ひとり山歩き257 : 足尾から廃道の中宮祠・足尾道を辿り半月山に登り、展望台から八丁出島の紅葉を観賞しました。更に社山に登り、途中で中禅寺湖湖畔の紅葉を楽しんできました。社山からは南尾根で足尾に下りました。
足尾から半月山(1753)社山(1826)周回
2006年10月26日(木) 晴れ
1 行程
ルートマップ   
自宅(2:40) = 足尾深沢林道口(4:35/4:40) − 深沢林道終点(4:55) − 深沢雨量観測局(5:50) − 深沢四回目の渡渉(ジグザグ道口)(7:00) − 神子内林道出合(7:15) − 神子内林道終点(7:45) − 半月山第二駐車場(8:30/8:35) − 半月山展望台(8:55/9:10) − 半月山(9:15) − 半月峠(9:40) − 阿世潟峠(10:20/10:30) − 1550ピーク(社山雨量観測局)(10:55/11:00) − 社山(11:45/12:05) − 南尾根三角点ピーク(13:10/13:15) − 久蔵雨量観測局(13:40) − 久蔵沢林道出合(14:00) − 銅親水公園(14:20) − 深沢林道口(14:45/14:55) = 自宅(16:50)

2 自宅 − 深沢林道口
 湯西川の白滝から枯木山を日帰りにするか、テント泊にするか逡巡しているうちに、ますます昼時間が短くなってきた。脚力を考えると今の時期に日帰りの可能性は小さい。二日がけなら問題なし。でも、シュラフを買わねば・・・気分転換に紅葉見物に出かけることにした。中禅寺湖の八丁出島の紅葉を観てみたいと思っているが、奥日光の交通渋滞を考えると行く気になれない。足尾から廃道の中宮祠・足尾道を辿り半月山に登れば、交通渋滞は全く関係なく八丁出島の紅葉が観賞できることを思いついた。
 今日は好天も予想されるので、紅葉観賞と山歩きを楽しむために半月山から社山南尾根経由で足尾に戻ることにした。赤倉山とその北東尾根の笹原歩きも魅力があるが、社山南尾根の末端部で暗くなる可能性もあり、これは割愛することにした。車の回収を考えて、深沢林道口から数十メートル入った空地に駐車する。

3 深沢 − 半月山  深沢沿いの旧道は一部に不明瞭箇所あり  八丁出島の紅葉を初めて自分の目で観賞
 半月山から深沢への下りは、’03年12月3日にひとり山歩き124で歩いているので参照願う。深沢の紅葉(標高1100付近)
 駐車地から15分ほどヘッデンを頼りに進むと、深沢林道終点に達する。ここから深沢に下りて右岸へ渡渉するのだが、二日続きの雨で水量が多くて渡渉点が見つからない。丸太橋(単なる枯木)を活用してなんとか渡れた。踏跡には小岩が多いが、ヘッデン頼りでも特に危険なところはない。砂防ダム、そして枝沢の木橋を渡ると植林にPPテープを巻きつけた地点を通過する(標高点877付近)。明るくなり消灯すると、沢筋に紅葉が目立つようになる。石垣の残るチョットした広場に深沢雨量観測局が目に入る。
 踏跡には小岩が少なくなって歩きやすくなる。沢筋の紅葉を楽しみながら進むと、途中には石垣の残る所もある。昔はかなり立派な道が敷設されていたことが推測できる。「火の用心」の小さな標識(途中にも多数あり)が何枚か目に付くと二回目の渡渉点だが、水量が多く飛び石を探すのに苦労した。左岸の笹道を数分歩くと三回目の渡渉となる。この先で笹が踏跡にはみ出し、歩きづらくなる。途中で沢岸が崩れていたりで、時には踏跡を失うが、右岸を歩いていると踏跡に復帰する。笹がますます深くなり、下半身はびしょびしょになってしまった。ズボンと靴下を伝わって水が靴の中にも浸入して不快なことこの上なし。横着して雨具をつけなかったつけが廻ってきた半月山展望台から望む中禅寺湖。左手に保護ネットを被せた植林地帯を通過する。その頃には右手の尾根上に神子内林道が窺えるようになる。朽ちた木橋を通過すると、すぐ先で四回目の渡渉点が待っている。ここからはジグザグの踏跡を辿ると、目の前が開けて神子内林道に飛び出す。3年前には100mほど南(地形図の破線終点)にプレハブ小屋があったのだが撤去してしまったようだ。下ってきたときのこのジグザグ道への取り付きは、赤/黄色のマークと小さなケルンが目印となる。
 この先は神子内林道の敷設で旧道は破壊されて分からなくなってしまった。林道はけっこう急勾配で断続的して舗装してあった。途中で富士山が南西に見えたのが救い。赤倉山北東稜線取付き(赤/黄色マークと銃猟禁止看板あり)を左に見て、林道を更に進むと、前方と左手が開けて展望がよくなる。皇海山を筆頭に鋸山、袈裟丸山、中倉山稜線の展望が素晴らしい。社山とその南尾根も間近にする。200mほどで神子内林道終点となる。半月山とその稜線を一望することができる。
 ここから踏跡は明瞭で迷うような所はない。最初は1504Pの右八丁出島手をトラバースするが、その先で尾根の左下のトラバースとなる。踏跡は半月峠にむかうので、途中で別れて右手急斜面に取付いて尾根上に登ると、駐車場からはざわめき声が聞こえるようになる。フェンスを乗越えると半月山第二駐車場で、駐車場一番乗りを目指して早出してきたのに既に3・40台が駐車していて、新着車がドンドン増えていた。中禅寺湖スカイラインの通行時間は8時半から17時だったのでは?? ここからは皇海山を初め足尾の山々が素晴らしい。反対側は逆光で筑波山は確認できなかった。
 半月山に向かう人は少ないが、展望台が混雑する前に登らねばと、駐車場からの景色を楽しむ間もなく登山道に入る。笹道を登って半月山展望台に到着してビックリ!! 展望台は三脚を持った人々で埋まっていた。最前列に陣取った人は展望台に滞在した15分の間には動く様子はなく八丁出島を中心に撮影に熱中していた。後に三脚を持った人、さらには観光客が上ってきているのに動く様子がない。仕方ないので、三脚を構えた人の肩越しに撮影をする。八丁出島の紅葉は写真では見えていたが、初めて自分の目で確認できた。今が盛りか、時期が過ぎたのかは知らないが騒がれるだけのことはあるわい、と感心。中禅寺湖湖畔の紅葉も素晴らしい。しかし、いつの間にか目は山並みを追ってしまう。女峰山だけは薄っすらと白くなっていた。三脚族は場所を空けそうにもないので、紅葉は途中の尾根筋で楽しむことにして、半月山山頂に向かう。山頂からは展望はないが、手前からは男体山と中禅寺湖が望めた。

4 半月山 − 社山  好天に恵まれ景色を楽しむ  今日は社山は賑わっていた
 半月山山頂から戻って展望台を横目に半月峠方面に下る。こちらへ進む人はもちろんいない。前方に皇海山を盟主とする足尾の山々を見ながら、右に中禅寺湖湖畔の紅葉を感じながら笹尾根を急降下する。4・5人の登山者と出逢ったら直ぐ先が三回目の半月峠だった。足尾側の鋸山〜袈裟丸山、オロ山〜中倉男体山と中禅寺湖(標高1750付近)山稜線を横目に通過。
 1655ピークついで1510ピークを越すと再び皇海山、中倉山稜線を見ながら笹尾根を気持ちよく下り、見覚えのある阿世潟峠に到着。小休止してエネルギー補給。阿世潟峠からの登りの途中で、呼吸を整えるために立ち止って半月山を振り返ると、足尾側斜面のカラマツ林が黄色に染まっている。カラマツの黄葉はそばで見るよりは遠方から眺めた方がはるかに美しい。この間に二人が下山してきた。以後、社山山頂までに約20人の下山者とすれ違う。平日にもかかわらず今日は登山者が多い。好天もあるが、紅葉を求めて来た人が多いのであろう。岩峰1550ピークに達した。ここには社山雨量観測局が設置してある。名盤に高度1540mとあるが、地形図では1550mと読める。樹木がないので展望がよく、袈裟丸、オロ山〜中倉山の足尾の山、社山を挟んで白根山・太郎山・男体山・中禅寺湖に見とれる。
 次の標高1567ピークは左側をトラバース。カラマツと低い笹の組み合わせ、奥日光の景色を見ながらの登りは急だが句にはならない。先刻楽しんできた八丁出島周辺の紅葉は素晴らしいが、中禅寺湖湖畔の紅葉がなんともいえない。標高1650付近で塩谷町からお見えのご夫妻と立ち話。その後、下山者のラッシュとなる。今日は単独行者は少ないようだ。夫婦連れと4・5人のグループが多い。標高1750位からは奥日光側に変わって足尾側の久蔵沢から銅親水公園あたりまで見通せる。社山山頂に到着したときに、最後の二人連れが下山して行くのにすれ違う。山頂の西端に移って、エネルギーを補給しながら足尾の山々を眺める。雲が増えて、大平山は隠れてしまった。

5 社山 − 南尾根 − 足尾    南尾根は危険箇所なく安心して下れるが、三角点ピーク付近は踏跡が不明瞭南尾根(標高1500付近)
半月山から社山まで好天に恵まれ紅葉を充分楽しんだ。これから下る南尾根は今回が三回目で、ルートは充分頭に入っている。ひとり山歩き149 とひとり山歩き219を参照願う。
 この尾根筋はダケカンバとカラマツの笹尾根で、登り返しがないので下山には快適。踏跡が不明瞭なところあるも、尾根筋(1568ピークは東側を巻く)を外さねば踏跡にすぐに復帰できる。三角点ピーク付近はカヤが密集していて、獣道が錯綜しているので注意が必要。標高1150付近も尾根筋がハッキリせず紛らわしい。ここを通過すれば踏跡が明瞭な松の尾根となる。前二回は標高1020で南東への枝尾根を急降下したが、今回はそのまま進み久蔵雨量観測局へ進む。尾根上の踏跡を南に少しばかり下り、雨量観測局への巡視路の案内看板にしたがってジグザグに下ると久蔵沢林道に無事下山できた。林道に沿って銅親水公園そして深沢林道口まで戻るのに苦労はない。

6 追記
@赤倉山経由で半月山・社山を周回していたら、明るいうちに駐車地戻りは微妙であった。釣瓶落としの今の時期は余裕を持った計画で正解だった。
A帰路は県道15号で粕尾峠経由で足尾から鹿沼市(旧粟野町)を辿ったが、車内から観る粕尾峠(標高1100)付近の紅葉が素晴らしかった。
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