ひとり山歩き261 : 黒坂石から白浜山に登り、尾根伝いに根本山・氷室山・椀名条山を周回してきました。踏跡が続きマーキングも多いので、ルーファンの心配もなくノンビリと木漏れ日ハイキングを楽しんできました。ミズナラを中心とした落葉樹林帯で足尾から日光の山々を楽しむことができました。
黒坂石から白浜山(1124)〜根本山(1199)〜椀名条(1051)山周回
2006年12月6日(水) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(4:10) = 加藤畑林道口(黒坂石)(6:30/6:40) − 尾根取付き(7:35) − 白浜山(8:10/8:15) − 熊糞山(8:30) − 1064ピーク(8:55) − 県境尾根出合(9:30) − 1091ピーク(9:45) − 黒坂石分岐T(9:50) − 黒坂石分岐U(10:25) − 根本山(11:10/11:25) − 熊鷹山分岐(十二山)(11:40) − 黒坂石分岐V(11:55) − 黒坂石分岐W(12:25) − 氷室山神社(12:30) − 葛生分岐(12:40) − 1022ピク(13:00) − 椀名条山(13:35/13:45) − 黒坂石登山口(14:45) − 加藤畑林口(15:00/15:05) = 自宅(17:15)

2 自宅 − 黒坂石
 02年12月に石鴨から三境山に登り、県境尾根を根本山まで歩いたことがる。その時に県境尾根から派生する尾根にたぬき山(白浜山)があることを知り、たぬき山という名称が頭に残っている。白浜山については時々WEBで紀行文を見かけるので、付近の様子をWebで調べてみた。群馬県東村(現みどり市)の黒坂石からは林道と仕事道を利用すれば容易に白浜山に登れることが分かった。更に黒坂石からは根本山、氷室山や椀名条山への登山道があることも分かった。
 昼時間の短い今でも、黒坂石から白浜山に登り、根本山・十二山・氷室山・椀名条山経由で黒坂石に戻れそうことが分かった。このルートの途中に黒坂石への下山路が四箇所もあるので、日暮が早いとは言え安心して歩ける。渡良瀬渓谷鉄道の沢入駅から約3km(黒坂石テント村から1km手前)にある加藤畑林道口を登山口とした。

3 加藤畑林道口 − 白浜山  加藤畑林道から沢を詰めて時間を稼ぐ白浜山山頂
 加藤畑林道を100mほど進むと左手に林道が分岐していてこちら側にはゲートが設置してある。左に折れて尾根の先端を回り込むと、林道は南に登ってゆく。右からの枝沢に架かる橋を渡ると、右手(南西)へ仕事道が分岐している。今日はこの仕事道をできるだけ利用して高度を稼ぎ、最終的に尾根に取付いて短時間で白浜山に登る考えで踏跡を辿る。沢の右手は植林で仕事道が沢沿いに続いている。途中で何度か二俣に分かれるが、南西へ南西へと沢を詰めて行く。沢筋が細くなり涸れたあたりで右手の尾根筋は植林から自然林に変わった。ここからは西に向かう小枝尾根に取付いた。
 十数分尾根を急登すると幾分勾配は緩やかになり、正面に白浜山、左前方に隣接ピークの熊糞山(ユーフンヤマ)が見えるようになる。30分強の尾根歩きで三角点のある山頂に辿りついた。ここが白浜山山頂で、三角点の傍にたぬき山、そして立木に白濱山(狸山)のプレートを見かけた。何故、たぬき山という名称がつけられたのかは定かでない。山頂は落葉樹林の中で、枝越しに袈裟丸山が見える程度。

4 白浜山 − 根本山  踏跡が続きマーキングと標識多い  根本山直下の登りはキツイ
 白浜山から県境尾根まで歩くのは初めて。山頂では気温2度だったが、陽射しを受けながらの下りは寒さを感じなかった。次のピークへ熊にかじられたプラ杭の登りになると陽射しは全くなく、地面はコチコチに凍結していてスットクを全然受け付けない。適当に根が張り出しているので登るのには問題ない。このピークは熊糞山(ユーフンヤマ)というらしい。県境尾根からこのピークにかけては熊の糞を多く見かけるから名づけられたらしい。県境尾根までに熊の糞は見かけなかったが、尾根上に見かけるプラスティック境界杭の頭がことごとくかじられている。熊の仕業かとも思われる。
 尾根上にはマーキングが点々と続き薄い踏跡ができている。かなりの人が歩いている様子が窺える。尾根筋はミズナラ主体の落葉樹林だが、右手(南)の一部に植林が見られる。小さなコブを二つ三つ越すと1064ピークでここからは東向きから南向きそして南東向きとなる。このピークから先の左手は伐採地で、南東向きになると展望が広がり男体山・女峰山、地蔵岳、手前には椀名条山の稜線が楽しめる。少しばかり進むと袈裟丸山・皇海山・白根山と前を向くよりは横を向きながらの歩きとなる。急斜面を登り尾根を乗り換えて10分ほどで県境尾根出合となる。ここには境界杭黒坂石分岐U(標高1000鞍部)bT60と「←根本山 山境山→」の標識が設置してある。
 ここから根本山までは一部ルートは異なるが、02年12月に三境山〜根本山を歩いているので参照願う。ここから根本山までは尾根伝いに9時から3時の方向に時計回りで進むことになる。踏跡が明瞭で、先刻見かけた標識(4年前には見かけなかった?)が多数設置してあり、更に境界杭も多いので道を間違うことは先ずないだろう。二つ目のピークが1091ピークで先刻の標識を見る。ここから緩やかに東へ5分ほど下ると、前回は見逃していた黒坂石分男体山(奥中央) 椀名条山(手前中央)  (根本山直下から)岐T(便宜上、分岐Tと呼ぶ)で、踏跡が左前方へと認められる。左手の樹木越しに袈裟丸山・皇海山・男体山を眺めながらの緩やかな登りで1110ピークに達した。ここには根本山神社の標識を見かけた。前回見かけた桐生工業高校山岳部が設置した道標はなかった。記憶違いだろうか? この尾根筋には何箇所かにこの道標が設置してあり、上部が破損していた。それは人為的なものだとか、熊がかじったとか騒がれていたが、破損が進んで撤去してしまったのだろうか。熊が犯人(犯熊?)が結論らしい。ここからは落葉で足を滑らしながら南東へ急降下する。鞍部から尾根方向に根本山登山口・黒坂石と右のトラバースに根本山の標識を見る。ここが黒坂石分岐Uで黒坂石への踏跡は10m先で左下に下って行く。
 前回は訳が分からず右のトラバースに進んだが、今日は直に尾根筋を辿ることにした。10分ほど登ると左手に白根山・男体山・女峰山が展望できた。更に10分強登ると前方に岩峰が立ち塞がり、右手を鎖とロープを伝ってトラバースする。危険の表示もあり、少しばかりスリリング。ここを巻き終わると再び奥日光の山々が展望できる。今日のコースでは白浜山ー県境尾根間の伐採地と並ぶ好展望地。明瞭な踏跡を辿って登ってゆくと、標高1100付近で踏跡は南斜面をトラバース気味となったので、踏跡から外れて県境沿いに急傾斜の東斜面を直登した。10分の奮闘で平坦な尾根上に突き上げ、そこからは2分ばかり南に進むと根本山の山頂に達した。根本山信仰の山にしては山頂は寂しい限りで、中央に石標と古い山名標識があるだけ。山頂は落葉樹林に囲まれているが、顕著な展望はない。
 
5 根本山 − 氷室山神社  木漏れ日ハイクを楽しむ
 根本山から尾根伝いに下って、根本山神社を経由して十二山方面へと進む。途中で二人組とすれ違う。30分で熊鷹山分岐に達した。ここから氷室山神社までは02年3月にひとり山歩き35と04年3月にひとり山歩き138で歩いているので参照願う。
 この分岐から氷室山神社までは落葉樹林と僅かなミヤコザサの下生えのハイキング道はアップダウンが少なくノンビリと歩けるお気に入りのコースである。途中で地形図に破線標示のある黒坂石分岐Vを通過する。このコースは中ノ沢コースというらしい。途中で左手に赤城山・袈裟丸山・皇海山・錫ケ岳の展望地を通過して、宝生山(1154.2)の左下を巻いて通過する。直ぐ先で右後方へ大荷場分岐を見送ると、直ぐ先の左手に黒坂石分岐Wを見送る。僅かだが先に進んでみると踏跡が続いているように見えた。このルートは地形図に記載がないが沢筋を少しばかり下ると作原沢入林道に下れるらしい。今日歩いた範囲で黒坂石への分岐が四箇所もあった。ハイキング用に整備したものか、根本山神社と氷室山神社への信仰の道か。そんなことを考えている間に氷室山神社に到着。

6 氷室山神社 − 椀名条山 −黒坂石  下り勝手で楽な歩き  
 神社から椀名条山までは03年4月にひとり山歩き89で歩いているので参照願う。
 葛生分岐を過ぎて椀名条山への尾根の発生する標高点1109には石祠が祀ってある。付近に県境尾根で見たのと同類の椀名条山への案内標識が設置してある。これに矛盾するようだが、私有地につき立ち入り禁止の張り紙も見かける。タラノメとコシアブラを無断採取する者が多く困っているらしい。案内標識と張り紙は尾根筋に多数見かけた。みどり市のHPにこの尾根筋は登山コースとして掲載されているので、立入り禁止は登山者には適用されないものと考えて先に進む。
 落葉を踏みしめて気持ちよく尾根を下ってゆく。前回のときは踏跡は極めて薄く案内標識もなかった。しかも小雨模様でガスが立ち込めていて地形図を見ながら歩いた記憶が残っている。今回は様変わりで、踏跡も標識もありしかも木漏れ日の明るい中の歩きで地形図の必要もない。1022ピークからは左手(南側)が伐採されていて、眼下には補修工事中の幅広の作原沢入林道が見える。直ぐ先では伐採中でチェンソーが唸りを発していた。この音は県境尾根でも聞こえていた。
 この尾根歩きは下り勝手なのだが、1022ピークの先に三箇所の登り返しがある。気温が低いので筋肉が収縮していて僅かな登りでも堪え始めた。時々は右手(北側)に袈裟丸山とガスに隠れ始めた男体山が見えたので気分転換にはなった。左手に根本山と三境山(?)も展望できる。椀名条山山頂では三角点とM大の山名板と久しぶりに達筆標識を見た。
 山頂でエネルギーと水分を補給して下山にかかる。明瞭な踏跡を追って西に下る。アップダウンが少なく適当な勾配で下る行くので、高度はドンドン下がり有り難い。標高730付近で地形図の破線とは別れて南西の黒坂石テント村方向へ進む。最後に丸太階段混じりの登山道を下ると、黒坂石テント村前の三叉路に下山できた。そこには椀名条山登山口の道標を見た。更に駐車地の加藤畑林道口まで歩いて戻る。 
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