白根山に県境を辿るか、外山へ直行して東尾根を下るか一応検討する。白根山への尾根筋を見ると鞍部付近に残雪が認められた。今日の天気と体調では両方は極めて難しい。外山東尾根を下ることにした。
白根隠山の岩壁
4 白檜岳 − 外山  ガスで展望はまったくなし  外山へは明瞭な踏跡あり
 白檜岳ー白根隠山ー前白根山ー外山・湯元分岐の間は何度も歩いているので特記のみに留める。白根隠山は今回が6回目だが、ここを通過するときはガス模様で展望がないというジンクスを今回も破れなかった。前白根山に向かう途中で白根山方面から人の声は聞こえるが、ガスで確認できない。展望できたのは五色沼だけ。前白根山には二人組が憩っていた。展望は全くないので通過。残雪歩きでは天狗平は2325ピークの西鞍部とばかり思っていたが、実際は、2325ピークの北東に位置することを確認する。外山・湯元分岐で最後のエネルギー補給をして、外山に向かう。今年の2月26日に分岐から外山に登ったときには積雪で苦労したが、無雪の今は明瞭な踏跡を辿ることができて、あっけなく外山山頂に達した。2月26日同様に同じ樹木に三枚の山名板を目にするも、相変わらずのガスで展望はなし。

5 下山(外山東尾根経由)  薮はかなり密な部分あり  一般ハイカーにはムリ
 山頂部からほんの僅か戻って東尾根に突入する。右(南)側は笹斜面で一見歩き易く見えるが、勾配がきつく滑って歩きづらい。仕方なしにコメツガ樹林の薮歩きとなる。シャクナゲや針葉樹の幼木が波状的に現れるが、下りという点を差し引いても特別に厳しいということはない。時には右手の笹との境を枝にしがみ付きながら下るが、主として左(北)側をトラバース気味に歩くことが多い。尾根筋に脛程度のミヤコザサが現れると、湯ノ湖や尾根分岐 (標高2000付近) 中央白色部は湯ノ湖戦場ヶ原が見えるが日光連山はガスの中。
 ここでとんでもないミスをやらかしてしまった。標高2000付近で尾根筋が二つに割れて中央部が窪みだした。二重尾根でやがて一重に戻ると安易に考えてしまった。そのうちに中間の窪みは谷状になり右手の尾根のほうが高い(即ち勾配が緩い)ということに気付いた。おかしいと思ってコンパスを見ると北東尾根に進んでいる。地形図を見て湯元スキー場に向かう北東尾根を下っていることに気付いた。登り返すか、高度を一定に保ちながら山腹をトラバースするか検討する。登り返しは癪だし、幸い谷は浅く斜面に笹がついているので、笹の助けを借りながら斜面をトラバースすることにした。20分ほどで東尾根の標高1930付近に無事戻ることができた。復帰地点からは膝程度のミヤコザサ尾根で快適に下ることができた。
 標高1800から1700あたりはこの尾根一番の急勾配で、背丈程度のネマガリダケが密で何度も尻餅をつく。登りの場合は勾配がきつく苦労するだろう。勾配が緩みミヤコザサに変わると標高1700付近で、今年の2月7日にはこのあたりまで登って来たことを思い出す。ここからは林床はミヤコザサで薮はなく、特別危険なところもなく順調に下ることができた。尾根の右手に鹿除けネットを見ながら数分下ると1502ピーク手前の鞍部に達する。ここから左下の遊歩道に下りて、左に湯ノ湖を見ながら数分進むと湯滝上に到着。
 湯滝入口BSで時刻表を見ると8分待ちでバスが来る。一時間の舗装道歩きはきついので、ここはバスで赤沼茶屋に戻る。今日はガス模様で展望を楽しむことはできなかったが、奥日光で懸案の尾根筋を歩くことができて至福の時を迎える。 
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