ひとり山歩き236 : 百村山・黒滝山・大佐飛山・鴫内山の周回に出掛けたのですが、百村山稜線の新雪が多く周回は時間切れとなると判断して三石山で中止しました。百村山から下山後、残雪の鴫内山に登って帰りました。天気は最高によかったのですが・・・
大佐飛山周回転じて百村山(1085)と鴫内山(1413)
2006年4月1日(土) 快晴
1 行程
ルートマップ  
自宅(0:00) = 木ノ俣林道登山口(ブラブラ梯子)(2:15/2:25) − 百村山(3:05) − 三石山(退却)(4:10) − 百村山(4:45) − ブラブラ梯子(5:20) = 巻川橋(6:30/6:50) − 北尾根取付き(7:25/7:30) − 尾根合流地点(8:55) − 鴫内山(10:00/10:30) − 尾根合流地点(10:55) − 沼原線22号鉄塔(11:25) − 沼原線20号鉄塔付近(11:50) − 巻川橋(12:00/12:15) = 自宅(14:15)

2 自宅 − 木の俣林道登山口(ブラブラ梯子)
 一昨年の4月12日に百村山・黒滝山・鴫内山周回、4月16日に百村山・黒滝山・大佐飛山ピストンを実施した。その時の残雪歩きの快感が今でも残っていて、もう一度行って見たいとの思いを持ち続けている。同じコースに二日もかけるのは能がないので、百村山・黒滝山・大佐飛山・鴫内山の日帰り周回を計画した。問題はいつ実施するかである。4月中旬なら無難だが、スケジュールが立て込んでいるので今の時期しか行けない。3月末になって県北部は積雪が多くなかなかタイミングが取れない。
 この二三日は当山域に降雪があったが、好天の今日実行することにした。周回するには巻川林道の巻川橋の東500mに位置する東電沼原線18号鉄塔巡視路口に車を駐めるのがよい。カーナビを設定して真夜中の零時に家を出た。順調に走り関谷の「道の駅・湯の香しおばら」で身支度をして、カーナビまかせで車を走らせた。巻川林道入口(光徳寺付近)が2年前の記憶と違っている。おかしいと思いながらも林道に車を乗り入れる。すぐに板室側 の木ノ俣林道から目的地をカーナビが案内していることが判明した(巻川林道はマイナーで案内してくれない)。木ノ俣林道と巻川林道はつながっているので、そのまま車を乗り入れた。林道には積雪はなかったが多少凍結していたので注意しながら車を走らせる。道路周辺が思ったよりは白い。不安を抱きながら運転していると、黒滝山登山口の標識のついブラブラ梯子にたどり着いた。車から下りて様子を見ると梯子付近は白くなっている。今日の行程はどうなるか判断しかねたので、計画を変更してここを今日のスタートにすることにした。

3 百村山 − 三石山  新雪が多く目的達成は困難と判断し途中退却百村山山頂
 登山口付近は凍結しているので軽アイゼンをつけてブラブラ梯子に取付いた。一昨年の4月にはこの梯子はブラブラしていたが、今日は堅固に固定されていた。昨年の大佐飛山フィーバで定着化した名称だが、今しばらくはこの名称が使用されるだろう。梯子を登ると東電巡視路に積雪していたが、2年前とは比べようがないほどロープが張ってあり助けになった。ピッケルとロープの助けを借りて百村山稜線に登ると、膝下の積雪で計画の周回ができるか不安になる。一昨年に歩いたときは百村山までは痕跡程度の雪しか残っていなかったのだが。ラッセルしながら進むと雪庇のできた百村山山頂に達した。山名板は雪庇の左(南)にあるようで確認できなかった(復路で確認)。
 ここまで30分の計画であったが40分要した。この時点で今日の周回は時間切れが予測できたが、先の様子を探るために次のチェックポイントの三石山を目指した。百村山まではラッセルの連続であったが、新雪が薄くよく締まって歩きやすい部分と膝下のラッセルと交互になった。途中でカタクリ保護のロープや看板を見かけただけで、高度計から現在位置を推定するのみ。単調な尾根筋をヘッドランプ頼りに歩くが支障はなかった。雪の堆積したコブを右に巻いて通過すると北に枝尾根が発生していた。枝尾根と高度計から判断して三石山(標高点1257)に達したことを知る。ブラブラ梯子から三石山まで計画(80分)に対し累積遅れは25分となる。この調子で遅れてゆくと時間切れは必死。
 もう少し先でどうするか決めようと次のチェックポイントの双子山を目指したところ、風が益々強くなってきた。ここで新雪、強風と暗闇の三重苦に悩まされる。暗闇は1時間もすれば解決する。風も今日は長続きはしない筈、あと2時間の我慢と推測する。新雪だけは時間が解決してくれない。今日一日付き纏われる可能性が強い。進むほど途中退却は心身ともに打撃が大きいので、他日を期してここで退却することにした。
 膝下の積雪があるといっても下りは大した負担にはならない。これからどうするか考えながら歩いているうちに百村山に戻った。夜明け前とはいえ往路に比べたら、多少明るくなり雪庇の右(南)下に大きな山名板を見たが、その他の山名板は分からなかった。ブラブラ梯子に戻ったときにはかなり明るくなり、鴫内山への稜線が見えていた。一昨年の4月12日にはヤブ山となっていた鴫内山も今日は残雪がありそうなので登ってみることにした。

4 巻川橋 − 鴫内山  主稜線も枝尾根もまだ雪で覆われている 百村稜線に比べ新雪は少なく歩きやすい 那須岳(白笹山と黒尾谷岳)  (標高1150付近から)
 そのまま木ノ俣林道を西に下れば巻川林道につながり、巻川橋に行けることを知っていたが。百村山に登る前に車を転回していたので、そのままもと来た道を戻り、巻川林道口から巻川橋に行くことにした。ところが巻川林道(光徳寺付近)の地名が分からずカーナビの設定ができず、ウロチョロしてブラブラ梯子から1時間もかかってしまった。ブラブラ梯子を西に下れば10分で行けたのに!?  巻川橋前広場には川崎ナンバーの車が1台駐まっていた。
 東電沼原線20号鉄塔から22号経由で登るルートは一昨年下山に使っているので、別のルートを通ることにした。巻川林道を南西に登り途中で沼原線20号鉄塔巡視路を左に見送り更に進む。石碑のあるところから左に分岐する名称不明の林道を進む。林道を北西に進み、北に回りこむ点から北尾根の先端に取付いた。薄く雪の付いた植林斜面を暫く急登すると、落葉樹林になって雪が締まって歩きやすくなった。どうやらこの尾根には踏跡があるようでやや窪んでいる。標高点1005付近になると滑って登りづらくなったので軽アイゼンを着用した。ピッケルを持っていなかったらおそらくは登れなかったであろう。この尾根には灌木が多いが踏跡らしいところを歩くと少なかったが、雪の下になっているところも多かった。尾根を登りつめると送電線22号鉄塔方面からの尾根との合流点であった。こちらの尾根は雪庇ができていて新しいトレースがついていた。巻川橋に駐まっていた車の持主のトレースであろか。どうやら二人連れらしい。
 尾根合流点からはトレースの近傍に新しいトレースをつけながら南西に進む(復路でトレースを見つけやすくするため)。百村山稜線は新雪が多かったが、この尾根筋には新雪は浅く足の沈みが少なくて歩きやすかった。百村山稜線とは場所がほんの僅か異なるだけで積雪量が全然違う自然の摂理は鴫内山山頂  左=今回  右=04年4月12日凡人には理解できない。一昨年歩いたときには尾根筋には雪は残っていなかったので、ツツジがうるさかったが今日はツツジが間引きされていて歩きやすかった。標高1150から1200あたりで振り返れば百村山の右手に那須岳の白笹山と黒尾谷岳がこちらを見下ろしている。やや右前方には鴫内山も見えている。ブナの混ざる樹林帯を暫く登ると、檜植林に突入した。日が当たらないので雪が締まっていて登り易いと期待したが、新雪は深く膝下のラッセルを強いられる。鴫内山の主稜線が近づくに連れて勾配も大きくなり登るのに大汗をかく。
 植林から抜けると笹は雪下でダケカンバ疎林の主稜線は足の沈みも小さく気持ちよく歩けた。15分ほど緩やかに主稜線を登るとM大の青板、山部さんと栃木の山紀行さん山名板が目に入り鴫内山山頂にたどり着いたことを知る。笹は雪の下で、前回とは全く違う山頂に着いた錯覚を生じる。例のトレースは大佐飛山にでも行ったのか北西に進んでいた。山頂からは北東に那須岳、南西には高原山その右奥に日光連山、目の前には安戸山稜線や小佐飛山稜線が展望できる。前回は笹が密集していたせいもあり、このような展望にはお目にかかれなかった。
 当初の計画通りに周回できれば、鴫内山頂は15時過ぎのはずだったが、まだ10時半。チョット物足りないが下山することにした。復路は途中で那須岳を見ながら快調に下る。尾根合流点からは東尾根を辿り、大佐飛山に向かったと思われるグループのトレースを所々拾いながら下ってゆく。標高が1050を切ると雪が少なくなって笹が姿を見せだすが、まだ寝ているので特に問題なし。送電線鉄塔22号からは東電巡視路を辿り、21号の横を通り三箇所で網戸を潜ると20号鉄塔でここから北西に進むと木ノ俣林道に出合って、すぐ先が巻川橋である。川崎ナンバーの車は残っていた。
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