ひとり山歩き273 : 鹿沼市の荒井川の両岸尾根を白鬚山・大滝山・月山(石裂山)と縦走してきました。植林が大分ですが、富士山や日光連山等の景色も楽しむことができました。
鹿沼市荒井川の両岸尾根周回  白鬚山(1000)〜大滝山(1070.2)〜月山(石裂山)(890)
2007年3月8日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(3:50) = 鹿沼市上久我の細手橋(4:45/5:00) − 小川沢林道峠切通(5:50/6:00) − 868ピーク(6:50) − 白鬚山(7:20/7:25) − 1034ピーク(8:10) − 作業道歩き(8:30/8:45) − 大滝山(9:00/9:15) − 横根林道切通(9:55/10:00) − 標高点809(10:35) − 小川沢峠(10:55) − 814ピーク(11:25) − 月山(石裂山北峰)(11:55/12:20) − 標高点612(13:05) −荒井川渡渉(13:35) − 細手橋(13:40/13:50) = 自宅(14:55)

2 自宅 − 細手橋 − 小川沢林道切通 
 昨日は奥日光へ出かける準備をしていたが、夜半に強風が吹き荒れたので急遽中止した。本日も雪山と考えたが、二ヵ月半ぶりで雪山歩きから里山の地肌歩きをすることにした。昨年の12月に計画を立てていた白鬚山〜大滝山〜月山の縦走をすることにした。このコースは昨年の1月に高原山探訪のYohsiさん、5月には日光稜線紀行のstarionさんがそれぞれ反対周りで歩いておられる。今回はstarionさんに倣って荒井川両岸尾根を反時計回りで歩くことにした。
 白鬚山と大滝山は地形図には名称の記載がないが、山頂には山名板が存在する。両方とも人名に山をつけのではなかろうか、と個人的には考えている。両氏の紀行文によると白鬚山付近に青色のMマークが樹木にかけてあるという。青色のMマーク即ちMWVの存する山には人名山が多いので、これを確認してみたい。03年5月に石裂山から大滝山の尾根を歩いたときに、小川沢峠付近から北側の稜線に姿形のよいピークが目に付いた。それが白鬚山と知ったのは両氏の紀行文に因ってでった。
 県道240号を鹿沼市市街地より石裂に向かい、石裂神社前を通り越して約1km先の荒井橋に架かる細手橋の手前広場に車を駐めた。荒井川沿いに寄栗を目指し、途中で右折して小川沢林道を遡る。勾配は急だが舗装してあるので歩き易い。寄栗から20数分で小川沢林道切通に達した。ここから尾根に取付く。(気温マイナス2度)

3 小川沢林道切通し − 白鬚山 − 大滝山  大部分は植林の尾根歩き  処々で好展望(富士山、筑波山、日光連山)白鬚山頂
 切通から尾根に取付くと、枝打ちされた杉植林で鞍部の浅い小さなコブを幾つも越しながら高度を上げてゆく。一本松の小コブから方向が北西から南西に変わると、痩せた岩稜となる。岩稜を通過すると自然林となり、振り返ると鉄塔の鳴蟲山が目に入る。更に数分の登りで868ピークに達した。特記するようなピークではなく、左(南)に石裂山が見えるだけ。
 このピークから再び方向を北西に変えて、浅い鞍部から杉植林を急登してゆくと、南西に三角錐の尾出山とその後方に真っ白な富士山が目に付いた。里山歩きの楽しみのひとつである富士山が見えた!! 喜びのもうひとつ“浮きツクバ”の期待も出てきた。登るにつれて方向が北向きになり、登りつめた山頂には二対の石祠が目にはいった。付近を見渡すとSHCカワスミさんの山名板があり白鬚山を確認した。北側は自然で日光連山が枝越しに見える程度、南側は植林で展望はない。4年程前に小川沢峠付近から見た時は惹きつけるものを感じた白鬚山(当時は名称を知らなかった)だが、左は白鬚山付近で  右は黒滝山付近の山藤山期待はずれだった!! 期待外れの山頂にがっかりして石祠の文字を読むのも忘れてしまった。祠は南の寄栗方面を向いている。信仰の対象なのだろうが、どこから登ってくるのかな? 自分なら山頂からは派生している南尾根を辿るのだが。ここでは白鬚山の名称の由来は判明しなかった。
 白鬚山からは西に方向転換して岩場を通過しながら下った鞍部からは、少しばかり枝に邪魔されるが日光連山を楽しむことができた。登る途中で黒々としていて雪が少なそうな高原山も後方に確認できた。1000m級の小ピークを越した鞍部の先で、枝にぶら下げてある青いMマークが目に入った。プレートは古いが、取付け針金は新しく、輪をつくって樹木の枝にぶら下げてあった。プレート自体はMWVのものと思われるが、過去の山行で見かけたMWVのプレートには山名、目的、日付等を記入してビスか針金できっちりと固定してあった。誰かが拾ってここに掛けたものか??  これで白鬚山はMWVとは関係ない、即ち人名に由来するのではないと自分を納得させる。ミズナラの尾根を緩やかに登ってゆくと、再び尾出山と富士山が見えた。更に進むと緩やかなカーブをなす1034ピークに達した。ここで“浮きツクバ”が確認できて満足する。
 このピークから暫くは植林の下り勝手の尾根で歩き易い。小ピークから左手にネットを見ながらの下りで、ネットが見えなくなると鞍部で右(北)から登ってくる作業道に出合う。この作業道は尾根上を大滝山方向に続き、暫くは楽な歩きをさせてもらう。作業道は進むにつれて多少ヤブっぽくなり、右手にネットを見て更に緩やかに登りつめると作業道終となった。
 日光連山や浮きツクバを楽しんで、目前の大滝山へと歩を進める。僅かに下ってからの登り返しはきつい。最後は這うような姿で急斜面を登りつめると、見覚えのある大滝山山頂に達した。ヤブっぽい山頂の朽ちた廃木材の陰に三角点を見る。山名板が見当たらないので付近を探してみると落ち葉に隠れた板切れを見つけた。見覚えのある大滝山の山名板で、4年ぶりに見ることができた。針金が残っていたので元の位置に取り付けた。山頂を少しばかり移動すると、横根山や尾出山が展望できる。富士山は雲に隠れ始めた。

4 大滝山 − 月山  白鬚山〜大滝山に比べて藪っぽいが下り勝手で楽な歩き
 03年5月にひとり山歩き92で石裂山〜大滝山を歩いているので参照願う。大滝山山名板
 大滝山から南尾根の下りになると、今までとは異なりヤブっぽくなるが、暫くは下り勝手となるのが救い。尾出山・富士山、ツクバを見ながら下ると岩場の通過となるが特に問題ない。大滝山から二つ目のピークからそのまま南に尾根を下りかけて、すぐにミスに気付く。杉植林を南白鬚山(中央)  (伐採地から)東に急斜面を下ると、すぐに尾根に乗って一安心。ルーファンで今日一の難所を無事通過。間伐材に悩まされながら下ってゆくと右下に横根林道がチラつきだす。途中で数メートル下の林道に下りた方が楽なのだが、バカ正直に尾根を辿り切通の東側から横根林道に下りる。
 大滝山〜白鬚山を眺めて、切通の西側から尾根に取付く。 林道の折返し点を直下に感じると尾根筋は南東から東南東に変わる。左は灌木、右は植林となり日当たりがよいので、多少はヤブっぽくなる。標高点809に達すると左手が伐採地になり、開放感がただよう。左手に先刻歩いてきた大滝山〜白鬚山〜鳴蟲山の稜線を見ながらの歩きとなる。再び植林に入り藪のない尾根を僅かに下ると、朽ちた横根山・石裂山の道標がテープで樹木に括り付けてあった。ここが地形図に記載の小川沢峠であるが、破線の踏跡は確認できないが、雰囲気は感じる。
 大滝山からは下ってきたが、ここからは登りに変わる。二ヵ月半ほどは足枷と重荷(緊急ビバーク用シュラフ等で)の雪山歩きが続いたが、今日は足枷もなく背負う荷は軽く足取りも軽い。ややヤブっぽい植林の814ピークを越すと、左手は幼木、右手は成長林の中を歩くようになる。途中から作業道のような踏跡歩きとなる。進むにつれてヤブっぽくなるが不快感を感じるほどではない。右手のネット沿いに踏跡を急登するとヤブが切れて月山の山頂に達した。夫婦が昼食中で、傍に座って昼食を摂る。今日は足取りが軽く計画よりは大幅に時間を短縮できた。地形図を見ながら下山ルートを確認する。出発前に日光連山を眺めると、姿は見せてはいるが完全に曇り空になってしまった。今日の天気予報はおおむね当たり!!

5 下山(北東尾根経由) 急降下と岩場ありで、推奨はできない
 石裂山周回コースは既に歩いているので、今日は計画通り月山から地形図に破線記載のある北東尾根を上久我(駐車地付近)めがけて下ることにした。周回コース分岐(加蘇山神社へ)までは岩場と根の張り出した急降下で油断はできない。周回コース分岐の先には倒木で通行止め標示がしてあった。無視して左自然林右植林の尾根を北東に下り、小ピークを越すと尾根は分岐して東尾根は石裂神社(バス停方面)への下りとなる。これから進む尾根は北北東に分岐していて急勾配が待っている。ここは当初計画通り北北東の尾根を急降下する。途中で雰囲気の悪い岩場に遭遇する。今日一の難所を無事通過すると勾配は緩み通常の植林尾根歩きとなる。標高点612で尾根は再び分岐する。
 地形図の破線は北北西に進むが、ここは北北東の尾根を下って駐車地の傍に着地することにした。分岐までは左自然林、右植林でピンクのリボンが目に付いたが、ここからは植林の急降下でリボンは消えてしまった。途中で東向きの石祠を見つけたが、一瞥をくれて急降下を続ける。沢の音が聞こえ出すと尾根は末端部で急斜面で直下降はできなくなった。樹木で制動をかけながら急斜面を下りきって荒井川に無事着地して、5分ほど舗装道を歩くと細手橋の駐車地に戻れた。 
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