ひとり山歩き259 : 足尾向原から都沢右岸尾根伝いに古峰原に行き、三枚石・方塞山そして勝雲山登山口から都沢林道に下って足尾向原に戻りました。都沢右岸尾根は落葉樹と低いミヤコザサが続き、快適な歩きができました。落葉した樹木越しに日光連山と足尾の山々を楽しむことができました。
足尾向原から古峰原〜三枚石〜方塞山
2006年11月22日(水) 快晴
1 行程
ルートマップ 
自宅(4:35) = 足尾向原(都沢右岸尾根取付き)(6:15/6:30) − 三角点1029.1(NHKアンテナ)(7:30) − 1041峠(8:00) − 三角点1268.6(8:50/8:55) − 標高点1196(10:00) − 大天狗之大神(10:10/10:15) − (15分ロス) −古峰原ヒュッテ(10:40/10:50) − 深山巴の宿(10:55/11:00) − 古峰原11:10) − 三枚石(12:00/12:10) − 方塞山(12:30/12:35) − 前日光牧場ゲート(12:50) − 勝雲山登山口(13:10/13:20) − 都沢林道出合(13:50) − 県道15号出合(14:35) − 足尾向原駐車地(14:50/14:55) = 自宅(16:35)

2 自宅 − 足尾向原
 栃木県北の藪山はそろそろ雪便り。来春の残雪期までお預けして、暫くは県南部の里山歩きを楽しむことにする。里山歩きは高山と違って遭難の可能性は少なく、ルーファンを楽しむには格好の場所。里山歩きのもうひとつの楽しみは、樹木の切れ目から遠方の山を見ること。特に宙に浮く筑波山(”浮きツクバ”と仮称)と富士山の頭を見るのが最高の喜びである。
 今年の4月に当掲示板に足尾向原から古峰原への尾根についての問い合わせがあった。この尾根筋には地形図には破線が記されているので、踏跡は薄くなっていても気持ちよく歩けそうな雰囲気を感じた。Webを検索したら、安蘇の山懐からの管理者が10年も前に歩かれたのを知った。気にはなっていたが、4月以降は県北の藪山に向いていたので12月にと思っていた。最近、当掲示板でお馴染みの日光稜線紀行のstarionさんとH@上三川さんが相次いで尾根を歩かれた。報告を読んで感じのよさそうな尾根なので、お二方の報告を参考に歩いてみることにした。登山口は足尾向原で国道122号から県道15号(鹿沼足尾線)の新道(注:H10年の地形図・足尾1/25000には未記載)にはいって約100m先の携帯電話アンテナへの小道が目安になる。車は付近の路肩に駐める。

3 足尾向原 − 古峰原   落葉した樹林のミヤコザサ尾根は展望もあり、気持ちよく歩けた  薄いが踏跡も大部分に残っている
 県道左手の舗装した小道を携帯電話アンテナ塔に登り、そこから禅頂行者道へと繋がる尾根に取付く。狭い尾根上には何の目的か亜鉛引き鉄板の溝が設けてある。これに沿って急登を続けると、標高800付近で溝は北に下って行く。踏跡が続き、その上部には電線が尾根に沿って伸びている。地形図表記の標高890mにはNHKと民放のアンテナ塔が設置してある。尾根の右手(南側)は桧、左手(北側)は落葉樹林で枝越しに赤倉山から備前楯山を見ながらの歩きとなる。尾根上に十数本のTVアンテナ(と思う)が設置してあり、今年の4月から3年間の土地借用の杭を見る。尾根上には踏跡というか巡視路らしい道筋が続き、足尾の精錬所 (三角点1029付近から9伝送線が埋めてあるようだ。登山口から丁度1時間でNHKのアンテナ塔が設置してある三角点1029.1ピークに辿りついた。北側は樹木が少なくて男体山と半月山が見える。半月山の山腹にはクッキリとスカイラインが見える。景色に見とれながら歩いているうちに三角点を確認し損なってしまった。
 三角点ピークからは勾配も緩やかになり、ノンビリと歩けるようになる。尾根の左側には道跡らしい雰囲気が残っている。地形図の破線通り昔は明瞭な道筋があったのであろう。その目的は、信仰、林業それとも生活道? この尾根筋には祠を見かけなかったので信仰のための道筋ではなさそうだ。更に進むと尾根の両サイドを人工的に削って中央が盛り上がっているような箇所も見かけた。南東へ緩やかに下ると広場になっていて、右後方から作業道を合わせる。広場の目の先が鞍部で地形図の1014峠である。薄いが踏跡が尾根を横切っているのが確認できる。
 1014峠からも薄い踏跡は続き、十数分登ると落葉樹林の枝越しに女峰山・男体山、大平山・オロ山・中倉山、そして後方には袈裟丸山も窺える。標高1150付近からはカラマツの絨毯歩きとなり、直ぐ先で林床は低いミヤコザサとなる。脛程度の笹丈だが踏跡は確保されているので快適な歩きができる。やや急男体山方面 (1014峠付近から)な登りで方向を北東から南東に変えると三角点1268.6に達する。ここはピークといえるほど顕著な高みはない。三等三角点と保安林の看板を見る。ここにRKさんの三角点標示板が樹木にぶら下がってるが、その標高が1183.6mとなっている。今までRKさんの三角点標示板を数多くみてきたが、このように標示が違っているのを見たことがない。しかもこの付近には1183.6mの三角点はない。どうも腑に落ちない!? このあたりはカラマツ林の中で展望はない。
 尾根に沿って東へ数分進んだ次の小さなコブにおむすび状の三角形の岩を見かけた。starionさんが三角点1101.0経由で登りついた場所のようだ。注意してみるとおむすびの数メートル南のカラマツにRKさんの1268.6mの三角点標示板がかかっていた。RKさんがこのような間違いをすることはあり得ない!! 誰かがいたずらで標示板を移動したのであろう。この尾根筋は基本的には東にすすのだが、小ピークが近づくと北東に向きを変え、ピークで南東に転換して基本の東に戻る特徴がある。これは安蘇の山懐の管理者の紀行文にも記載されている。尾根の右下(南側)のカラマツに赤ペンキが続き、赤提灯が誘っているようだ。「安蘇の山懐から」に南側に少し下った所に小さな湿原があることを思い出した。この赤ペンキを追えば湿原に行くのかもしれないと、追ってみた。境界見出し標の札を何枚か見かけたので、湿原への案内ではないことが分かった。周辺は尾根状のうねりが多く見通しも利かないので湿原は諦めて尾根筋に復帰した。
 尾根は暫くは緩やかなアップダウンが続き、1260の小ピークから下った鞍部(地形図の破線が合流)で右後方に薄い道跡が確認できた。このあたりからは踏跡はやや濃くなり赤テープが目に付くようになる。鞍部からほんの僅か登り返すと標高点1196を通過する。葉を落とした樹木の間からは真っ白な白根山と筋状に白くなっている男体山を見る。方向を北北東に変えて登りにかかると、赤テープに加えて赤ペンキが目に付くようになる。踏跡はかなりハッキリしていて歩く人は多いようだ。どこから登ってくるのであろうか。深山巴の宿から500mほど南の破線から? 前方に祠と鳥居が見えて、大天狗之大神に到着した。この鳥居は02年4月に禅頂行者道を歩いたときに地蔵岳方面から下ってきた時に見た記憶が残っている。木製の鳥居の笠木は当時に比べて痛んでいる(家で写真で比較)。
 大天狗之大神から古峰原へ向かって10分ほど下ると、古峰原峠方面から登ってきて足尾方面に下って行く立派な林道に出合った。この林道を足尾方面に下れば深山巴の宿に行けるものと、進んでみた。自動車が三台追い越していった。深山巴の宿へ行ける雰囲気はないので、諦めて古峰原高原へ戻ることにした。15分ほどロスしたが古峰原高原付近は変わっていなかった。古峰原ヒュッテでエネルギーを補給し、荷物を置いて深山巴の宿を往復する。この道筋が整備されて先刻の幅広林道になったものと勘違いだった。

4 古峰原 − 方塞山 − 都沢林道
 古峰原から三枚石・方塞山の間は関東ふれあいの道で登山道は整備されていてガイドブックにも詳細されているので、簡単に記載する。ひとり山歩き33(02年3月)に残雪歩きをしているので参照願う。
 前回は残雪歩きのために丸太階段はお目にかかれなかったが、丸太は最近更新されたように見えた。関東ふれあい三枚石の道だから幅広い登山道が続く。三角点1377.7は登山道から10mほど西側で確認した。古峰原の山名板が付近に落ちていた。三角点の直ぐ先が三枚石で三枚重ねの岩の周辺には石像のオンパレード。何がなにやらいちいち見る気にならない。後で役に立つかもと写真を撮りまくってお仕舞い。いろいろな神様が一箇所に祀られていて、縄張り争いはしないの? 日本の神様は寛容だから、そんなことはしない!! 金剛水は登山道から70mということで行ってみたが、今の時期は落葉で覆われていてとても飲む気にはならずすぐに戻る。
 多少のアップダウンでツツジ平に到着。火山灰層をツツジは好むとかで、湿った所にレンゲツツジ、乾いた所にヤマツツジとサラサドウダンが繁殖と知る。次の小ピークから下って登り返すと無線中継アンテナの聳える方塞山に到着。南東に行くと横根山だが、ここは南西の前日光牧場ゲートに下ることにする。南西は粕尾峠の道標あり、道筋も明瞭。右手(北側)はカラマツ林、左手は牧場の有刺鉄線に沿って下ってゆく。道筋は整備されていて危険箇所はない。最初は横根山とロッジが見えたが、下るにつれて展望はなくなり、15分で前日光牧場ゲーに下山。ゲート前の県道58号を100mほど北進すると男体山から女峰山が展望できる。
 ゲートに戻って県道を西南西に進むと、無料駐車場を見てその先に階段状の登山道が見えてくる。ここが勝雲山登山口で、右手に薄い踏跡がみえる。これが地形図に記載されている破線で都沢林道の標高点1031に下ることになっている。出だしは踏跡も明瞭だが、1分ほど進むと小さな沢が現れ、下るにつれて小さな沢が集合して行くので、踏跡は分からなくなってしまう。委細かまわずに沢に沿って適当に下ってゆく。落葉と枯れ枝の多い沢筋を下ってゆくと、標高1150付近からは沢の左岸に踏跡が現れる。途中で沢筋が北北東から北北西に変わるが踏跡を追うことができて、最終的には都沢林道の標高点1031にたどり着くことができた。傍の電柱に赤ペンキで歩道→と記入してあった。鳥獣保護区の看板と車2台程度のスペースもある。
 林道は未舗装だが乗用車でもスピードを落とせば充分走れる。左岸から右岸に渡る少し東からは舗装道となる。盛りを過ぎた紅葉を眺めながら、県道15号を下って駐車地に戻る。 
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