ひとり山歩き238 : 横川から胡桃橋・ひょうたん峠経由で大佐飛山に登って来ました。早朝に距離を稼いだのでひょうたん峠に戻るまでは踏み抜きは殆どありませんでした。胡桃橋への下山途中は踏み抜きの連続でした。天気はよかったが、黄砂のため空がかすみ展望はぱっとしませんでした。
横川から大佐飛山(1908.4)
2006年4月18日(火) 晴れ(黄砂かすみ)
1 行程
ルートマップ 
自宅(22:05) = ジョブスおじか(0:15/0:25) − 白滝橋(1:20) − 胡桃橋(1:50) − 1210ピーク(3:15) − 尾根合流(5:15) − 1730ピーク(6:15) − ひょうたん峠(6:25/6:35) − 1622ピーク(6:55) − 1870ピーク(名無山)(8:00/8:10) − 大佐飛山(9:15/9:45) − 1870ピーク(10:50) − 1622ピーク(11:35) − ひょうたん峠・記念碑(12:05/12:35) − 1730ピーク(12:50) − 尾根合流(13:25) − 1210ピーク(14:45) − 胡桃橋(15:40/15:55) − 白滝橋(16:20) − ジョブスおじか(17:25/17:35) = 自宅(20:05)

2 自宅 − 横川
 4月7日に横川(ジョブスおじか)から胡桃橋・ひょうたん峠経由で男鹿岳に登った。その時、横川からひょうたん峠経由で大佐飛山の日帰りピストンの可能性を感じた。雪の締まった早朝に距離を稼ぐことと明るいうちに出発地に戻ることを前提に計画を立てた。横川のジョブスおじかを1時までに出発するべく、前夜18時から21時までの3時間眠って、22時に家をでる。食料調達にいつものコンビニに寄ったが、この時間帯は夕食調達(?)の人たちで混雑しているのを知った。
 会津西街道は何回も山行に使っているので、運転には特に支障がない。三依付近では会津方面からのトラック便が多いのには驚かされた。当初計画よりも小一時間早くジョブスおじかに到着。

3 ジョブスおじか −ひょうたん峠  1210ピークへの登りは雪が消えてヤブ漕ぎ  超早朝で雪が締まり歩きやすい
 ひょうたん峠までは、4月7日の横川からひょうたん峠〜男鹿岳のルートと同じ。尾根に取り付く胡桃橋までの林道の残雪は前回に比べかなり少なくなっていた。気温が高いため雪にしまりがなく歩きづらいが、二度目で慣れたせいかスピードが上がり、胡桃橋までに25分も短縮できた。鹿又岳(中央)  (標高1600)
 残雪量が不明なのでアイゼンを着用せず尾根先端に取り付く。十日前には尾根先端部以外には雪が付いていたが、今回は様変わりで黒檜(アスナロかも)を主とするヤブが待ち受けていた。前回は65分で1210ピークに達したが、今回は85分と苦戦した。1210ピーク直下からは残雪が連続的になったので、アイゼンを着用した。
 1210ピーク先の細尾根部からはヘッドランプの明かりで障害物を充分避けられた。周りの景色が目に入らないので、足元に注意が行き届き危険を感じることはなかった。気温はそれほど低くはないが、早朝ということもあって程よく雪は締まり歩きやすかった。4時半くらいになるとヘッドランプなしでも充分歩けるようになった。標高1400からの急勾配部に差し掛かり、ピッケルを活用して高度をグングン上げてゆく。胡桃沢左岸尾根との合流点付近は急勾配に加えて膨らみがあり、表面が凍結していることもあってピッケルなしでは登りきれなかったであろう(枯木山以降はピッケルを自己流で活用しているが、登りでも下りでも威力を発揮してくれている)。膨らみを避けてジグザグ登りを強いられたが、なんとか急傾斜部を登りきる。
 勾配が緩やかになると尾根は南東に向きを変えて、標高1600付近で山腹に塩那道路が明瞭に判別できる鹿又岳周辺を垣間見てひょうたん峠が近づいたことを実感する。程なく展望のよい1730ピークに達した。今日は好天の筈だが那須岳はかすんでやっと見える程度。1870ピーク(名無山)と左奥の大佐飛山稜線を頭に入れてひょうたん峠に下った。途中で前方にスペースハウスがちらりと見えたが、半分くらいは雪上に姿を現していた。家を出る前にエネルギーを補給してきたが、9時間も過ぎたのだから当然だが空腹を感じる。地形図を確認しながら握り飯と大福を頬張って大佐飛山の登りに備える。

4 ひょうたん峠 − 大佐飛山  人気コースのようでトレースの連続  ヤブは完全に雪下で障害物は皆無
 取付き部に10日前には踏跡は認められなかったが、複数のトレースが東に向かっている。先ずはトレースを追ってみる。この人は南よりに進みトラバースして本来の尾根に戻っている。そのため急下降部分は通過してしまい結果的には楽だったかもしれない(復路では尾根筋を正直に辿り急斜面を登るのに大佐飛山への稜線 (1870Pから)骨がおれた)。すぐに鞍部で水場は左10分の標識を見る。そのすぐ先が1622ピークで、一旦僅かに下っていよいよ1870ピークへの急登となる。
 黒滝山コースに負けないくらいの明瞭なトレースが続いているので、地形図を見る必要がないくらいであった。針葉樹林の中でも風は冷たいが、指先の感覚から判断すると気温は低くないようであった。時には後方に男鹿岳から鹿又岳の稜線が窺えた。男鹿岳手前の1754ピーク(女鹿岳)の東斜面に地肌が現れていた。雪解けは確実に進んでいることが分かる。鞍部から1870ピークには約270メートルの登りとなる。大部分が急勾配だが、雪が適度に締まっていて滑って登りづらいというこ大佐飛山山頂にてともない。急斜面登りは堪えると覚悟していたが、ひょうたん峠への尾根途中の凍結した急斜面に比べたらはるかに楽だった。南西から尾根を合わせると勾配は幾分緩やかになり、男鹿岳と日留賀岳を展望すると、すぐに1870ピークに到着した。このピークには名無山のプレートがあるらしいが、どうやら雪下のようだ。盆栽のように変形した巨大なコメツガの中にM大の青プレートが見えた。山頂は平坦で前方に大佐飛山までの稜線が一望できた。
 嫌なものを見てしまった!! 鞍部までは恐怖の裸尾根状態が続く。これを見て脚が進まなくなってしまった。残念だがここで退却か、と考える。折角ここまで来たのだから、と葛藤が始まる。前黒山から明神岳への稜線は先の痩せ尾根が見えてやめてしまったが、今日の意気込みは恐怖心に勝った。相変わらずの屁っ放り腰で尾根を下る。残雪で裸尾根状態になっているので、日当たりがよく雪の表面は軟らかいが踏み抜くようなことはなく無事鞍部に下れた。裸だが痩せ尾根ではないので、普通の人ならこのあたりが最も気持ちよく歩けるのだが・・・
 鞍部からは疎らだが針葉樹林があるので恐怖を感じなくなった。右(南)に張り出した雪庇を通過すると1824ピークでここから振り返ると、1870ピークまでが一望できる。男鹿岳も展望できた。今までにあちこちで那須岳を展望できるのだが、黄砂によるかすみでぼやけているのが残念。現役時、松山では春先に黄砂を見ることがあったが、栃木県でこれほどのもの見るとは思わなかった。1824ピークから少しばかり平端部を歩き最後の登りとなる。南東に大長山を樹木の切れ間から覗くとすぐ先で、ダケカンバが多く雪が小高く積もった大佐飛山山頂に辿りついた。二年前の4月16日に黒滝山コースで登って以来で山頂の様子は記憶の通りであった。残雪はその時よりは1メートルくらいは高いようだ。前回は山頂部ではあちこちで踏み抜いたが、今回は微塵も感じなかった。
 山頂には三日前に取り付けられたばかりの山名板と赤テープと青リボンが見えるだけ。他の山名板はまだフトンの中。山頂の北東部に行くと那須岳が望めるのだが、残念ながらかすみの中。黒滝山コースから登山者が来そうな予感はあるが、到着は10時過ぎになるだろう。暗くならないうちに駐車地に戻る計画なので、待ちきれなくなって腰を上げて下山にかかる。

5 下山
 1870ピーク手前の鞍部からの裸尾根は気温上昇で踏み抜きを予想していたが全くなかった。裸尾根も登りでは周りの景色が目に入らないので恐怖心が湧かなかった。1870ピークからの下り急斜面も特に問題なし。1622ピーク先鞍部からひょうたん峠への登り返し約100メートルが体力的に1870P (東鞍部から)は辛かった。ひょうたん峠まで大した踏み抜きもなく無事戻る。大佐飛山への往復は予想よりは楽だった。一度はヤブの季節に登ってみたいものだ。
 スペースハウスが気になったので、足を伸ばしてみた。十日前は記念碑のてっぺんが雪面で、小屋は使える状態でなかったが、今回は小屋の半分は雪上に出ていて、入口の雪は除かれ使用可能状態であった。横川への下山は時間的に余裕があるので、小屋付近から地形図の破線(運搬道路)を下ろうと、トレースを追って踏み出すや踏み抜きの連続。斜面をトラバース気味に下ることを考えて今回は自重して往路を辿ることにした。
 先ずは1730ピークへ登り、胡桃橋への尾根に乗る。午後で気温も高くなり踏み抜きで悪戦苦闘する。ワカンは背負っているが、スノーシューに比べて履き心地が悪いので使用するつもりはない。尾根合流点前後の急斜面は往路では凍結に悩まされたが、復路では逆に今日一の踏み抜きに悩まされる。脛までは常時もぐるので、急勾配は適度にブレーキがかかり恐怖心が抑えられたのは幸いだった。
 1210ピークからの下山は黒檜(葉の裏に白さがないのでアスナロではないと思うのだが)のヤブ漕ぎに悩まされる。今年初めての本格的ヤブ漕ぎで、残雪歩きはこの位にして早くヤブ漕ぎに戻れ、と督促されている感じ。胡桃橋に下ったときには、正直ホッとした。飲んだ水がうまかった!! 胡桃橋からジョブスおじかへの戻りは前回よりも残雪は少なく、踏み抜きがないのが楽だった。計画通り明るいうちに無事駐車地に戻れた。久しぶりに17時間の行動時間。5月末の桐生24h、100kウォークも大丈夫そうだ!!
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