ひとり山歩き281 : 一年半前に馬老山から高倉山への尾根を途中まで歩いた。高倉山から前高倉山経由で馬老山への尾根の未踏部分をを歩いてきました。尾根筋は全体にスズタケとシャクナゲで覆われていました。しかし、薮密度はたいしたことはありませんでした。
高倉山・前高倉山〜馬老山(その2)
2007年6月2日(土) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(1:10) = 土呂部・滝入沢出合駐車(3:10/3:20) − 田代山林道分岐(4:25) − 前沢湯西川林道分岐(4:45) − 前沢湯西川林道切通(5:55/6:05) − 高倉山(三角点ピーク)(6:40/6:50) − 林道切通(7:10) − 標高点1331(8:00) − 高倉山本峰(1460ピーク)(9:00/9:20) − 1426ピーク(ウォッちずでは前高倉山)(9:40) − 前高倉山(1398ピーク)(10:05/10:10) − ジャンクションピーク(馬老山への尾根)(10:20) − 1350ピーク(11:10) − 標高点1221(12:00) − 下山開始地点(1260ピーク)(12:10/12:15) − 滝入沢林道出合(13:10) − 駐車地(13:30/13:40) = 自宅(16:05)

2 自宅 − 土呂部
 2005年11月に馬老山から高倉山(ひとり山歩き216)を尾根伝いに目指したが、スズタケの薮に阻まれて途中でエスケープしてしまった。今回は前回の未踏部を歩くことにした。縦走する場合は、下山後の自動車回収を顧慮して低い方から高い方に歩くのを基本にしている。前回の下山地点はスズタケの密藪で、登りの苦労が予想に難くない。それで今回は自動車を下山予定地点に近い県道249号・黒部西川線の土呂部集落手前の滝入沢出合に駐めて、高倉山付近まで県道と林道を歩くことにした。

3 土呂部 − 高倉山  長時間の県道・林道歩き 短時間の登りで高倉山
 駐車地の直ぐ先は土呂部集落で、点在する街灯で懐中電灯は必要なし。約30分で右に土呂部牧場への分岐を見送る。この頃になると地図も見えるようになる。ここからは勾配がややきつくなる。歩き始めて約1時間で左に田代山林道を分けて県道は北西から北東に向きを変える。田代山林道は1km先で車両通行止めとなっている。途中で見た看板には積雪による崩壊でH19年6月30日まで通行止めとなっていた。但し、開通時期は信用しない方が懸命。この道路は一年の内果たして何日間くらい福島側に抜けられるのだろうか?? 前沢湯西川林道切通
 湯西川方面へは舗装道が続き、緩やかな下りとなる。左前方に高倉山らしいピークを見ながら進み、南に向きを変えると前方に林道のゲートが見える。湯西川へは左下へと折り返して行く。ここからはゲートの横を通って舗装なしの前沢湯西川林道へ進む。林道は前倉高山(1398ピーク)の北側までは北東に緩やかに登ってゆく。前高倉山の西尾根の先端付近で太郎山と山王帽子山、県境尾根(帝釈山付近?)が樹木の隙間から窺える。その先は高倉山と前高倉山を結ぶ稜線の西側を北に進む。標高点1331の南直下で右手の斜面にロープが垂れ下がっていた。ここから前高倉山へ登り下りする人がいるのだろう。このあたりから左手に女峰山、太郎山や根名草山の上部が展望できるようになる。この林道は多少の崩落はあるが、ゲートがなければ四駆車なら充分通行可能。林道を歩くこと70分で高倉山と前高倉山を分断するコンクリートで固められた前沢湯西川林道切通に到着。この先は地形図に記載されていないが前沢稲ケ沢林道に接続していることは05年6月に前山から高倉山まで尾根を歩いた際に確認している。
 切通の西側に太郎山を眺めながらエネルギー補給で小休止をとり、西側から切通に取り付く。すぐに尾根上に達するとスズタケ薮の中に獣道が通じている。獣道を追うとスズタケが多少煩わしいが特段の抵抗もなく歩くことができる。小ピークの下り(北側)は薮が薄くり、山頂まで続くことを祈ったが、登りになるとすぐにスズタケの薮に変わってしまった。薮に濃淡はあるが獣道を追うことにより35分で高倉山山頂に達した。山頂部の三角点周辺は薮はなく土が露出している。展望は樹木に遮られて西側に稜線が薄っすらと確認できる程度。前回は05年6月(ひとり山歩き205)の前山から登ってきたときに見た山部3Dプーレトはなく、その後取り付けられた栃木の山紀行のプレートがあるのみ。

4 高倉山 − 前高倉山
  鞍部付近で日光の山と県境尾根  高倉山本峰が盟主なら前高倉山頷ける
 往路を切通まで下り、今度は東側から尾根に取り付く。尾根上に達すると低いシャクナゲの中に獣道はついている。これを追って1400ピークに登りつめる。ここからの下り(南側)はスズタケの密藪で磁石を合わせて適当に下る。今回歩いた尾根筋は最後まで一部を除いてピークの北側はシャクナゲ薮白根山(左奥) 根名草山と大嵐山(右) (標高点1331から)、南側はスズタケとなっている。日蔭に強いシャクナゲ、日当たりを好む笹とうまく合致している!! 鞍部付近では右下に先刻歩いた林道が見えている。マダニが多い(後述)ので嫌気がさして林道へ逃げたくなる気分を抑えて、次の小ピーク(1370)を越して下り始めると、アカヤシオが僅か開花していた。これが今年初めての観賞。この2・3年は今の時期は県南の薮尾根を歩いているせいか、アカヤシオを見る機会は少なくなってしまった。鞍部の少し手前が標高点1331でこの辺りは右(西)が開けて、今日一の好展望。太郎山、高倉山本峰白根山、根名草山、鬼怒沼山、黒岩山辺りが確認できた。
 鞍部からの登りになると徐々に勾配が増してくる。そのせいかスズタケに変わって低いミヤコザサの下生えとなる。30分ほど悲鳴をあげながら急登すると1426ピーク(国土地理院のウォッちずでは、前高倉山と標示してある・・・手持ちの地形図H3年発行では南西に位置する1398ピークが前高倉山となっている)と高倉山本峰(1460ピーク、山部薮人氏の記述に倣うことにする)を結ぶ稜線の鞍部に達した。ミヤコザサの鞍部から尾根を登り始めると途中でミヤコザサは消えてシャクナゲ等の灌木薮となる。適当に歩き易いところを選んで登りつめるとシャクナゲの密な高倉山本峰山頂に達した。立木に高倉山南峰1470mのテープが巻いてあった。06年6月にシボレさん06年11月にノラさんが登ったときの紀行文には記述がないので、その後取り付けられたのであろう。今日登ったピークではこの本峰がもっとも厳しくて登りがいがあるにもかかわらず、あまり登る人がいないせいか名称が統一されていない。この山を高倉山とすれば、南西に位置する1398ピークを前高倉山と呼ぶことが頷ける。先刻登ってきた三角点峰が高倉山では前高倉山との関係が希薄なような気がする。
 本峰からは東間近に明神ケ岳、南西に女峰山が樹間に展望できる。ハエがうるさいのと、シャクナゲ等の灌木薮にもかかわらずマダニが衣服につくので、逃げるように下山を急ぐ。ミヤコザサの鞍部からは緩やかに登ると1426ピークで山頂部はミヤコザサに覆われている。展望は全くなし。南西の前高倉山(1398ピーク)へと急ぐ。踏跡の明瞭な渡り尾根を僅かに登ると山部、栃木の山紀行、RKの三枚の山名板のあるミヤコザサに覆われた前高倉山に達した。この周辺は平坦地で山頂という感じはない。

5 前高倉山 − 滝尻沢 − 駐車地  思ったよりはスズタケ薮は薄かった前高倉山山頂
 1398ピークと1426ピークの中間に位置する馬老山へのジャンクションピーク(1390)まで往路を戻る。馬老山に向かって南東尾根を下り始めると、原則どおりスズタケ薮となるが獣道も通っているので薮をこいでいる感じはない。鞍部からこれも原則どおりシャクナゲ薮を登り返すと1350ピークに達した。左に明神ケ岳が枝越しに窺える程度。このピークからは緩やかなスズタケ尾根の下りとなる。薮の濃淡はあるが大した抵抗は感じない。05年11月に馬老山から高倉山を目指したときにはスズタケの密藪に悩まされて途中でエスケープしてしまった。薮が薄いのと下り勝手が重なって、その時に比べたら目じゃない(別の問題で悩まされたが・・・)。左(東)はカラマツ林、右は広葉樹林の尾根上には獣道が通っているので予想以上に歩きが捗った。平坦な標高1221付近では尾根の右(西)手に作業道跡らしい抉れが続く。ほんの僅か登ると1260ピークで前回はここから南西尾根で滝尻沢林道にエスケープした。このピーク周辺は低いミヤコザサに覆われている。
 今回も計画通りこのピークから滝尻沢林道目指して南西尾根を下ることにした。相変わらずスズタケ薮が続くがそれ程強烈なものはなく、しかも下りで歩くことに関しては楽勝気分。相変わらずマダニは多い。滝尻沢が近づくと強烈なスズタケ薮でこの海を突破するのが容易でない。登りにこの尾根を避けたのは賢明だった。やっとの思いで滝尻沢に出合、土手を数メートルの登ると滝尻沢林道に出合った。よく管理された林道を20分ばかり下って土呂部川橋を渡ると直ぐ先で駐車地に戻ることができた。前高倉山〜馬老山稜線が薮が思ったほど蜜でなく、予想よりも1時間以上早く戻れた。

6 あとがき  今年はマダニが異常繁殖?? それとも??
 最近まではどんな薮を漕いでももマダニを気にしていなかったが。今回はどこを歩いてもマダニだらけ!! マダニは笹薮(特にスズタケ)にしか宿らないと思っていたが、大違いでシャクナゲにも宿っていることを知った(実際には、5月21日にヌーグラ沢〜安ケ森山を歩いた時に気付いていたが今回ほどでなかった)。薮を通過した際に衣服を点検すると、腿から脛にかけて十匹程度が付着していた。極端なことを言うと歩いているよりもマダニを払っている方が多かった!! この地域にマダニが特に多いのか? それとも雪が融けてマダニの活動期にはいったせいか? 昨年の6月10日にシボレさんが前沢湯西川林道切通から高倉山本峰へ登っているが、その紀行文にはマダニの記述がない・・・特に目立つことはなかったのであろう。 昨年まで今の時期に笹薮を何度も漕いでいるが、衣服から払い落とすのは、一日でせいぜい数匹であった。今年は異常な繁殖なのだろうか?????  これだけ多いとマダニを気にしない自分だが・・・唸ってしまう!! 
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