ひとり山歩き227 : 湯元スキー場から前白根山までスノーハイクを楽しんできました。スキー場から外山尾根までは積雪は少なく、スノーシューよりも坪足のほうが早く登れるようでした。天候には恵まれ山頂からは360度の雪景色を楽しむことができました。
スノーハイク 湯元から前白根山(2373)
2006年1月29日(日) 快晴
1 行程
ルートマップ 
自宅(4:30) = 湯元温泉ビジターセンター駐車場(6:25/6:45) − 登山口(7:50) − リフト最上段降り口(8:20)− 外山分岐(10:30/1035) − 天狗平(11:30) − 前白根山(11:55/12:40) −天狗平(12:55) − 外山分岐(13:15/13:25) − リフト最上段降り口(14:20) − 登山口(14:45) − 駐車場(15:25/15:40) = 自宅(17:50)

2 自宅 − 湯元温泉
 1月24日にスノーシューで足尾の中倉山を目指したが、積雪が少なくスノーシューは殆ど使用できなかった。スノーシューでの登攀力を試すには湯元温泉から外山分岐までの急登がよいと決めて天気待ちであった。日曜日は基本的には山には行かないことにしているのだが、29日は快晴で風も少ない好条件が得られそうなので、急遽出かけることにした。
 いろは坂を冬季の早朝に登坂した経験がないので一抹の不安はあったが、このところ好天が続いたこともあり、僅かに凍結部が残るが不安を感じるようなことはなかった。中禅寺湖温泉から湯元までも通常の所要時間と変わらなかった。湯元温泉ビジターセンター駐車場に着いたときには先着車が一台しかなかった。

3 湯元スキー場 − 前白根山  登山口から白根山までスノーシューで登り大満足  好天で眺望にも恵まれた
 車載の温度計では−16度を示していたが暖房の車から社外に出た感じでは寒さは感じない。登山靴を履きスパッツをつけている間に指先が冷えたので車内で暖をとって出発する。スノーシューを背負ってスキー場に向かう間に何人かと出合ったが、この時間帯に活動しているのは三脚とカメラを外山分岐(左) 天狗平(右)担いだ人で登山者やスキーヤーはまだ活動していない。
 スキー場内では盛んに雪ならならしが行われている。ゲレンデを歩くわけには行かないので、リフトの北側を坪足で歩く。雪はけっこう締まっているので踝程度の沈みですむが時々は膝ぐらいまでもぐる。リフト終点付近の白根山登山口には頭だけを覗かせる「白根山」の道標が見えた。ここで早くもスノーシューを着用。
 ワカンかスノーシューか分からないが古い跡がかすかに残っている。この跡とマークを追うのだが、ルートを外れると吹き溜まりで落とし穴が待っている。ルートを追っていれば急登に悩まされるがスノーシューがもぐることは殆どない。スノーシューの練習に来たのだから無理して履いて登ったが、つぼあしで登った方がよほど楽のようだ。スキー場のリフト最上段降り口の施設のせいで雪が吹きだまっていて越すのに一苦労した。
 コメツガ樹林の中だから展望はないが、標高2000付近では右(北)側には日当りのよい中曽根稜線が見えただけ。こちら側は日当りは全くないが、寒いという感じはない。再び樹林の中に入ると積雪が浅くなり根が出ている。こんなところはスノーシューは無用の長物だが、脱着とザックへの装着が面倒で履いたまま登ってゆくと、アイゼンだけで登ってきた人に追いつかれた。地元の人でルートをよく知っている。アイゼンで登り、ワカンは外山分岐から前白根山まで尾根を歩くときにのみ使うとのことであった。あっという間に姿が消えてしまった。前方に光が差し出した。外山分岐は近いと元気を取り戻す。外山分岐付近は雪が少なく道標が根元まで見えた。日光連山 手前ピークは外山  (外山尾根から)入れ違いに件の人はワカンを装着して出発した。富士山が見える!! 今日は雲も風もなく予想通りこれからの展望が期待できる。
 外山分岐から天狗平へ夏道は尾根の北側をトラバースするようになっている。踏跡は雪で消えているので、ルートを探しながら行くのは煩わしい。尾根筋にはスノーシューの活用の場がある、と件の人が言っていたのを思い出し、真新しいワカンのトレイルを追うことにした。尾根筋も最初は針葉樹林の中だったが、2325ピークへの登りになるとダケカンバ疎林で明るくなり、気持ちよくスノーシューで歩けるようになった。先行者のワカン跡と比べてみるともぐり具合はあまり変わらない。体重がもぐり度合いに大きく寄与しているようだ。先行者は自分に比べたらかなり身軽のようだった!! 疲れて振り返ると日光の山々がクッキリと見える。やっと本来のスノーハイク気分に浸れるようになった。ノンビリしていたら次の登山者が目に付きだした。標高点2325の小ピークを僅か下った鞍部が天狗平で道標がしっかりと見えていた。
 夏道もこの先は同じになる。次の小ピーク付近からの眺めもよい!! 写真を撮っているうちにアイゼンだけで登ってきた人に追い越されてしまった。このピークからの下りは岩が露出していてスノーシューでは歩きづらいが、岩を踏まないように気をつけて下る。前白根山への登りではアイゼンの人は疲れているようで休み休み登っている。前白根山の山頂部は雪が風で吹き飛ばされてしまうのか地が現れていた。スノーシューを脱いで360度の全展望を楽しむ。真っ白な奥白根山、五色山と白根隠山は間近。五色沼は完全に氷結している。遠望では男鹿山塊、高原山、日光連山、皇海山言うまでもなく富士山も。展望を楽しむには今日は最高だ!! 

4 下山  アイゼン着用で安心して下れたのだが、スキー場を脱出するのに今日一の苦戦 !?白根山と前白根山(右)
 アイゼンを着用して下山にかかる。スノーシューに比べて軽い!! 天狗平を挟んだ小ピークもトレイルを追うので、せいぜい膝までもぐる程度で往路に比べたら労力は比較にならないくらい軽い。おまけに日光連山を見ながらの下りで身も心も軽い。外山分岐までは35分で無雪期の夏道経由と変わりなかった。外山へ寄ってみようかと思ったが、標高にして40メートル程度なのにかなり高く見える。実際以上に高く見えるときは疲労が溜まっている証拠。これから登山口まで急傾斜を下りるので自重する。
 外山分岐からの下りは悪路で無雪期には歩きたくないルートのひとつ。窪みを雪が埋めているので膝を痛める心配はないが、勾配が急なので滑落には注意が必要。初めて着用した12本爪のアイゼンは雪をよく捉えててくれる(多分に気分的な面もあるが)。滑落の心配はなかったが、二三度踏み抜くも大事には至らなかった。標高2000付近で斜面をスキーで登ってくる人に出合った。雪が思ったより少ないですね、と嘆いていたのが印象に残る。リフト最上段降り口まで下り、ポカリスエットを飲もうとしたら、量が少なくなったせいか、液が完全に氷結してしまった。仕方なしにテルモスを取り出してお湯を飲もうとしたら、蓋を落としてしまい、あっという間に斜面を転がっていてしまった。
 まだまだ急降下は続いたが、やっとスキー場から流す音楽が聞こえるようになり、スキー場を見下ろしながら写真を撮る。登山口まで無事下ることができた。時間は無雪期に比べてかかったが、抉れた道がなかったので楽だった。実際にはアイゼンを履いているが制動をかけるために脚に力は入っていたのだが。
 スキー場入口までは往路で歩いたようにスキー場の北端をゲレンデを踏まないように歩いたのだが、気温上昇により膝まではズボズボもぐってしまう。更に下ってゆくとゲレンデの端で初心者が講習を受けているので、更にゲレンデの端から離れると益々もぐりこんでしまう。気持ちと上体ばかりが前に進み脚は進まずで二度も転倒してしまった。この転倒のときに帽子の上に乗せていたサングラスを落としてしまったようだ。ゲレンデの外側にはスノーシューのトレイルが多数認められた。スノーシューを履けばよいのだが、装着が面倒だ。自分のような横着者にはスノーシューは相性が悪いようだ。30分もかかってやっとスキー場から脱出できた。出掛けは2台しか駐まっていなかかった駐車場は満杯に近かった。
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