ひとり山歩き249 : 中倉山からオロ山・庚申山そしてその先へとツェルトの一泊山行を計画しました。中倉山付近は虻が多く難儀し、その先にもブンブンしているので諦めて下山しました。そのまま帰るのも癪なので、途中でツェルトを張って昼寝を楽しんで下山しました。
虻攻めと昼寝の中倉山(1539)
2006年8月7日(月) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(1:20) 
= 足尾銅親水公園(3:05/3:20) - 上久保沢出合(仁田元沢林道)(4:05/4:30) − 尾根上到達(6:10) − 1390ピーク(6:30) − 中倉山三角点(7:05/7:10) − 中倉山山頂(7:15/7:55) − 中倉山三角点(8:00/8:20) − 1390ピーク(8:35/10:25) − 仕事道下山口(10:35) − 上久保沢出合(仁田元沢林道)(11:15) − 銅親水公園(12:00/12:10) − 自宅(14:05)

2 自宅 − 銅親水公園
 前回はテント泊で松木川両岸尾根の周回を計画したが、初めての単独テント泊ということで重量オーバーで途中退却をせざるを得なかった。今回はその反省として荷物を16kgから減らしてツェルト泊を考えた。通常の日帰りでは8kg程度であり、重量を10kg以下に抑えたかったが、水場の関係で飲料水4リットル、食料二日分ということで11kgに絞るのが限界だった。コースとしては前回の反対周りで中倉山・沢入山・オロ山そして庚申山を目指す。その先は疲労度を見て決めることにした。
 気温の低い早朝に距離を稼ぐべく、いつものように早出とする。足尾の銅親水公園入口の気温は18度で前回の16度より高く尾根上の標高も前回より低いのでちょっとがっかりする。

3 銅親水公園 − 中倉山  上久保沢からの仕事道が薄くなってしまった  虻が多いのには閉口
 中倉山・沢入山・オロ山の間は04年11月(ひとり山歩き174)に歩いているので参照願う。
 中倉山に登るには以前は井戸沢あるいは中久保沢から尾根を辿ることが多かった。三年ほど前に中倉山稜線の修復工事用に登山道並みの仕事道が上久保沢から敷設され、この仕事道を登る人が多くなった。
 仁田元沢林道は暗闇の中を何度も歩いているので、ヘッドランプで足元を照らし脇目もふらずに上久保沢を目指す。仁田元沢林道を井戸沢、下久保沢、中久保沢を通過して、地形図の仁田元沢の「元」の右肩で方向を変えて200メートル程進むと右手に二連の砂防ダムを見る。ここが上久保沢出合で、この30メートル先に前述の仕事道がある。
 仕事道の入口にある案内ロープを見つけたが、まだ暗くて仕事道が見わけづらい。やむを得ず上久保沢出合に戻って沢入山(正面) 皇海山・オロ山・庚申山(左側)  釜五峰(右側)  (中倉山から)明るくなるまで時間調整した。上久保沢の右岸の小尾根を辿れば途中で仕事道に出合うことが分かっているので、今回は涸れ沢の中を浮石を踏みしめながら登ってゆく。20分ほどで仕事道に合流し、以降は仕事道を辿る。最近はこの仕事道は利用されていないようで、枯れ葉や枯れ枝で道筋が薄くなってしまった。そのため仕事道を見失うことが多い。浅い谷にジグザグに道は敷設されているので、適当に登ってゆくと再度仕事道に出合うが、仕事道以外のところは地面がゆるく滑って登りづらい。04年の11月にほぼ完全に仕事道を辿れたのだが、今は半分程程度しか辿れなかった。今後は益々道筋が薄くなり、このルートの有り難味が薄れるだろう。尾根上に到達したのは仕事道と尾根出合よりは20メートルほど高い急勾配の所であった。 尾根筋はミズナラとリョウブに踝程度のミヤコザサで気持ちよく歩けるところなのだが、虻が多いのに閉口した。虻は以降ずっと中倉山山頂までひっきりなしに襲ってきた。小ピーク(1390)は虻さえいなければゆっくりと休める場所なのだが、堪らず素通りする。小ピーク先の鞍部からは尾根の右手に明瞭な仕事道が残っているのでこれを辿る。右下から尾根をあわせると北側の展望が開ける。遠くは男体山方面、近くは松木川と仁田元沢の合流点から派生する痩せ尾根も見下ろせる。見通しのよいテラス状の高所は嫌いなので、景色を犠牲にして先を急ぐ。
 展望台からは方向を北東から北西の尾根を登るのだが、ガレを避けて左側の藪の中を登る。15分ほど小薮を漕ぐと中倉山の三角点に辿りついた。傍の樹木に山部さんの山名板が取り付けてありこの付近に三角点があるらしいのだが、未だ見たことがない。周辺は平坦で踝よりやや高いミヤコザサで覆われている。またしても笹に隠れてしまったようだ。足で笹の中を探るも見つからず諦めて山頂に向かう。すぐに樹木がなくなり笹原にでる。邪魔するものがなくなり展望を楽しみながら二三分歩くとケルンの積んである中倉山山頂に達した。
 04年11月には同じルートで親水公園から中倉山山頂まで2時間35分で登っている。今日は上久保沢出合で約30分のロスを除くと3時間15分も要している。一泊ということで荷物が3kg重いこと。仕事道が薄くなっていて登りづらかったことなどを考慮しても、最近うすうす感じていた脚力の衰えが大きいようである。藪漕ぎで腕力に頼りすぎていたのか、年齢的なものか。後者によるものだとしたら・・・今後は益々遅くなる一方だ。好展望は歩きながら楽しめばよい。少しでも先を急ごうと荷を担ぎ歩き出すも、虻の攻撃は依然としてなくならない。10分程進んだ所で、この先も虻の攻撃に悩まされそうなので、先へ進むことを諦めた。今日のルートが初めてなら、虻を追い払いながらも進んだかもしれないが、既に歩いたルートはすぐに諦めてしまういつもの弱い性格が今回も出てしまった。
 山頂に戻って荷を降ろして、虻を追い払いながら展望を楽しむ。前方には沢入山〜オロ山〜庚申山の稜線が一望できる。その奥には皇海山から三俣山の稜線も窺える。右手には先週歩いた中禅寺湖南岸尾根と大平山が間近に見える。少しばかり振り返ると男体山方面が見えるが光線の加減でかすんで見える。

4 下山  麦踏で三角点を探し出す  途中で昼寝付きのツェルト泊模擬演習
 まだ8時なのに下山開始とはなんとも情けない、と思いながら三角点付近にきた。このまま三角点を見ることもなく、下山は癪にさわる!! 往路のときよりは場所を広げて足で笹の中の三角点を探るも見つからない。こうなったら意地だ。荷物を降ろして、タオルを振って虻を追い払いながら、麦踏をすることにした。三角点付近はそれ程広くない平坦地(十畳程度?)だから、端から端まで麦踏をしても大した時間はかからないだろうと、山頂に近い方から開始した。中倉山三角点平坦地の半分近くを麦踏をしたが見つからない。少しバカらしさを感じてきた。何気なしにあたりを見渡すと、平坦地の山頂とは反対方向の小薮根元に赤テープが見えた。往路でその付近も足で探ったのだが見つからなかったのだが、念のためと慎重に麦踏をすると、足底に異物を感じた。手で笹を掻き分けてみると、地面と同じレベルに三角点の頭が見えた。笹をむしり取って、近くにあった石を東西南北に置いた。山部さんの山名板から半月山に向かって5歩の位置が三角点ということを記憶して、再び荷を担ぐ。
 1390ピークまで仕事道を辿り難なく下る。ツェルト泊の準備をしてきたのだから、ここでツェルト泊の真似事をしてみる気になった。ザックからツェルトと折り畳み銀マットを取り出し、ねぐらがあっという間にできた。前回に比べたら手際がよくなった、と自己満足。アルファ米の五目飯に水を入れてツェルトに潜り込む。潜り込むときに三匹の虻をツェルト内にご招待してしまった。手足を使ってお引取りを願う。約2時間のツェルト滞在だったが、虻はその間ひっきりなしにツェルトに攻撃を仕掛けてくる。暇つぶしにツェルトの外側に止った虻を指先ではじく。特に暑いという感じはなかったが、ツェルト内に結露ができ始めた。1時間後に小さな雫が認められた。一晩過ごしたら結露でベチャベチャになるのは必至?? 先週の黒檜岳登山口でのテント泊では一晩経っても結露は認められなかったのだが・・・  
 ラジオで高校野球を聞いていたら、ウトウトしたようだ。2mm厚の銀マットを二枚折りで寝たが、特に問題は感じなかった。水を入れて一時間以上は経ったので、アルファ米を梅干で味を補いながら食べてみた。美味とまでは言わないが、コンビニの握り飯程度には食べらることが分かった。一時間の水漬けが必要だが、コンロを持参する必要がないのがよい。藪山の一泊ならこれで充分対応できる。今日は実際にツェルト泊はできなかったが、模擬演習ができて今後の参考となった。
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