ひとり山歩き229 : 阿世潟から阿世潟峠へのルート選択が悪くスノーシューでの登りに悪戦苦闘しました。尾根上には地肌が出ているところもあり、スノーシューをアイゼンに替えて歩きました。週末の金曜日ではトレースは残ってなかったが、一部を除いてはせいぜい脛程度の沈みで済みました。快晴で最高の眺望に恵まれました。
社山(1826)スノーハイクー
2006年2月10日(金) 快晴
1 行程
 ルートマップ 
自宅(4:55) = 立木観音駐車場(7:00/7:15) − 狸窪(7:50/8:00) − 阿世潟(8:30/8:35) − 稜線出合(阿世潟峠の西)(9:40/10:05) − アンテナのピーク(10:35) − 社山(12:25/13:00) − アンテナのピーク(14:00) − 阿世潟峠(14:40) − 阿世潟(15:00) − 狸窪(15:40) − 立木観音駐車場(16:30/16:45) = 自宅(18:50)

2 自宅 − 立木観音駐車場
 奥日光でスノーシューでのスノーハイクをWebで検索すると、刈込湖・切込湖、山王帽子山と社山が多い。今回もスノーシューで登ることを主に考えて社山を選んだ。天気予報によると今日は好天だが、金曜日ということでトレースが消えてしまっていることが予想された。悪天候で途中から戻るよりは遥かにまし、と考えて決行することにした。
 荷物を車に積み込み、食料も調達して、いつものルートで奥日光を目指す。スパッツと手袋を入れた袋を積み忘れたことに途中で気がついた。幸い30分のロスで済んだ。いろは坂は黒髪平からは多少の凍結あるも特に問題なく、立木観音駐車場に到着した。車載の温度計ではマイナス6度、雲も風もない。絶好のスノーハイク日和だ!!

3 立木観音駐車場 − 阿世潟  面に映える男体山を楽しむ  積雪は浅くスノーシューなしでも踝程度の沈み社山  (狸窪付近から)
 狸窪への道路は定期的に除雪しているようで、薄く残る程度で多少の注意を払えば特に問題なし。狸窪の車止めからは除雪されていないが、早朝で雪が締まっているせいか踝まで沈む程度。半月峠への道標を見て、早めにスノーシューを履く。所々で薄いスノーシュー跡が確認できたが、近々に歩いた人はいないようだ。体力的にはきついかもしれないが、雪山素人の自分にはよい訓練になる筈だ、といつもの強がりだか負け惜しみだかが頭の中を去来する。無風なので男体山が湖面に明瞭に映りこんでいる。樹木に邪魔されない絶好のポイントで写真を撮ったりする。そのすぐ先が阿世潟で阿世潟峠方向を示す道標を見るも、トレースは見当たらなかった。

4 阿世潟 − 社山  阿世潟峠への登りに苦闘  尾根上の雪は思ったより少ない  日光と足尾の山々を楽しむ
 トレースがないので磁石を合わせて進むと、リボンも適宜見かけるし、夏道脇の丸太杭の頭も見えるので問題なく進む。標高1350付近で大きな倒木が前を塞ぎ、直近に道男体山と中禅寺湖  (阿世潟付近から)標が見えた。地形図で方向を南西から南東に変える地点と判断して、雪に隠れた小さな木橋を渡ったがその先が皆目分からない。様子を探るべく目前の低い尾根に取り付こうとしたが、雪が崩れてなかなか登れない。休みながらあたりを窺うと、南西に鞍部が見えている。7・80メートルの登りと推定して、浅い谷筋を南西に直登し始めた。雪が軟らかくスノーシューで登っては滑り、登っては滑りを繰り返しながら50メートルほど登った。鞍部が近づくにつれて勾白根山方面 (アンテナピークから)配は急になり、掴まる樹木もなく進むに進めなくなってしまった。小刻みにジグザグを繰り返しながらどうにか稜線上の鞍部にたどり着いた。どうやら阿世潟峠の西側に位置する小さなコブを越した鞍部のようだ。足尾の備前楯山の上に富士山が姿を見せている。足尾の展望も阿世潟峠よりはよいようだ。
 消耗してしまったのでしばし休んで尾根を登りだす。雪が薄く場所によっては地肌が現れている。これではスノーシューでは歩きづらい、と判断してスノーシューをアイゼンに履き替えて出発する。雪は浅くせいぜい踝までもぐる程度だが、勾配はきつい。30分ほどで社山雨量観測局のあるアンテナのピークに登りつく。樹木がないから展望は抜群で、前方に社山後方に半月山、右(北)手には白根山から男体山そして中禅寺湖、左(南)には足尾の山々が一望できる。このピークから次の1567ピークの間は大嫌いな裸の痩せ尾根が待っている。今日の天気なら展望は先でも楽しめると先へ進む。
 ここの裸の痩せ尾根は雪が付いていなくても嫌らしい。足場を確実に確保しながら慎重に越した。次の1567ピークは左(南)を巻いて通過して、振り返ると男体山の右側に高原山が姿を見せ始める。これから暫くは樹木の薄い尾根社山山頂   (右は無雪期)登りが続く。裸尾根に近いので吹き飛ばされてしまうのか雪は浅い。これではスノーシューを履いていてもそのメリットは少ない。積雪の少ない山では重いスノーシューを引きずって歩くよりはアイゼンで歩いたほうが効率的だ。展望がよく写真を何度も撮る。スノーハイクで困った問題が二つある。ひとつはサングラスが発汗で曇ってしまうこと。これは発汗が収まるとひとりでに解決してくれる。もうひとつの問題が、手袋にある。手袋をしたままではカメラのシャッターがきれないので、その都度手袋を外す。汗をかいているので手袋の装着に時間がかかりイライラする。手袋を薄くすると保温効果がなくなるので今のところどうしようもない。そのうちよい知恵も浮かぶだろう。
 標高が1750メートルを越すと中禅寺湖側は針葉樹林となり、雪が風で飛ばされないのか尾根上の積雪は深くなる。せいぜい膝下までの沈みだが、そうなると動物は賢く針葉樹林との境界付近に足跡を残してくれる。動物を真似て針葉樹林境界付近を歩くと足の沈みが少ない。足尾側の展望は山頂まで続いた。今まで何回も歩いているがこれほど展望がよいとは思わなかった。予想より大部時間がかかってしまったが、どうにか社山山頂にたどり着いた。山名板の高さを無雪期と比べると積雪は少なく、50センチもないようだ。山頂からは中禅寺湖側が樹木に邪魔されて遠望が広がらないので、社山山頂からは眺望がよくないとばかり思い込んでいたが、足尾側の展望には大満足(山頂西端のように黒檜岳への稜線は見えないが)。

5 下山  展望を楽しみながらの下山  男体山・太郎山・山王帽子山   (標高1750付近)
 いつものことだが、登りに比べたら下りは体力的には楽だ。往路に比べたらはるかに展望を楽しめたが、高所恐怖症の気があるので裸尾根を歩くのは相変わらず恐々の歩きでペースが上がらない。前月末に下った外山から湯元への稜線の方が勾配はきついが、樹林の中を歩くので気分的に楽だった。1567ピークとアンテナのピーク間の痩せ尾根を通過してホッとする。
 好展望もここまでで、急勾配の尾根を注意しながら下る。往路で登りついた鞍部の先の小ピークを下ると説明板と道標の設置された阿世潟峠で、中禅寺湖側にも足尾側に道筋が窺えた。峠からは夏道の丸太柵に沿ってジグザグに下る。地形図で北西に下るようになると柵の上部は見えるが、積雪が深くなり膝上までもぐろようになった。下りだからよいが、登りだとここを通過するのも厄介だ!! 低い尾根が迫ると柵が突然消えてしまった。低い尾根の末端を越すと、往路で見かけた倒木と道標のところ。往路で登りつめた鞍部までは夏道を追っても時間的にはあまり変わらないような気がする。スタミナ消耗という点では夏道を追うのがベターのように思える。 道標からは往路のトレースを忠実に辿って阿世潟、狸窪そして立木観音駐車場に戻る。 
HOME
inserted by FC2 system