ひとり山歩き220 : 足尾町の内篭川沿いから尾根に取付き石倉山に登り、尾根伝いに地蔵岳まで歩き粕尾峠に下りました。そして舗装道を勝雲山登山口まで歩き、勝雲山に登って都沢林道に下りました。葉を落とした尾根からは赤城山、袈裟丸山、皇海山、白根山、男体山、女峰山更には足尾の山々を見ながらの尾根歩きを楽しむことができました。
足尾から石倉山(1109)〜地蔵岳(1274)〜勝雲山(1322)周回
2005年12月1日(木) 快晴
1 行程
ルートマップ    
自宅(4:35) = 登山口(足尾町県道15号新旧合流点)(6:15/6:35) − 三角点988.6 − 石倉山(8:25/8:40) −県境出合(9:25) − 標高点1143(10:00) − 地蔵岳(11:15/11:35) − 粕尾峠(12:10) − 勝雲山駐車場(12:55/13:05) − 勝雲山(13:15/13:30) − 都沢林道出合(14:30) − 県道15号出合(14:50) − 登山口(15:00/15:10) = 自宅(16:50)

2 自宅 − 登山口
 これからは高い山は積雪するので、暫くは県南の低山歩きに復帰する。県南の主要尾根でまだつながっていない部分を優先して歩くことにする。横根山付近は冬季に積雪するので、今の内に歩いておきたい。その手始めとして石倉山〜地蔵岳〜勝雲山を周回することにした。
 石倉山への取付きは足尾町向原の国道122号から県道15号に入り、新道と旧道の合流点とした。所要推定時間は9時間程度であり、暗くなるまでには充分歩行を完了できる。尾根取付きは明るくなってからと決めて家を出た。自宅からは県道15号で粕尾峠方面から下ってきたほうが距離は短いが山道なので、日光経由で来ても時間的には同じ。国道122号バイパスから県道15号新道に入って約300メートルで新道旧道の合流点でここから尾根に取付く。付近の路肩に車を駐めて登山の準備を整える。

3 登山口 − 石倉山  藪のない尾根を遠望を楽しみながら歩く三角点988.6付近
 カラマツ植林の尾根の右下をトラバース気味に急登する。リョウブ主体の落葉樹林に一時変わるが再びカラマツ林となって、やがて右下から尾根を合わせるとミズナラ林となり勾配は幾分やわらぐ。歩を休めては後方の中倉山、備前楯山、赤倉山辺りを枝越しに眺めては呼吸を整える。ミズナラはほぼ葉を落としているので遠望ができるので気分転換になる。右(東)にこれから行く勝雲山、後(北)には男体山が頭を覗かせている。緩やかに登ってゆくと小ピークの手前に三角点(988.6)を見つける。
 三角点先の小ピーク(1020)からは西に袈裟丸山、皇海山、白根山が認められ、今日のコースは処々で枝越しではあるが展望が楽しめそうな予感がする。このピークからは方向を南から南西よりに進むようになり、右手は植林、左手は自然林がしばらく続く。暫くはアップダウンが続き、小さなコブを幾つも越して進む。時には尾根を合わせるが迷うような地形ではない。尾根上に藪は皆無で、展望も楽しめるし、このような尾根歩きが一番楽しい。よく藪尾根を歩くので藪好きかと思われる。実際はそうでなく、藪があるから仕方なしに漕いでいるのである。
 「水源保安涵養林」の看板のあるピーク(1050)を下ると、尾根の両サイドがミズナラになり、緩やかな登りとなる。石倉山は間近となるが勾配が緩やかなので素通りしてしまいそうな地形である。一番高い所が石倉山山頂で達筆標識と山部3Dプレートが同じ立木に上下して掛かっていた。3Dプレートは2年前に来たときには、山頂から更に南西に進んだ三角点付近に掛けてあった。どなたかが移したのであろう。山頂からは袈裟丸山、皇海山、白根山、男体山が窺える。地蔵岳と横根山はいうまでもない。枝越しで写真には撮れないが、視認するには充分である。

4 石倉山 − 地蔵岳  小さなアップダウン多いが展望があるので疲れを感じない男体山と女峰山(奥) 南岸尾根(中)  (地蔵岳の南県境尾根から)
 石倉山から南西に下って僅か登り返すと三角点1109.1が設置してある。ここからはほぼ南に向かって県境尾根を目指す。石倉山まではリボンの類は皆無だったが、急ににぎやかになる。踏跡も認められるので地形図やコンパスでルーファンをする必要はない。1100メートル級のコブ三つ四つ越すとミヤコザサが林床となる。鞍部付近で右(西)が開けてに袈裟丸山、赤城山と近くは大萱山が見通せる。更にアップダウンを繰り返して小さなコブに登ると、ここが県境尾根出合で境界杭bU63を認める。
 県境尾根には顕著なピークがないので現在位置が捕らえにくいが、ルーファンが特に難しいということはない。もし不安ならb付した境界杭を追え地蔵岳山頂ば安心できるであろう。右(南=群馬)側が植林で左(北=栃木)側は自然林で、時には尾根の群馬側をトラバースすると植林で鬱蒼としていてすぐに逃げ出したくなる。この尾根筋にも小さなコブが多いが、処々で姿を現す日光の山々が疲れを和らげてくれる。方向が南東から北東に変わるとすぐ先で標高点1143の小さなコブを越す。
 標高点から僅か下った鞍部になると、藪となる程ではないスズタケが姿を現す。鞍部で右脇に林道を見た。この林道は尾根に沿って南側を走っている(’03年4月に葛生方面から地蔵岳に登ったときに途中で歩いた林道の延長と思われる・・・ひとり山歩き87参照)。鞍部から両サイドとも自然林となり、ワイヤーと赤テープのある小ピーク(1150)に達する。ここで方向を東に変えるので、目前に見える地蔵岳にひかれて直進しないよう注意が必要。大岩を巻いたり割ったりしながら登ってゆくと、途中で左手の枝の隙間から日光連山、中禅寺湖南岸尾根を眺めながら一息入れる。
 小ピーク(1220)からは向きを北寄りに変えて進む。鞍部からの登りになると日光社寺の境界杭83と県境界杭bV54を見る。ここから県境尾根は南東へ下ってゆく。前回はこの尾根を残雪の中登ってきたことを思い出す。県境尾根分岐から北に数分登ると1240ピークで前地蔵岳の山名板を見る。ここからは袈裟丸山と赤城山が視認できた。30メートルほど急下降して鞍部から70メートルほど登り返すと見覚えのある地蔵岳山頂に到着した。山頂には三角点と石祠があり、東側が開けていて横根山から方賽山が見通せる。山部3D、M大に加えて←前地蔵岳の山名板を見る。

5 地蔵岳 − 勝雲山  登山道と舗装道歩きで楽をする。処々で展望を楽しむ勝雲山 左奥は夕日岳周辺   (展望岩から)
 山頂から北西そして北に向かう明瞭な踏跡を追う。テープ類も多いので迷う心配はないが、砂地や落葉で滑りやすいので転倒に注意する。山頂から5分ほど下った展望岩に乗ってみる。横根山から夕日岳にかけての展望が広がる。惜しいことに女峰山から男体山は枝に邪魔される。1120メートルの小コブから方向を東に変えてほんの僅か下った鞍部が地蔵平で思川源流5分の道標があるが、無視して左手を見ると首欠地蔵が祀ってあった。道標の先から登山道は尾根の左(北)側をトラバースしながら下ってゆく。女峰山〜男体山と中禅寺湖南岸尾根を垣間見たりしているうちに県道15号に飛び出した。ここから3分ほど右へ登ると粕尾峠に達した。
 粕尾峠から勝雲山登山口までは、高原状で尾根筋が明確でないこともあるが、今回は時間の都合で舗装した県道58号を歩くことにした。道路左手の尾根筋は膝ないし腰程度のミヤコザサが生えている。いつか歩くことがあるかもしれないが大した抵抗にはならないだろう。右手にはヤマハの所有地らしく立ち入り禁止の看板が多い。平日ということもあって一般の車よりも工事の車の方が多いようだった。勝雲山登山口を僅かに通り越した駐車場付近の様子を探る。駐車場右(南)手はカヤの生えた平坦地で、昔は開拓地だった?
 駐車場から100メートルほど戻った登山口の右(北)に明瞭な踏跡が見えた。これは都沢林道につながる地形図の破線のように思われる。下山時にこの破線路をたどるかもしれないと頭に入れて石階段を登る。登るにつれてミヤコザサが多少はみ出しているが歩行の障害にはならない。山に登っているというよりも少しばかり藪っぽい高原を歩いている感じ。登山道に沿って電線が敷設されているので気楽に歩いていると、アンテナ塔と建家に出合う。この施設は足尾町の消防防災無線施設勝雲山中継局でその奥が勝雲山山頂でカラマツ林の中に三角点と山部3Dプレートと栃木山紀行の山名板を見る。
 山頂の南西約100メートルに大きな電波塔があるので、中間の草原で一休みしながら下山ルートを検討した。電波塔付近から袈裟丸山から皇海山あたりを見て下山にかかる。

6 下山  カラマツ袈裟丸山を望む (勝雲山山頂付近から)林の勝雲山北斜面を下る  藪も危険箇所なし
 登山口まで戻って破線路を辿り都沢林道に下ろうかとも思ったが、破線路は谷を通っているので消えているところが多いであろうし、谷を歩くのは自分の好みに合わない。地形図をチェックすると都沢まで針葉樹林の記号がついている。山頂がカラマツ林だから下までカラマツ林が続くであろう。明瞭な尾根筋はないが、等高線が混んでいないので斜面を下っても勾配はきつくないと判断して北斜面を下ることにした。
 あまり西よりに下りすぎると都沢の渡渉が待ち受けている。これを避けるために目標としやすい真っ白な白根山を目指して北西に下ることにした。地形図から分かるように等高線間隔は広いが小刻みなギザギザが多い。即ち標高差の小さな谷と尾根が入乱れていることを意味する。実際に下ってみると予想通りで、方向だけを合わせて谷と尾根を適当に下った。藪はなく枯れ枝だけを注意すればよかった。標高1100位からは地形に任せて歩くとかなり西よりに下ることになった。途中で炭焼き跡と思われる石組みを二箇所で見た。ICレコーダーに吹き込む声にびっくりしたのか近くの茂みから二頭の猪が逃げ出した。特別の障害もなく都沢林道に無事下山できた。
 林道を数分下ると内篭橋を渡って都沢の右岸歩きとなった。ここから15分で関東ふれあいの道説明板が設置してある県道15号に出合う。県道を10分下ると登山口に戻れた。今日は予想時間9時間にたいして8時間半でほぼ計画通りの歩きができた。
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