ひとり山歩き260 : 福島/栃木県境付近から芝草山の北尾根に登り、芝草山そして中三依の登山口まで歩いてきました。北尾根には東電巡視路と芝草山新道があり、藪漕ぎ区間はほんの僅かでした。北尾根からは、栃木側(高原山〜男鹿山塊)の展望が楽しめました。
芝草山(1341の北尾根から南尾根縦走
2006年11月30日(木9 曇り
1 行程
ルートマップ  
自宅(2:35) = 見通沢林道口(4:25/4:35) − 焼山沢/松倉沢林道分岐(5:40) − 滝見橋・東電92・93号巡視路口(6:05/6:25) − 沢遡行→尾根取付き(6:50) − 93号鉄塔(7:15/7:25)  − 94号鉄塔(7:45) − 95号鉄塔(1170ピーク)(7:55/8:05) − 96号鉄塔(8:20) − 1238ピーク(8:40) − 1288ピーク(芝草山新道出合)(9:25) − 鞍部(9:35) − 1310ピーク(9:50) − 芝草山(10:40/11:00) − 大岩下(11:35) − 33号鉄塔(12:00) − 登山口(12:25) − 見通沢林道口(12:35/12:45) = 自宅(14:50)

2 自宅 − 見通沢林道口
 芝草山の稜線は中ノ沢林道口から県境まで続いている。昨年の11月10日(ひとり山歩き217)にその縦走を試みたが、芝草山の北峰で藪漕ぎに嫌気がさして挫折してしまった。以来この稜線歩きはずっと気になっていた。入山沢林道終点から芝草山への新道が開かれたとの情報を得たので、これを機に芝草山稜線縦走に再挑戦することにした。今回は前回とは反対に県境方面から歩くことにした。旧藤原町中三依の見通沢林道から焼山沢林道に進み、滝見橋を渡った所に、東電下郷線92・93号巡視路口があり、これを利用して尾根に登ることにした。県境付近から芝草山そして中ノ沢林道口に戻ってくるので、車は見通沢林道口に駐める(国道121号から2km弱)。

3 見通沢林道 − 滝見橋 − 下郷線93号鉄塔  よく管理された林道歩き
 見通沢林道から焼山沢林道の滝見橋までは前出のひとり山歩き217で昼間歩いているので参照願う。
 見通沢林道も焼山沢林道もよく管理されていて、多少水溜りがある程度で暗闇でもヘッデンで問題なく歩ける。一箇所だけ右手の沢から小岩を押し出している所があったが、四駆車なら問題なく通れそう。暗闇で歩くときの目標は、壊れたゲート、大高橋、狩宿橋、焼山沢/松倉沢林道分岐そして焼山沢林道の滝見橋でこれを渡ると30m先の左手に東電下郷線92・93号の巡視路がある。黄色の杭があるのですぐに分かる。
 北西に向かう尾根で92号鉄塔に登り、芝草山北尾根を辿る手もあるが、今日は焼山沢に流れ込む枝沢に沿う巡視路を利用する。最初は沢に沿って西に向い、10分ほど進んで右俣に入り北西に遡行する。薄い巡視路を追って何度も渡渉しながら進むと、92・93号巡視路の黄色杭を見て一安心。黄色杭から2・3分遡行すると二俣に突き当たる。右俣よりに再び黄色杭を見て、鉄塔への小尾根に取付き北西へ向かう巡視路をジグザグに登る。かなりの急登で高度が上がるにつれて広葉樹からアスナロに変わってゆく。ジグザグ登りが終わると93号鉄塔に達した。北に92号、南に94・95号が間近に見えている。 鉄塔下からは東側が開けていて、明神岳の白筋(ゲレンデ)、前黒山、日留賀岳、鹿又岳、男鹿岳が展望できる。日留賀岳と男鹿山塊はかなり白くなっている。鹿又岳直下の塩那道路は白線となって見える。

4 93号鉄塔 − 北尾根 − 芝草山  尾根上には東電巡視路と芝草山新道が敷設  新道には一箇所の危険斜面あり
 93号鉄塔から巡視路を尾根に沿って300mほど南下すると、北尾根の鞍部に達し、この先は尾根上の巡視路歩きとなる。地形図からある程度は巡視路歩きができると期待していたが、予想以上に立派な巡視路で藪の心配は全くない。巡視路がなければアスナロの幼木藪を漕がねばならなかった!! 左手(東側)に前黒山から日留賀岳を眺めながら歩くと、すぐに94号鉄塔にたどり着いた。右手(西)に東斜面が白くなった荒海山が間近に見える。直ぐ先が1170の小ピ太郎岳(荒海山)と次郎岳(左端)ークで、95号鉄塔が指呼の距離であり、ピーク上のほうが展望もよいだろうと先を急ぐ。95号鉄塔からは96号と97号鉄塔が見えるが、97号は山腹へ下って行くのが見える。94号鉄塔よりは高所に位置するだけに展望は一層よくなり、高原山・明神岳・前黒山、日留賀岳・鹿又岳・男鹿岳が展望できる。高原山は光線の加減かもしれないが雪が付いているようには見えない。明神岳ゲレンデの白筋が目立つ。反対側には太郎岳(荒海山)から次郎岳が県境から派生する尾根の上に姿を見せてくれる。
 95号(1170ピーク)から一旦下って登り返しになるとアスナロにブナ等の広葉樹が目に付く。あっという間に96号鉄塔に着いてしまった。鉄塔を挟んで日留賀岳と荒海山が東西に対峙。巡視路は尾根に沿って右(南西)にそれて行く。巡視路からそれて尾根上に進むと、アスナロ幼木を漕ぐようになるが抵抗は少ない。15分の藪漕ぎで膝丈の笹の目立つ1238ピークに乗り上げた。前方(南)に次新道(1288ピーク)の目標点である1288ピークと芝草山へ連なる稜線が見える。1288ピーク付近で芝草山新道に出合うまでは、藪漕ぎが続きそう。どんな藪が待ち構えているか楽しみ!?
 1238ピークからは十数メートル下ると緩やかなアップダウンとなる。アスナロ幼木藪の波状攻撃があるが、区間が短いので大した苦痛ではない。シャクナゲもご挨拶程度に姿を現すが歩行障害にはならない。このあたりは尾根上に獣道というよりは人為的な踏跡らしい窪んだ筋がついている。昔の杣道の名残りか。栃木側は切れ落ちた箇所が多いので、明神岳・前黒山から日留賀岳・男鹿山塊が楽しめる。30分程藪をこいでいたら、右後方(北北西)から巡視路が登ってきた。どうやら96号鉄塔で別れた巡視路が97号鉄塔に寄って尾根上に戻ってきたようだ。この巡視路を10分ばかり歩くと1288ピークからそれて右下(南西)に下ってゆく。どうやら98号そして99号鉄塔へと通じているようだ。ここで再び巡視路か日留賀岳(右)〜男鹿山塊  (芝草山から)ら外れて尾根に復帰すると、10分ほどで山頂部が平坦な1288ピークで、笹を刈り払った芝草山新道に突然出合った。この新道は芝草山まで続いているので、本日の藪漕ぎ時間は約1時間。予想よりははるかに少なく拍子抜け!! 
 新道は笹と灌木を刈り払って赤ペンキのマーキングがついているので迷うことはない。1288ピークからの下りになると、前方に低いが急峻なピーク(1310)が見える。あのピークを登りきったら、芝草山までは多少のアップダウンはあるが楽な歩きができると先を急ぐ。笹と小枝を払った道筋が鞍部まで続いていた。310ピークへの登りは急斜面で、4箇所で大岩を巻いて登らねばならなかった。足場は悪く、根っこと岩角を探りながらの登りで、危険箇所だ。慣れた人なら問題ないが、一般ハイカーは避けておいた方が無難だ。
 この先は楽ができると思っていたが、尾根は狭くアップダウンも思ったよりは多い。新道はできたばかりで足場が固定されていないので、下りで足を滑らせたりするので慎重な歩行が必要。昨年はあえなく退却した芝草山の北峰では女峰山あたりが見える筈なのだが、今日はガスが立ち込めていて見えなかった。笹の多い鞍部から登り返すと芝草山に到着。山頂で昨年と異なるのは、荒海山を望む北西の樹木が枝払いしてあった。でもその先の樹木が邪魔して荒海山(太郎岳)から次郎岳は上部が見けるだけ。それと芝草山(三依富士)の大きな山名板が山部3Dプレートの隣に設置してあった。じっとしていると寒さが身にしみるので、エネルギーを補給して下山にかかる。

5 芝草山 − 登山口  北尾根とは植生ががらりと変わる
 この間は05年4月27日にひとり山歩き198、05年11月10日にひとり山歩き217で歩いているので参照願う。
 芝草山の南尾根は北尾根とは植生ががらりと変わってしまう。北尾根はアスナロが主体で笹とシャクナゲが多く見れる。南尾根は下るにつれてナラ、ブナ、松そして杉と変わる。ツツジの灌木が多いがアスナロ、笹、シャクナゲは殆ど見かけない。場所的にはほんの僅かな違いだが、地勢の異なりで植生ががらりと変わる。高原山探訪のYoshiさんのような学識があれば山歩きももっと楽しくなるのであろうが・・・
 昨年の4月2日に栃木の山+283の山部さん等が設置した大岩のロープにお世話になったが、ロープが全然汚れていないのに感心!! 傾斜が急で雨が降ってもロープに付着した土は洗い流されてしまうのか?? ここは根っことロープにすがればそれ程危険な感じはしなかった。途中で塩原線34号鉄塔に下る尾根筋には、間違って入らないように倒木が枝渡ししてあった。33号鉄塔からは荒海山は既にガスに隠れていた。今の時期にしかも曇天の平日に芝草山に登るような人はいないようで、誰にも逢うことなく中ノ沢林道口に無事下山。
HOME
inserted by FC2 system