ひとり山歩き234 : 那須塩原市の前黒山に登ってきました。新雪のついた前黒治山運搬道路は不明瞭で、途中から計画外の尾根に取付き、途中で計画の尾根に乗り換えて前黒山頂に達しました。登る途中では男鹿山塊や荒海山等の県境尾根を楽しみ、山頂からは高原山、日光連山や白根山が楽しめました。
前黒山(1678.3)
2006年3月22日(水) 晴れ
1 行程
ルートマップ 
自宅(3:00) = 日塩有料道路塩原側料金所前駐車場(5:00/5:40) − 前黒治山運搬道路口(前黒林道)(6:00) − 尾根取付き(8:00) − 標高点1343(8:10) − 尾根乗換え(9:10/9:25) − 前黒山(10:20/11:00) − 前黒林道出合(11:35) − 林道崩壊地点(11:55) − 林道復帰(12:05) − 前黒林道口(13:05/13:10) − 料金所駐車場(13:30/13:40) = 自宅(15:50)

2 自宅 − 前黒治山運搬道
 昨年までは雪山は残雪期にしか踏み込まなかったが、今年からは新雪の山にも行くようになった。先週、福島県の枯木山に湯西川からチャレンジしたが、新雪に戸惑いもあり、残念ながら枯木山には届かなかった。新雪の登りを経験するために、一昨日は横川から塩那道路に登ろうと出かけたが、川治温泉付近から降り出した雪は上三依で本格的になり道路も白くなってしまった。天気予報で大雪はないことは分かっていたが、雪道運転の経験がないので諦めて自宅へ戻った。
 今回は、新雪のついていると思われる前黒山に出かけることにした。前黒山から尾根をつないで明神岳を周回する準備もしたが、最大の目的は新雪のついた急斜面を登ることにおいた。念のためにワカンを持参したが、ピッケルでの坪足歩きを主眼として家をでた。日塩有料道路の路肩には雪が残り駐車できないと判断して、塩原側料金所手前駐車場を目指した。時間的余裕があったので、林道口まで様子を探りに出かけたがやはり路肩に駐車は無理だった。

3 前黒林道 − 前黒山  林道は雪で判別しづらい 途中で計画外の尾根筋を進む  山頂は南側の展望がよい前黒治山運搬道口
 前黒林道に入ると、予想通り数センチの新雪がついていて、前黒山を目指しているらしい薄いスノーシュー跡が残っていた。雪のついた林道筋は判別できるが、地形図にない林道もありそうで注意が必要。当面はスノーシュー跡を追うことにした。林道口をアイゼンをつけて歩き出したが、踝までもぐる程度の歩きで特に問題はない。途中で小屋、広場を見て進み、標高1180付近で北側が開けて、荒海山、白倉山、日留賀岳が束の間楽しめた。標高1200付近でスノーシュー跡は二股に分かれる。本道のように見える右の跡を追ってみるとすぐ先で谷に下ってしまうことが分かりスノーシ霧氷(標高1450)ュー跡も消えてしまった。数分のロスで元の所に戻り左の跡を追う。
 更に標高1280で踏跡は二股にまたまた分かれてしまった。ここも幅広の右に進むと、またしても谷へ下ってしまう。再び元に戻り左の跡を追うと、すぐにスノーシュー跡は消えてしまい、どうやらここで断念してスノーシュー氏は戻ったようである。北東に僅か進み南東に折り返すと、林道は吹き溜まり状態で歩きづらくなってしまった。林道筋は雪で見つけづらいと判断して、当初計画の尾根の北側に位置する尾根に取付いた。この尾根筋は前黒山頂直下の勾配がきつく、かなり梃子摺りそうに思える。ダメなら谷が浅くなったところで計画尾根に乗り換えるまで、と割り切ってダケカンバの目立つ尾根を進み、標高点1343を通過する。
 平端部は足が脛までもぐったが、やがて登りになると雪は締まり歩きやすくなった。しかし、標高1400付近の急登はアイゼンとストックでは登れなくなったので、ここからはピッケルを初めて使った。ピッケル片手ではな前黒山頂から高原山を望むんとなく不安感があり、もう一方にはストックという変則スタイルで尾根を登る。両ストックだと腕力に頼りがちだが、ストックだと腰がおりて安定感が増すような感じがした。急登をしのぐと、再びダケカンバの平坦地となって雪が深くなるも坪足でも支障は感じない。シロヤシオが多くなり、時にはこの尾根の延長である前黒山頂直下の急斜面を垣間見ることになる。急勾配は予想していたが、雪が付いているので登れるか不安になってきた。尾根筋は針葉樹の細尾根となり岩も多く、歩行速度が思ったほど上がらない。右手に登ろうとしていた尾根が見え出し、尾根間の谷が浅くなってきた。標高1500付近で谷が浅くなったの機に、谷渡りで尾根を乗り換えることにした。思ったよりは容易に隣の尾根に渡れた。
 先刻の尾根筋でもテープ類を見かけたが、こちらの尾根の方が勾配がゆるく、しかも林道で高度を稼げるせいか、テープは圧倒的に多かった。雪が比較的締まっているので、ピッケル使用と相まって確実に高度を稼げた。標高1550を越したところで尾根の右(南)側が開けて、釈迦ケ岳と明神岳が見えた。ここからはコメツガ、ダケカンバとシロヤシオの中を登ってゆく。樹木の枝に邪魔されるが、山頂も近いのでひとりでに元気が出る。細いダケナンバが目に付きだすと前黒山山頂に到着だ。
 山頂の積雪は、山部さんと栃木の山紀行さんの山名板のポールより判断すると、1メートル程度と思われる。山頂の南側は樹木が殆どなく、高原山、日光連山、白根山が見渡せる。北側は細いダケカンバ等に邪魔されて白い稜線が窺えるだけ。場合によっては、縦走しようと思っていた明神岳までの尾根筋も殆どが視野に入る。痩せ尾根が続き、しかも大嫌いな雪庇歩きも予想できる。見た途端にギブアップ!!  やるとしたらヤブの時期だと逃げの一手。

4 下山  シリセードを楽しみながらの下山  
 今日も天気はよいが夕刻から崩れてくるらしい。今のところはそのような様子はないが、長居は無用と下山することにした。尾根乗明神岳(中央) 鶏頂山(左) 日光連山(右) (前黒山頂から)換え地点までは自分のトレースを追う。雪の締まった場所でシリセードの練習。急勾配で調子に乗りすぎてスピードオーバーで怖かった!! ピッケルを始めて使うので制御方法も分からず、次からは傾斜の少ないところで練習。シリーセードを交えたこともあっては下りは早い!!  標高1400付近で林道に出合う。暫くはテープ類が多く空沢の右岸に沿って順調に下ることができた。
 途中に朽ちた木橋があるはずだが、ショートカットをしてしまったようだ。右手に一部土が露出したガレ場を横切る。更に下ると、林道の崩壊地点に達した。このあたりは笹が浮き出ていたが。崩壊地点の狭い部分を渡るのが嫌で、谷に一旦下りてみたところ恰も作業道に雪が積もっているような感じで歩きやすかった。このまま沢筋を下れば、標高1350から1300にかけての蛇行部をパスすることができそうだ。林道筋が明瞭とは限らない、谷筋の樹木の中を歩けば危険はないと決めて歩き出す。危険箇所は全くなく、往路で二回目に間違って谷に下ろうとした箇所に無事戻り、そのすぐ先で林道に再出合。以降は往路の自分の踏跡を追うだけで、途中で日留賀岳や荒海山を楽しみながら前黒林道口に戻る。 
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